前書きのネタも特に思いつかないです()
とまあ、今回もごゆっくり、見ていってください!
第15話
太刀を受け取ってから次の日、俺の元に正式にロドスのオペレーターとなる通知が届いた。
明日から業務らしく、ついに受かったと喜んだのはいいのだが、一癖も二癖も強そうなロドスのオペレーター業務だ。
仲間や家族を護りたい一心でオペレーターになったが、うまくやって行けるだろうか。
まあそんなことを言っていても仕方がない。
俺より先にオペレーターになったレオンに業務内容を聞いたが、完璧に近い適材適所の配置のおかげで、特に苦労はないという事だ。
それを聞いて一安心しながら、食堂へと行くという彼と一緒に、雑談をしていた。
「ああそうだ隊長、俺のアーツあるじゃないっすか?」
「ああ、あの体を半透明にするやつだろ?それがどうした?」
「いやぁ、ロドスに来てから知ったんですけど、上には上がいるんですね、完全に透明になれる人がいるらしいです」
「へぇ……そりゃあ凄いな」
そんな会話をしていると、唐突に後ろから誰かにつつかれる。
誰かと思って後ろを振り向くが誰もおらず、気のせいかと思って再び前を向いた。
そして歩きだそうとすると、目に見えない何かにぶつかったという事だけがわかった。
「?どうしたんですか?」
「いや、なんか誰かにぶつかったはずなんだが……」
そう言って必死に神経を研ぎ澄ましてみる。
すると、必死に誰かが笑いをこらえているような声が聞こえてきた。
音の方向を割り出し、牢屋にいた頃に暇つぶしで培ってきた感覚を研ぎ澄ませる。
牢屋時代に比べて把握するのに時間がかかっる…だが、鬼の感覚を舐めてもらっちゃあ困るものだ。
「そこの壁際、誰かいるな?」
そう言って視線を向けると、ヒュゥ…と口笛を吹きながら、1人のザウラ族の男が実体化してきた。
「凄いなあんた、まさか気付かれるなんて思ってもなかったぜ」
「静かな環境だったのとあとはカンだよ、誰がいるかまではわかるわけが無い」
「なるほどな、そりゃあそうだ。ところであんたら、元レユニオンなんだって?」
そうその男は言うと、ニシシッっと笑い、
「俺もなんだよ!ほら、ゴースト隊ってあっただろ?あそこに所属してたってワケ」
「へぇ…ゴースト隊とは俺が最後に参加した作戦の時に初めて共闘したが…アンタ、あそこに所属してたのか…アンタには適任かもな」
「よく仲間と発見された回数の少なさを競ってたってもんよ…で、あんたらはなんでレユニオンからここに?元は敵同士だろ?」
「俺が作戦中に死にかけてな、俺の妹が必死に助けを求めた結果だ、まあ俺が死にかけた理由が他でもないロドスなんだけどな」
「へぇ、なのにロドスのオペレーターに…ねぇ、変わってんな、あんた」
「元からレユニオンには大した期待もしてなかったしな、あんなメシを食わされてバカな指揮官に使い捨てられるならここにいた方がよっぽどいい」
「だよなぁ、あんなメシは俺ももうゴメンだよ、俺のいたチームなんて主食って言えるもんは石みてぇにかてぇライ麦パンくらいでさぁ…」
「そうなのか…俺らは周りの村に協力して貰ってたから少しはまともなものを食えてはいたな」
「マジかよ!?くっそー…羨ましいぜ……」
そんな元レユニオン隊員同士の会話を久々にしながら、俺たちは本来の目的である食堂へと向かう。
そこで、先輩オペレーターらしいこの男…イーサンに仕事内容を聞いてみることにした。
「俺の仕事内容?俺はこのアーツを使って特殊チームに配属されてるよ、たまにドクターに連れられて前線に行ったりもするな」
「なるほどな……」
「あんたは戦闘系で志望したんだろ?んで戦闘はちゃんとできる…それなら普通にあんたの向いてる部隊に入れられると思うぜ」
「だといいんだが…」
そんな会話をしてしばらく経ち、イーサンはリーベリ族の女性に、レオンは上司に呼ばれて去っていった。
仕方なく自室に戻り、さて何をしよう、そう考えてながら、なんとなく部屋に置いていた、俺の太刀が目に入った。
明日からオペレーターとして活動するし、武器の整備をしてくれた人にお礼を言いに行こう、そう思い、太刀を持って購買部へと向かった。
「いらっしゃーい!クロージャの購買部へようこそ!…ってああ、キミか、正式にロドスのオペレーターになったんだってね、おめでとう!」
「ありがとう、ところで今回は聞きたいことがあって来たんだが…」
「聞きたいこと?」
「ああ、コイツを整備してくれた人にお礼を言いたくてな…クロージャが整備してくれたのか?」
「いや、私は解析しただけだよ、武器は武器のスペシャリストがロドスにはいるからね、その人が整備したんだ」
「へぇ……ってあ、そう言えばロドスの先輩オペレーターなのに敬語抜けてたな…申し訳ない」
そう言うと、クロージャがあははっとおかしそうに笑い、
「そんなの別にいいよ、昨日も気がついたらタメ口でお互い喋ってたし、そんなの気にする人はロドスにはあまりいないと思うよ?あ、そうだ、そのスペシャリスト、多分戦闘オペレーターとして活動するなら知ってた方がいいと思うから、その人を紹介しとくよ」
そう言って場所と名前を教えてくれると、クロージャは、
「情報のお礼代はなにかここのを買っていってくれればいいからね!収入がしっかり入ったらたっぷり買って行ってもらうから!」
と、満面の笑みで言ってきた。
俺はそれを適当に返してから、適当なおやつをカウンターへと持っていき、
「じゃあこれで、どうせこれから先もロドスで生活するから使わせてもらうよ」
と言って、それを買った。
その後、教えてくれた場所へと向かう。
するとそこには『ヴァルカン』と書かれた部屋のタグがある、とある一室があった。
「…ヴァルカンさん、いますか?」
そうノックして聞いてみると、中から、
「誰だ?…まあいいか、入ってくるといい」
と、返事が帰ってきた。
ドアを開けて入ってみると、そこは正しく"鍛冶場"のイメージそのものの部屋で、中では、ガンメタリックのショートカットのフォルテ族の女性と、たくさんの武器を背負ったブロンズのロングヘアのペッロー族の女の子がいた。
「何の用だ?」
そう、その女性は剣を研ぎながら聞いてくる。
「いや、コイツを手入れしてくれた人だと聞いて、お礼を言いに来た」
そう言って太刀を見せると、合点がいったのか、「ああ」と言い、
「君がこいつの持ち主だったのか、しっかりとした整備ができてない中しっかりできる事はやっていたみたいだけど…アーツを制御するところが壊れていたのは元から?」
「ああ、多分そうみたいだ、少なくとも俺はコイツで壊れるような扱いをしたことはない」
「確かに、整備状況は錆止めの油とかがないのにも関わらずいい方だった…確か君は元レユニオンだろう?ほかのヤツらも武器は大切にしてるのか?」
「俺の小隊のヤツらはしっかりとやれる事はやってたな、ほかのヤツらはボロボロだったりしたが」
「……そうか。まあいい、要件はそれだけか?」
「いや、1つ聞きたいことがある」
そう言い、俺は鞘から刀身を抜く。
すると、それを見ていたペッローの女の子が、背中に持っていた武器をひとつ手に取り構えた。
それをヴァルカンが手で制し、その女の子を落ち着かせた。
「あー…すまない、驚かせちまったか?」
「いや、ケーちゃん…ケオベは最近まで野生児だったからな、その辺敏感なんだ…で、刀身がどうかしたか?」
「いや、俺が使ってた頃に比べて刀身が赤みがかってるんだ、何かあの頃と変わったのかと思ってな」
そう言うと、ヴァルカンはああ、と言ってから、
「それはその太刀が本当の力を取り戻しただけ、あとはその太刀を信じてアーツを使用すればいい」
「太刀を信じてアーツを…か、ありがとう」
「どういたしまして、武器の持ち主の疑問に答えるのも鍛冶師の仕事だから、気にする事はないさ」
そうヴァルカンが言って会話を終えると、それを待っていたらしいペッローの女の子が、
「ヴァルカンお姉ちゃん、お話終わった?」
「ん?ああ、どうかしたか?」
「おいらさっきから腹ペコでお腹がぐーぐー鳴るんだ…何か食べ物ない?」
「そう言われてもな…さっきケーちゃんが食べてたクッキーで最後だ」
そう会話しているのを聞き、俺はさっき買ったおやつの事を思い出す。
そしてそれを取り出し、
「そこのキミ、これで良ければどうぞ」
と言い、さっき買ったおやつを、袋ごと手渡した。
「本当!?えへへ、お兄ちゃんありがとう!」
「どういたしまして、たんとお食べ」
「本当にいいのか?自分で食べるために買ったんじゃ…」
そう当の本人とは違って申し訳なさそうなヴァルカンが聞いてくる。
それに対して俺は首を振り、
「いや、クロージャがなにか買ってほしそうだったから買っただけだ、懐事情故にあまり無いが、喜んでもらえる人がいるならその人が食べた方がいい」
「そうか……よし、君が武器を使っていて何か不便に感じたことはないか?お礼と言ってはなんだが、何とかできるようならしてみよう」
そうヴァルカンが微笑みながら言ってきた。
しかし、俺にはこれと言って不便に感じたことは特にない。
強いて言うなら切れ味が良すぎて殺す気のない時に峰打ちしか攻撃方法がない事くらいだ。
その事をヴァルカンに伝えると、今度は、
「そうか、じゃあお茶でも飲んでいくといい」
と言って、研ぐのを中断してお茶をいれに行ってくれた。
なんだか申し訳なくなりつつもそれに甘えて椅子に座ると、美味しそうに俺のあげたおやつをもぐもぐと食べている女の子と目が合った。
「…美味しいかい?」
「うん!美味しいよ!」
「そうか、でもあまり食べすぎない方がいい、もう少しで晩御飯だ。美味しいご飯がおなかいっぱいになって食べられなくなるぞ?」
「うぅ…どうしよう、食堂のご飯も美味しいからおなかいっぱい食べたいし……お兄ちゃん、どうすればいい?」
そう純粋な瞳で見つめてくる女の子―――ケオベと言ったか―――が、尋ねてくる。
俺はどうしたもんかと考えていると、ちょうどそこに、ヴァルカンがお茶を持ってきた。
「ケーちゃんどうした?何に困ってるんだ」
「このお兄ちゃんがそろそろ晩御飯だから、晩御飯をたらふく食べたいならおやつはもうやめた方がいい、って……ヴァルカンお姉ちゃん、おいら、どうしたらいい?」
そうケオベはヴァルカンに聞くと、ヴァルカンは時計をチラッと見てから、
「もうそんな時間か、確かに、晩御飯をたらふく食べたいならおやつはもうやめた方が良いだろうな」
「そっかぁ……なら、このクッキーで最後にするよ」
そうケオベは言い、勿体なさそうに最後のクッキーを食べた。
俺はそんなケオベを見て、ちっちゃい頃のイツキを思い出しながらお茶を飲み、ふと室内を見回していた。
「…にしてもこの部屋は凄いな、ナイフから大剣まで色々ある」
「ん?……ああ、どれも私が鍛えたものだ、なにか気になるのか?」
「いやなに、俺は小さい頃から男の性というものなのか、剣やら刀とかの武器が好きでね、本物の剣が沢山あるからテンションが上がってるんだ」
そう俺が言うと、ヴァルカンはふむ…と言ってから、
「そうだ、君、私の作った試作のレビューをしてくれないか?何人かにはしてもらった事はあるんだが、実戦を常に経験するようなクラスの人になると相棒がもう決まってるから戦場で使うとなると普段と感覚が狂って危ないんだ。君ならまだ新人オペレーターだからそんな戦場に出ることもない…それに、その太刀を手入れした時の記憶が正しければ、君は元レユニオン、つまり実戦を経験しているはずだ」
「確かに実戦経験は少しあるが…それでも大したことをした訳じゃないし、ほとんど無いに等しいくらいだ……それでもいいって言うんなら、どうすればいいかわからんが手伝わせてもらうよ」
「感謝する、訓練の合間でいいんだ、私の使った武器や盾が実戦に足るかどうか、実際に訓練所で使ってみて評価をして欲しい」
「…わかった、いい表現ができるかはわからない、それだけは了承しておいてくれ」
「ああ、そのくらいのことなら大丈夫だ」
そんな会話をしていると、ずっと何事かわかってなさそうなケオベが、首を傾げる。
そしてケオベは、
「お話おわった?おいらもう腹ペコだよ…」
「よし、じゃあ君が良ければ、今後の事を決めるために一緒に食堂に行くか?……ああそうだ、まだ君の名前を聞いていなかったな」
「俺は橘 リョウだ、なんでも好きに呼んでくれ」
「橘…と言うと、生まれは極東か?」
「いや、親が極東、俺は別のところの生まれだ」
「そうか、なら刀の存在は親から?」
「まあそんな感じか、模造刀が家にあったんだ、あと小さい頃に本で調べたくらいだな」
そう武器トークを再開していると、ケオベが不機嫌そうに、ぶー…とほっぺたを膨らませ始めた。
「ああ、ごめんよお嬢ちゃん、ご飯食べに行こうか」
「お嬢ちゃんじゃないよ!ケオベだよ!ケーちゃんって呼んで!」
「ああ、それは悪い、じゃあケーちゃん、食堂に行こうか」
「うん!」
こうして、俺たちは食堂へと向かい、晩御飯を食べることにした。
何よりも驚いたのは、底を知らないケーちゃんの食べっぷりと、彼女が上級ランクの術士オペレーターといったことだ。
とまあ、こうして俺のオペレーター人生は、幕を開けていくのであった。
いかがでしたか?
そろそろタイトルも仮タイトルから本タイトルにしないとなぁと思いつつ思いつかないという…
まあ後書きもこの辺に、また次回、お会いしましょう!
小説の流れ(物語の内容)について
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もっとフランクにしてもいい
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もっとはっちゃけでもいい
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下手なことしないならいい
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もっとネタに走ってもいい
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今まで通りがいい