「ここにいるのか?」
妖怪の山を歩き始めて数時間が経ったが、一向にそれらしい気配が見当たらない。
河童はデマだったのか?と考えていると、突然茂みから音がした。
バッ…と振り返りそこを確認するも、何者の姿もない。
「……?風か…」
そう納得して、俺はまた周囲を探し回ってみる。
近くには大きな滝が一つ見える場所だ。
水場になら居ると思ったので、そこを重点的に探し回ってみる……
これで何も見つけられなければ、諦めて撤退しよう……
そんな気持ちで見て回ってみると、何も無い所で水がなびいた。
なんだ…………アレ。
何かが歩いているように見える。
水の動きで、その物体が…そこに何かがいるということを示しているようにも感じた。
「やばい」
見失う前に何かしないと……!
そう考えると同時に、俺は足元にあった小石をそこへ思いっきり投擲した。
手にひらより少し小さいサイズの石は、真っ直ぐその場所まで飛んでいき鈍い音を響かせて川の中へと消えた。
「何かいる…!」
そこに何かが……!!
そう確信した俺はそこへ向かって動き出す。
ここを逃せば、もしかしたらもう見つけられないかもしれない……と
直感的に感じとったからだ。
そして川の中へと……その水をなびかせた物体を捕らえようと、飛びかかったーーー!!
ドン!と何やら人のような大きさの物にぶつかって川に落ちる。
「いったた…なんてことをするんだ君は……」
「やっぱりだれかいたのか!?」
目の前には、水色の作業服と緑の帽子を身にまとった少女がいた。
その少女はこちらを冷ややかな目で見ながら立ちつくしていた。
「君が河童なのか?」
「まぁそうだね、幻想郷一のエンジニアこと河城にとりとは私の事よ。」
「エンジニア……やはりここに来て正解だった。」
「なんの話し?」
「これの部品を作って欲しい。」
そう言って、俺は弾丸の入っていない拳銃を彼女に見せた。
「これは?」
「俺の武器だ。それが必要なんだ…、作れそうか?」
「うーん…初めてだけど、できるだけは頑張ってみるよ…分解しても大丈夫?」
「それは構わない。何か必要なことがあったら言ってくれ。」
「分かった。」
そうして、にとりは俺の拳銃を見つめながらその部品を外していった。
そして構造を確認し、理解していっているようだった。
「よし、これなら直ぐにレプリカを作れるよ!……でも」
「でも?」
「これ用の弾がない…なにか他で代用できるものはない?」
「俺の手元にはないな……まぁ、妖怪に対抗出来るようにしてくれればいい。」
「なんだ…それなら任せて!」
数時間後…にとりは本物そっくりのレプリカをもって、俺の元へ現れた。
「これだよ!」
「これが……助かった。」
「ただ……その銃を使う時には注意してね」
「何を?」
「それは霊力を元に弾丸を作るから、打ちすぎたら盟友自身が動けなくなっちゃう」
「なるほど…」
確かにデメリットだが…特に問題ないだろう。
そう戦闘が長引くとも思えないからな…
「頭に入れておくよ。ありがとう」
「お易い御用さ!またいつでもきてくれよ!」
そうして、俺は新しい武器を手に、山を後にするのだった。
ちょっとずつ進めてく