流れる記憶
「よし、それじゃあ……ッ?!」
紅魔館を出発しようとするーーーその時、何かが頭の中に流れ込んで来た。
その記憶は一瞬のうちに俺の頭の中で解凍されていき……膨大な記憶の塊は、一瞬にして俺の中に浸透して行った……。
「…………ハッ?!」
なんだこれは…?誰かの記憶?
謎の現象に襲われ、俺の思考はその処理に追われた…。
闇の中で、赤い目をした少女によって身体を壊されていく映像……
そしてその声の主は…
「まさか……」
そこで考えるのを辞めた。
「どうしたの?」と尋ねる咲夜に俺は
「今日は出発しない…明日かれ決行することにする」とだけ伝えて、俺は館に戻った。
「いいんですかね?」
美鈴は傍にいた咲夜に聞いた。
「さぁ……?でも元は殺し屋だし…人を殺してくるのは早いんじゃない?」
「えぇ……?」
「まぁ別に構わないわ。それじゃあ、引き続きよろしくね」
しかし、咲夜は何故彼が判断を先延ばしにしたのかが気になっていた。
それも一瞬のうちに、だ。
以前の彼ならそんなことは絶対にしなかった。
必ず彼は時間通りにその依頼を決行し、その依頼を成功させてきた。
彼に付いていた二つ名は〈時の遂行者〉。
予告殺害をしようものなら…ターゲットにされた物はどれだけ頑丈で
安全とされた場所に身を隠して受けようとも、彼の殺害を避けることは出来なかった。
それ故に彼が何故……
分からない、と考えるのをやめて…
「彼に聞けばいいのか。」と、彼の元へと向かうのだった……。
「さて……と…」
恐らく、この記憶は…俺がこのまま集落に向かった場合の記憶なのだろう。
無数のケモノに襲われ、その後…人を喰らうカニバリスト……?に腕やら脚やらをもぎ取られてそのまま…………
「……酷い話だな…」
夜に森を出歩くと言うだけでこんな目に会うのか……、この幻想郷という世界は…どうやら人間に優しくできてはないらしい。
ならば…昼間に行くのではなく……朝…早朝に出発すれば恐らくは……
危険なのは変わりないだろうが、それでもあんなのに襲われることはないだろう。
コンコン。とドアを叩く音が聞こえた。
「入るわよ?」声の主は十六夜だった。
俺はどうぞ。と聞こえるように言ってドアの方を見やる……
入ってきた咲夜はトコトコと俺の方までやってきて、スっと自然な流れで俺の横に座った。
「それで……」聞きたいことは1つです。そう言って俺の方をじっと見つめながら…彼女は
「どうして明日に決行を後回しにしたのですか?」そう尋ねてきた。
「……このまま出発して、夜になって……それから…俺が殺される予感がした。」
まさか……と言いたげな表情で咲夜はこちらを見ていた。
話を続ける。
「ナイフを持っても……ダメだった。その俺を殺したやつに出会う前に……」
「そんな……まぁ、それなら分かったわ。」
咲夜は立ち上がって拳を上に突き上げて…
「私が貴方をエスコートしてあげる。どう?これなら安全でしょ?」
と…そんな提案をしてきたのであった…………。
1日空いたな!構想を考えていたということにしておいてくれ!!
それじゃあ!