あれから数ヶ月、俺は日雇いの仕事を幾つかこなしながら、道場の方で先代からの修行を受けていた。
一日の半分を霊力の扱いに使い、俺は自身の武器の力を磨きあげることに専念して行ったのだ。
「今日はここまで。」
「わかった。」
いつも決まった時間に修行を終えて、俺は道場を後にする。
今日の仕事は門の番をすることになっている。
「飯は向こうで食いながらやればいいか」
なんてことをぼやきながら、俺は集合場所へと向かっていくのだった。
「お、来たか。」
「どうも…今日はお願いします」
「こちらこそ頼むよ〜!じゃあ門に案内するから!」
と、門へと案内される。
聞いた話では、今回の場所はどうやら人の通りは少ないらしい。
なら修行の続きをしても大丈夫か。
などと考えながらも、俺はそれ用の服装に着替える。
和服を脱ぎ、上に簡易的な鎧を装着していく。
ちなみに言うと、今は紅魔館の時に着ていた服装は目立つためにしていない。
人里に合わせるために和服を着ているのだ。
「それじゃあよろしく頼むね!また朝になったら代わりを連れてくるから」
「はい、それでは」
そうして雇い主は帰路をたどっていった。
ここからは俺一人だ。
この持ち場を離れない限りは何をしても問題は無い。
俺は壁にもたれ掛かり楽なようにしておく。
「さて……と何をしようかな……」
と、することも無くどこかを眺めていると、門の前に人影が現れた。
「すまない、ここを通してくれるか?」
「交通証を見せてくれるか?」
「あぁ、これだ。」
そいつから手渡された物を確認して門を開ける。
こうしないとここを通ることができないのだ。
「よし、通っていいぞ。ご苦労です」
「ありがとう、通させてもらうよ」
そうして、それからは誰も来ない暇な時間だった。
本当に暇だったので、霊力の力を高める坐禅を組み、精神統一を図ろうと目をつむって瞑想をすることにした。
開始から体感で1時間…2時間と時間は進んでいき、深夜にさしかかろうとした時だった。
「……っと、ここを通してくれるか?」
と、どうやら人里に帰ってきた人のか、そんな声がした。
俺は坐禅を解いて立ち上がりその人物の方を見る。背は小柄で髪は金髪。特徴的なトンガリ帽子を被った少女だった。
「交通証を見せてくれるか」
「これだ。はい交通証。」
「……よし、それじゃあ通っていいぞ」
「その前に…私はお前と話がしたいぜ」
と、そう言われたことに俺の考えは一瞬固まった。
「何を言っているんだ?」
「家にいても暇なんだよ。だから私はお前とここで話してみたいなってな。」
…………物珍しいやつもいるものだな、と少し俺は彼女に興味をもった。
「俺の事を知りたいってのはどういうことなんだ?」
「そのままの意味さ、お前がここに来るまでのことを知りたい。」
「初対面のやつに話してやる義理はないが……まぁ一つだけいうなら
俺は色んな仕事を転々として暮らしているってことくらいだ。」
「なんだよ、そんなことしか教えてくれないのか?たとえば…………
先代の道場で何をしてるのかとか…さ。」
「知っていたのか」
そう言って彼女の方を睨むと、彼女は悪びれた様子も特になく
「まぁな。何してるのかだけ気になってたんだよ。」
と言って「また来るぜ」
そう付け足して箒に跨って空を飛んで行った。
「空を飛んでる……?あいつも…」
常識外れの奴だったのか……と少し驚いたが、ここにはそんな奴はごまんといることを思い出し、先程の少女のことを特に気にかけることも無く、そのまま門番の仕事を務めるのだった。
魔理沙と接触。自機組とはある程度接触させたい。
次回もお楽しみに