「はぁ…そんなことが……」
翌日、目覚めた十六夜に昨日のことを十六夜に話したが、そんな曖昧な反応が返ってきた。
覚えていないのか…?と思ったが、どうやら本当に記憶にないらしく、
俺は追求するのは辞めて門前まで移動した。
「美鈴、元気か?」
「あ…神馬さん。元気ですよ。何も無くて暇なことを除いたらですけど」
「こんな森奥に来るもの好きはそう居ないだろうしな。ここの門番はいい環境だ。」
こんな所、普通に生活していたらまず訪れない。
もしこんな所に来た人間がいるのなら、そいつはよっぽどの阿呆か
腕っぷしに自身のある輩か…そのどちらかになるだろう。
「そういえばその包帯はどうしたんですか?」
「昨日十六夜にな。本人は覚えていないらしいから詳しくは言わないが」
「咲夜さんが……?まさかそんなことを…」
「気にすることでもないだろ。現に傷もかなり塞がってるわけだしな」
そう言って軽い傷の部位を見せる。美鈴はそこに手を触れて確かめて関心した様子で
「……!確かに回復してますね。お嬢様の妖力に煽られたのでしょうか…」
「恐らくはな。まぁそれのお陰で以前紅白の女に襲われはしたが」
…あの紅白野郎にな。
「紅白……?あぁ、博麗の巫女のことですね。」
確かに先代にそう言われたか。どう言う存在かはよく分からないが…
「博麗の巫女ってのは外の世界へ返してくれるだけの存在じゃなかったのか?」
「そっちが恐らく本業でしょうけど…彼女は妖怪退治の専門家…?でもあるんですかね?以前ここを訪れた時に言っていましたよ。」
へぇ…前にここを……それは初耳だった。
もしそこに俺が居たら言い訳は出来なかっただろうな……。
「あぁ…そうだ。昨日の血痕を消しとかないと…じゃあ俺、部屋に戻るよ」
「了解です。それではまた〜」
そうして部屋に戻って血痕を消すために掃除する。
何時間かかけて汚れをあらかた落とし終えて、俺はそこで息を着いた。
「それにしても……もう普通に動けるようになってる。」
なんという回復速度だろうか。あれほど受けたダメージも殆どない。
これなら…長距離移動も可能だろう。
俺は人里に行く準備をして、服にナイフなどの武器を仕込んでいく。
数個の武装を服にしまって、俺は館を後にした。
もはや俺がここを後にすることに対して文句を言うことは無くなっていた。
少なくとも今は……の話だが、それでも動ける間にやることをやってしまおうと、俺は人里へと向かった。
今回したいことは簡単で、銃火器をつくれる人を探しに向かうのだ。
人の強さには限界がある。どれだけ努力し、鍛錬を積み重ねてきても
戦車には勝てない。それがここの世界の妖怪だ。
それらに勝つためにはやはり火器は持っておくべきだろう。
とりあえずエンジニアを探す所からだ…。部品さえ作れればあとは
自分で組み立てられる。
そうして、俺は人里で聞き込みを開始した。
数人から話を聞いたが、どうやら山の河童が機械に強いらしいとの事だったので、それに頼ることにした。
山…………確か以前先代達と行った所だったか……とりあえずそこに行けばなんとかなるかもしれないな。
行く場所も決まったので、俺は山の方へと歩き出すのだった……。
つづく