曲を文章として落とす事が多いので、そろそろ完全オリジナルを描きたい。

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三次元の声

僕は、不慮の事故で死んだ。

素敵な人と孤独を残して、僕の人生は幕を下ろした。

 

だから、今から話すのは僕の話ではない。

僕と彼女の話だ。

 

 

--

 

 

何もする気が起きない。無気力な無力感が私を苛む。

神様に何故彼を私から奪ったのか、聞いても何も帰ってはこない。

 

何も手につかない日々。仕事も、家事も、少しずつ溜まって来ている。

こんな生活じゃ君は怒るかな?

 

・・・・・・・・・。

 

そうだ、もう私を優しく叱ってくれる声はもう聞こえないのだ。

君は私の事を見てくれているのかな。私から君は見えないよ。

 

違う場所へ突然旅立った君に、私はまだ手を振って別れを告げられないでいる。

涙が頬を伝った。

 

 

--

 

 

声をかけても聞こえない。名前を呼んでも反応を返さない。

幸せになって欲しかった。涙して欲しくなかった。

 

僕はどうして此処に立っているのか。まるで生きているように、彼女の一歩後ろで見守っている。

やらなければいけない事が、やり残したことがあるはずだ。

 

君の涙を見ていると、辛くなる。

死者には感情が湧かないと、生前聞いた事がある。

 

だけど、君の無気力な生活を、君の涙を見ていると、僕の無いはずの心臓が痛む。

僕は胸を抑えた。

 

 

--

 

 

もう限界だった。彼のいない生活が。

たくさん話したい事があった。まだまだ一緒に未来を過ごしたかった。喧嘩だって足りない。

 

マンションの屋上に立つ。此処から彼の元へ行ける。

もう何も出来ない。悲しい。辛い。

悔しい。

 

空に足を踏み出そうとした瞬間、ポケットの携帯が振動した。

癖で持って来てしまったらしい。

 

そのメールは送り主不明の奇妙なメールだった。

どうせ最後だ、何でもいい。

 

そのメールを開いた時、君の声が聞こえた気がした。

 

 

--

 

 

”君からは見えないだろうけど、僕は君の傍にいるよ。いつでも見守ってる。

 君の泣き顔は見たくない。

 笑って、君の人生を歩んで欲しい。

 笑って、君の好きな事をして欲しい。

 笑って、君に幸せになって欲しい。

 

 だから、まだこっちに来てはいけないよ。

 急ぐ事は無い、ゆっくりおいで。僕はいつまでも待ってるから。

 

 その時に聞かせてくれ。君の幸せだった事を。”

 

 

--

 

 

今まで何度も名前を呼んでも、君には届かなかった。

初めて届いたこの声を聞いた時。私の中の悲しみが何処かへ飛んで行った。

 

だから私は、

 

「......はい!」

 

笑顔で、強くうなずいた。

 

 

--

 

 

彼は、不慮の事故で亡くなった。

だけど、傍にいてくれている。私の事を見守ってくれている。

 

たとえ次元が違くても、声を届ける事が出来る。

君の声が届く、私が声を返す。

 

私は幸せだよ。とても楽しい生活を送ってる。

君はどうかな、幸せかな。

 

そうだと良いな。

 

 




モデル:生命線

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