サクラ大戦2外伝~ゆめまぼろしのごとくなり2~ 作:ヤットキ 夕一
そうしてしのぶに、カーシャと対話することを納得させた梅里。
だが、カーシャと和解──それ以前の対話をすることを納得させなければならない、もっとも重要な相手がいた。
それはある意味、司令である米田や副司令のかえでを説得する以上に難しい相手であるように、梅里には思える。
(さて、どう説得したものか……)
梅里は、そう考えながら会議の場になった食堂から出ようとしたが、不意に引っ張られて足を止めた。
なにごとかと足を止めて確認すると、引っ張られたのはコックコートの上に着た
肩くらいまでの長さの髪を、後頭部で左右に分けて二つのお下げにしている彼女のトレードマークとも言うべき髪型は、それだけで梅里には誰か分かった。
「せり……いったいどうしたの?」
白繍せり。
調査班頭であり、また食堂副主任という平時での肩書きは、食堂での梅里の片腕とも言うべきものであり、実際には彼を差し置いて経営方針を決めるほどの信頼と実績を持つ女性である。
しかし今はある事情により、その立場は弱くなっている。
「別に。今の私は隊長であるあなたの預かりの身なんだから、近くにいるのは当たり前でしょ?」
決して目を合わせようとはせずに、せりはしれっと答えた。
「そのわりには、会議が終わった後、事務局の方に行ったみたいじゃないか」
「ええ、ええ、そうよ。あなたとのことをかすみさんに訊きに行ってきたんだから。あなたが花やしき支部で寝込んでいる間、ずいぶんとお世話になったみたいだからその時のことをね」
キッと睨むせりの視線に圧されつつ、梅里は余裕の態度を崩さないようにと努力した。
「へ、へぇ……で、かすみさんはなんて?」
「べ・つ・に。いろいろ訊いたけど上手く誤魔化されちゃったわよ。まったく、あの人も老獪というかなんというか……」
「そんなこと言ってると、かすみさんに言いつけるよ?」
さすがに老獪はヒドいだろう。そう思って梅里が苦笑しながら言うと、せりは逸らしていた視線を再び梅里へと向けた。
「別にいいわよ。あの人から怒られようとも恨まれようとも、もう変わらないもの」
諦めたようにため息をつく。
そして、梅里をジロッとジト目でにらむ。
「どうせあなたの好みは、ああいう“大人の女性”なんでしょう? まったく……」
そう言って彼に向かって「べーっ」と舌を出す。
そんな感情露わなせりの姿に、梅里は思わず笑みを浮かべていた。
(せりらしい姿、なんだか久しぶりだな)
春に梅里を射抜いて以来、それを隠すために感情を押し殺していた彼女。
その姿は、勝ち気で明るく感情豊かな彼女らしさからはほど遠いものだったし、梅里もそんな彼女の姿が見られなかったことに胸を痛めていた。
それがしばらく前に解消されて以来、彼女のそういった姿は復活してきていた。それも最初はやはり不祥事を起こしたので抑えているところが見受けられたのだが、日を経つごとにそれらも解消してきており、徐々に遠慮がなくなってきている。
最近では、春頃よりもさらにストレートな感情表現──ともすれば年齢よりも下に見えるような子供っぽい表情を見せるようになり、以前よりも距離が近づいたように感じられていた。
「……なによ、人の顔を見てニヤニヤして」
「いや、せりらしさが戻ってきたと思ってね」
梅里の素直な感想に、せりは思わず顔を赤くしてバッと顔を上げて視線を逸らす。
「ジロジロ見ないでよ……」
セリの反応に思わず再び苦笑する梅里。
そんな彼から視線を背けていたせりだったが、不意に大きくため息をつくと、そのまま話を始めた。
「……カーシャのこと、聞いたわよ。──っていうか、聞こえたというか……」
せりが言うには、かすみを問いつめても埒があかないと判断したせりが戻ってきたら、ちょうど梅里としのぶが話していたところだったらしい。
ちなみにかずらは負けじと諦めず、未だにかすみに噛みつこうとしているようだ。人見知りするかずらだが、一緒に危険に遭遇した仲間意識と接する機会が増えたせいで、どうやらかすみには遠慮が無くなったらしい。
「あんな大きな声で話しているアンタ達が悪いんだからね」
これを非難ととるべきか、注意ととるべきか。なんにせよ、それもまたせりらしい発言だった。
「ご忠告どうも。それで?」
「それで……って、私になんて言って欲しいのよ?」
訝しがりつつも、どこか威勢良く反発気味のせり。
「僕がカーシャと話をしたいっていうのは聞いたんだろ?」
「ええ。そうよ」
「で、それを聞いたせりの感想。どう思ったの?」
「わ、私は……」
少しのためらいの後、彼女はハッキリと口に出す。
「梅里の、思うとおりで良いと思うわ」
「ふ~ん……」
それに対して梅里は含みがあるように笑みを浮かべる。
その表情を見て不満そうにするせり。
「なによ、その表情。言いたいことがあるならハッキリ言えばいいじゃない」
「わかった。じゃあ、ハッキリ言うよ。聞き分けのいいところを見せてさっきの“大人の女性”を演じているつもり?」
「なッ!? そ、そんなわけ無いわよ!」
梅里の言い分に、最初は驚いたものの、徐々に怒りが勝っていく。
「なに言ってるのよ! 私は本気であなたの思うとおりにして欲しいと思ったからなのに、それを……信じられない!」
激高するせりを梅里は両手で掴んで押さえると、じっと彼女を見つめた。
「本当に?」
「な、なによ。疑うっていうの?」
「疑ってはないよ……半分くらいは」
「は、半分って、疑ってるってことじゃないの! あなたねぇ!!」
再び暴れ始めるせり。
そんな彼女に──
「無理、してない? いい恰好しようとしているとは言わなくても、どこかで我慢しているんじゃないの?」
梅里の真剣な眼差しに、せりは勢いを殺されて動きを止めると、視線を逸らしてしばらく黙り込む。
それから少ししてから、口を開いた。
「それは……私だって、実際に直接妖力を植え付けたり、あなたを狙撃させたのがカーシャじゃないと言ったって、彼女に怒りや恨みを感じないわけじゃないわよ。水狐と一緒になってさんざん、人の嫉妬を煽ってくれたんだから」
捜査が進んで、カーシャのやっていたことは徐々に明らかになりつつあった。
彼女がしていたのは主に情報の漏洩と、せりの嫉妬心を煽る行為だった。
せりの嫉妬心は彼女に対して向けられたことはあまり多くはなかったが、彼女のいる場面で暴走することが多かった。
「でも、ね。彼女の話を聞きたいと思っているのは私も同じよ。でも理由はたぶん、あなたとは違う……私は純粋になんでこんなことをしたのか、それが知りたいだけ」
梅里や、当初は紅葉が言い出したことであるカーシャの言い分を聞き、可能であれば説得するための対話とは違い、せりが求めているのは真相解明のための聴取だった。
「私がこんなことをされた理由も分からないまま、水狐みたいに討たれて真相は闇の中──なんて納得できないもの」
少し悔しげなせりは、水狐が死んだと聞いたときに感じたモヤモヤを吐露していた。
「水狐──いえ、影山サキは私にあんなことを、大事な人に弓を引かせたくせに何も語らなかったことは許せないわ……もちろん、米田司令を狙撃させた黒幕も話さずに去ったことも許せないけど」
後半のとってつけたような言い分には思わず梅里も苦笑したが、それでも前半の──大事な人に弓を引かせた、という部分にはそれを
「──え? えぇっ!?」
「……ゴメンね、せり」
突然の梅里の行動に戸惑うせり。
そして唐突な梅里の謝罪にも困惑した様子だったが、梅里がもう一度「ゴメン」といった頃には落ち着いて、だいたいの事情を把握していた。
(私があなたを射抜いたのを、自分が鶯歌さんを貫いたのと重ねたんでしょ? まったく……)
重ね合わせて心を痛めてくれるのは、彼の優しさを感じられてうれしいことだったが、やはり鶯歌の存在の大きさを感じてしまい、それに嫉妬するせり。
「別に……謝らなくても大丈夫よ……」
その悔しさを、抱きしめてきた梅里を逆に強く抱きしめることで少しでも紛らわせようとするのであった。
それから食堂は休憩時間を終えて夜の営業を迎えた。
人数的にも余裕がある今の食堂はよほどのことがない限り問題は発生しない。夢組として動いているものも少なく、営業を無事に終えて忙しい一日が終わった。
後かたづけをすませ、各々が帰路につき始めたとき、まだ食堂に残っていた梅里の元へ、かずらがひょっこり現れた。
「──あ、ちょうどいいところに」
梅里を見るや、かずらは笑顔で彼の側まで駆け寄る。
すでに着替えをすませていた梅里は、普段着の黄色いシャツに濃紅梅の羽織という服装だった。
「梅里さん、私の練習……最後に一回だけ演奏したいので、付き合ってもらってもいいですか?」
「それは……構わないけど」
後は帰るだけだし、誰かと一緒に帰るという約束もしていない。
梅里が承諾すると、かずらは笑顔を浮かべて喜びつつ、梅里を音楽室へと連れて行く。
ドアを開けて中に入るが──誰もいなかった。かずらも練習と言っていたのでほかの楽団員や、場合によっては花組のソレッタ=織姫がいるかもしれない、と思っていたのだが、それは外れたようだ。
(彼女も、先月あたりから人当たりにキツさが無くなったから……)
日本の男が大嫌いと言ってはばからなかった織姫は、先月の浅草での騒動──火車との戦い以降は、明らかに態度が変わっていた。
梅里にもそこまでキツい態度をとらなくなっており、先日はイタリア料理について彼女に尋ねてみたほどで、それくらいにまでは態度を軟化させていた。
──などと梅里が考えを巡らせ、ふと気がつくと不満そうなかずらと目が合う。
「……どうかした?」
「梅里さん。他の女の人のこと、考えてました」
「ッ!」
思わずギクッとなるが、苦笑を浮かべて「そんなことないよ」と誤魔化す。
それに騙されたわけでは無さそうだが、かずらは「む~」と眉根を寄せて不満げな顔をしていたが、その態度をあっさり解いた。
「……まぁ、別にいいですけど。今からの演奏を、しっかり聞いてくれるのなら」
そう言いながら、かずらはテキパキと準備をしていた。
譜面台の上に楽譜を置き、ケースに入っていた愛用のバイオリンを取り出すと、手にした弓とともにそれを構える。
「じゃあ、いきますよ?」
そうして、かずらは目を閉じ──演奏を始めた。
素人が聞いてもわかる見事な音色が部屋に響きわたる。
「……この曲は…………」
梅里はその曲を知っていた。
というのも、最近、聞いたからである。大帝国劇場の秋公演『青い鳥』のクライマックスで流れる曲だった。
幼い二人の兄弟が探し求めた幸せの青い鳥を巡り巡ってようやく見つけた、その喜びを表す曲であり──幸せは身近なところにある、というのを表現している曲。
食堂勤務員である梅里は、なかなか公演を目にすることができない身ではあったが、稽古中の花組達を目にすることはあるし、『青い鳥』に関していえば、たまたまその総稽古を見ていたというのもある。
この曲を聞いて梅里は、目を閉じてクライマックスを思い出す。
バイオリンのみという変則的な曲にはなっていたものの、それでも十分に素人である梅里に聴かせられたのは、さすがはかずら、といったところだろう。
演奏を終えて、彼女がそっと息を吐くと梅里の拍手が彼女の演奏を讃えた。
「さすがだね。相変わらず上手かったけど……でも、なんでこの曲なんだい?」
思わず梅里は尋ねていた。
秋公演『青い鳥』は好評を得たが──すでに千秋楽を終えている。
先ほどかずらは練習と言った。しかし練習する必要がないはずのこの曲をあえて奏でた意図が梅里には分からなかった。
「……カーシャさんを許すつもりみたいですね。梅里さん」
楽器を構え、目を閉じたままかずらが冷たい口調でいったので、戸惑う梅里。
「どこで聞いたの?」
「私、耳はいいんですよ? おかげでいろんなことが聞こえてくるんです」
目を開くと、いたずらっぽく笑うかずら。
その目がすっと変化して、珍しく厳しい目を梅里へと向ける。
「しのぶさん、それに……黒鬼会にあれだけ追いつめられたせりさんも認めているそうじゃないですか」
「許すわけじゃないよ。とにかく、カーシャと話をしてみるということ。それでせりも納得してる──」
「同じことです! 私は……カーシャさんを許せません!!」
「かずら……」
思わぬところから出た大反対。かずらは怒りを露わに梅里へと詰め寄る。
「私にとって夢組は『青い鳥』なんです。一番身近にある一番の幸せで……特に食堂はスタッフじゃない私にとっては完全には中に踏み込めない、外から見ることしかできない、それでも一番幸せを感じられる場所……」
「そんな。別にかずらが食堂に来たってぜんぜん構わないんだよ。変に気を使うことなんて無い」
「ええ。分かってます。せりさんも梅里さんも、他のみんなも私を仲間外れになんてしていません。でも……私は料理もできないし、給仕もこなせない」
少し寂しげな笑みを浮かべたかずらに、梅里はその本心を見て複雑な思いだった。
だが、彼女も演奏についてはプロである。自分の役目をわきまえている。
「私がこの大帝国劇場でやるべきことは料理で楽しませることじゃなくて、音楽を奏でてみなさんを楽しませることですから。それにプライドを持っていますし、あれもこれもと欲張るつもりもありません。今の夢組と楽団ってだけでも大変なのに、草鞋も三足目になっちゃいますから……」
そう言ってかずらは苦笑する。
「確かにみなさんと食堂で働きたいって気持ちはあります。でも、それじゃあわがままですし、やってくるお客様のためにも音楽に全力を注ぎたい。どちらも同時にできるほど私は器用じゃありませんし、楽な世界じゃありません。もちろん食堂だってそうだと思います」
だからこそ、自分ができる方──演奏で劇場に来たお客さんたちを喜ばせたいとかずらは思っていた。
ただ、とはいえかずらも20歳に満たない乙女である。
「でも……ほんの少しワガママを言うことになっちゃいますかけど、やっぱり食堂勤務している人達が羨ましい。私も、梅里さんと一緒に働きたい。梅里さんが調理しているところを間近で見たいです」
好きな人の近くに少しでもいたいと思うのは無理もないことだ。
それに、料理のできないかずらからしてみれば、美味しい料理を作り出す梅里の調理技術は魔法のようだった。
「そんな、優しいみんなが仲間として私を暖かく迎えてくれる。こんな幸せなことはないと思ってます。でも……あの人は、それを壊そうとした。みんなを裏切った」
かずらの目が再び険しくなる。
滅多に見せない本気の怒りに、梅里は驚いていた。
「あの人は、自分もあの場所にいたのに……青い鳥が手の中にあるのに、それをくびり殺そうとしたんですよ? 絶対に、絶対に私は許せません! せりさんが……あんなに苦しんでいたんですから」
しのぶがあまり感情露わに争うことがないせいで、かずらは梅里を巡ってせりと争うことが多い。
だからといって、せりのことが嫌いなわけでは決してないのだ。むしろ彼女がいるからこそ刺激になって梅里への思いが募るし、いろいろなことに気がつけるくらいに視野が広くなっている気がしている。
かずらにとってはいい
そのせりが、苦しんでいるのは決して気分がいいことではなかった。あのころは自分のことだけ考えるのなら絶好の
(そんなことをしたら卑怯ですもんね。それに負い目を感じていたでしょうし、そんな状態で梅里さんを射止めても、気がひけるじゃないですか)
せりとは正々堂々と競いたいし、それはしのぶに対しても同じ。そしてそれは二人も同じ気持ちだと勝手にではあるが思っている。
「……せりを長々と苦しめてしまったのは、僕のせいだよ」
「そんな! そんなことありません。梅里さんは大怪我をして記憶まで失っていたんですから」
梅里を庇うかずらだったが、梅里は首を横に振る。
そして──
「かずら……『青い鳥』の話は知ってるよね?」
「ええ、もちろんです。そもそもこの前までアイリスとレニの二人が主演でやっていたんですから」
しかも楽団に所属して演奏を担当していたかずらが、そのシナリオを知らないわけがない。
もちろんそれを知っているはずの梅里がなぜ、わざわざそんなことを言い出したのか、かずらは眉をひそめる。
「かずらは、夢組に“青い鳥”を見たんだろう? それに気がつけたのかもしれないけど……それを見つけられずに探している人もいるということは、分かるよね?」
「それは……わかりますけど」
物語で兄妹は“幸せの青い鳥”を探し求め続けた挙げ句、結果的には身近にそれがあることに気がつく。
幸せとは身近にあるもの、という物語の教訓であるし、かずらが夢組や食堂を“青い鳥”と思うのはそういうことだ。
「もしもそれを探している人に、そこに“青い鳥”がいるんじゃないのか、と確認するのは、悪いことかな?」
「……それって、カーシャさんのことですか?」
かずらの訝しがる顔が不機嫌な顔に変わる。
だが、梅里はそれでもハッキリと頷いた。
「うん。彼女にとっても、夢組や食堂が“青い鳥”たりえないのかな、と思ってね」
「さっきも言ったじゃないですか! カーシャさんはその“青い鳥”を殺そうと──」
「それは、彼女にはが“青い鳥”に見えてなかったからだよ。“青い鳥”って……そういう話だし、彼女がそれを“青い鳥”と見てくれれば迎えるつもりだし、そうと思えないのなら、袂を分かつしかない。わかりあえないんだから、ね」
寂しげに笑う梅里。
「だから、それだけは確かめさせてくれないかな?」
そんな彼の問いかけに、かずらは考え込んだ。
深く、そして長く考え込む彼女は──その表情が厳しいものから長い時間をかけて、徐々にむくれたような不機嫌なものへと変わっていく。
そしてその不満を隠そうともせずに口を開いた。
「……私としては、なんだかすご~く、イヤな予感がするのが気になりますし、本当ならイヤでイヤでイヤで仕方がないんですけど……他ならぬ梅里さんのお願いですから……わかりました」
「ありがとう」
梅里は思わず目の前にいたかずらの頭を撫でてしまう。
それを気持ちよさそうに受けていたかずらだったが、ふと思いついたように口を開く。
「代わりに私のワガママ、一つ叶えてくださいね」
もちろんイヤな予感がして苦笑する梅里。
それを気にした様子もなく、いたずらっぽく小悪魔の笑みを浮かべるかずら。
「さっきの梅里さんのお願い、あまりに不満が強すぎて私の口から出てしまいそうなので──塞いでもらえませんか?」
そう言って彼女は目を閉じて、唇を少しだけ前に出した。
こうしてカーシャとの対話を望むことで統一された夢組の意志であったが、その後は黒鬼会は目立った動きを見せることなく、カーシャの行方も判明しなかった。
そうして──11月9日を迎えることとなった。
【よもやま話】
せりとかずら、それぞれのシーン。 当然、二人とも考えが違うわけで──かずらの方がカーシャに悪感情を抱いているのは、本質的に彼女が優しいから。
もちろんせりが優しくないからではなく、命狙われた梅里が許しているのに自分が許さないのは……と遠慮しているだけです。
かずらは相変わらずだなぁ。