運命を廻るモノ   作: 白黒魂粉

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待たせた。


集落にて

さて……俺に残されている時間は後どれほどだろうか…?

とにかく初めは情報が必要だ……どんな些細なことでも構わない。

俺は集落の中でも一際人通りの多い場所を歩いていた。

 

「すまない、少しいいか?」

「?どうかしましたか、おにいさん。」

 

近くにいた青年に話しかける。

青年も歩くのを止めて、こちらの方を向いてくれた。

 

「いや……最近ここに着いたばかりなものでね。ここのことについて教えてはくれないか?」

「……?ここに着いたばかりってことは……外の人ですか?」

「そうなんだ。でもここでは何をすればいいのかさっぱりでね」

「なるほど、分かりました。付いてきて下さい」

 

わかった。……そうして俺はその青年の後ろを着いて行った。

周りの人を見ると、服装は和服姿のようで俺のようなスーツを着ている人間はそう多くない……というか殆ど見かけなかった。

 

それから少し歩き…

「上白沢さーん、お客さんです〜」

青年は一つの建物の前に着くと、そう言って窓を叩きながら言った。

 

「そうドアを叩くな…すぐにでるから少し待ってくれ」

すこし、時間を置いて中から一人の女性が姿を表す。

 

「どうした、何の用だ?」

上白沢と呼ばれていた女性はそう尋ねてきた。

俺の隣にいた青年が彼女に説明する…

 

軽い自己紹介を済ませた後、上白沢さんは

「なるほど…それならいいのがあるぞ。ありがとう後は任せてくれ」

君は着いてこい。とそう言われて、俺は彼女の後ろを追うようについて行く。

「今は何処へ?」

「とりあえず、住む場所を確保しなければ始まらないだろ?だからまずはそちらに向かうんだ。」

「確かにそうですね…」

帰る場所は不本意ながら有るのだがな……それも嫌な程心強い吸血鬼が住んでいる館に……

 

と、そんなことを思っていると…上白沢さんが脚を止めた。

どうやらその場所に着いたみたいだ。

 

「それじゃあこれからはここを拠点に活動してくれ、家賃は…まぁすぐには払わなくていいからな」

「ここは?」

みるとかなり狭い。畳6畳くらいだろうか?こうしてみると紅魔館の個室の広さがよく伝わってくる。

「ここは外来人……外の世界から来た人間の住居にするために建てられたアパート?みたいなものだ。共同生活になるだろうがなかよくしてくれ」

「まぁ…はい。」

できれば面識を持つ前にさっさとここを離れてしまいたのだが…それは難しい話になってきているようだ。

 

「よし、家も確保したし…次は君の職を探そう!君は何ができるんだ?」

「人殺しだね」

「そうか!人殺しかーーん?もう一度言ってもらってもいいか?」

「いや、なんでもない。俺のできることは拳銃の組み立てとか武術の指南役とかそういう程度のことだ」

彼女にそう言うと、少し悩む素振りを見せてそのまま当てがあったのを思い出したように「こっちだ」と言ってその場所へと歩き出した。

 

「君はどうしてここに?」

歩く最中、そんな問を振られた。

俺は少し考えてから…

「気が付いたらここに」と返答していた。

これは言えない。

俺が自身の安否の為、ここの住人を生贄に連れ去ることを目的としているなんてことは……

「そうか…辛いこともあるだろうが、金銭さえ貯まればここからの脱出は可能だから頑張ってくれ。」

「えぇ、分かりました」

そんな会話を交わして数分後…俺達は道場のような場所にたどり着いていた。

 

「いるか?先代ーー!」

上白沢さんは中に居る誰かにそういった。

先代……と呼ばれたその人物が俺の雇用主になるのだろうか

 

「何?貴女からここに来るなんて珍しいじゃない」

そんな女性の声が聞こえたのは門の中からではなく、背後からだった。

「あぁ、買い出しに出ていたのか」

「えぇそうよ。……それとそっちの人は?」

すぐに俺の方をみてそう聞く彼女に上白沢さんは

「そうだ、今日から君の所で武術指南をやってもらうと思って連れてきた神馬だ。」

それを聞いた先代は少し眉をひそめて

「は……?聞いてないし求めてもないんだけど?」とこちらを不満げに睨んだ。

「それは俺も聞いてなかった、ここで働くとはそう言う意味なのか?上白沢さん。」

「え?まぁそうだな、暫くはここに世話になってくれ。外の人はそれだけ職に付ける可能性が低い。」

……なるほど、つまり俺はさっきからこちらを睨み続ける彼女の下で働かなければならないのか。

ハードルは高すぎて飛び越える部分が見えない。なぜなら彼女と親交を深められる…という気さえ起きないのだから

 

だが、せっかくなんだ…俺がここを去る数日間は……

「それじゃあ俺はここに」

「ちょっ…私は許可してな…………」「そうか!それじゃあよろしく頼んだぞ!」

先代の言葉を遮るかのようにそう言って上白沢さんはさって行った。

 

残された俺と先代は

「ま、まぁ……給料とかは払わないからね」

「えぇ、構いません。」

「は…?じゃあなんでここで働くなんて……」

「俺はすぐにここを去るので、…………なるべく早くにね」

「……?別に構わないけど…妖怪に対抗できるだけの力はあるの?」

 

確かにそうだ……俺は殺されている。

あの闇の妖怪によって

 

「力は…これから付ければいい…はず」

「……仕方ない、2日で戦えるだけにしてあげるから、明日は夜明け前にここに来なさい」

「それはありがたい、わかった。夜明け前にここへ」

力を付けるチャンスがいきなり振ってきた…!

このチャンスは逃す手はない。俺は喜んでその提案を受け入れるのだった。

 

そして……夜が訪れる…




次回、夜の世界

おたのしみに
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