転生したのに死ぬ前提?最高だね(`・ω・´)   作:吉田

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今さらながらあらすじを情報に書き込んでみた
......なんだろう、あらすじ入れた途端違和感がハンパなくなったorz

本文訂正(5/19)
タイトル訂正(6/10)


第二十一話:門番の意味ェ......

「あ、こんばんわ」

 

トータス寮のエントランスに差し掛かったとき、今日の寮監が最初のころいろいろと優しくしてくれた寮監であることに気が付いた。

今のところわかっているのは寮の監視はローテーションで回しているらしく、加えて3人で回っているということだ。

だからなんだって話だがそれはまぁ置いておいて。

 

「お、リュウ。おかえり。ライシンなら先に戻ってるぞ」

 

「先に戻っておいてくれって言いましたから。今日はルークさんが当番なんですね?」

 

そう、この間までなんと呼べばいいかわからずに先生と呼んでいたが、訂正されてルークと呼ぶことになったのだ。

 

「おうよ、くじ引きで当たっちまったんだ」

 

「くじって......」

 

「で、どうした。なんか用があるから話し掛けたんだろ?」

 

絶句する俺を他所に、ルークが早々に本題へと入る。

俺はあることを思い出して手を軽く打った。

 

「そうだった。あの、部屋にハンモック張ってもいいですか? 雷真と俺で一つずつ使う予定だったんすけどそうなると夜々の寝るところがなくて、俺今小上がりで寝てるんです。もう腰痛くて堪んないの」

 

「ははは、そいつは大変だな。ハンモックを張るのは別に構わんが、部屋を別々にしたほうが早くないか?」

 

「うーん、それはそれでなんか嫌なんですよね」

 

腑に落ちない表情を浮かべながらもルークが頷く。

 

「ふぅん。ま、そっちがいいってんならいいや。壁壊すなよ?」

 

「壊しませんよ。それじゃあおやすみなさい」

 

「おうよ」

 

俺はルークの冗談にくすりと笑いながら、自分の部屋へと歩き出した。

 

「ハンモックなんてどこで手に入れる気だ?」

 

「外に決まってんだろ。てか外でしか手に入らねぇっての」

 

「む。それではまた暇になるではないか」

 

「知らん。雷真と夜々に構ってもらえ。それかツンデレ嬢コンビ」

 

「おい」

 

「あぁ?」

 

「......いや、なんでもない」

 

「変な奴ーーあぁ、元からッ?!」

 

不意に頭の上で爪を立てられ、語尾が強くなってしまう。

 

「それ以上言うと頭皮を捲るぞ」

 

「俺、一応主人だからな?!」

 

「関係ない」

 

「り、理不尽だ!」

 

そんなことをしているうちに部屋の前に辿り着き、俺は先に中に居るだろう雷真と夜々に“ただいま”と告げた。

 

 

街の一本外れた人気のない道。

 

「トランス」

 

その言葉と共に俺の周りを一瞬にして炎が包み込み、次の瞬間には赤き竜人へと変えた。

だが、それを目撃するものはいない。

こんな異形の姿を見られたが最後、騒がれて面倒なことになるだけだ。

そのための人気のない道でもある。

 

(よし、あとはこれをどう寮に持ち帰るかだな)

 

目の前には丁寧にカットされた、大小長短様々な木がたくさん転がっている。

さすがにこの量だと普段の姿じゃ何度往復するかわかったもんじゃない。

なにしろハンモックを作るなんて初めてのことで、なんとなくこれがいるかな〜?みたいな感じで揃えていったらいつの間にかこうなってしまったのだ。

幸い、今日は講座がない日なのでゆったりと作業に集中できる。

雷真も同じように講座はないのだが、あのアホは今頃追試真っ只中なんじゃないかと思う。

よくあんなんで手袋持ち(ガントレット)になれたなと褒めてやりたくなるが、もちろんそれは大量の自動人形(オートマトン)を再起不能にした元風紀委員長のフェリクス・キングスフォート(=モヤシ)サマを倒したからで、理由を知らないわけではない。

 

(空からだと人の目に付きやすいしなぁ。鳥に紛れて行くか?)

 

ガラガラと音を立てながら木を抱え込み、空を見上げる。

その先にはアジーンがこちらを膨れ面(っぽい感じ)で見ていた。

え......? アジーン?!

 

「ようやく見つけたぞ」

 

うわぁ、なんか言ってること怖いよアジーンさん......。

 

「なんでお前がここにいるの?! てかどうやって抜けてきた?!」

 

「普通に飛んできただけだが?」

 

「いやいや、そういう問題じゃねーだろ! 外に出て来てもいいのかよって聞いてんだ!」

 

「今更だと思うが」

 

「え......? ーーあ」

 

そういえばアジーンの記憶を覗いたとき、学院ではない見知らぬ土地での雨景色が浮かんできたのを思い出した。

確かに今更だと言われればその通りではある。

が、それだと門番の意味って無くない?

なんのための門番なんだよ......。

 

「あぁ、もうなんだっていいや。で、なんでここにいるわけ?」

 

「別に? 暇で仕方なかったから来たまでだが」

 

「うん、聞いた俺がバカだったわ。理由とか知らん。とりあえず帰れ、今すぐに!」

 

「今すぐなんて言わなくてもいいではないか」

 

心なしか、そんなことを言うアジーンがいじけているように見える。

 

「どうせ俺も追って帰るんだからいいだろうが!」

 

「アジーン......?」

 

不意に背後からそんな声が聞こえ、俺は気になってそちらを振り向く。

と、そこには何故か手提げ袋の中に俺と似たような物を買ってきたっぽいフレイが呆然と突っ立っていた。

 

「あれ、フレイ? こんなとこでなにしてんだ?」

 

「わ、し、喋った!」

 

「そりゃ俺だって喋るーーあ、そっか」

 

そこまで言いかけて、トランス状態であることを思い出した。

 

(「ドジ」)

 

(「うっせ」)

 

アジーンに言い返しながらも慌ててトランスを解き、彼女の知る俺へと戻る。

......うん、俺って意外に学習しないタイプなんだな。

いろんな意味でこれ2回目だし。

最高。

 

「ほれ」

 

「へ? リュウ......?」

 

「おうよ」

 

「え、でも、じゃあさっきのは......」

 

「まぁまぁ、そんなことはどうだっていいとして」

 

目の前で起きた出来事に混乱するフレイに、俺は苦笑いを浮かべながら宥める。

 

「フレイはどうして外に?」

 

「あ......うん......私の最初の対戦相手がライシン・アカバネって聞いたから......」

 

その言葉に、俺は驚きを隠せなかった。

さっきも言ったとおり雷真はフェリクスを倒すことで手袋持ちへとなっている。

それはあくまで機巧戦闘のみの評価なので成績がないに等しい雷真は序列は100位なんだとか。

が、夜会が始まってしまえばこっちのもん。

フェリクスを倒したほどの実力者なら100位というハンデがあっても大したことにはならないだろう。

つまり、フレイの実力は知らないが雷真なら一発で片付けてしまうだろうということ。

明らかに分が悪過ぎる。

 

「おいおい、マジかよ......よりにもよって雷真って......ん? あれ、てことはフレイって99位?」

 

「うん......そうだよ」

 

「おうふ......そいつはヤバイな。ていうかもう夜会が始まんのか」

 

俺がそう言った瞬間、フレイの目がうるっと揺れ動く。

 

「ヨミ......みんな......」

 

「わっ、だ、大丈夫だ! 大丈夫だから泣くな!」

 

「......泣かせたな」

 

「違う、俺は何も悪くない!!」

 

☆閑話休題☆

 

「ところでその中は何が入ってんだ?」

 

フレイの持つ手提げ袋を指しつつ俺は尋ねる。

 

「これは......その......あんな凄い人と戦っても勝てる気なんてしないから......」

 

「ふぅん」

 

そうして返ってきた答えに、俺はその答えの裏にあるだろう言葉を読み取った。

 

「あれか、夜会本番前に弱らせておこうって魂胆?」

 

「うん......」

 

事実、それは当たっていたらしい。

 

「じゃ、俺もそれに付き合うよ」

 

「え?」

 

「雷真なら追試で当分は帰ってこないから」

 

そう言ってニッと笑うと、フレイもふんわりとした笑みを返してくれた。

 

 

学院に戻った後、俺はフレイが自分の寮から待機させていたらしいラビを連れてきたのを確認して共にトータス寮の敷地へと踏み入れた。

アジーンとは門から一緒に入るとマズイので寮で合流することになっている。

 

「ここがトータス寮......」

 

「ボロっちいだろ」

 

「うん、話に聞いてた通りかも」

 

「ははっ、まぁどんがめ寮って言うくらいだからな」

 

そんな風に会話を弾ませながらエントランスをくぐり抜けると、どうもまた寮監の当番に選ばれたらしいルークさんが暇そうに欠伸を噛み締めているのが見えた。

 

「ルークさん」

 

「ん? おう、リュウ。どうした?」

 

俺の呼び掛けに応えてくれたルークが窓口に近寄ってくれる。

 

「彼女に入寮許可証を発行してもらえませんか?」

 

「あぁ、いいぜ。というかこれを首に掛けるだけなんだけどな」

 

「だってさ」

 

言いながら、俺の背後で縮こまって控えているフレイにルークからもらった入室許可証を渡す。

 

「あ......うん......」

 

「(恋人か?)」

 

その隙に耳元でぼそりと囁かれ、俺は一瞬で頬が紅潮したのがわかった。

 

「んなわけ!!」

 

「くっくっく、わかってるってーーあ、そうだった。一応だが名前を聞いてもいいか?」

 

からかわれて唸る俺の傍ら、ルークが笑いを堪えながらも仕事をこなす。

 

「フレイ......です......」

 

「フレイちゃんね。はい、じゃあ寮を出るときに許可証は返してな」

 

「ちくしょう、今度会ったら絶対に仕返ししてやるーーフレイ。とっとと行こうぜ」

 

「あ......うん......」

 

そうして俺らはようやく部屋へ辿り着いた。

 

「遅かったではないか」

「あぁ? それはあれか、嫌がらせのつもりで言ってんのか?」

 

寮の部屋を開けて真っ先にそんなことを言われ、俺は思わず突っかかってしまう。

 

「お、落ち着いてよ2人とも」

 

フレイが中間に入り、アジーンが引いたのを見て俺も引く。

 

「んで、フレイは最初なにしようとしてたんだ?」

 

「えっと、紐で仕掛けるの......こんな風に」

 

言いながらフレイが手提げ袋から赤い紐と初めて見るアイテムを取り出し、仕掛けるつもりだった罠を展開していく。

 

「はい、ストーップ」

 

俺の言葉にとりあえずと言った様子でフレイは罠作りをやめ、首を傾げた。

 

「どうして?」

 

「そんな真面目に再現しなくて大丈夫だから」

 

「そっか。でも私、これしか考えてないからどうすればいいかわからないよ」

 

「俺に一つ考えがあんだ」

 

 

「っはぁ......素敵です、雷真......夜々は......あぁぁん!」

 

聞けば誰もが想像してしまうだろう叫び声が寮の廊下(・・・・)に響き渡る。

 

「妙な声を出すな、夜々。変態扱いされるだろうが」

 

が、どうやらそれはハズレのようで、自室の扉を開けて姿を見せたのは呆れ果てた表情を浮かべる雷真と浮かれ気味の夜々だった。

 

「うおっ!?」

 

なんの警戒心もなしに部屋へ踏み入れた雷真が足を取られ、そのまま空に放り出される。

 

「雷しーーきゃあぁぁ!!」

 

途端に浮かれ気分から戻った夜々が驚いて対抗策を練ろうとするが彼女もまた足を取られ、主人と同じように空に放り出された。

 

「おっしゃ! 作戦大成功!! いぇーい!!」

 

俺は罠の成功に思わず飛び上がり、隣に嬉しそうに顔を綻ばせるフレイとハイタッチした。

雷真と夜々は空に放り出されたまま、プラーンと宙に浮いている。

 

「......なにしてんだ、リュウ」

 

雷真の冷たい声が俺らを刺激する。

 

「え? そりゃーー?!」

 

その声に俺が振り向いたとき、確かに罠に引っ掛けたはずの雷真と夜々が足を掴み取る紐をその手に持って立っていた。

 

「おま、どうやって抜け出した?!」

 

「ったく、遊びにしてはキツイぞ」

 

言いながら雷真の、紐を握っていない空いた手の中からチャキッと音を立ててサバイバルナイフ(みたいなもの)の刃が姿を見せた。

 

「嘘だろ、おい......」

 

途端に脱力感が体を襲い、俺はついその場に崩れ落ちてしまう。

その視界の端で動き出したフレイとラビが映り、思わず笑みが浮かんだ。

 

「ガウッ!!」

 

「うぉあ!」

 

あのあと決めた作戦通りラビが雷真を押し倒し、その隙にフレイが手袋の片方を盗み取る。

 

「雷真!」

 

「ラビ!!」

 

あまりに急なことが2度も続いたせいか夜々の反応が遅れ、その頃にはすでにラビの装甲に跨がっていたフレイは寮の窓ガラスをラビごと体当たりして爽快に割って逃げ出した。

 

「ははっ、マジ最高」

 

「っつぅ......リュウ、お前はいったい何を企んでるんだ」

 

雷真がラビが押し倒した余韻で頭を打ち付けたのかさすりながら尋ねてくる。

たぶん目の前に鏡があれば爽快感MAXの顔が見れるんじゃないかと思うくらいスッキリした表情で俺は笑った。

 

「なんも企んでねぇよ。お前を失格させようとしてる以外な」

 

「思いっきり企んでるだろ!!」

 

そんなとき、夜々がどこか上ずった声をあげる。

 

「雷真、大変です!! 手袋の片一方がありません!!」

 

「おい! それはマズイだろ!! ーーまさか、さっきいた子に取られたのか?」

 

「さぁ? どうだろうな......っと!」

 

「あ、おい! リューー」

 

言い終わらないうちに俺は起き上がり、フレイとラビの割った窓ガラスに手を掛けて一気に飛び降りる。

思わず手を切ってしまったが、特に気にはならなかった。

とりあえず今はここから離れないと。

 

「アジーン!」

 

俺の言葉に反応してアジーンが上から下降して現れ、トランスで巨大化したアジーンが俺を背中に乗せて飛んだ。




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