「博麗霊夢…これは……」
これは誤解だ…と言葉にする前には彼女からの攻撃が始まっていた。
数個の針が俺の腹部目掛けて投げ込まれる。俺はその投げられた瞬間を捉えることは出来たが、スピードについていけずにその針を躱せずにくらってしまった。
なんとか身を捻って致命傷を逃れる。だが、その時点で俺が彼女に勝つことはできないと悟らされた。
「もっと抵抗してもいいのよ?できるのならだけど」
冷めた口調で次の針を構える。どこから取り出したのかは不明だが、またあれを投擲されてしまえば、今度こそ避けられない。
刺さった針を抜いて投げ捨てる。一時的といえどあの紅魔館から解放されているのだ、こんな所で死んでたまるか…
それに…反応できないのなら反応せずに躱してしまえばいいだけの話だ。
「それじゃあ、今度こそ死んでちょうだい」
そうして行われる二度目の投擲。俺は投げられる腕の向きを見てそれを躱した。
直線に進まない針は俺に被弾することなく、そのまま壁に突き刺さった
「……!へぇ…今のを躱したの……」
「話を聞いてくれ、俺は……!」
「ならこれならどうかしら!」
そう言いながら御札を取り出す。そしてそこから光が発生したと思った矢先、光は無数の球体となり、俺に降りかかった。
しかし、そのスピードは先程の針と比べたら遅い。これなら躱すことも可能だと判断した瞬間だった。
球体はその弾道をこちらに修正して俺に激突した。
「なっーー…!」
まさかホーミング機能もついているのか?!
俺は地面に倒れ込む。出血の酷い状態だ…これ以上は動き回れない…!
……ん?……出血している? 俺は腹部に以上を感じ、腹をさする。
確かに針に突き刺さったはずだったが、その傷はもう消えていた。
「回復してる……?」
「しまった……!まさかあんた吸血鬼…」
「違う!俺は人間……」
どれだけ言っても話を聞いてくれない、博麗霊夢は針と球体を飛ばして俺を追い詰める。
確かに異常な回復能力を保有しているが……恐らくこの攻撃の雨は回復能力以上のダメージを俺に与えてくるだろう。
くらったら体がもたない……!!迎撃する方法はないのか…?!
そこで無意識に手が動いた。
球体目掛けて右手を差し出して、それを手で掴んだ。
何をしたのか、自分でも理解出来ずに俺の手は見事な程に焼けていた。
右手の皮膚は黒く変色してしまい、直ぐに現実に戻される。
これはダメだ… こんなの躱しきれるはずがない。
血の気が引いていくとはこの事か…などと自分の状況を感じていると
隣にいた魔理沙が口を開いた。
「全く……横で見ていたらよう…」
瞬間、博麗霊夢からの攻撃が一つのレーザーのような攻撃ですべてかき消された。
何が起こったんだ……?
と、魔理沙の方を見ると、彼女の手には小道具のような物があり、そこからあのレーザーを出したようだ。
「魔理沙?なんでそいつの肩を持つのかしら」
「こいつが悪い奴に見えなくてな?だから私はこいつを助けてやることにしたんだぜ。」
「ふーーん。じゃああんたも私の敵ってことでいいかしら?」
空気が凍る。まさしくこれは一触即発だ。
そしてその空気を破るかのように魔理沙が口を開いた。
「それは別にどうでもいい。でもまぁ、今日はもういい。こいつは思ってるよりも害はなさそうだ。」
「あ…そ。」
博麗霊夢はこちらを睨みつけて
「あんた名前は?」
「……神馬だ。」
「そう、…………里の中では翼をしまう事ね。」
と彼女はどこかへ飛んでいった。恐らく俺は助かったのだろう。
魔理沙に感謝しなくては……と一人残された状態でぽつりと呟くのだった。
主人公の力ではまだまだ勝ち目はありません
次回に続く