サクラ大戦2外伝~ゆめまぼろしのごとくなり2~ 作:ヤットキ 夕一
夢組副隊長、巽 宗次──戦死。
その報は、衝撃となって花やしき支部で戦う華撃団員達に広がった。
副隊長とはいえ軍属である彼の知名度は高く、民間登用の隊長を支える軍人副隊長として夢組以外でも知られた存在だったのだ。
しかし、もっとも影響があったのはやはり、夢組である。
「え……? ウソ……」
せりはそれを聞いて愕然とし──
「副隊長が? そんな、そんなはず、ありません!!」
かずらは事実を拒絶するように首を横に振り──
「巽さん……」
しのぶは沈痛そうに目を伏せ──
夢組幹部の中にも動揺が広まった。
それは指揮系統の混乱を招き、隊の誰もが認める優秀な指揮官の訃報は動揺を招いた。
それは、優位とはいかなくともどうにか互角程度にがんばっていた戦線が、その僅かな隙によって徐々に、徐々に華撃団不利へと傾いていく。
それほどまでに副隊長・巽 宗次の存在は、夢組にとって大きなものだったのである。
そしてそれは──彼を師と仰いでいた、白繍なずなにも大きなショックを与えてた。
「なん、て……」
その通信は、花やしき支部からのものだった。
ミカサに乗り込んでいる宗次なのだから、なにか情報が錯綜した結果の誤報、そう信じたかった。
「信じないわ!!」
なずなは叫び、その搭乗するアイゼンクライトが錫杖を振るう
振りかざされた錫杖からは霊力が衝撃となって放たれ、降魔兵器を叩き潰す。
「信じられるわけ、ない!!」
さらにもう一振り。水平に薙いだその一撃で、目の前の降魔兵器がすごい勢いで吹っ飛ばされる。
「あの……巽副隊長が、あんなに……強い人が」
その技をなぞるように、突き、払い、舞うように長柄ものを振るう。
その視界は、涙でゆがむ。
それでも──なずなは戦い続けなければならなかった。
釿哉が残したアイゼンクライトを駆り──
宗次が教えてくれた技を振るう──
奇しくも戦線を去ることになった二人の残したものが、彼女の武器であった。
……だが、
「はあ……はあ……はあ……」
舞うように動いていたアイゼンクライトの足が止まっていた。
次々と降魔兵器を撃破していたなずなだったが──今は、遠巻きに囲まれているような状況である。
体力の限界を迎えたからだ。
宗次の訃報を聞いて以来、それを振り払うようにがむしゃらに突っ込みすぎた代償であった。
今までは、囲まれることなく次から次へと挑んでいたが、その体力がなくなり、敵へ向かう一歩が重くなり──足が止まってしまっていたのだ。
「く……まだ、まだあたしは戦えるのに…………」
気持ちばかりが先走り、体がついて行っていない。
それでも、なずなは負けじと、降魔兵器を睨みつけ──それが放った羽ばたきによる衝撃波を、眼前で錫杖を構えて展開させた防御結界で防ぐ。
そこへ飛びかかってきた近接戦闘型の降魔兵器に錫杖を叩きつけるが──弱い。大きなダメージを与えられず、その勢いが殺されることなく、鉤爪が迫り──それを青白い雷光が貫いた。
「バカ! 突っ走りすぎよ、なずな!!」
「姉……さん…………」
光が飛来した方を見れば、弓を持ち、くすんだ水色の袴の夢組戦闘服を着て、左右に分けて後頭部でまとめた──昔から変わらない髪型の、なずなにとってあこがれでもあった姉である白繍せりの姿が、あった。
「ありがと、姉さん」
「無理しすぎよ! 少し下がりなさい。確かにあなた頼みになっている布陣ではあるけど、あなたに倒れられたら戦線が崩壊するんだから!!」
思わず注意するせり。
近江谷姉妹の戦線復帰の連絡は未だ無く、その目処さえついてないような状況だった。
少し離れた場所に、ハッチが開きっぱなしで放置されている光武・複座試験型の様子を見ても、彼女らが戻ってくる可能性は高いとは言えないだろう。
そうなると、頼みの綱は一丸となって戦っている除霊班と、このなずなが乗るアイゼンクライトしかない。
(あとは、しのぶさんの魔眼くらいだけど……)
現在、夢組の指揮を執っているのは塙詰しのぶだった。
もう一人の副隊長である彼女は、そのせいで忙しく余力がないのと、最後の切り札として温存したいがために、それを使っていなかった。
「いい? あなたの代わりはいないの。それを肝に銘じなさい」
「わかってる……でも…………」
姉の忠告になずなはうなずく。
だが、宗次の穴を埋めなければいけないという気負いが、正しい判断力を失わせていた。
「まだ、まだぁぁッ!!」
一歩踏みだし、間合いに入った降魔兵器に錫杖を振るう。
──が、敵はそれを紙一重で避ける。
「なッ!? しまッ──!!」
後悔しても遅い。
なずなの不用意な攻撃に、降魔兵器は完全なカウンターとなって鉤爪が迫り──「絶対に壊すなよ」という釿哉の忠告が妙に大きく、なずなの脳裏に聞こえた気がした。
避けようのない一撃は、アイゼンクライトの胴のど真ん中へと延び──鋭い鉤爪がその装甲をぶち抜き、なずなの体へと至るのまでが、妙にリアルに想像できた。
そしてそれは、実際の出来事へと変わろうとし──
「なずなッ!!」
思わずあがった姉の悲鳴。
それを背景に、降魔兵器の鉤爪は──横から来た白刃に斬り飛ばされた。
「「──え?」」
絶体絶命の窮地だった。
斬り飛ばされた鉤爪は、放物線を描いて宙を舞い──思わずそれを目で追いかけてしまう。
そうしている間に、返す刀で横一閃に斬られ──降魔兵器は断末魔の叫び声をあげていた。
「「──ッ!!」」
その姿に、姉妹そろって思わず息を飲む。
あっという間にそれを翻させたその人影は──まさしくヒーローだった。
それは、助けられたなずなはもちろんのこと、妹を襲おうとした悲劇を見ていることしかできないでいたせりにとっても同じ。
だから──
「ズルいわよ、あんなの……」
思わず言葉が口からついて出ていた。
その彼は、ヒーローにふさわしく、白銀の光球に包まれ、白地に金の装飾が施された戦闘服──神主服である狩衣を模した夢組の男性用の──を身にまとっていた。
20歳にしてはまだあどけなさを残した顔立ちは、ともすれば頼りなくさえ思わせるが、纏う歴戦の猛者の雰囲気がそれを打ち消す。
その姿にせりは──惚れ直していた。
「そこの、アイゼンクライト……無事?」
「は、はいィッ!!」
若干声を裏返して答えたなずなに、せりは思わず苦笑を浮かべる。
あれをされたら──惚れてしまうのも無理はない。命を助けられたのならなおさらだ。
でも、妹に彼を譲る気は──さらさらない。
「まったく──遅いわよ、梅里ッ!!」
刀を納めた彼に、せりは思わず駆け寄り──抱きついていた。
それは──宗次の訃報に絶望感さえ漂っていた夢組の気持ちを大いに奮い立たせた。
武相 梅里という存在が、夢組に──あるべき場所に戻ってきたのである。
その一報は、波紋のように広がっていき──
「ぃよしッ!! ウチらも負けていられんけぇ!!」
大いに奮い立ったのは、除霊班頭の秋嶋 紅葉であった。
すでに驚異的な体力で多数の降魔兵器を倒していた彼女だったが、それを聞いてまるで疲れが吹っ飛んだように、次なる敵を求めて分銅の付いた鎖を飛ばす。
そして──
「梅里さぁぁん!!」
そう叫んで梅里へ駆け寄り、人目を気にすることなく抱きついたのはかずらだった。
周囲の降魔兵器をなずなとせりの白繍姉妹と共に掃討した梅里。おかげでなずなはとりあえず、休憩もかねてアイゼンクライトから降ろして休ませていた。
そのタイミングを見計らったかのように彼女は現れた。後から聞いたことだが、なずなの危機に駆けつけようと近くまで来ていたらしい。
そして涙を流して梅里へとしがみついていた。
「無事だった? かずら……」
「はい! 私は大丈夫です」
自分が怪我したにも関わらず、他人の無事を心配する梅里に、かずらはその変わらない優しさを感じていた。
「こら、かずら。梅里はまだケガが完全に治ったわけじゃないんだから……」
そう言って、傍らに立つたせりがたしなめる。
だが、返事はない上にまったく離そうとする気配がなかった。
「もう……無理だけはしないようにね。まったく……」
その様子に、あきらめに似たため息を付く。せりにしても、かずらの気持ちは理解できるのだ。彼が意識が無くなるほどの大怪我をしたという話を聞いて、胸が張り裂けそうになるほど心配した身としては。
「まーったく、遅いわよ、ウメサト。そのくせ美味しいところは持っていくんだから……」
と、呆れ気味だったのはアカシア=トワイライトことカーシャだ。彼女もまたこの場に駆けつけてきたのである。
除霊班副頭である彼女は、なずなの担当していたこの場所とは別の場所で、紅葉やコーネル達、除霊班と共に別働隊として動いていたのだが、なずなの負担が大きいと判断したしのぶによって、援軍としてこちらに向かってきていたのである。
そのまさに到着したときこそ、梅里が降魔兵器の腕を切り飛ばし、さらにはあっという間に切り捨てたところだった。
せりが思わず言ったように、カーシャもまた「アレはズルい」と思った。そんなことを見せつけられたら、心ときめかない女性はいないのではないだろうか。
そういうことを自然とやってのけてしまう、自分が愛する相手には「これ以上、
そこへ──
「梅里様……お待ち申し上げておりました」
やってきたのは、塙詰しのぶだった。
今の今まで、宗次の後を継いで隊長代理を務めていた彼女だったが、その重圧には圧し潰される寸前であった。
帝都は危機的状況であり、夢組はどこも苦戦中。
おまけに、普段なら共にいてくれるはずの梅里も、そして宗次さえもいない状況は初めてのことだった。その二人の支えなくこの大規模な戦闘下で部隊の指揮を執るのが、どれほど恐ろしかったことか。
おまけに、その宗次のせいでティーラもまた取り乱し、まともに支持が出せる状況ではない。
副支部長を兼任する彼女は五人の頭の中では筆頭であり、序列的には副隊長に次ぐ四番目になるのだが、今の今まで夢組は上から四人までのうち、まともに動けたのはしのぶだけ、というありさまだったのだ。
「しのぶんさん、迷惑をかけたね。今まで、助かりました」
「そんな……わたくしが梅里様の代理など務まろうはずがございません。今より隊長代行の役目をお返しし、本来の隊長補佐へと戻ります」
「……もう少し、やってみる気はない?」
そう悪戯っぽく梅里が言うと、しのぶは澄ました笑顔で──
「謹んでお断り申し上げます、梅里様。やはり夢組の隊長はあなた様以外、考えられません。それに──」
表情を一変させ、しのぶは俯く。
「──巽副隊長が、戦死とのことでございます」
「うん……それは僕も聞いている」
本当のことなのか、と梅里は聞きたかった。
誤報・誤認の類であってほしい、そう願う一方で──確認することでそれを事実と確定することも、怖かった。
(もし、僕が重傷を負っていなければ──ミカサ側についていったのなら……)
少なくとも、梅里が役目を変わることで、宗次の命は助かったのではないか、と梅里は思ってしまう。
「……梅里。まさか、副隊長の代わりに自分が──なんて考えてないでしょうね?」
見透かしたようにジト目を向けてくるせりに、梅里は図星を指されて苦笑するしかない。
もちろん、彼女の言いたいことは分かっている。
それは、彼女との約束に反するようなことであることも、だ。
でも──それでもなお、人の命が亡くなることには抵抗があるし、手が打てたのではないか、と考えてしまうのだ。
「──では、ここで死んでみたら、いかがでしょうか?」
「ッ!?」
突然、響いた声に、梅里は思わず身構える。
彼の周囲にいた、せり、かずら、カーシャ、しのぶの四人も油断無く周囲を警戒する。
そしてその人影は──まるで景色からにじみ出るようにして、姿を現した。
黒い装束を身にまとったその男は、顔を隠すことなく、恭しく一礼して見せた。
「やはり生きていましたか、武相 梅里。今までその姿が見えず、もしかしたら──と思っていたんですがね」
「御期待に添えなくて申し訳ない、とでも言えと?」
一定の距離をとって対峙する、男と梅里。
その顔を見て、せりとかずらとカーシャは首を傾げる。
「──誰?」
その顔に見覚えはなく、三人は訝しがるような視線を向ける。
「いやいや……代用品の娘どもを侍らせて、期待通りに生きていてくれましたので、助かります」
「代用品? それってひょっとして、私たちのこと!?」
察したせりが激高し、相手を睨みつける。
「耀山様、まだそのようなことを……」
しのぶが悲しげな目で彼を見つめ──
そしてカーシャは鋭い目をして、眉をひそめた。
「その声、それにこの気配。アナタまさか……“人形師”!?」
カーシャの挙げたその名前には、さすがにせりとかずらも驚く。
「に、“人形師”って、あの──」
「黒鬼会の幹部の一人の──」
身構え、武器に手を伸ばす二人。
二人ともその名前は──せりにいたっては顔を合わせたことがあるはずなのだが、その顔に見覚えはなかった──知っており、警戒すべき人物だということは認識していた。
「あの時のこと……絶対に許さない」
なによりもせりにとっては不倶戴天の敵である。激しい怒りと共に目を鋭くして睨みつけた。
それを気にすることなく、“人形師”と呼ばれた男は──
「ほぅ……よく分かりましたねえ、ローカスト」
カーシャを揶揄するようにそう言った。
不快そうに顔をゆがめるカーシャ。
「その名前の人格なら、とっくに居なくなってるわ」
「おや、あの方とは親しく付き合わせていただいたのに、それは寂しいですね……」
「どこがッ!!」
そんな彼に怒鳴り、カーシャは剣呑な空気を出しつつ、手にした
「で、こんなところにノコノコと現れて、いったい何が目的?」
「目的? そんなものは決まっていますよ。あなたではなく私こそ真の『
五人を前にしても一切ひるむことのない“人形師”──幸徳井 耀山が梅里を見た。
それに対してしのぶが梅里をかばうように立って扇を構え、カーシャもまた梅里の前に立つ。
せりとかずらはやや後方のままだが、それでもそれぞれ弓矢とバイオリンを構えていた。
そして梅里は──腰の愛刀、聖刃・薫紫をゆっくりと抜き放つ。
明治神宮で、梅里は意識不明の重体になるほどの傷を彼に負わされている。
それがわかるからこそ──そして状況を聞いてなお、せりやかずら、カーシャには何が起こったのかさっぱりわからず、実際に目にしたしのぶもまた心当たりが全くなく、気が付けば梅里が負傷していたという有様だったため──最大限の警戒をしていた。
一触即発の空気の中、耀山とは古い知己であるしのぶが問いかけた。
「耀山様、なぜ──なぜあなたは、京極などの味方になったのですか! 聡明なあなたなら──」
「
耀山の動きがピタリと止まる。
そして、ユラリと体を巡らせ──しのぶを憎悪の燃える目で睨みつけた。
「しのぶ……キサマが! 浅慮と劣情のために陰陽寮を裏切り華撃団に尻尾を振ったキサマごときが、この国のために深謀遠慮を尽くす京極様を、「など」という助詞を付けるとは、無礼千万だろうがッ!!」
そのあまりの憤激に、しのぶは気圧され一歩後ずさる。
するとその肩に、誰かの手が触れるのが分かった。
暖かい手。その固いその感触と、その肩を包むような大きさで、女性のそれではないと分かった。
彼が後ろにいる──その事実がしのぶの心に、安堵と勇気を与える。
(ありがとうございます、梅里様)
グッと歯を食いしばり、しのぶは耀山の睨みに抵抗した。
そして目の前の男の姿に、悲しげに目を伏せた。
気圧されていた精神状態から立ち直り、冷静さを取り戻したことで、かつての彼の姿を思い出したのだ。
「耀山様、なぜ……あなたはそのようになられてしまったのですか。かつてのあなたは、そのような方ではなかったはず!」
「かつての私、か……」
しのぶの言葉を反芻し、自虐的に笑みを浮かべる。
「勘違いしているようだな、しのぶ。私は陰陽寮にいたころから、考えを変えておらんよ」
「え?」
戸惑うしのぶに、耀山はさらに続ける。
「……私はね、この国を愛しているのだ。春には花が咲き乱れ、夏には命があふれ、秋には多くの自然の恵みが実り、冬には雪の舞う……情感あふれる、この国が大好きなのだよ」
耀山はそう言って周囲を見渡し、そして空を見上げる。
暗雲包まれた空ではあったが、彼にはその遙か上にある綺麗な青空が見えているかのようだった。
「それを守るために私は手を尽くした。そのために政府に申し立てたのだよ。これ以上の西洋化の停止と、太陰暦の復活を……」
「西洋化の、停止?」
訝しがって、眉根を寄せるしのぶ。
正直、ピンとこない話であった。西洋文明の否定といえば、徳川幕府の復活を志して帝都を大混乱に陥れた、黒之巣会の首魁・天海が頭に浮かぶ。
しかしその考えを、夢組隊長の梅里は「帝都の繁栄を見てもそんな現状把握ができていないような考えは、“反魂の術”で蘇らせた葵 叉丹に認識を狂わせられていた」と評している。
それでも天海を支持する者達もいたのだが──目の前の鋭才と言われた男が、そんな狂人じみた考えを、陰陽寮にいたころから持っていたとは、とても信じられなかった。
「故に復古派、などと言われることになったが……それは陰陽寮のかつての栄光を取り戻す、というのが目的ではない。全ては──この国を守るためなのだ!」
耀山は視線を戻し、梅里達を、そしてしのぶを睨む。
「この国は、強く在らねばならない。強く成らねばならない。今のままでは無理なのだよ。この国を守るためには──今のままではいけない。それをできるのは、京極様という強者以外に、無い」
目の前で開いた手を、力強く握りしめる。
「その京極様を阻むキサマらを──私は排除する!!」
耀山の目が一段と鋭くなり、視線をしのぶから梅里へと動かした。
そしてその妖気が一気に膨れ上がる。
その禍々しい気配に、五人は警戒し改めて身構える。
「副隊長一人居なくなっただけであそこまで動揺するのなら、隊長が殺されれば、崩壊は必至──キサマの命、今度こそ奪わせていただく」
そう言ってニヤリと昏い笑みを浮かべる耀山。
「そんなこと──させるわけないでしょ!!」
それに応じたのは、せりだった。
彼女が先手必勝とばかりに、矢筒から取り出した矢を弓につがえようとし──
しのぶもまた、扇の写し身を霊力で巨大化の上で具現化し、壁を作り出し──
カーシャは剣を構えて切りかかり──
「──いや、すでに手遅れだな」
素早く両手を広げ──用意していた術が発動し、密かに耀山が高めていた妖力が爆発する。
そして──
せりは矢を弓につがえようと交差したところで──
しのぶは巨大な扇の写し身を具現化したところで──
カーシャは剣を構えて一歩踏み出したところで──
──それぞれ停止していた。
【よもやま話】
やっと梅里参戦です。
そして美味しい所を持っていく……だって主人公ですから。