まさか7月ジャストに投稿が終わるとは思ってませんでした。
今回で書きだめはなくなるのでスローペースになると思います。
では今回もごゆっくり、見ていってください。
俺は、暗い、暗い闇の中にいた。
叫んでも叫んでも誰からの返事もなく、辺りを照らそうにもアーツすら使えない。
装備しているはずの太刀もなく、そもそも俺の体すら、暗くて見えない。
必然的に心細くなり、その暗闇の中を誰かいないかと走り回る。
しかし、足元も当然見えない暗闇の中、俺は何度も躓いて転び、身体中、ボロボロになるのを感じていた。
もう諦めよう。
そう思いその場でへたりこんでいると、微かだが、誰かが俺の事を呼ぶ声が聞こえた。
俺は飛び起き、声の主を探すが、やはり何も見えない暗闇が続いているだけだった。
しかし、俺を呼ぶ声は続き、次第に大きくなっていった。
もしかしたら、声のする方向へと向かうと何かがあるかもしれない。
そう思った俺は、痛む身体にムチを打ち、声のする方向へと一歩一歩、歩み始めた。
声は時折小さくなったりするが、途切れることなく続き、俺を導いてくれているような気がした。
やがて声が聞こえなくなったと思うと、パッと目の前で光が放たれた。
眩しさのあまり手で覆い隠しながら見ていると、その光は俺の方へと伸び、やがて包み込むように、辺りが光に満ち溢れた。
そこで俺の身体の感覚は消え、感覚が戻ったと思うと、どこかに寝かされている様に感じた。
ゆっくりと目を開けてみると、見慣れぬ白い天井…そして、ピッ…ピッ…と音を立てて俺の心臓の鼓動を表示している機械と点滴、そして何よりも愛する、妹の姿があった。
「お兄……ちゃん?お兄ちゃん!?やった!お兄ちゃんが起きた!」
そう言い、イツキは俺へと飛びかかり、一生懸命に抱きしめてきた。
「イツキ…おはよう、心配かけたみたいだな」
「うん…!本当に、本当にまた目を覚ましてくれてよかった…!」
そうイツキは涙ながらに言うと、「ちょっとまってて!先生呼んでくる!」と言って、部屋から飛び出してしまった。
待っている間に身体を起こそうとするが、力が上手く入らないわ身体が痛いわで、起き上がることができなかった。
仕方ないのでそのまま寝転がって待っていると、ドタドタと何人もが走ってくる音がし、やがて部屋のドアが勢いよく開けられた。
「隊長ォ!起きたって本当ですかぁ!?」
そう言い、緑色の髪に真っ黒な肌をしたザウラ族の少年が入ってきた。
俺はそれを見て固まっていると、後ろからゾロゾロと、どこかで見覚えはある気がするが分からない人達が入ってきた。
「イツキとシロとアイラは分かるが…ほかはどちら様…?」
そう言うと、全員やれやれと言ったような表情を浮かべてから、白いフードを被り、仮面をつけて見せてきた。
「レユニオン第23小隊!全員無事です!」
そうザウラ族の少年は言い、全員で敬礼をして見せてきた。
「……ああ!お前らか!?仮面とフードを取ったのを見たことないから誰かと思ったぞ……」
「でしょうね、俺らも最初そんな感じでした」
そうザウラ族の少年…レオンは言うと、みんなの後ろの方から、小型ドローンを追従させた、リーベリ族の女性が、人混みをかき分けて出てきた。
「久々の団欒の中失礼するよ、目覚めた感覚はどうだい?」
「ああ…悪くない、ここはどこなんだ?そして君は誰なんだ?」
「私はサイレンス。そしてここはロドス・アイランドの医務室。君は我々と交戦した後、気絶してここに運ばれたんだ」
「ロドス…アイランド……!?」
そう言い、バッと飛び起きようとするが、やはり身体中が痛み、起き上がることができなかった。
「警戒するのも無理はないさ、1度は敵対してたんだからね…でも無理しない方がいい、君はアーミヤのアーツに貫かれて重症を負い、約3ヶ月、眠りについていたんだから」
「3ヶ月…!?嘘だろ?」
「残念ながら本当だよ、君も薄々気づいているはずだ、だって筋力の衰えが激しいでしょう?」
そうサイレンスは言うと、俺に繋がれた機器を見てなにやらチェックをしてから、こちらを見てきた。
「君はこの子たちのリーダーなんだろう?なら、後でドーベルマンが尋問に来るはずだ、その前に今の血中源石濃度を測るために採血させてもらうよ」
そう言うと、スっと拒否権はないといったふうな目をして、注射器を片手に詰め寄ってきた。
そして逃げようにも逃げれない身体だと言うことを悟られたのか、無理やり腕を掴んで、採血できる血管を探して、そこを殺菌してから、問答無用で採血してきた。
「これでよし…じゃあまた様子を見に来るから、無茶はしないでね。貴方は患者なんだから」
そう言うと、サイレンスは部屋から去り、どこかへと行ってしまった。
「ここが…ロドス……か。つまり俺たちは捕虜って訳だ」
そう俺が言うと、みんなが笑いだし、俺は頭の上にハテナマークを浮かべていた。
「お兄ちゃん、私たちが本当に捕虜なら、こんな立派な医務室にお兄ちゃんいないし、なんなら私たちも牢獄に入れられてると思わない?」
そうイツキが言い、確かにそうだと思ったが、捕虜を丁重に扱っているだけという可能性もありえる。
そう思っていると、イツキが、
「ここの人たちはね、私たち感染者にも優しいし、適切な治療をしてくれるんだよ、ご飯も美味しいし、フカフカなベッドでも寝れるし…何も悪いことはないよ」
と、言ってきた。
「……そうか、でも、なんで敵だった俺たちにそこまで?普通そこまでしてくれないだろう?」
「それはね…そう、3ヶ月前、お兄ちゃんが倒された時まで遡るんだ」
そうイツキは言うと、理由を話し始めてくれた。
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「ガバッ……」
そうお兄ちゃんは血を吐いて吹き飛び、その場に倒れてしまった。
私はみんなに隠れていて上手く見えなかったが、建物の屋上から、黒い、源石のようなアーツが飛んできて、お兄ちゃんの身体を貫いたことだけは、嫌という程に、見なくてもわかってしまった。
「嫌…嫌だ、お兄ちゃん?お兄ちゃん?!返事してよ!ねぇ!」
そううつ伏せに倒れているお兄ちゃんに駆け寄って、表向きに起こすが、お兄ちゃんは目を閉じたまま、そっと息をするだけで、身体から流れる大量の血が、このままだと死んでしまうことを、医療を聞きかじっただけの私に、無慈悲にもその現実を突きつけてきた。
「そ、そうだ、早く医療アーツを…!」
そう自分に言い聞かせ、杖を取ってアーツを発動するが、血は止まらず、傷口も一向に塞がろうとしてくれなかった。
シロも来てくれて一緒にアーツを使い、止血を試みるが、やはり私たちの技術では、治癒を試みることはできても、無駄だということを思い知らされた。
「あんたたちの…あんたたちのせいでお兄ちゃんが…!」
そう言いながら、こちらを呆然と見ている、敵の前衛オペレーターに、私が唯一できる攻撃アーツを発動し、攻撃しようとした。
「イツキちゃん!危ない!」
そうシロの声が聞こえたと思うと、建物の屋上から、アーツが飛来してきた。
私はもうダメだと思い、ぎゅっと目をつぶったが、ガンッ!という鈍い音が、目の前から聞こえた。
何故だろうと目を開けると、そこには、味方の重装オペレーターの人が、私を盾で守ってくれていた。
「イツキちゃん、無茶しちゃいけねぇ!感情に流されると敵の思うツボだ!」
「でも…アイツらがお兄ちゃんを…!」
「それはそうだけども!隊長が生かしてくれた命を無駄にしちゃいけねぇ!何としても俺たちは生き残らなきゃいけねぇんだ!それが隊長のためだろう!」
「それはそうだけど……!」
そう言い争っていると、私たちの目の前に、茶色い髪のコータス族の女の子が歩いてきた。
その後ろにいる敵たちが必死に引き留めようとしているのを聞く限り、かなり上の人のようだ。
武装は持っていないのを見る限り、感染者の術士か指揮官だろうか。
私たちは警戒しながら、その女の子を凝視し続けた。
すると、
女の子は頭を下げ、
「すみません。貴女の大切な人なのに攻撃してしまって…貴女が良ければ、今すぐにでもその人を治療させてください」
と、言ってきた。
その時、私は何を言っているんだという憤りや、治療して助かるかもしれないという安堵感などの、色々な感情が一気に押し寄せてきた。
本当は断って、今すぐにでもこの人を同じ目に会わせてやりたい、そう思ったが、お兄ちゃんの命には変えられないと、自分に必死に言い聞かせた。
「……わかりました、治療をお願いします」
そう私が言うと、その女の子は急いで無線で医療オペレーターを呼び、治療を始めてくれた。
後で話を聞くと、この時、お兄ちゃんは大量出血で半分以上死にかけていたが、なんとか命は助かっていたとの事だった。
これはもう、お兄ちゃんの生命力がもはや執念のようなレベルで強かったとしか思えない状況だったそうだ。
「これでよし…アーミヤ、治療は終わったよ、でも経過観察が必要かな」
「ありがとうございます、サイレンスさん」
そう医療オペレーターと会話すると、コータスの女の子は、私の方向へと向き、こんなことを言ってきた。
「貴女のお兄さんが再び目を覚ますまで、ロドスに身を置きませんか?もちろん、今回の件は私の落ち度です、衣食住はしっかりと保証させていただきます」
私はそれを聞き、驚きながらも、お兄ちゃんと一緒にいれるなら…と思い、それを二つ返事で受けることにした。
これで、みんなと一緒にいれなくなるかもしれない、そう思っていると、
「イツキちゃんを連れて行くって言うなら、俺たちも連れて行ってもらおうか、イツキちゃんをしっかり守らねぇと隊長になに言われるかわかんねぇからな」
と、みんなが言い、コータスの女の子はほんの少し考えてから、
「わかりました、その代わり、我々に危害を加えないことを誓ってください…それでいいですね?」
と、みんなが着いてくることを認めてくれた。
これ以上に心強いことは無かったが、みんなに酷い目に合わせてしまうかもと思うと、なんとも言えない気分になってしまった。
しかし、ロドスに着くとそれは考えるだけ無駄だと理解した。
何故ならば、衣食住がしっかりと整っているどころか、私たちが感染者ということを知ってから、オリパシーの治療まで始めてくれたのだ。
これには心底驚かされたが、あのアーミヤというコータス族の女の子…いや、このロドスという組織自体が相当なお人好しなのだろう。
感染者のために戦い、感染者が道を間違えると刃を交えてでも止める。
それがこのロドスという組織なのだと、私はこの時思い知らされた。
今回のは自分で書いてて上手く行き過ぎでは…?って思いました()
攻撃するならとことん攻撃して殲滅するのが普通だとは思うんですけど主人公生存ルートで行きたいのでこれしか思いつかなかったんですよね…
まあこの話でのアーミヤはお人好しすぎると言うことでお願いします。
ってか妄想の力ってすごいですよね、メインで書いてるやつより話数が伸びてるんですもん。
この調子で安定してネタが浮かべばいいんですけどね……(遠い目)
ではまた次回、お会いしましょう!
小説の流れ(物語の内容)について
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もっとフランクにしてもいい
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もっとはっちゃけでもいい
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下手なことしないならいい
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もっとネタに走ってもいい
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今まで通りがいい