転生したのに死ぬ前提?最高だね(`・ω・´)   作:吉田

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新学期早々風邪引いたぜイェイ☆
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タイトル編集(9/26)


第ニ章 Facing "Sword Angel"
第十六話:サバゲーやりてぇ......


魔術喰い(カニバルキャンディ)騒動が終わり、ようやく学院生活が落ち着いて始められそうな頃。

寮のベッド......否、小上がりに俺は寝転び、蛍光に照らしながらパールホワイトに輝くシルク地の手袋をかざして様々な角度から見ていた。

......最近俺の寝床=小上がりなんだが、そろそろ腰が痛くなってきた......

いい加減まともなところで寝たい......orz(切実

 

「へぇ、これが手袋かぁ......豪華だなぁーーん?」

 

ふと金の糸で刺繍されている文字を見つけ、じっと見つめてみる。

 

「そこは見るな!」

 

「うわっ、雷真! なにすんだよ!」

 

と、不意に手袋を取り上げられ、俺は慌てて起き上がった。

 

「これ以上は機密情報だ!」

 

「手袋にそんなのがあってたまるか! ......ははーん、わかったぞ。登録コードを見られたくないんだな?」

 

ちゃっかり金の糸で刺繍されている文字が見えないように手袋を抱える雷真にニヤリとしながら言う。

それはどうやら図星だったようで、彼はうっと小さく唸った。

 

「さしずめ登録コードは下から二番目(セカンドラスト)だろ?」

 

「う、うるせぇよ! 言っておくが俺が申請したわけじゃないからな!」

 

「ははっ、わかってるって。どーせキンバリー先生なんだろ?」

 

俺はケタケタと笑いながらドンマイと彼の背中を叩いた。

 

「うぅ......」

 

どうやら当たっているらしい。

雷真は唸りながらベッドに顔をうずめ、足をドタバタさせた。

 

「なんでこんなクソッタレなコードなんだよ、ちくしょう!」

 

「1235位だからに決まってんじゃん」

 

「お前までそれを言うか!」

 

ぐわっ、と起き上がって鬼の形相でこちらを見る。

 

「まあまあ雷真、落ち着いてください」

 

そこへ夜々が宥めに入り、雷真は渋々と言った様子で落ち着く。

そんなこんなで、久しぶりにゆったりとした時間にふと前世で男友達とよく遊んでいたあることを思い出した。

 

「あーぁ、サバゲーやりてぇなぁ......」

 

「サバゲー? なんだそりゃ?」

 

ポロリと零れた内容に、雷真が体を起こして問いかける。

俺はその言葉に信じられないという思いで答えた。

 

「は? 知らねーの? サバイバルゲームの略だよ。敵味方に別れたチーム同士エアガンで撃ち合うんだ」

 

「......だ、だめだ......ついていけん......」

 

「嘘だろ、おい......あ、そうだ」

 

謎の沈黙後、結局返ってきた反応にガックリと項垂れる。

と、頭の中に浮かび上がった名案に俺はついニヤリとした。

 

「今度時間があったらやろうぜ!」

 

「サバゲー......って奴をか?」

 

「おう! あ、でもエアガンがねーか......まぁ割り箸と輪ゴムでなんとかなるよな

ーー......やべぇ、男の血が騒ぐぜ......ルールとやり方だけ説明してやっけど、やるからにはぜってぇに負けねぇからな」

 

「なんかやる気に満ち溢れてないか......?」

 

「当たり前だ! サバゲーだぜ?! 雷真もサバゲーの楽しさ覚えたら絶対に忘れられなくなるから!」

 

「ははっ......そ、そうか......」

 

視界の端で、雷真が引き気味のような気がするのは気のせいということにしておこう。

 

「おーい、むさ苦しい男ども。お前らにお届け物だぞー」

 

ふと部屋の扉がノックされたと同時に寮監の声が聞こえ、俺はムッとしながらも返事をして扉を開ける。

そこにはダンボールを抱えた寮監が立っていた。

 

「先生、もっと他に良い呼び方なかったんですか」

 

「実際そうだろ、男2人の部屋って」

 

「だとしてもせめてオブラートに包んでくださいよ〜......」

 

「あーもーわかったから。ほら、とっとと受け取れ」

 

「おわっと」

 

ほとんど投げやりに渡されたダンボールをなんとか受け取り、その重さにびっくりしてしまう。

 

「軽っ」

 

「そいじゃま、俺はお暇するぜ」

 

「あ、はい。これありがとうございました!」

 

俺の礼に、先生は手を振りながら去って行く。

俺は先生の姿が見えなくなった後部屋に戻り、ダンボールを床に置いた。

 

「なぁ、リュウ。さっき寮監の言ってた俺ら宛の届け物ってそれのことか?」

 

「ちょっと待ってろって」

 

サバゲーで盛り上がった熱もすっかり冷め、通常運転に戻った俺はダンボールに貼られた伝票を指で追って読んでいく。

 

「へ? 爺ちゃんと婆ちゃんからだ」

 

「爺ちゃんと婆ちゃんって、リュウのか?」

 

「あぁ、うん。そうなんだけど」

 

俺は雷真にそう返しながらも急いで封を切った。

 

「あ、これって!」

 

そうして現れた中身は紺色のスーツだった。

それもただのスーツじゃない、ドラクォのリュウが着ていた(と思しき)レンジャースーツだ。

 

「なんだ、それ?」

 

雷真が興味深そうにレンジャースーツを見る。

夜々も気になっているようだ。

とはいえ話したところで理解してもらえないのは火を見るよりも明らかなので誤魔化す。

 

「あ、いいのいいの。気にしなくて」

 

俺は鼻歌交じりにレンジャースーツを取り出す。

 

(ん?)

 

その下にあった小さな包み箱と手紙が気になったが、俺は「後でいっか」とさっそく試着した。

 

「きゃっ! リュウさん、こんなところで着替えないでください!」

 

夜々が目を覆いながら文句を付ける。

俺はうん?と自身の体を見てみて、一気に顔が赤く......なることはなかった。

 

「別にいいだろ? そんな酷い体してるわけじゃあるまいし」

 

言いながらとっととズボンを履き、ジャケットを羽織る。

夜々は頬をわずかに染めて顔を隠しながらも、チラチラとこちらを見ていた。

自慢?じゃないけど、それなりに筋肉は付いてるから見られて恥ずかしい体をしてるわけじゃないと思う。

これが脂肪たっぷりのお腹だったりしたらさすがに恥ずかしい。

というか、それ以前に人の目があるところで大胆に着替えようとはしないと思う。

 

「へぇ、似合ってるな。かっこいいぞ、リュウ」

 

「そ、そうか?」

 

「あぁ」

 

雷真の言葉に俺は少し照れ臭くなった。

 

「あ、そういえば雷真。お前にもなんか届いてたぞ」

 

そこで小さな包み箱のことを思い出し、俺は雷真に手渡す。

雷真は自分のベッドに腰掛けるとさっそく封を切った。

それを見た俺も手紙の封を切る。

そこに書かれていた内容はこうだった。

 

『親愛なるリュウへ

 

 学院生活はどうだ? 機巧魔術(マキナート)は初めて習う単元だから苦労していると思う。だが、それを学びたいと言ったのはお前自身なのだからめげずに頑張ってほしい。私達はいつでもお前を応援しているよ。

 そうそう、最近大掃除をしていたら私達の先祖が着ていたレンジャースーツが見つかったからお前に送っておいた。レンジャースーツを着たお前を見れないことが少し寂しいが、元気ならそれでいい。

 小さな包み箱はお前のルームメイト宛てだ。遅くなったが、これからリュウが世話になると伝えておいて欲しい。

 最後になるが、たまには電話を寄越して私達に声を聞かせてくれ。

 

お前の祖父母より』

 

「夜々! 見てみろよ、リンゴだ!」

 

手紙を読み終えたところで雷真が声をあげ、中に入っていたリンゴを夜々に見せる。

 

「わぁ、結構大きいですね!」

 

「だろ? なんか旨そうだよな」

 

二人が楽しそうに話すのを見て、俺は温かい気持ちになりながらアジーンの姿を探した。

 

(あれ? アジーンがいない?)

 

が、いくら見回しても見つからず、つい眉間にシワが寄ってしまう。

 

「どうした、リュウ?」

 

それに気付いた雷真が尋ねてくるが、俺は首を振った。

 

「いや、なんでもねーよ」

 

「そうか」

 

雷真はそう言って夜々と再び話し始めた。

 

(あ、そっか)

 

そこでふと、今日の朝“少し用事がある”と出掛けて行ったきりなのを思い出した。

 

(「アジーン? 今どこに居んだよ?」)

 

俺はテレパシーで呼び掛けてみたが珍しくアジーンの反応はなく、奥の手でアジーンの記憶をリアルタイムで盗み見てしまおうかととも思ったが結局は止め、そのうち戻ってくるだろと再び畳の上に寝転んだ。

 

 

地上から遠く離れた、『廃棄ディク処理施設』と呼ばれていたフロアにそいつは佇んでいた。

すでに骨のみと化した竜の死体を見上げ、小さく首を振る。

 

「随分と来るのが早いな、オリジン。昔を懐かしんでいたのか?」

 

そいつの振り向いた先には魔力がないにも関わらずトランスを発動させ、巨大な翼竜の姿を取り戻したアジーンがいた。

 

「戯言を抜かすな。お前のそれはつまらん」

 

「ふんっ」

 

オリジンと呼ばれしその男性に言われ、アジーンはつまらなさそうに鼻を鳴らしたあとトランスを解く。

小さな竜の姿へと戻ったアジーンはパタパタと飛んで竜の骸の前を遮るフェンスへと留まった。

 

「それで、例の器は?」

 

「今はまだなんともーーだが、器として成熟しつつあるのは確かだ」

 

それを聞いたオリジンが小さく微笑み、近くのフェンスへともたれる。

 

「覚醒は?」

 

その問いにアジーンは頭を振った。

オリジンの表情がわずかに険しくなる。

 

「どういう意味だ。言ってることが違うぞ」

 

「トランスーーあいつはそう呼んでいたが、あれは現代の枠から出ない範囲で力を行使しているだけに過ぎない......どんな形であろうとも力は使えば使うほどその身を蝕む」

 

「そういうことか......現代の枠、といえば機巧魔術(マキナート)か?」

 

「機巧魔術......あれは現代における戦争の道具だ。その昔、竜がそうであったのと何一つ変わらない。......小さき友の開いたこの世界が再び戦火に包まれるのなら、自ら世界を閉じるまでだ」

 

その言葉に、オリジンは天井を見上げる。

 

「やはり人は、再び空を手にする......それだけの価値は無かったのだな」

 

「いや、少なくとも価値はあった......新たに刻まれた長い歴史に埋れてしまったがな」

 

それに釣られてアジーンも天井を見上げる。

 

「人はどこまでも愚かだ。平和が人の傲慢さを生むのなら......そんなもの無くていい」

 

 

「うっ、腰痛ェ......」

 

ふと寝返りを打った途端走った痛みに俺は目が覚め、寝ぼけ眼のまま時刻を確認する。

と、時計は深夜1時を示しており、まだまだ日は上りそうになかった。

ま、当然っていや当然なんだけど。

 

「あ、ベッド空いてら」

 

どうせ今日も夜々が占領してるんだろうな、と思いつつ一応確認してみると驚いたことにベッドは空っぽで、俺はつい嬉しくなりながらもベッドに寝転んだ。

 

(あ、やっべぇ......ちょーコレいい......)

 

少しカビ臭い(トータス寮とはいえ万全を尽くしたがこれだけは取れなかった)マットレスに、小上がりですっかり硬くなった節々がフィットしていくのを感じながら小さく溜息を吐く。

......ん? 待てよ?

夜々が俺のベッドを占領してないってことは......

 

「?!」

 

俺はとっさに起き上がって隣のベッドを見てみると、そこには雷真の背中にピッタリとくっつきながらも眠る夜々の姿があった。

一緒にベッドの上......しかも布団の中ってどんだけ器用に入ったんだと突っ込みたくなるが、雷真が可哀想に思えてきたので今はおとなしく寝せてあげよう。

どうせ起きたら夜々と一悶着あるんだから。

 

「ん?」

 

ふとコツコツと窓ガラスを突つくような音が聞こえ、俺は忍び足で窓に近付き、カーテンを開けるとそこにはアジーンがいた。

 

「!! アジーー」

 

呼び掛けて、言葉を飲み込む。

普段の様子とはかけ離れていたからだ。

 

(「今までどこに行ってたんだよ?」)

 

一応二人を起こさないようにテレパシーでそう尋ねる。

だがアジーンは答えることなく窓から外へ出、屋上に行ってしまった。

 

(「あ、おい!」)

 

俺は慌ててトランスを発動し、アジーンのあとを追う。

 

「アジーン、お前様子が変だぞ?」

 

屋上に着いたところでトランスを解き、アジーンの側に寄る。

アジーンはギュッと屋根に爪を立て、顔を背けていた。

 

「......リュウよ、お前は人のことをどう思っている?」

 

「ひ、人?」

 

唐突な質問に、俺は自分でも顔が険しくなるのがわかった。

 

「そうだなぁ......」

 

腕を組み、じっと考えてみる。

そうして浮かんできたのは転生する以前の記憶ばかりだった。

 

誰かを教える人がいる。誰かを救う人がいる。社会に貢献する人がいる。誰かを傷付ける人がいる。誰かを騙す人がいる。物を盗む人がいる。罪を犯した誰かを捕まえる人がいる。罪人を裁く人がいる。誰かを楽しませようとする人がいる。

 

それは先生と生徒の関係かもしれないし、患者と医者の関係かもしれない。消費者と生産者の関係や被害者と加害者の関係、警察と犯罪者の関係だって考えられる。

 

それは全て対等だからこそ存在している気がする。

植物を育てるときに水ばかりあげて、栄養をあげないでいればその植物はいずれ死んでしまう。

人ってそういうもんなんじゃないかな、なんて思ってみたり。

なにかが欠けてたらダメなんだ、きっと。

 

そういえば『ブレスオブファイア4〜うつろわざるもの〜』も人について考えさせられるような内容だったっけ。

まぁ、考えさせられるって言ってもたかが知れてるけどな......所詮ゲームだし。

でも、あそこまで壮大な物語と同じってわけじゃないけど、改めてそんなことを聞かれると中々に返答に困る難しい問いかけだった。

 

「良い面も悪い面もあるーーってーか、悪い面のほうが多いかもしんないけど、お互いが作用しあってなにかあっても乗り越えられるのが人......なんじゃねーかな。でも、それはどの生き物に対しても変わらないんだと思う......。俺的には悪い面だけ切り取って良い面だけの人なんてそんなの人じゃないと思うけどな。そんなのはただのバケモンだーーところで急にどうしたんだよ? こんなこと聞いてくるなんて、お前らしくない」

 

「......いや、なんでもない。こんな時間に起こしてすまなかったな」

 

アジーンは首を振って部屋へと戻ってしまい、結局教えてはくれなかったがアジーンの記憶を覗こうとは思えなかった。




ようやくリュウの容姿が定まったので、ついでにキャラ紹介。

リュウ・ヴォルフィード
学院の二回生で雷真と共に編入してきた。編入時点で1024位。
茶髪のナチュラルヘアーで、身長は160cmほど。
普段は礼服を着ているが此度でレンジャースーツに。
友達や家族思いだが、所々で面倒臭がりな一面や何も考えずに事を成す一面を持つ。
前世の罪を償うために転生したが、しなきゃなと思う場面は見られるが今だにそれらしきことをしていない。というかむしろ重ねている模様。
前世での名前は月影竜。
アジーンの適格者で、いずれ自身がアジーンの体となることを知っている。
雷真と同じく、自動人形(オートマトン)でもあるアジーンと共に戦う戦法を取る。
実力はマグナス以上になるが、戦闘において頭が回らないためいわゆる宝の持ち腐れ状態。
前世では彼女が出来たことはなく、加えて今世でも年齢=彼女いない歴のためか彼女()募集中。
順次変えて行くかも!
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