今回は会話主体かな?
ちょっとだけ説明会です(┏ `・ω・)┏
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第九話:シャルロット・ブリュー
「ここが君の所属する
そう言って、カツカツとヒールを鳴らしてキンバリー先生(機巧物理学担当の先生で、さきほど雷真と話していた教官でもある)は足早に立ち去ってしまった。
「好きなところって言ってもなぁ......」
一人残された俺はトータス寮を前に呆然とする。
“寮監に話はつけてある”とキンバリー先生は言ってくれたが、如何にもボロそうな外見を持つトータス寮に良さそうな部屋なんて想像もつかなかった。
「......とりあえず行ってみるか」
“おちこぼれ”という単語と『1236人中1024位』という現実に暗くなる気持ちを覚えつつ、俺は寝床確保へと動く。
その後ろをアジーンが、トータス寮に来るまでの間に自動販売機で買ってやったオレンジジュースをストローで器用にちまちまと飲みながら黙って付いてくる。
ドラクォで見たあの威厳はどこ行ったよ、おい。
ちなみに雷真と夜々は今ここには居ない。
キンバリー先生と話が終わってすぐ、なにを話していたのか聞く暇もなく何処かへ行ってしまったのだ。
「お前が編入してきたっていうリュウ・ヴォルフィードだな? キンバリー教授から話は聞いてる」
「あ、はい」
寮の入り口、寮監と思しき男性がそう話し掛け、俺は振り向く。
「今、ここに記した部屋が空き部屋となっている。棟によって少しインテリアが違うから好きなところを選ぶと良い。決まったら部屋番号とまたこいつを返してくれ」
「丁寧にありがとうございます」
そうして渡された寮内の簡易模式図を手に、俺は今ある空き部屋を一つずつ覗いていった。
☆
「けほっ......どこも埃っぽいなぁ......」
最後の空き部屋を覗いて、俺はため息と共に呟く。
「良い部屋は見つかったか?」
「んなわけねぇじゃん。ほとんど埃っぽい部屋が気に入るなんてどんな神経してる奴だよ、それ」
頭の上から聞こえてきたアジーンの問いに不満そうに答える。
「でも良さそうなインテリアはあったから、寝床はそこにする予定。埃っぽいのは今から掃除かなんかしてなんとかするっきゃねぇしな」
「ふむ、最善の策だな」
「だろ」
そんな風に会話をしながら再び寮の入り口へと行ってみると、寮監はウトウトしながら椅子に座っていた。
「あの、先生?」
なんて呼べば良いかわからず、とりあえず先生と呼んでみる。
「っは。すまん、良さそうな部屋は見つかったか?」
それで目を覚ました寮監が頭をフルフル振って俺のほうを向いた。
「まぁ、それなりには」
まさか全部埃っぽくて嫌だったんですけど渋々選びました、なんて言えるはずもなく、適当に誤魔化す。
「そうか。そりゃよかった」
「はいーーあの、これありがとうございました」
そう言いながら、俺は渡された簡易模式図を寮監の元へ返す。
「ん。そんで、部屋はどこにしたんだ?」
「あ、えっと......ここです」
差し出された簡易模式図に、俺は選んだ部屋を指して示す。
「東棟の305号室だな。ほら、これが鍵だ」
「ありがとうございます」
そうして渡された鍵を受け取ったときだった。
外でカッとなにかが光り、俺は目が眩む。
「うっ......な、なんだ?」
が、それはほんの一瞬だったようで、光の線は徐々に小さくなって消えた。
「ありゃあ
「Tレックス? シグムント?」
寮監から放たれた言葉に、俺はつい聞き返してしまう。
「そうか、お前はついさっき編入してきたばっかの生徒だったな。ついでだから知っておくといい。
懇切丁寧に説明してくれた寮監。
唐突な上に半端ない説明に、俺は頭の中が一気にパンクするかと思った。
「へぇ......」
「たぶん、ラスターカノンが放たれたってことは今頃誰かが
「挑戦?」
「この時期だからな。大方
「物騒だなぁ......いろいろありがとうございました」
ぺこりと頭を下げ、俺は礼を言う。
「ここはいわゆる弱肉強食の世界だからな。トータス寮に来たからには相当頑張らないと卒業すら危ういから少しでも応援してやりたいんだよ。またなにかわからないことでもあったら相談相手になるぜ」
「はい、頼りにしてます」
ふっ、と小さく笑い、俺は早速東棟の305号室へと向かう。
「......」
ふいっ、と踵を返して俺は登りかけた階段をタンタンと下り始める。
「? どこに行く」
アジーンが気になったのか、尋ねてくる。
「いや、
「ほぅ」
俺の答えに、アジーンが納得したように頷く。
再び寮の入り口にまで来てみると、すでに寮監の姿はなかった。
簡易模式図を返しに来たとき、椅子に座ったままウトウトしてたから我慢出来ずに自室へ戻ったのか。
そのまま俺はトータス寮を抜け、ラスターなんたらが発射されたっぽい場所へと向かった。
☆
「あ? なんじゃこりゃ? どうなってんだよ、おい」
そこは学院の校庭だった。
だが、明らかになにかが違う。
雨が降ったわけでもないのに濡れたあとのある地面。
凍結した部分もある地面は大きくヒビ割れたところもある。
さらに瓦割りでもしたの?と聞きたくなるようなクレーターが一つ、作動した地雷を内側からバリアを張ったかのような不自然なクレーターがもう一つあった。
まるで戦場の跡地のような校庭だ。
「あれ? 雷真と夜々か? 誰と話してんだ?」
ふと見てみれば金髪で碧眼を持つなかなかに可愛い少女とその背後に佇むアジーン並みにデカイ銀色の竜がおり、そして彼女らと相対する雷真と夜々がいた。
「あれが
アジーンに言われ、俺はよくその目に焼き付ける。
「あれが? なに、すっげぇ可愛いじゃん」
はい、そこ。
そう言う意味でかよとかツッコまない。
「惚れたか?」
「ばぁか、そんなわけあるか。確かに可愛いけど、俺の好みじゃねぇよ」
「クックック......」
忍び笑いを漏らすアジーン。
からかわれたような気がした俺はアジーンをチラ見してから歩き出した。
「あ、おい。待てよ、リュウ」
慌ててアジーンが俺の後を追ってくる。
俺は気にせず、ある程度近くなったところで声を上げた。
「おーい、雷真と夜々ー!」
「リュウさんとアジーン!」
俺の声に、雷真と夜々が振り向く。
「リュウ? どうしてここに」
「いや、トータス寮で寝床確保してたらこの辺でなにかが光ったから気になってーーそっちのはシャルロット・ブリューとかいうすげぇヤツか?」
ふと目の前の少女......シャルロット・ブリューへと視線を向ける。
彼女は汚らしい物を見るような目でこちらを見ていた。
......なんかヒドくね?
(「リュウ、あやつ、怪我をしている。このまま雷真が戦えば無事には済まんぞ」)
ふとアジーンがテレパシーで話しかけてくる。
俺はちらりと裏の竜に目を向けてみると、目立った傷はないものの確かにあちらこちら傷付いていた。
「なに、あなた? あなたも私の
シャルロットが顔をしかめながら尋ねてくる。
俺は肩を竦めてお手上げのポーズを取った。
「冗談。そんな物騒なこと、ゴメンだね」
「じゃあなにしにここへ来たの?」
「なにか理由がなくちゃここに来ちゃダメなのか。どんな権限だよ、それ」
「うるさいわね。とにかく、邪魔をしないで頂戴。私は今こいつの挑戦を受けてるの」
「知るかよ、そんなの。てか、挑戦ってお前のことだったのかよ、雷真」
寮監の説明を思い出し、げんなりとしながら問う。
「まぁな」
「まぁいいや、寮に行こうぜ。どこの空き部屋も埃っぽかったけど、その中でそれなりに良さげなインテリアの部屋見つけたんだ」
「あ、ちょっ、リュウ!?」
ぐいっ、と雷真の腕を引っ張り、半強制的に連行する。
「リュウさん、なにしてるんですか?!」
夜々も慌てて尋ねてくるが、俺は取り合わなかった。
「ちょっと! ソイツ連れて逃げる気?!」
背後からシャルロットの声が聞こえてくる。
俺は一度止まり、振り向いて半ば叫ぶように応えた。
「勝負に拘る前に、自分の
「なっ......?!」
再び前を向いて歩き出し、さっさと校庭から遠ざかる。
俺の半ば叫んだ内容を聞いた雷真はわずかにしてた抵抗を止め、おとなしくついてくるようになった。
「この辺でいいだろ。悪かったな、無理やり引っ張っちまって」
校庭からある程度離れた中庭で、俺はようやく足を止める。
「いや、むしろありがとな。負傷者相手に戦いを挑むところだった」
「どういうことですか、雷真?」
雷真の言う意味がわからなかった夜々が小首を傾げながら問う。
本来ならここは雷真が答えるべきところなのだろうが、俺は口を開いた。
「あの銀色の竜......シグムント、だったっけな。ヤツはなにがあったか知らんが怪我負ってるみたいでよ。あの状態じゃ満足に飛べないだろうな」
「なるほど、それでリュウさんは」
「そ。日本って正々堂々挑む国だろ? だったら相手も万全な状態じゃないとな」
「リュウは西洋人なのに
ふとそんなことを言われ、内心わずかに焦る。
「まぁ......ちょっと訳ありでな。さっ、トータス寮に行こうぜ。キンバリー先生が言うには俺のルームメイトは雷真、お前らしいからな」
俺はなんとか誤魔化し、トータス寮へと歩き出した。
「へぇ、そうなのか」
その後を、雷真が相槌を打ちながら夜々と一緒についてきてくれた。
リュウが紳士になったw
頼もしい寮監が気付いたら出来てたし、なんかすごいことになってきたw
良ければ感想、評価お待ちしております
(そろそろプロフィールとかプロローグ作ったほうがいいのかな......?)