転生したのに死ぬ前提?最高だね(`・ω・´)   作:吉田

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思い付き&力を入れて書いている小説の頭休め?みたいな感じで書いたものです
そこらへんにありそうな夢小説かもですが、よければ読んで下さいね


感想ありがとうございました!


第二話:違和感

次に目を覚ました時、俺は赤ん坊の姿になっていた。

やっぱり転生したとはいえ、動物か人間かで正直不安な部分はあったが無事に人間に転生できたのでわずかにホッとした。

が、赤ん坊の姿じゃ罪を償うことはおろか誰かの手を借りなければなにも出来ず、

 

「これでどうやって罪を償えってんだよ!!」

 

みたいなツッコミが出てきてしまった。

もちろん、赤ん坊なので喋ることはできず、結果心の中で一人ツッコミをすることになってしまったが。

因みに、転生後に名付けられた俺の名前は『リュウ・ヴォルフィード』なんだとか。

転生後の世界でも前世と同じ名前を名乗れたことに謎の感動を覚えつつ(慣れ親しんだ名前じゃなかったら相当な違和感があった気がする)、自我を保持しての赤ん坊状態はかなり珍しい体験が出来たんだと思う。

喋れない......つまり発声器官が出来上がっていない赤ん坊は唯一残された『泣く』という手段で欲求不満や喜怒哀楽を示さなければならず、これが意外に難しく、今まで疎く思っていた赤ん坊に対する見解が変わった気がした。

まぁそんなこともあってまともに話せるようになるまでーーもとい、まともに一人でお留守番が出来るようになるまでは自分のことで手一杯で、いつの間にか罪を償うということにまで意識が回らなかったのも事実だったが。

 

「......はぁ」

 

ーーそうしてようやく9歳になったころ。

俺は勉強机を前に大きくため息をついていた。

勉強が嫌だとかじゃない、簡単すぎて呆れているのだ。

漢字なら前世ではかなり苦手分野だったので多少は覚え甲斐があるが、算数なんて論外。

元高校2年生で理系のテストだけは70点強を取ってたヤツに今更掛け算させますか?って話だよ。

記憶が残っているってなかなかにキツイもんだ......。

 

(それにしても罪を償うって......いったいなにすりゃいいのかな......?)

 

鼻の下で鉛筆を挟み、足で椅子をぐらつかせながら俺は天井を見上げる。

 

(あのバカ神にもう少し聞いておけばよかったな......)

 

「〜〜ッ?!」

 

不意に頭の上にゲンコツが振り下ろされ、思わず声なき悲鳴をあげる。

 

「手が止まっとるぞ、リュウ。とっとと終わらせんか」

 

その声に、俺は半泣きになりつつも振り向くとそこには父さんが立っていた。

 

「いったいなぁ......殴らなくたっていいじゃないか!」

 

「2回呼んでも返事しなかったのはどこのどいつだ」

 

「へ?」

 

どうやら考え事をしている間に2回も呼ばれていたようだ。

 

「ぬぅ......」

 

「ほら、とっとと終わらせる。終わったらみんなで爺ちゃんとこ行くぞ」

 

「ホントに?! じゃあさっさと終わらせよっと!」

 

俺は鼻の下で挟んでいた鉛筆を手に取り、クルリと回していつものように構えて(かったるい)算数に取り組み始めた。

 

 

「爺ちゃん!」

 

俺はそう叫んで、家の外でわざわざ待ってくれていた爺ちゃんに飛び付く。

 

「おお、リュウ! 元気してたか?」

 

「うん!」

 

どこか嬉しそうに尋ねてきた爺ちゃんに、俺は頭を優しく撫でられつつも満面の笑みで大きく頷く。

......なんかもう、すっかりこの新しい設定に馴染んでる自分がいる気がする......が、不思議と違和感はなかった。

 

「よしよし」

 

「ほらリュウ、おばあちゃんにも挨拶しておいで」

 

「はぁい!」

 

ふと横合いから父に言われ、俺はその通りに婆ちゃんのいる家へと向かって走る。

 

「婆ちゃん、リュウ来たよ!」

 

玄関扉を開けると同時に俺はそう叫び、足で靴を脱ぎ捨てたあといつも婆ちゃんがいる2階へと階段を駆け上る。

そうして階段を上り終えてすぐ和室のある右に曲がった時だった。

 

「ッ?!」

 

突然背中に言い表し難い寒気のようなものを覚えて、俺はとっさに後ろを振り向く。

 

「......?」

 

が、振り向いた先にはなにもなく、婆ちゃんと爺ちゃんの寝室の扉がそこにはあるだけだった。

 

「なんだったんだ......?」

 

思わず気味の悪さに両手で体を小さく摩っていると婆ちゃんの声が聞こえてくる。

 

「リュウ?」

 

「あ、待って婆ちゃん!」

 

俺の姿が見えないことを不審思った婆ちゃんの呼び掛けに応え、俺は慌てて和室の扉を開けた。

 

「婆ちゃん!」

 

和室に顔を出してみると、婆ちゃんがパッと笑顔を浮かべて出迎えてくれた。

 

「久しぶり、リュウ、元気にしてたかい?」

 

「うん、元気だったよ! 婆ちゃんは?」

 

「アタシも元気よ。ただ、体にガタがきてるのは間違いないのよねぇ......はぁ、年寄りって嫌だわ......」

 

「婆ちゃんも大変なんだね」

 

そうして俺は婆ちゃんに、ここ最近あったことを話し、あとの時間はトランプでスピードをしたりしてテキトーに潰した。

 

「あぁ、もう! また負けた!」

 

「ふふっ、年寄り舐めてかかるから負けるのよ」

 

悔しさのあまり地団駄を踏みたくなってる俺に、婆ちゃんはまたからかうかのように言ってくる。

俺はうぅぅ!と唸って畳みの上に大の字で寝転がると、上下逆さまになった視界の中で母さんがチラッと顔を出してきたのが見えた。

 

「リュウ、そろそろお昼ご飯にするわよ?」

 

「はぁいーー婆ちゃん、行こう!」

 

コロンっと体を転がせて仰向けになったあと起き上がり、俺は婆ちゃんに手を貸して一緒にリビングまで行く。

ちなみにスピードを4戦と神経衰弱を2戦ほどしたところ、どういうわけかスピードしか勝つことが出来ず、神経衰弱はほんのわずかの差で2戦とも勝つことが出来なかった。

 

「ねね、母さん。今日の昼飯ってなに?」

 

「そうねぇ......お婆ちゃんの家の冷蔵庫と相談してみないとわからないけど、グラタンドリアにはしたいかなぁ......」

 

「マジで?! いやっふぅー!」

 

俺は嬉しさのあまりつい跳び上がり、ガッツポーズをする。

 

「クスッ......まだ決まってないわよ?」

 

後ろから、そんな俺を見て母さんと婆ちゃんの笑い声が聞こえてきたが、大して気にはならなかった。

 

 

「今日は楽しめたか?」

 

帰り道、ハンドルを握りながら尋ねてきた父さんに、俺は鬱憤バラしにトランプのことを話す。

空はもう真っ暗で、辺りには星が輝いていた。

 

「ははっ、ママのお婆ちゃんは昔相当記憶力あったって言うし、まだまだ衰えてないのかもな」

 

「リュウ、お母さんに神経衰弱を挑むならあと10年くらいは待たないとね」

 

「10年って......長すぎない、それ?」

 

そんな風にみんなで話をしていたらいつの間にか家に到着していて、俺はさっそく部屋に戻ろうと階段を登る。

 

「あ、リュウ」

 

「なぁに、母さん?」

 

「ちゃんと宿題は済ませてある?」

 

「え?!」

 

思いもよらない言葉に、俺は一瞬だけ焦った。

......大、丈夫だよ、ね?

 

「やってある......と思う......」

 

「しっかりやってから寝るのよ?」

 

「はぁい......」

 

そうして俺はげんなりとした気分で部屋に戻ったあとそのままベッドにダイブする。

 

「......うぅあ!」

 

確かにやってあるはずなのに母さんに言われたことが頭から離れず、思わず叫びながら机の前に立って宿題をペラペラとめくる。

 

「うん、大丈夫だ、ちゃんとやってある......!」

 

はぁ、と安堵のため息を漏らしながら再びベッドにダイブし、仰向けになって天井を眺める。

 

「宿題やってあってよかったなぁ......そういえば朝のあれって一体なんだったんだろ......? ーーうわぁ......気味悪ぃ......」

 

思い出しただけで全身に鳥肌が立ち、ゴロリとうつ伏せになる。

 

「あ......まさか怪奇現象、とか? いや、でも朝から怪奇現象って全然思いつかないな......」

 

それからしばらく一人で悶々と考えてこんでみたがあまりにも情報が足らず、解決するどころか逆にもっと混乱しただけだった。

仕方なく俺は考えることをやめ、本格的に布団を頭から被る。

明日辺りにでもまた爺ちゃん婆ちゃんの家に行って、前に幽霊とか出たのか聞いてみようっと。

 

「うぅぅ......眠っ......」

 

さっきまでは大して眠くなかったのに、布団を被った途端一気に眠気が襲ってきて俺は我慢することなく欠伸をする。

 

(明日は......うん、7時でいいよね)

 

俺は目覚まし時計をカチカチといじって設定し、頭の上にコトンッと置いたあと、布団の中でもぞもぞと態勢を整え目を閉じた。

 




『私にとっての、君の存在』をどうかよろしくお願いします((*´∀`*))
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