転生したのに死ぬ前提?最高だね(`・ω・´)   作:吉田

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弱説明回です


第二十三話:状況説明

「なんつーか、俺ワケありでさ。アジーン(こいつ)の記憶を好きなときに覗けるわけよ。んでこの間、雷真は一緒にいたからわかるだろーけど雷真たちと食堂から戻る途中アジーンが無言でどっか行っちまって。そいつを追っかけてったらフレイがいたんだよ。アジーンは何か知ってるみたいだったけど、俺なんもわかんなくてさ。だから見たんだ、アジーンの記憶を」

 

そうして見えたものはなんの変哲もない、ただのアジーンと誰かが会話をする風景だけだった。

ただ一つ、その者が幼い頃両親を失くし孤児として引き取られたフレイの育て親である禁忌人形(バンドール)の犬型自動人形(オートマトン)であること以外。

そのときに言われたそうだ。

あの子は根が優しいし、私たちを大事にしてくれる。だからあの子はきっと私たちを助けるために無茶をするだろう、と。

 

「んで、ヨミに頼まれてフレイを守るって約束をこいつがしてきちゃったから、ヨミたちの廃棄処分を免除するためにフレイと手を組んでるってこと。ヨミたちの処分さえ免除になればフレイが無茶することもないからな」

 

講義の終わった夕方、雷真とリュウの自室へと集まったリュウ、雷真、シャルはそんなリュウの話を聞き入っていた。

 

「それと夜会前に俺を消そうとすることとどう関係あるんだ?」

 

雷真の問いに、リュウは赤い紐を何度も折りながら答えた。

 

「夜会で勝ち進み、ガルムシリーズの利点をどっかに見せびらかすんだと......よっ! ーーふぅ、こんなもんか」

 

折り終えたそれはネットをイメージさせ、事実リュウはそれを部屋の端と端に繋ぐとハンモックを作り上げた。

 

「俺が知ってることはこれで終わりだよ。他に知りたいこととかあるか?」

 

「......あなたはどうしてそんなことを簡単に話せるの?」

 

ぽつり、とシャルが零す。

リュウは部屋の中にある幾つかの木の中から3つを選び、制作予定の形へと組み立ててトンカチを握る。

 

「なら今のを暗く話したほうが良かったか? 違うだろ、そんなことして何になる?」

 

「だけど......」

 

「今そんなことで揉めてるわけには行かないんだ。この状況をどう打開してくか、問題はそこだろ?」

 

「......」

 

「俺、硝子さんに聞いてみるよ。あの人ならどうすればいいか教えてくれるかもしれない」

 

カンッと釘を叩き、リュウは雷真を振り仰ぐ。

 

「硝子さんって......あの花柳斎硝子のことか?」

 

「あぁ」

 

「ん〜......悪いがお願い出来るか? 俺じゃフレイと手を組んで一緒に夜会勝ち進んで行く他に出来ないしな」

 

「わかった」

 

「シャルよ、そろそろ上がらないか?」

 

シグムントの提案にシャルが半ば気の抜けた返事をし、

 

「今日のところはこれで失礼するわ」

 

と言って出て行ってしまった。

 

「......ちょっと言い方キツかったかな?」

 

バタンと閉まった扉を見つめながらリュウは零し、目の前の作業に没頭した。

 

 

電話口で、妖艶な声が彼の聴覚を刺激する。

 

「坊やはつくづく運が良いわね」

 

「え?」

 

「そうねぇ......私が坊やの道を示して上げないこともないけれど、それじゃあ坊やのためにならないでしょう? 今小紫がそっちに向かっているはずだから、小紫と一緒に行っておいで。自分の目で見て、どうすればいいかを考えなさい」

 

「......わかった」

 

「いい子ね、坊やは。それじゃあ近々会いましょう」

 

その言葉を最後に電話がプツリと途絶える。

雷真は電話を置いた後、自室に戻った。

 

「おかえりなさい、雷真。どうでした、硝子の返事は?」

 

部屋に待機させておいた夜々がこちらを見て尋ねてくる。

 

「こっちに小紫を寄越すそうだ。小紫と一緒にリュウの言ったことが本当かどうか確かめて、どうするかは自分で考えろって言われたよ」

 

雷真はそれに答えながらベッドに腰掛けた。

 

「小紫ですか......小紫と会うのは久しぶりですね?」

 

「そうだな。こんな状況じゃなかったら良かったんだが......リュウは?」

 

「先ほど寮監から伝言を受け取って講堂の方へ行きましたよ。会ってませんか?」

 

「いや、会ってないな。入れ違いか」

 

「そうみたいですね」

 

不意に雷真が立ち上がり、備え付けの勉強机へと歩み寄る。

 

「それじゃあ小紫が来るまで課題を終わらせておくか」

 

「そうですね。ちゃっちゃと終わらせて2人だけの時間を楽しみましょう♡」

 

「しないからな?!」

 

夜々の信じられない提案に雷真は速攻で拒否した。

 

 

ドアをコンコン、とノックしてから俺はそっと開ける。

 

「失礼しまーす......?」

 

念のためにそう言っておくが、返事はなかった。

ルークから伝言を受け取り、今は彼に伝言を任せたキンバリー先生のいる部屋の前にいるのだが彼女が何のために俺を呼んだのか見当もつかなかった。

むしろなんか悪いことでもやらかしたか?と不安を覚えてしまう。

 

「留守、なのかな?」

 

呟き、辺りを見回していると中からアジーンが現れお決まりの定位置へと着いた。

 

「中には誰もいなかったぞ」

 

「やっぱり? ......これって帰ってもいいのかな?」

 

そのとき、小さくながらもコツコツとヒールで歩く音が聞こえてきた。

やがてそれはだんだんと大きくなり、俺は音のするほうを振り向く。

 

「待たせてすまなかった。さぁ、中へ入ろうか」

 

やはりその足音はキンバリー先生のもので、彼女の手には夜会の参加資格(エントリー)でもある手袋が握られていた。

 

「あ、はい」

 

俺はスタスタと中に行ってしまったキンバリー先生を追い、部屋に足を踏み入れる。

 

「うわっ、なんだこりゃ」

 

直後出迎えてくれたのは大量の散らばった用紙で、足の踏み場なんてギリギリあるかどうかぐらいだった。

さすがというべきか、部屋の持ち主であるキンバリー先生は慣れた身のこなしで大量の用紙を掻い潜り、部屋にある机に座ると手袋をこちらに差し出してきた。

俺はなんとかキンバリー先生の前に立ち、内心で首を傾げながらも手袋をもらおうと手を伸ばした。

 

「本来は授与式に学院長の手から渡される決まりなんだがね」

 

「へ? 授与式なんてあったっけ?」

 

不意に伝えられた内容に俺の手が止まる。

 

「成績が発表された次の日だと伝えたはずだが?」

 

「うっ......聞いてませんでした......」

 

「そんなことだろうと思っていたよ。そういうわけで、これは私から渡すことになった。受け取りたまえ」

 

「ありがとうございます」

 

キンバリー先生から手袋を受け取り、俺は早速填めてみる。

ついでに登録コードを確認してみると、そこには『ドラゴンインカー』と記されていた。

ドラゴン、という単語に一瞬ヒヤリとする。

 

「あの、これって......」

 

「Dragon incarnate......竜の化身という意味だよ。長かったから個人的に短くさせてもらった」

 

「なんで竜の化身なんですか?」

 

「どこかのバカが屋上を走り回っているのを見たのでね」

 

その言葉に体が一瞬で凍り付いた。

屋上を走り回っていたと言えばアジーンの気分転換に競争してたときの話だ。

よりにも寄ってキンバリー先生に見られていたなんて......。

 

「ありがとう、ございます......」

 

「夜会は今日からだ。くれぐれも開会式には遅れないように、いいな?」

 

「はぁい......」

 

俺は今すぐにでも膝を付きたいのを我慢し、とぼとぼと部屋から出て行った。

 

 

寮に帰ると、見知らぬ顔がそこにはあった。

 

「ねーねー、雷真と一緒に住んでるリュウ兄さまってあなたのこと?」

 

「だ、誰?! つかなんで俺の名前知ってんの?!」

 

紅葉色の髪を左右に結った可愛らしい女の子が俺をジロジロ見ている。

 

「小紫、リュウさんが困ってるんだからやめなさい」

 

「ごめんなさーい」

 

夜々に叱られるが女の子は反省の色を見せようともせず、あっさり言いのけると何事もなかったかのようにトタパタと夜々の側に戻った。

 

「え、夜々知り合いなのか?」

 

「夜々と姉妹機の小紫さ。硝子さんが寄越してくれた」

 

不意に横合いからそんな声が聞こえ、俺はそれで初めて雷真が帰ってきていることに気が付いた。

 

「小紫だよー。よろしくねー」

 

雷真の紹介を受け、その子は人懐っこい様子でしっかりと名乗る。

 

「よろしくーー雷真、帰ってたんだな」

 

俺は短く挨拶したあと、雷真に向き直った。

 

「硝子さんに電話するだけだからな」

 

「すまなかったな」

 

「気にするな」

 

「で、返事はどうだったんだ?」

 

「小紫を連れて、アジーンが行った場所に行ってくる。アジーンが見たものを自分の目で見て、どうするか考えないとな」

 

「なるほど、ね。ならすぐに行かねーと。夜会は今日からだから遅刻しないように帰って来いよ?」

 

「そうだなーーリュウ、もしかしてそれって......」

 

雷真が俺の填めている手袋に気付いたのか、指で差していた。

 

「キンバリー先生に呼ばれたときに貰ったんだ。というか、これを渡すために呼ばれたらしい」

 

「学院長からじゃなかったのか?」

 

「俺、授与式サボっちまったみたいでな」

 

苦笑しながら言うと、雷真もクスリと笑った。

 

「それじゃあ、行ってくる」

 

雷真が小さく息を吐き、何故か小紫の背中に手を当てる。

 

「? ーーあ、れ? 雷真が」

 

その行動に疑問を覚えていると知らないうちに雷真と小紫が目の前から消えていて、思わず辺りを見回してしまった。

そして気が付く。

夜々が隣にいた。

 

「大丈夫ですよ、リュウさん。雷真は小紫の八重霞で見えなくなっただけですから」

 

「八重霞?」

 

「はい。隠形の魔術回路、八重霞......一種の幻術のようなものだと思ってもらっていいです」

 

「へぇ......じゃなくて、夜々は一緒に行かなくても良かったのか?」

 

「それは......雷真が今必要としているのは小紫の八重霞であって私の金剛力ではないですから」

 

そう言う夜々の面影はどこか暗かった。

俺は彼女の頭の上にポンと手を置き、そのまま自然な動きで撫でた。

 

「そう落ち込むなよ。な?」

 

「リュウさん......」

 

「このまんま寮に居てもツマンネーし、どっか遊びに行こうぜ」

 

「はい」

 

俺の提案に夜々が立ち上がり、俺らは部屋を出た。




前にあった感想で、ブレスオブファイア5ドラゴンクォーターがわからないという意見がありました
個人的にものすごくショックだったんですけど、たぶんこれ2002年発売のPS2ソフトだからそれも納得出来ると思ったんですよ
というわけで、ブレスオブファイア5ドラゴンクォーターをストーリーに沿った小説を書こうかと思います
自分の言語知識でドラクォを表現するって形ですかね
これについて良いか悪いかの意見が欲しいです
お願いします
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