かなりしょげる。
まぁ結論からして4巻の内容は冒頭に触れるだけでやらずに済むことになったけど。
でも、知らないうちにお気に入りがかなり増え過ぎて歓喜した。
あざした(。`・д・)
......うん、このサブタイトル一体なんなんだ
↑おい
それから更に4日後。
静寂な病室の中、頭の後ろで手を組みながら俺はウトウトとしていた。
朝の日差しが窓から直接入り、ちょうどいい具合にポカポカするのだ。
「ねみぃ......」
大あくびをかましながら、2度寝という名の幸福へと足を突っ込みかけたとき
ガラガラガラッ!!
「リュウ!!」
なんか煩いのが入ってきた。
「あぁ? んだよ、そんなに焦って」
自分でも今の気持ちが顔に出てんな〜とか思いながら、ゆっくりと体を起こし雷真のほうを見る。
「夜々がいなくなったんだ、頼む、手伝ってくれ!!」
「夜々が? 家出的な感じじゃないのか?」
「それがわからないんだよ! 昨日だって様子がおかしかったし......」
言ってて段々と冷静になって来たのだろう、雷真の言葉が尻窄みになっていく。
「ふぅん......わかった、ちょっと待ってろ」
クルーエルから言われた2週間の養成はあと6日で終わりを告げるが、ここだけの話クルーエルにバレていないだけで夜中に筋トレをしても全く痛みがないのだ。
朝だからこそクルーエルが見にくる可能性もあるが、ここ最近は2日に1回と来る頻度が落ちているので多少夜々を探しに行くぐらいならば見つかりはしないだろう。
俺は一気にベッドから起き上がり、脇に置いてあるレンジャースーツを手に取りながら雷真を仰いだ。
「で、夜々がいそうな場所とか検討付いてんのか?」
「一緒に探してくれるのか?」
「おぅ。お前ら、いい感じで出来てるもんな。これがいなくなったらそりゃ焦るわな?」
言いながら小指を立てるが、雷真には伝わらなかったらしい。
「なんでもねーよ......ほら、とっとと行こうぜ」
「あ、あぁ」
そうして俺らは医学部の外へと出ると、まず辺りを伺う。
それだけで夜々が見つかるとは思えないが、どっち側を探すとかそう言うのは決めておかねばならない。
「じゃあ俺は右手のほうを探す。雷真は左手な」
医学部をバックに、右、前、左とおおまかに定めた3つの探索ルートを、勝手だとは思うが自分で指示してしまう。
こんなところで時間は食いたくない。
いつクルーエルが見に来るかわからないのだ。
「なぁ、リュウ」
「? なんだよ?」
これ以上なにを話すことがあるのだろうか。
そう思っていると
「お前、前と口調が違わなくないか?」
「だから、それはお前の頭がイカれてるだけだっつの。てかそれ2回目」
「......」
不意に黙り込む雷真。
意味がわからなかったが、とにかくと割り切って俺は彼に背中を向けた。
「クルーエルに抜け出したこと見つかりたくないから、夜々が見つかっても見つからなくても昼には一旦集まろうぜ。場所は......」
この辺でいいだろ、そう言いかけたとき背後から途轍もない殺気を感じた。
「?!」
振り向いた途端、そこにあったのは靴底。
“なんだ?”と疑問を覚える暇もなく顔面に鋭い痛みが走り、
「うっ?! ーーがはっ!!」
続けて思いっきり吹き飛ばされたのか背中を木に強打し息が詰まった。
「雷、真......?」
「まさか本当に私がミスターアカバネだとお思いですか? ミスターリュウ」
「は......?」
意味がわからない。
どこからどう見てもあのバカでお人好しな雷真なのだが......。
すると雷真の姿から花びらが散るように体の表面が剥がれていき、全くの別人が姿を見せる。
ワックスでぴっちりと撫でつけたような髪型、色つき眼鏡、仕立てのいいきちんとしたベストの紳士服姿......向こうはこちらのことを知っているようだが、あいにく俺の記憶にはない。
「いや、お前誰だよーーっ......かあぁぁ、いってぇ......」
背中と顔をそれぞれ片手でさすりながら、男に問いかける。
「ククッ」
なにが面白いんだか。
男は口元を押さえ、含み笑いをする。
「つまらないですね、どうせならもう少し面白い冗談が良かったのですが」
「なっ......ッ!!!」
音もなく男の姿が掻き消え、かと思えば俺の腹に強烈な蹴りが入る。
先ほど打ち付けた木に再び叩きつけられ、それでも俺の体は留まることを知らず3本以上の木を折った。
「あが......」
ようやく勢いが弱まり、受け身を取る力もなくそのまま地面に倒れる。
「ふむ......以前とは随分と違いますね。まるで手応えがない......こんな相手にプライドを傷付けられたと思うと、それはそれで屈辱ですが」
「かはっ......マジでわけわかんねぇ......一体俺がなにしたってーー?!」
ドクン、と心臓が大きく脈を打ったと感じた瞬間、全身が一気に発熱し激しい頭痛と酷い目眩が起きる。
「あ......」
火あぶりにされているような熱さのせいか、明らかに意識が持っていかれようとしている。
(うぅ......)
男の姿が次第にボヤけ、やがてノイズが掛かったかのようになにも見えなくなっていく。
そうして俺は、そのまま意識を失った。
☆
突如リュウの体から滲み出る炎が、そのまま彼を包み込む。
一瞬にして纏う雰囲気が変わったのを感じ取ったその男......シンは、彼との距離はあるがそれよりもさらに離れ向こうが動き出すタイミングを計らう。
「全く、今度は一体......坊ちゃまも嫌な役を回してくれたものです」
思わずと言った感じで1人呟くも、その警戒を解く気配は見せない。
それどころか握り拳には徐々に力が篭っており、それは明らかに強まっているようだった。
だが、いつまで経っても以前彼を叩きのめした
確かに一定間隔でそれにはなるが、全身が基盤のような姿とを何度も繰り返していた。
まるで不安定。
慣れない力を使い過ぎて暴走しているような......そんな感じだった。
やがて落ち着いたのか、ようやくD-ダイブを終えたリュウだったが、ゆっくりと起き上がりこちらに向けたその瞳に理性はなかった。
「ヴッ......」
ズアッと再びリュウの体を炎が包み込み、彼の表情に苦しさが垣間見える。
「アアあぁぁぁ!!」
まるで何かから逃れたいとでも言うような叫び声を上げ、たまたま視界の中にいたソレへと一瞬にして肉迫する。
ソレ即ち、シン。
「ーーッ!! グッ」
あまりのスピードとと突然のことに、構えてはいたものの対応が遅れたシンはその腕に、以前とは比べものにならないほどの『ヴィールヒ』を受け、勢いよく吹き飛ばされてしまう。
先ほどとは打って変わり、今度はリュウに殴られたシンは一気にその背後にある壁へと激突する。
シンの体は滅多なことでは傷付かず、その耐性は凄いの一言に尽きる。
そんなものがかなりの勢いを持って壁にぶつかればどうなるかーー答えは当然、壁が砕け......否、それだけに留まらず何枚もの壁を己の体でぶち抜いていくだろう。
そうして彼の体は轟音と共に3枚もの壁を破ることでようやく止まることが出来た。
耐性に脆く、衝撃を逃がすための面積が少ない木よりも、コンクリート故の硬さがあり衝撃を逃がすための面積が広い壁のほうがある意味マシなのかもしれない。
「おい、てめぇら! なに暴れて......ーーなんだ、ありゃあ......」
当然、そんな音が響けば人が集まる。
真っ先に姿を見せたのはクルーエルだったが、リュウのその姿を収めるとその声は尻窄みとなっていた。
「あいつが言ってたのは、このことだったのか......?」
すぐそばにシンがいたが、部外者に気付く様子もなく上の空でブツブツとなにかを呟く。
「うおぉぉああぁぁぁ!!!」
その間にもリュウは叫び、バッと両手首の付け根を合わせるとそこから熱光線を放つ。
それは瓦礫に埋まっているだろうシンに向けて放たれたものだったが
「!!!」
殺気......いや、悪寒というべきか。
生命の危機を的確に感じ取ったシンは死に物狂いでその場から脱出し、一気に空まで飛び上がる。
『D-ブレス』を当てられた医学部の壁の残骸をチラリと見てみれば赤く変色しており、誰がどう見ても完全に溶け切っていることを示していた。
「分が悪いですね」
息を切らし、血は出ていないまでも砂埃だらけシンはそう判断し撤退する。
このままでは本当に殺されかけない......そんな怖さが彼の芯に染み付いていた。
すぐに速さの最高点へと達し、姿をくらませるべく1度下降し林の中へと紛れ込む。
残念ながらリュウはそれをハッキリと捉えており、すぐさまシンと同じ経路を辿ろうと林の中へ消えようとする。
そして、唐突にそれは訪れた。
「......? ッ!!」
2度鳴らされた銃声。
それはものの見事にリュウの体を撃ち抜き、彼の体がわずかにフラつく。
だが、フラついただけだ。
それまでは標的がシンだったのに対し、今度は銃声を鳴らした人物へと移ってしまった。
「全く、手のかかる生徒だよ、君は。さすがに2度目は耐性でも出来たか?」
「キンバリー!! やめろ、あれは触れちゃいけないやつだ!」
「うるさいぞ、クルーエル。そんなもの、とうの昔に知っている。だが、あれを止めねば学院が滅ぶぞ?」
言いながら、懐から刃渡り15cmほどのナイフを取り出し、そのまま鞘を引き抜くキンバリー。
静かに呼気を整え、一気にそれをリュウに向けて投合する。
と、それは彼の心臓部へと
自身に突き立てられた刃を抜く力さえ出せず、やがてリュウの体は地面に落ちる。
土埃が舞い、リュウの体が見えなくなるもすぐに風が視界をクリアにする。
D-ワークスでのときと酷似した状況。
だが、そこにいたのは元に戻ったリュウではなく、今だドラゴナイズド・フォームのリュウだった。
「やはり、か」
「まさか、またあの麻痺毒か?」
クルーエルの問いにキンバリーは首を振る。
「毒は毒を以って制す......確かに麻痺毒は混ぜたが、ベースは竜の血だよ」
「......」
その言葉に、彼は気絶してなお苦しみ悶えるリュウを見やる。
おそらく、あれはもう持たないな
そうクルーエルは漠然と思った。
締めくくり方酷いと自分でも思う
直す気ないけど
シン可哀想だなぁ......