運命を廻るモノ   作: 白黒魂粉

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おまたせ


修行の前に……

「お、来たか」

 

「あぁ、約束は守るたちなんだ。……それとここでの戦い方は覚えておきたい」

 

夜明け前、あの後俺は少し準備をして俺は先代の道場へと向かった。

中には若い男が何人か道場の掃除をしていた。……おそらく弟子なのだろう

俺は視線を先代の方へ向きなおして

「それじゃあ早速……」

 

「その前に、貴方ご飯は食べてきた?」

 

「……ん?飯は別に食わなくても動けるぞ?」

そう言うと先代はため息をついて

 

「あのね……私のしごきにご飯抜きで挑むのはさすがに命知らずよ。

貴方が外の世界で生きてきたどんな環境よりもキツい修行なんだから」

それは大袈裟だろう……と言いかけたが、弟子たちの様子を見た感じはおそらくその通りなのだろう。

 

「……分かった。でも今の俺には」

 

「ご飯くらい出すわよ?ほら、皆も準備できたら朝食作るわよ!!」

 

なんと気前のいい人なんだ。

弟子たちもその声に答えて、より掃除のスピードを上げていく。

それからものの数分で掃除を終わらせ、先代の元へと向かっていっていた。

 

「これは……凄いな…」

 

「ほら、あんたも早く!……ってこの呼び方はなんか嫌ね……」

 

「呼び方なんてなんだって良いだろう?」

 

「んー…なんでだろ、あんたは良くても私が良いと思えないわ。

そうねぇ……神馬って言ってたわよね?あんたの苗字は?」

 

「今住だ。」

 

そう言うと先代は歩きながら

「そうね、なら変に弄らない方が良さそうだわ。よろしく神馬。」

とこちらに手を差し出した。

 

「あぁ、こちらこそよろしく頼む。えっ……と、」

そう言えばこの人の名前って何だった?昨日の会話でもこの人の名前だけは誰からも出てこなかった気がする……

 

「先代でいいわよ、みんなそう言ってるし」

 

「そうか。ならよろしく頼む、先代」

 

「えぇ、任せなさい。あなたをここで生きていくだけの実力者に仕立て上げてあげるわ!」

 

そうして、その会話は終了し…俺は食卓についた。

 

『どうぞ!神馬さん。』『沢山食べてくださいね!!』『遠慮は要らないですから!』

 

「ごめんな、ここでの料理方法が分からないばかりに……」

 

俺は炊事洗濯はあらかたできる気がしていた…だが、火を使うには薪を使用するというのは想定外だった。

釜戸を使う料理というのはやったことがなかった。

過去に指名手配から逃れる為にジャングルに潜んでいた時でも自身の所有していたレーションや現地の動植物を殺して食っていた為か、やはりそういった経験が不足していたのだろう。

 

「それじゃあいただきます」

そう言って盛り付けられたご飯と味噌汁を口に入れる。

感想からして、美味かった。

和食を食べるのは久方ぶりだったのだが、それでも美味い。どうやら先代は料理も上手らしい。

 

「美味しいよ、とても。」

添えられた漬物も口に含むが、どれも美味かった。

活力が湧いてくる……と言えばいいのか、これまで感じないようにしていた疲れか飛んでいくのが分かった。

 

「そう、それなら良かった。食べ終わったら食器を持ってきてね」

食べ終えたのか、先代はそのまま食卓を後にして行った。

彼女の居なくなった後に弟子たちに話しかけられる…

 

『美味しいでしょ?師匠の手料理!』

 

「あぁ、こんなに美味いのは初めてかもしれない」

 

『みーんなそう言うんですよ?師匠の手料理は最高だってね』

『そうそう、なんと言ってもこの里一番の実力者だからな!』

『実力者はだいたい手料理が美味いって言う説もあるしな!』

 

「そうなのか…君たちはここの出身なのか?」

 

そう聞くと、二人は頷いたのだが…もう一人は首を横に振って

『俺は違うぜ、外の世界……日本から来たんだ。』

 

「え……?帰ろうとは思わないのか」

 

『まさか!思うには思うんだけど……やっぱり金が足りないんだ。』

 

「そんなに高いのか…?」

 

『あぁ、今の博麗の巫女はヤバいぜ。なんと言っても結界を貼り直すのが面倒だとかで以前の10倍以上の金を用意しないと請け負ってくれねーんだ。』

 

……権力者が横暴というのはどこの世界でも変わらないな。

ハハッと乾いた笑いをこぼして、俺は

「他に方法はないのか?」と聞いたが、やはり首を横に振るようで

 

『賢者様に認められたら外に出られるってのは聞いた事あるけど……現実的じゃないし、実質方法は巫女に頼むくらいだな。』

 

「酷い話だな、……名前は?」

 

『何だよ急に』

 

「いや、せっかく先代のもとで修行する仲間で似た境遇同士なんだ、仲良くしたいと思ってね」

 

『なんだ、そんなことか。俺は日佐志。日佐志トアだ。』

 

「トアか、よろしく頼む。俺のことも呼び捨てで呼んでくれ」

 

『わかった。よろしくな、神馬!』

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

それにしても……博麗の巫女か…昨日も聞いたが、さっきの話を聞いたところ…かなり厄介な性格を持っているようだな…

金の方も一文無しなわけだし……現状はかなり危険な状態にいることは間違いないだろう。

 

どうにか、考えなければいけないな。

 

「あんた達、それに神馬!そろそろ修行を開始するから着いてきなさい!」

その声に現実に戻され、俺は先代の所へと向かうのだった……




2日連続更新できて嬉しいぜ。
何故か分からないけど書いてる量も増えてたりする

それじゃあ次回、修行編です。2話くらいで終わらせたい

お楽しみに
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