昨日は遊んでて日が超えてました。
「さて………」
1週間以内に1人か……どうやってここまで運ぶかが問題になるが…
果たしてどうしたものか……
「あぁ…そうだ、お嬢様が仕事の時は外しても構わないとのことだから
その手錠を外すわね。」
そう言って隣に居た十六夜が俺の手錠の鍵穴に鍵を指す。
それと同時に手首にあった微妙な重みが外れ、手がとても軽く感じた。
「……いいのか?」
「仕方ないもの、お嬢様の命令だから。それに……これで失敗して殺されるよりはマシよ」
「…失敗すると俺は死ぬのか……?」
えっ……?言ってなかった…?なんてことを言った後、「当然食糧を用意できなかったら自分自身の身を食糧に充てないといけないのよ…。だから失敗すると死ぬの、食餌としてね」
……恐ろしき食物連鎖だと思う
しかし、これがここの世界の日常なのだと思うと笑えない。
そうしてここから逃げ出したいという気持ちが心の奥底から湧き上がってくるのを感じ取っていた。
「逃げるのはダメか?」
「それは私が許さない……けど、もう逃げられないと思うわ。」
「……?何でだ?」
「貴方の身体にはもう術式が張り巡らせてあるもの、それは貴方を守ると同時に貴方の身体を内側から殺していく。……いわば呪いね。それをもうかけられた以上は………………」
身に覚えがないぞ……そんなこと……
俺はもう逃げ場がないことを悟った。
それと同時に、生き残りたいという率直な気持ちが俺の中を満たして行った…。
「それなら……さっさと殺して連れてくる。」
死んでたまるか……おれは何としても……生き延びてみせる…!!
例えその為に何人の屍の山を築こうとも……
「それなら…人の集まる所に行ってみたら?……ここからだと森を抜けた先に集落があるから」
「そうか。なら……そこにしよう。」
……そう言って俺は服にある武器を確認する……が、そこであることに気が付いた。
「……銃は?おい、俺の武器は何処へやった?」
「……………………。〈目を逸らす〉」
「おい、こっち見ろよ。」
「……………………。」
冗談ではないらしい。……銃の使用が不可能だと…?!
という事は…尚更出発を急がなくては……!!
「ならいい……!棄てたならこのまま出発する…!!」
「あっ…!待って待って!!」
十六夜に待てと静止をかけられてストップする。
彼女はこちらに方に何かを持っているようだった。
「なんだなんだ……?いや本当にこれはなんだ?」
手に持っていたものを受け取る。
ケースで包まれていた中に入っていたのは……
「それは私の使っているナイフ。貴方にも1本上げるわ」
「武器代わりって所か……まぁいい。有難く貰っておこう。」
ナイフをポケットにしまう。
これで喉元を切ってしまえば即死するだろう。
「過去にもこれを使った事のある貴方なら……簡単に使いこなせるでしょ?」
「まぁそうだな。……それじゃあ…門まで案内してくれ」
この屋敷が広すぎて……一人で外に行ける自信が無かった為、そんなことを言った。
「締まらない……まぁいいけど。こっちよ。」
そうして門まで歩いて行く。
外にでて、俺は再度認識することとなった。
ここは異世界なのだと。
幻想郷という俺にとっての未開の地ということを……
「美鈴?ちゃんと門番してる?」
「勿論ですとも!……あ、起きられたんですね?、ーーっと…」
「名前は今住神馬だ。これからよろしく頼むよ美鈴。」
「私も名前で呼んで欲しいのに……」
「お前は絶対に呼ばない、少なくとも5年は」
「そんな…酷いですわねオヨヨ…」
なんて泣き真似をする咲夜をスルーしながら、俺は美鈴に聞く
「ジンは……あの男は強かったか?」
「……え?あ、あぁ…人間としてのレベルは遥かに越えていましたね…同じ妖怪だと勝てたか分かりませんでしたよ。」
「そうか……また逢えればいいんだが」
もう二度と逢えないだろうし…本当に申し訳ないことをしてしまった……
きっとどこかで生き延びてくれていることを願うばかりだ。
「よし……それじゃあ集落目指して行ってくるよ。」
そう言って、俺は門を後にした。
美鈴は律儀に俺が見えなくなるまで手を振ってくれているようだった。
なんというか……いい人?なんだろうなぁ…
なんてことを思いながらも、俺はあるきつづける。
森を抜ける……1週間で間に合うことができればいいが…………
俺は何も言わず、ただひたすらにその森を歩き続けるのだった。
タイムリミットまでーーー後7日
それではまた