やっと完成したので投稿です。
締め方が雑くなってしまいましたがまあそこはご愛嬌ということでなにとぞ……()
では今回もごゆっくり、見ていってください!
飛行装置に乗り、数時間後。
夕方になりつつある空の中、着陸できるスペースを見つけたパイロットが機体を降下させ、やがて接地した。
「降下よし!俺はここで機体と待機しとく、行ってきな」
そうパイロットの男性は言うと、いつの間にか沸かしていたお湯を、カップ麺に注ぎ始めた。
それを見て俺は苦笑いしながら機体を降りると、武器の感覚を確かめてながら周囲を見回した。
「こうしてまともに任務で顔を合わせるのは始めてだな、元気にしてたか?」
そう、後ろから聞き覚えのある声が、俺の肩に手を置きながら聞いてくる。
先程までの飛行中、ずっと寝ていたノイルホーンと、前に会った時にノイルホーンを呼びに来た女性だ。
「ああ、なんとかこうしてオペレーターにもなれてる……あんたは疲れてんのか?さっきまでずっと寝てたが」
「まあ疲れてねぇわけじゃねぇが……寝れる時に寝るのも重要だぜ?なあヤトウ?」
「それはそうだが……少し寝すぎなんじゃないか?」
そんな会話をしていると、次々に今回のメンバーが降りてくる。
イツキにシロにロープ、そしてとても眠そうなとても小さい……女性?に、ザラックの老兵だ。
「おぬしが今回向かう場所に行ったことのある元レユニオンか、この辺の地形に見覚えはあるかのう?」
そうザラックの老兵に声をかけられ、俺はもう一度周りを見回す。
……少し変わっているが、どうやら元ベース基地の近くのようだ。
「ああ、多分ここから……北の方に向えば俺たちが使ってた拠点があるはずだ」
「それは良かった、ちなみにそこに今もレユニオンはいると思うかのう?」
「……いや、いないだろう。元々が流刑の先のように不便なところだし、いるならそろそろ飛行装置を見つけてここにたどり着いてきてるだろうさ」
「ふむ……そこのコータスのお嬢さん、なにかが今近づいてきてると思うかのう?」
そうその老兵はロープへと尋ねる。
「うーん、音もしないし来てないと思うよ?あとぼくの事はロープって呼んでね?」
「おやおや、それは悪い事をしたのう。儂は狙撃担当のレンジャーじゃ、今回の任務の間、よろしく頼むぞい」
そうレンジャーは無いあごひげを触るような動きをしながら言い、周辺を見渡した。
「ふむ……もしかしたら一雨来るかもしれんな、急ぐとしようぞ」
そう言い、レンジャーは地図を見ることなく、目標の場所へと歩き始めた。
コードネームの通り、地形の把握は得意らしい。
俺もそれについて行こうと歩き始めると、俺の前に眠っている小さな女性?を背負った、ノイルホーンがやって来た。
「………まだ寝てるのか?」
「ん?ああ、ドゥリンはそういうやつなんだよ、体質らしいから気にしなくていい」
「なるほどな…」
そんな会話をしていると、見覚えのある村の近くへと来ていた。
そんな中、ロープがぴょこぴょこと耳を動かしながら、何かを聞いているようだった。
「ロープ?どうしたんだ?」
「んー?いや、なんか獣の息遣いが聞こえる気がするなーって」
そうサラッとロープは当然のように言い、ロープの後ろを歩いていたシロとイツキが驚く。
そして2人も耳をすまし始めると、2人の顔がみるみるうちに青くなっていった。
「お、お兄ちゃん……?なんかヤバそうな獣の声が聞こえるんだけど……」
「リョウさん、これ、確実に肉食そうな声です………」
「えぇ…嘘だろ…………」
そんな会話をしていると、どうやら前を歩いていた行動隊A4のメンツも気づいたようで、戦闘態勢を取っていた。
やがて高らかな咆哮が聞こえると同時に、村の方から悲鳴と叫び声が聞こえてきた。
「急ごう!」
そう言い、俺は太刀に手を伸ばして走り始めた。
やがて村が見えてくると、そこでは大量の鉱石病に感染しているオオカミが、倒れ込んでいる村人へ襲いかかっているのが見えた。
前方に大きくステップして彼我の距離を詰めながら抜刀し、そのままの勢いでその感染生物を斬り飛ばすと、接近してきていた複数体のの感染生物へとなぎ払いを食らわせて吹き飛ばした。
「早く後方へ!」
そう倒れ込んでいる村人へ言うと、村人は何度も頷き、立ち上がって逃げて行った。
それを見て苛立ったのか、感染生物たちは太刀では捌ききれそうにもない量で、俺へと飛びかかってきた。
それを見た俺は、太刀を持つ手にグッと力を込めた。
その瞬間、刀身が紅く輝き、俺の周囲をオレンジ色の障壁が包んだ。
それに思いっきりぶつかった感染生物たちは悲鳴に似た叫び声を上げると、距離を計ってこちらを観察してきた。
その瞬間、建物の影からアーツが感染生物を襲い、それをジャンプで回避した感染生物に空中で矢が突き刺さり、1匹1匹確実に屠られて行った。
そんな中、後ろを逃げていく村人へと、数匹の感染生物がすり抜けて襲いかかりに行くのが見えた。
しまった、と言うよりも先に、その感染生物たちへと鉤爪とチェーンがとりつき、そのまま俺の目の前へと引きずられてきた。
「今だよ!」
そうロープの声が聞こえ、俺はその感染生物たちを一気に切り伏せた。
周囲を見回し、他の敵を探す。
しかし見つからず、全ての敵を倒し尽くしたのかと思っていると、もう片方の広めの道があった気がする道から、盾に何かがぶつかる音と、大きな斬撃音が聞こえてきた。
急いでそこへと向かうと、大量の感染生物に囲まれている、ノイルホーンとヤトウがいた。
助けに行こうと動き出したのをレンジャーに止められ、2人の方を見てみると、ノイルホーンがヤトウへ攻撃してきた感染生物を絶妙なタイミングでヤトウの間合いに弾き飛ばし、それをヤトウが切り伏せる。
そしてノイルホーンへと攻撃に向かう感染生物をヤトウが切り伏せ、突進してきた感染生物を見るなりノイルホーンの盾を足場にして天高くへ飛んでそれを回避し、その突進してきた感染生物をノイルホーンが盾でアッパーをして空中へと吹き飛ばす。
そしてそれをヤトウがいつの間にか出てきていた満月を背に、空中で居合いの構えから、一気に切り伏せ、ノイルホーンの隣へと着地し、刀についた血を振り払い、納刀した。
「ふいー、終わった終わったぁ」
そうノイルホーンが盾を地面に起きながら、そう先程の戦いっぷりからは想像もできないテンションで言う。
対するヤトウも、ふぅと一息着いたと思ったら、その場で疲れたと言ったふうに身体を伸ばし始めた。
「……すげぇ」
そう、俺は思わず声に出ていた。
チームワークは俺も得意だと思っていたが、この行動隊A4というチーム……いや、ロドスのチームワークはそんなのなんて比にならないようだ。
そんな事を思いつつ、周囲を見渡してみると、イツキとシロが居ないことに気づいた。
「2人は?」
そう問いかけると、ノイルホーンによじ登って寝る体勢に入りつつあるドゥリンが、
「あっちで村人の治療してるよー……はー疲れた、じゃあ私寝るから……」
「お前寝てばっかじゃねぇか…もうちょい起きろよ」
「えーやだー、私からしたら朝も昼も夜も活動時間外だから……」
そう言い、ドゥリンは再び眠りについた。
俺は言われた方向へと向かうと、そこでは村人の治療をしている2人を見つけることが出来た。
「あ!お兄ちゃん!」
「リョウさん!お疲れ様です!」
そう笑顔の2人に出迎えられると、村人の中から、懐かしい顔がでてきた。
「久しぶりじゃのうタチバナ、元気にしよったか?」
「村長!お久しぶりです、俺たちはお陰様でなんとかやってます」
「そうかそうか……で、今回はどうしたんじゃ?見たことの無い者もおるが」
そう言う村長の視線の先には、A4のメンツと、周囲を物珍しそうに眺める、ロープの姿があった。
その中からレンジャーがこちらへと歩いてくると、
「我々はロドスアイランドの者じゃ、今回はうちのオペレーターが世話になったところが心配だと聞いてのぅ、こうして来てみたというわけじゃ」
「なるほど、ロドスアイランドの……タチバナ、お前たちは立派になったなぁ……ところで、どうしてロドスに?」
「それは……」
そう、俺は言い淀む。
レユニオンを辞めてロドスに就職した、まではいいのだが、大きな理由の一つには、オリパシーの治療もある。
……この村の人たちには、俺たちがオリパシーということは伝えていない。
それを明かすと、何を言われるのだろうか。
そう怖くなった俺は、なかなか返事をできないでいた。
「まあいい、感染生物から村を救ってくれたお礼じゃ、今晩は泊まっていくといい。飯も用意しよう」
そう村長は言うと、村人に号令をかけ、準備を始めてくれた。
そして、俺の横を通り掛かる時に小声で、
「オリパシーがなんじゃ、"同じ"感染者同士、助け合わねば損じゃろうが。ここにいる皆は住んでいた場所でオリパシーになり迫害を受けてきた者たちじゃ、何も心配はいらんよ」
と、言って去って行った。
俺は咄嗟に振り向くと、村長は片手でピースサインを作り、「今日は忙しくなるわい」と言って、村人たちの元へと戻って行った。
次の日。
前日の辺境の村とは思えないご馳走を振舞ってもらった俺たちは、久々にこの土地で朝を迎えた。
いつもなら静かであろうこの村の朝だが、今日は何やら少し騒がしかった。
何事かと思い、俺は泊まらせてもらっていた家から出ると、既にイツキやシロ、ロープに行動隊A4のメンバーが、ドゥリンを除いて揃っていた。
「……何があったんだ?」
そうイツキに問いかけると、涙目になりながら、とある所を指さした。
そこでは、昨日の襲撃で深手を負っていたのであろう村人………いや、"村人だったオリジニウム"が埋められているのが見えた。
それを呆然と見ていると、村長が俺の元へと近寄って来た。
「……アレが、この村の現状じゃ。定期的に獣に襲われ、襲われなくともオリパシーで早く死ぬ。ワシももう長くはないじゃろうて」
そう言い俺の肩をポンと叩くと、村長はその場から去ろうと歩みを進め始めた。
「ご老人、ちょいとジジィの戯言を聞いていってはくれぬか?」
そんな村長をレンジャーがそう呼び止めると、村長は不思議そうに首を傾げながら歩みを止めた。
「今回、ドクターには情報収集やこの村が必要とするならば"保護"してきて欲しいと頼まれたのじゃが……この保護には"単に用心棒を置くだけでなく、オリパシー患者がいればその者が望むなら連れて帰って来て欲しい"という意味なのではないか、と思っておってのう」
「ほう……それで?」
「もし望むのなら、じゃが……ロドスに来てオリパシーの治療を受けてはどうじゃ?なに、対価としては自らの得意分野でなにかロドスに対して得になる事をしてくれれば良い。例えば……昨日見せてくれた踊りで場を盛り上げてくれるだけでもいいんじゃ」
そうレンジャーが言うと、村長はふむ…と言うと、
「それはワシ1人で決めることではない………昼まで待っては貰えんかのう?」
と言い、そのまま去って行った。
それから数時間後の昼過ぎ。
俺たちは村長に呼ばれ、村長の家に来ていた。
そこには恐らくこの村全員であろう村人が集まり、真剣な表情でこちらを見ていた。
「……タチバナ、ロドスはどんなところじゃ?」
そう村長に問われ、俺は少し考える。
「そうですね……感染者と非感染者が助け合い、和気あいあいと過ごしている……大袈裟に言うなれば、この世の楽園…でしょうか」
「この世の楽園、か……」
そう村長は考え込むと、周囲の村人と顔を見合せ、頷きあった。
「どうせワシらも長くない。最後にそれに賭けるのも悪くないじゃろう………レンジャーよ、ここにいる全員が行けるような場所なのか?」
「それは聞いてみんとわからんが……恐らく、行けるじゃろう」
「ふむ…ロドスがワシらを明日へと連れて行ってくれる方舟となるか……見ものじゃのう」
そう村長が笑顔で言うと、その場に笑顔が溢れた。
それから数日後。
俺がロドスの艦内を歩いていると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。
「なんだこのジイさん!?もう1人でそこそこの範囲を完璧に耕し終わりやがった!」
「まだまだ若いのには負けんわ!村のクワを持っとるヤツ全員合わせても勝てぬと言われたクワさばきを見せてやるわい!」
「うぉぉぉぉお!なんだこの速さ!?人間トラクターなんじゃねぇのか!」
そう言われている楽しそうな村長を見て嬉しくなりつつ、俺は今日も今日とて訓練場へと向かった。
いかがでしたか?
ではまた次回、お会いしましょう!
小説の流れ(物語の内容)について
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もっとフランクにしてもいい
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もっとはっちゃけでもいい
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下手なことしないならいい
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もっとネタに走ってもいい
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今まで通りがいい