転生したのに死ぬ前提?最高だね(`・ω・´)   作:吉田

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チンタラしててすんませんした_(-ω-`_)⌒)_

全体編集(10/5)
タイトル編集(10/6)
あとがき編集(10/5)


第三十二話A:あんなことやこんなこと

「リュウに会った?」

 

昨日は塩入り、今日はラム酒入りのサンドイッチを食わされてくたばっていた雷真はそんなフレイの言葉をオウム返しに聞いた。

 

「うん......いつも通りのリュウだったよ」

 

「......なら、あれは一体なんだったんだ?」

 

学院(ここ)に来る前に起きた列車事故で、トランスと言いながら姿を変えてみせたリュウのそれとは似てるようで違う姿。

思い返すだけで身震いする......。

あのときはただ純粋な殺気を当てられ、動くことも声を上げることも出来なかった。

 

「......そんなもの、本人がいなければわかるはずがない」

 

ふと隣からそんな声が聞こえ、雷真はそれもそうかと呟いて天井を見上げる。

十三人(ラウンズ)の1人にして序列第99位のロキ。

先日の戦いで負傷した彼もまた雷真と同じ入院患者だった。

 

「むぅぅぅ! フレイさんばっかりズルイです! 夜々も差し入れーー」

 

「お前はダメだ。フレイもそうだが、お前はフレイよりもなにを入れるかわかったもんじゃない」

 

「うっ......」

 

話をしているのは夜々なのに、雷真の言葉に詰まるフレイ。

 

「意図的な行為くらい、気付いてるからな?」

 

「......もう、差し入れ持って来ちゃダメ?」

 

彼女がそう言ってウルウルと瞳を潤ませ始めた途端、隣からものすごい威圧感が雷真に当てられた。

夜々とロキだった。

 

「うっ......も、持ってくるなら普通のサンドイッチにしてくれ! 常識的に考えてあり得ん調味料入りのサンドイッチはいらん!」

 

「......ふん」

 

「フレイさんのばっかり......夜々のも受け取ってください〜!」

 

満足そうに鼻を鳴らすロキの傍らで夜々が喚いていたとき

 

コンコン

 

と、2度ノックされる音がした。

ピタッと静まり返る病室。

 

「よ。久しぶりだな、雷真」

 

噂をすればなんとやら......どこか緊張した面持ちのリュウが戸の前に立っていた。

 

 

「ここだな」

 

目の前にある掛け札を見てそう呟く。

講義を終え、寮に戻って早々医学部へと足を運んだ俺は“雷真がいる”という病室の場所を聞いてここに立っていた。

コンコン、と2度叩いて引き戸を引き、中へと入る。

 

「リュウ......」

 

「リュウさん......」

 

「あ、リュウ」

 

「貴様......」

 

入院中の雷真とその自動人形の夜々、そして同じく入院中のロキにお見舞いで来ているらしいフレイ......各々の反応に俺は今すぐにでも逃げ出したい気持ちに駆られた。

理由は嫌でもわかる......フレイを除く3人の目が見間違えようもなく怯える人間のそれだったからだ。

タイミングがあればDワークスでのことを聞こうと思ってたし、そのためにアジーンを置いてきた(最初に聞いたときあんな受け応えをして来たので邪魔されるような気がしたからだ)が彼らの反応だけで俺はほとんどを理解してしまった。

そして同時に、どうしてアジーンがあんな態度を取ったのかも......。

それでも俺は、片手を軽く上げて喉を震わせる。

 

「よ。久しぶりだな、雷真」

 

ここへは魔術喰いのことを聞きに来たのであって、事実を確認しに来たわけじゃないんだ。

 

「フレイ、隣良いか?」

 

「うん、いいよ」

 

そのままフレイの隣へと寄り、彼女の側に腰を下ろしたあととりあえず手近な話題を持ち出す。

この中でフレイが一番普通に接してくれることだけが心の頼りだった。

 

「体の調子はどうだよ? やっぱお見舞いだから、こんなもん持って来たんだが先客がいたんじゃ要らなかったか?」

 

そう言って、一度寮に戻ったときに持ってきた紙袋の中からリンゴを取り出そうとする。

ニーナからもらったその余り物だったが、ある意味いい儲け物だった。

 

「お前まで持って来たのか?!」

 

不意に声を荒げる雷真。

俺は思わず「は......?」と聞き返すが、落ち込むフレイと雷真の表情を見てなんとなく理解した。

 

「ごめんなさい......私がサンドイッチの中に余計なもの入れたから......」

 

「な、なに入れたんだよ......」

 

「塩とラム酒......」

 

そんなフレイの言葉に、俺はニーナのある台詞を思い出した。

 

『......ねぇ。もしお見舞いにサンドイッチをもらって、そのサンドイッチに毒薬がない代わりに塩をたっぷり入れてあったり、よくわからない試薬品が入れてあったりしたらどうする?』

 

(今度会ったら話さなくちゃな)

 

思わず頬が緩むのを感じながら再度リンゴを取り出し、果物ナイフで皮を剥いていく。

 

「塩はわからない気もしないがラム酒ってなんでだよ......ま、気にすんな。だいたい、俺が持ってきたのは細工できねぇただのフルーツだし」

 

「なんだ、リンゴか......」

 

「おう、俺が手料理なんか持ってきたら逆にキモいだろ?」

 

「手料理......!」

 

「確かに男の手料理は嫌だな。にしても皮剥くの結構上手だな」

 

「だろ。これでも一通りの飯は作れるんだぜ。材料がないからなんとも言えんがなーーほらよ」

 

剥き終えたリンゴを4分割にし、雷真と夜々、フレイに手渡す。

雷真とフレイは普通に受け取ってくれたが、夜々はスルーされたのが効いたのかしゅんとなっていた。

......なんだか夜々の姿にいたたまれない気持ちになってきたが、いきなり手料理の単語にだけ反応した彼女をスルーした俺らは間違ってないと思う。

 

「美味いな」

 

シャリシャリと齧りながら、雷真が零す。

フレイも同意見らしく、小さく頷いていた。

 

「だろ、まだいっぱいあるぜ。貰い物だけどなーーん?」

 

ふと背後から視線を感じ、チラリと振り向いてみるとこちらを見ているロキと目が合った。

 

「......食うか?」

 

視線の行き場所に困り、自分が食べる用のリンゴを差し出す。

知り合った初っ端からいきなり殴り合いに発展し、姉ですら容赦無いその戦いを見て俺のロキに対する印象は最悪だったが、ここは雷真とロキの病室。

よって必然的に言葉を交わす機会が生まれるわけだが

 

「......いらん」

 

ロキはそう言って手に持っていた分厚い本に戻ってしまった。

ーーやっぱこいつ嫌いだ。

 

「なぁ、雷真」

 

俺は自分のリンゴを齧りながら話しかける。

 

「そういやお前、魔術喰い見っけてボコしてたろ。なんでモヤシ野郎が魔術喰いだってわかったんだ?」

 

「......誰だよ、モヤシ野郎って」

 

「悟れ」

 

「いや、わかるけど。でも、なんで今更?」

 

「実はさーー」

 

当然とも言える質問に、俺は昨日ニーナから聞いた話を簡単に説明した。

 

 

魔術喰い(カニバルキャンディ)みたいだな.....」

 

しゃりっとリンゴを齧りながら、雷真が俺の話に相槌を打つ。

 

「そうなんだよ。で、お前モヤシ野郎のこと暴いたじゃん? だから参考程度に知りたいわけ」

 

「って言われてもなぁ......」

 

そう言って雷真が困ったようにわしゃわしゃと髪の毛を掻き毟る。

 

「あのときはハッキリ言ってフェリクスの奴がボロを出して、そのままなし崩し的に解決していったからなんとも言えないんだよな」

 

「......役立たず(ボソッ」

 

「酷い言いようだな、おい。せっかく答えてやったのに」

 

「そうですリュウさん。あのときの雷真は夜々のピンチには必ず駆け付けてくれる白馬の王子様ーーきゃっ」

 

雷真に便乗して突然変なことを言い出した夜々を、雷真が拳を落とすことで止めさせる。

 

「嘘を付くな」

 

「あぅぅ......」

 

「だって答えになってないし」

 

「そう言われても、俺からはこれしか言いようがないぞ?」

 

その言葉に俺はうーんと唸る。

 

「やっぱ深夜に探し回るしか方法がないのか......」

 

「それが一番良いんじゃないか? それで尻尾が掴めたらそこから辿っていくとか」

 

「わかった。先輩に相談してみる」

 

「あぁ。早く犯人見つかるといいな」

 

「おう、ありがとなーーんじゃま、俺はこの辺で帰るわ」

 

そう言って置き土産にリンゴを3つ、ピラミッド風に置いてから立ち上がる。

“ルームメイトなんだから一緒に消費しろ”的な。

ピラミッド風なのは気分だ。

 

「なぁ、リュウ。1つ聞いてもいいか?」

 

「あぁ? なんだよ、急に改まって」

 

らしくない呼び掛け方に、俺は早くも背中を向けていたが立ち止まって振り返っていた。

思えば、このまま立ち去れば良かったのかもしれない。

 

「お前があのとき変身した姿......あれは一体なんなんだ? トランスとなにが違う?」

 

「はぃ......? ちょ、ちょっと待てよ」

 

あまりにも抽象的過ぎる問いかけに俺の頭がわずかに混乱する。

 

「いきなりなんの話だ。全然見えてこねーんだけど」

 

「......覚えて、ないのか?」

 

「だからなにをだって」

 

だが、次の瞬間雷真がなにを訊いているのかようやく理解した。

 

「Dワークスでのこと「ッ!!」......本気で覚えてないのか?」

 

思わず笑いが零れ出る。

 

「はは......なんとなくそんな気はしてたけど、その感じじゃ相当ヤバいこと仕出かしたんだな、俺」

 

「リュウ......? いったいどういう意味ーー」

 

「ーーくどい。覚えているのかいないのか、はっきりしろ」

 

遮るかのように口を挟んできたロキに、驚いて彼のほうを見てしまうがそのまま顔を前に戻し小さく頷く。

 

「......覚えてないって言うより、急に意識がぶっ飛んだんだ。目が覚めたらここの天井......ーーなぁ、一体なにがあったんだよ? アジーンに聞いても答えてくれねぇし、ずっと気になって仕方がないんだ」

 

だけど、雷真は小さく首を振るだけだった。

 

「......いや、知らないままならそのままのほうがいい」

 

「なんでだよ?」

 

「あれは、そういう類のものだと思うからな......知ればたぶん、後悔する」

 

後悔、か......。

後になって悔やむことを言うから後悔、なんだよな。

でも、俺が今感じてるのは怖さだ。

自分のことがわからない、恐怖。

よく“自分のことは自分がよくわかる”って言うけれど、その反対みたいな感じなんだと思う。

そう言うからこそ、わからないから怖いんだ。

だから、逆に今知らなかったら知ったときのよりももっと後悔する気がする。

 

「......そうかもしれないし、そうじゃないかもしれねぇ。だけど、なにに後悔するかって言ったら、真実から逃げることだと思う。自分のことがわからないほど、怖いものはないから」

 

「......わかった」

 

そうして俺は、ようやく知りたかった真実を教えてもらった。




以前、感想でヒロインは原作から選んでほしいとありましたが上手く行きそうにないです......すんません......。
それではお疲れ様でした(=゚ω゚)ノ

|ω・).。oO(感想、評価お待ちしております)

追記
なんか編集しまくってたら内容が増え過ぎたので2段階に分けます。
なんですが、挿入のやり方がイマイチわからないので、教えて欲しいです。
お願いします。
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