契約
あれから色々あって、夜になった。
紅魔館のあらかたの場所を案内された俺は、部屋に戻って椅子に腰掛けていた。
疲れてはいないが、目がとても痛い。
ここの空間が目に悪い配色のせいで、いるだけで頭痛がしそうな気までするのだ。
「……外に行こう」
そうして廊下を一人歩いていると、俺の周りに蝙蝠が飛んできていた。
「……なんだ?」
蝙蝠は、俺の肩に一度乗っかり、また飛び立って行った…。
着いてこい……ってことなのか?
そう解釈した俺はその蝙蝠を追いかけるように、廊下を歩いた。
「……ここは」
蝙蝠を追いかけているうちに見覚えのある扉の前に到着していた。
この扉は間違いなく、吸血鬼のいる部屋の扉なのだろう。
……開けろってことなのか?罠という可能性も……
なんて考えが頭をよぎったのだが、詳しいことをいちいち考えていたら
頭が痛くなる…
「一応ナイフを持っておくか…失礼する」
ノックをして、そのまま扉を開いて中に入っていく。
中には先程の蝙蝠の仲間が部屋中を舞っていた。
あ然としていると、蝙蝠達が1箇所に集まっていって…やがて1つの人影になったのだ。
「ようこそ、私の部屋へ」
「…吸血鬼、そうか。お前が俺をここに」
「えぇ、そうよ。貴方に確認しておかないと行けない事があってね。」
確認しないといけないことだと……?
「ほぉ、それは一体なんなんだ?」
「それは……ここで働くかどうかよ。」
「どういうことだ……?」
………訳が分からない。俺に人を攫わせて確認を取るだと…?
「そのままの意味よ、前の人間は貴方の度量を図るための道具に過ぎないわ。でも貴方は予想以上の結果をもたらした。……だからね、本当に欲しくなったのよ。正式な従者としての今住神馬が。」
「……だとしても、俺の役割は無いはずだ。」
「それならあるじゃない。貴方のその特技とやらでこれからも私に食料を提供しなさい。」
…………俺はここに来ても人を殺す為に生きなければいけないのか。
……だが、それを拒んだとして。俺は殺し以外の生き方と言うのを知らなかった。
それ程までに、俺の手は赤く染まりきってしまっていた。
「分かった。俺はお前の下につこう。」
「貴方ならそう言うと思ったわ。ありがとう」
「………………。」
吸血鬼がこちらに手を差し伸ばす。
俺はその事を疑問に思い
「一体なんの真似だ?」
と尋ねていた。
彼女はフッと笑って
「契約の誓いよ。これは悪魔との契約。貴方は人の在り方を捨て、数ある種族の中でも、最も力を持った種族である吸血鬼の配下となる。
今後私との契約下の元、持ちうる力の全てを私の為に振るいなさい。
契約は互いの血の交わいにて成立されるーー。さぁ、神馬、あなたの血を私に捧げなさい。」
言われた通りに、俺はナイフで指先を切った。
そこから出た血液を吸血鬼は舐めとった。
そうして、魔法陣が展開された思った時には契約の誓いは終了していた。
「これで契約は成立したわ。これからは私の手となり足となりなさい。
神馬」
「……あまり実感は湧かないが…わかった。吸血鬼。」
そう言うと、吸血鬼は何故か不機嫌そうに頬を膨らませ、おれにこう言った。
「その呼び方は不敬よ。私にはレミリア・スカーレットと言う名前があるわ。しっかりと名前で呼びなさい。」
「そうか、分かった。よろしくな。吸血鬼」
「…………これからよろしく頼むわね」
そうして、俺は悪魔の契約を結ぶのであった。
紅魔館ルートですねくぉれは……
とりあえず次回は里に行きます。
お楽しみに