転生したのに死ぬ前提?最高だね(`・ω・´)   作:吉田

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自分的に、第三章はシリアス展開が多かったので更新がだらだらのような気がします。

シリアスじゃない展開だと、ここまで早く出来上がるものですね、新しい小説を書くときはギャグ系のを投稿したいです。

誤字・脱字ありましたら、お願いします


第四章 Two pairs of dragons
第四十二話:ご本人登場


 

ーードクンッ......

 

(うぁ......どこだ、ここ......)

 

気が付くと、そこは何も見えない真っ暗な空間だった。

 

(確か俺、D-ブレスでチェトレぶっ倒したはずじゃ......まさかあれで終わりじゃなかったのか?)

 

自分が立っているのか立っていないのかすらわからない暗さ。

平衡感覚が狂いそうになる中で、俺はふと何かの気配を感じ慌ててそちらを振り向いた。

 

「随分、挨拶が遅れちゃったね」

 

「なっ......」

 

ブレスオブファイアでおなじみの主人公、この世界では閉ざされた空を与えたという英雄がそこにはいた。

 

「おま、リュウ......?! なんで!?」

 

「きみもリュウ、だけどね」

 

「うっ、うっせぇ......!」

 

クスッと笑いながらリュウに突っ込まれ、俺は頬が紅潮するのがわかった。

 

「で、でもなんで死人のあんたがこんなとこ居んだよ? つか、ここどこ......」

 

そこまで言いかけて、ふと思い当たる。

 

(ちょっと待てよ......前にどっかでこんなの見なかったか?)

 

俺は慌てて再び辺りを見回し、結局は真っ暗で輪郭すらハッキリとしなかったが逆にそのおかげでわかった。

 

(おいおい、勘弁してくれよ......てことは、ここは所謂俺の精神世界ってことか......? うわ、つまんねぇ......)

 

だてに前世でオタクをやっていただけのことはある。

つまり簡単に言うと、ここは俺の心の中で、目の前にいらっしゃるリュウさんは確かに死人だけど俺の中(・・・)にいる意識だけのリュウさん......なんだと思う。

つまりとか略してみたけど、実際がどうとかわかるわけない。

 

「どうかした?」

 

言葉の途中で黙った俺に、リュウが尋ねてくる。

 

「あ〜......いや、なんでもない......こともないんだけど。なんであんたが俺ん中にいるわけ?」

 

するとリュウの表情がわずかに暗くなり、その顔には苦笑いが浮かんでいた。

 

「やっぱり気付いてたんだね」

 

「って言っても、今わかったばっかだけどな」

 

あはは、と乾いた笑みを浮かべながら、

 

「で、俺にあんな体験させたのにはなんか理由があるんだろ?」

 

すると、リュウの顔が真面目になった。

 

「まぁ、ねーーきみのことはアジーンから聞いてるよ。罪を償うために、この世界に転生したんだよね?」

 

「あんにゃろ......喋ったな」

 

なるべくリュウに聞こえないよう小声で舌打ちする。

 

「それから、前世にあるゲームっていうものがおれらの地下世界を描いたものだってことも......」

 

「はぁ?! あいつそこまで喋ったの?!」

 

リュウの言葉の途中だと言うにも関わらず、つい叫んでしまった俺は悪くないと思う。

リュウは苦笑いを浮かべて

 

「あはは......とっさのことだったとはいえ、おれの記憶に閉じ込めてごめんね? 本当のことを知ってたなら、そんな必要はなかったのに......」

 

その言葉に、俺は首を振る。

何と言うか、今更だがやっぱりリュウにはどこか惹かれる。

別にホモとかそう言うわけじゃないぞ?

ただ、ちゃんと感情もあってそれを表現しているのに、ちゃんと見なければわからない......なんとなく、ずっといたいって思うんだよ。

......一応言っとくが、決してリュウがソッチ系の好きとかそんなんじゃないからな?

 

「いや、あれはあれで結構得るもんがあったよ。なんつーのかな、ゲームって所謂娯楽みたいなもんでさ。どこまで言っても時間潰しにしかなんねー訳よ。画面一つ挟んで、ただ傍観し遊んでるだけより、やっぱ体験するもんとじゃなにかと違ったしな」

 

「そっか......ねぇ、リュウ君。一つお願いがあるんだ」

 

「お願い?」

 

「うん......おれに、協力して欲しいんだ」

 

「協力......?」

 

そのとき、ふとリュウの瞳が嫌な気配を漂わせていることに俺は気付いた。

 

「この世界の空(・・・・)を、閉ざすことに」

 

 

目を覚ますと、なんだか久しぶりな気がする天井が視界いっぱいに展開されていた。

窓を見てみれば、まだ日がある。

 

(やっと、戻ってこれたか......)

 

思い返せば、言葉で纏めるには短いけれど、その中身はホントに大変だった。

時計塔記念式典に護衛として参加していたら、シャルがいきなり時計塔ぶっ壊して。

混乱してたら、リュウが俺の体乗っ取って彼の記憶に閉じ込められて。

そのまま必死でドラクォのED目指して。

終わったと思ったら、ご本人からこの世界の空を閉ざすのを手伝ってくれなんて言われて。

まぁ、当然断ったんだが。

 

(「いや、さすがにそれはダメだろ」)

 

(「どうして......きみは、おれがやったことを全部知っているんだろう?」)

 

(「確かに知ってるし、あんたの気持ちもわからないでもないけど、そんな世界を左右することを俺一人じゃ決められない」)

 

(「......わかった」)

 

(「わかった......ってなにを?」)

 

(「もし気が変わったら、教えて。いつでも待ってる」)

 

(「は? ちょ、それどういう意味だよ?! おい!」)

 

先程の会話を思い出し、思わず大きなため息が出る。

 

(あのまんまリュウはどっか行っちゃうし、厄介なもん抱え込んだなぁ......)

 

そう文句を垂れていると、ふとアジーンのことが脳裏に浮かび上がってきた。

 

(そうだ、あのクソ野郎今どこにいる?)

 

辺りを見回してみると、視界ギリギリに日の当たる場所で丸まって寝ている姿が映った。

俺は右手一本で親指、人差し指、中指とそれぞれ音を鳴らしながらベッドから起き上がろうとする。

が、

 

「......」

 

俺の体にはいろんなコードがべったばりされており、起き上がるにも45度までというドがつくほど辛い態勢まででどう考えても無理だった。

いや、コードをぶちぶちぃっ!とすればいけるんだが。

それは常識的にどうかと思う。

 

「ーーアジーンのくそったれ!」

 

そうして思わず叫んだ俺は、なにも悪くないはず(2回目)。

 

 

俺の叫びで気付いたクルーエル先生が様子を見に来て、いきなり殴られた。

患者が叫ぶなと怒られたが、

 

「俺はなにも悪くない! 全部アジーン(こいつ)のせいなんだ!」

 

なんて言ったらクルーエルにもう一発殴られた......。

しかもアジーンはなんかガン飛ばしてくるし......わけわかんねぇっての。

全部お前のせいなのに......(3回......目?)。

と、まぁそんな感じで、ついでだからと身体の状態を見てもらった。

もちろん、ため息を吐かれながら。

こいつ、ホントに男を診断するのが嫌なんだなぁ......そんなことなら医者になんかならなかったらよかったのに。

クルーエルに見てもらうのは2回目だが、腕が良いのは確かなんだけどな。

 

「ーーなんだ、こいつは......8割方治ってやがる」

 

「?」

 

どういうこったと首を傾げると、男のそんな仕草なんぞ見たかないと言われたがすぐに説明してくれた。

 

「最初、医学部(ここ)に運ばれたときそいつは酷い有様だった。全身の至る所に真っ青な痣があるし、両腕には目を覆いたくなるほどのヒビが、極め付けにはあばら数本と両腕の真ん中(ここら)辺りが折れてるんだからな」

 

「ぅわマジか......」

 

(うへぇ、酷いな、そりゃあ......一体なにしでかしたんだよ、リュウ......)

 

思わず声に出しかけて、慌てて心の中で呟く。

うっかり言えば最後、こいつ大丈夫か的な目をされそうなので、ちょっと怖い。

それがクルーエルの前なら尚更......下手すれば開頭されそうだ。

 

「オマケになにしたのか知らんがな、いくつかの臓器まで傷付いていた。あと一歩間違えりゃ御陀仏だったぜ、お前」

 

「......」

 

「最初はどっから手を付けようが迷ったんだがな。レントゲンで撮ってみたら、痣とヒビだけは特になにもなかったんだが、折れていた箇所は“骨じゃねぇなにか”が代わりに繋いでいた。と言っても、完全じゃないがな。ある程度は動けるくらいだ」

 

「へぇ......」

 

その話を聞いてなんとなく“あ〜、D-ダイブの影響か”と思ったが黙っておいた。

バレて実験台にされたらたまったもんじゃない。

とりあえず、医学部に運び込まれてからすでに4日は経っているが謎の接合部のおかげにより8割は回復していたと教えてもらった。

 

「俺の身体、一体どうなってんだ......」

 

「それはこっちが聞きてぇよ。まっ、とにかくだ。本来骨折したら完治までに2ヶ月掛かるんだが、すでに8割は回復しているんだ。念のため2週間は寝とけよ」

 

「に、2週間?」

 

「当たり前だ。いくら大半が治っていたとしても、わけのわからんなにかが働いているんだ。疑心暗鬼になるのも無理はないだろ」

 

「はぁい......」

 

げっそりとしながら、俺は返事をする。

2週間......それをこの1人部屋で過ごす......ドが付くほど暇じゃねぇか、おいぃぃ......。

 

「じゃあ、俺は他に用事があるんで」

 

「俺のは用事ですらないってことかよ!」

 

俺のツッコミを華麗にスルーしながら、クルーエルが病室を出て行く。

一気に静かになり、なにか物足りなさを感じているとアジーンが布団の上に乗ってきた。

 

あぁ、そうだ。

こいつをとっちめなきゃな。

 

「おい、てめぇ。なに俺のことバラしてんーー」

 

「貴様のことなど、興味はない」

 

「なにそれ酷っ?! さんざん俺のことバラした挙句に、謝罪の一言もねぇの?!」

 

「いずれは消えて無くなる身なのだ。どちらでも良いだろ?」

 

どうやら、本来の主(リュウ)(?)と出会ってからなにかあったらしい。

明らかに前のアジーンと様子が違う。

 

「......」

 

だからと言って、俺のことを漏らしたこいつを許すつもりは当然無いが。

なにを言っても仕方が無いのなら、謝ってくれないのなら、実力行使あるのみ。

俺は拳を握り、アジーンの頭に拳を落とした。

自動人形なので、もちろん全力だ。

 

「〜〜ッ?! なにをする!」

 

「これでおあいこだ。なにがあったか知らんがな、俺の気持ちにそんなの関係ねぇんだ。謝らなかったお前が、悪い」

 

「......ふんっ」

 

あ、拗ねた。

 

「ざまぁみろってんだ」

 

あっかんべ〜とソッポを向いたアジーンに向けてやってから、身体を倒し寝転がる。

が、それ以降なにか仕返ししてくるというわけでもなく、無言の時間が続いた。

 




骨じゃないなにかというのは、ご都合主義?です。
ゲームでD-ダイブを発動した際、もしD-ダイブ前に毒など状態異常だった場合、発動後、そして解除後共に状態異常が治っているので、無い頭捻ってこじつけました、ごめんなさい。

あと、レントゲン撮影なんですが、Google先生に聞いたところ第二次世界大戦ではすでに多くの地域で導入されたと書いてあったので、ヴァルプルギス王立機巧学院ならそれくらいあるんじゃないかと......。

言い訳はこれくらいです。
失礼しました。
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