サメハダー(?) を つりあげた!   作:青蛙

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ポケモン二次小説書いてるのにバトル描写が苦手です。




対決! ムロのビッグウェーブ!(前編)

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

「どうだいダイゴ君? 君から見て彼は」

 

 白金カナタのムロジム、ジムリーダー戦を前に、ジムのバトルフィールドの観客席でハンサムは隣のダイゴにそう質問した。元々いしのどうくつに趣味の石集めをしに行く予定だったダイゴだったが、カナタのジム挑戦が気になったようでジムの中に残っている。

 とは言え、まだバトルが始まる前で暇だったのか、無言で指先でお気に入りの『めざめいし』を撫で回し続けていた。

 

「そうだね………彼の輝きはまだこれから。『つきのいし』以上、『ほのおのいし』以下といった所かな」

「え、ええと? それは高く評価してるって事で、良いのかな?」

「断言は出来ないかな。でも、磨けば『ひかりのいし』、いや『アブソルナイト』ぐらいの輝きを得られるだけのポテンシャルは有る。そう思うよ」

「は、はぁ……」

 

 ダイゴの独特すぎる例えにハンサムは若干引きつつも、『ホウエンチャンピオン』である彼がカナタをそれなりに評価している事に少し驚いた。なんせこの男、確かに強いし容姿も優れているのだが、かなりのナルシストである。ポケモンリーグで挑戦者を迎え撃つ時にも、毎度『結局、ボクが一番強くてスゴいんだよね!』と叫ぶぐらいにはナルシストだ。

 

「(例えはよくわからなかったが、割りと高く評価してるって事で、良いんだよな?)」

 

 ハンサムにはダイゴがカナタの事をどの程度評価していたのかまでは確信が持てなかったが、進化の石でも特に貴重な『ひかりのいし』やメガストーンの一つに例えられるなら相当高く評価したのだろうと腕組みをして頷いた。

 

「あ、始まるみたいだね」

「がんばれよ、カナタ君」

 

 まずフィールドにジムリーダーのトウキが現れ、続いてプラチナを思わせる銀色の髪の少年『白金カナタ』が現れた。使用ポケモンは互いに二匹。使うポケモンが二体とも割れている分、カナタの方が若干不利だろうか。フカマルは兎も角、トウキの得意とする『かくとうタイプ』に非常に相性が悪いココドラというのも不利な要素だ。

 

「さて、彼はどう出るかな」

 

 『めざめいし』を丁寧にケースへとしまったダイゴは、フィールドを眺めて不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では! これよりムロタウンジム、ジムリーダー『トウキ』対、チャレンジャー『カナタ』による試合を開始します!」

 

 バトルフィールドを挟んで向こう側にトウキさんが立つ。使ってくるだろうポケモンの一体は、おそらく『マクノシタ』。マグマ団との戦いでもかなりの活躍を見せていたポケモンだ。もう一体は、何を使ってくるのだろうか。ムロジムは『かくとうタイプ』のジムだから、難易度と合わせて考えると『ワンリキー』や『バルキー』、『アサナン』あたりのポケモンが出てくるのが予想出来る。

 

「(それに………)」

 

 チラリと視線を横へやると、観客席より更に高い位置からカメラやマイクを構えて立っている人達が見えた。ホウエンTVの撮影スタッフ達だ。

 ホウエンに限らず、ジムバトルはジムリーダーからの撮影許可が降りたものに限って全国ネットで放送される。例え難易度の低いジムでも、バトルの見ごたえはそこらのトレーナー同士のものとは一線を画すものだ。お茶の間で放送されるそれは人々にとって大きな娯楽の一つであり、時にはチャレンジャーのトレーナーにファンクラブが作られてしまうほど。

 

「(無様な戦いは見せられない……!)」

 

 前へと視線を戻すとトウキさんと目が合う。

 

「随分と早かったなぁ。ウチのジムトレーナー三人を全員倒すのに40分って、相当だぜ」

「どれも紙一重の勝負でした。気を抜いた瞬間に決着がついてしまう、あんなバトルは初めてです」

「でも、キミは確かにここまで辿り着いた。だからオレはキミが『ナックルバッジ』を持つに相応しいトレーナーか、見極めさせて貰うよ!」

「宜しく、お願いします……!」

 

 呼吸を整え、軽く一礼。

 目を閉じてベルトからボールを一つ外し、ボタンを押してボールを大きくさせると真っ直ぐ前へと突き出す。

 

「両者見合って………バトル開始ぃ!」

 

「行くぜアサナン!」

「出てこいココドラ!」

 

 相手の一体目はアサナン。『かくとう・エスパー』の複合タイプを持ち、かくとうタイプとしては防御寄りに優れた攻めどころの少ないポケモンである。

 対して此方もまた、『かくとうタイプ』に対して大きな弱点を持つものの防御に優れたポケモン。一体目から長期戦が予想された。

 

「アサナン、『はっけい』!」

「アッシャァッ!」

 

「ココドラ、『てっぺき』!」

「コォ!」

 

 力強い踏み込みでココドラと一気に距離を詰めてきたアサナンから、渾身の『はっけい』が繰り出される。だが、こうかばつぐんとは言え、『てっぺき』で外殻の硬度を急激に上昇させたココドラにとって、大したダメージにはならないだろう。そう思っていた。

 

「シャァッ!」

「コッ、ォ"!?」

 

「なっ、ココドラ!?」

 

 ココドラは仲間になった時から既に強かった。マタドガスのギガインパクトを受け止めた時には、思わずその強さと勇気に見とれてしまった程に。

 そのココドラが守りを固めていたと言うのにまともにダメージを受けてしまっている。

 

「もう一度『はっけい』!」

「っ! ココドラ『まもる』!」

 

 吹っ飛んだココドラにアサナンは再び肉薄し、はっけいを叩き込もうとする。咄嗟にココドラに『まもる』を命令し、ココドラの前に現れた半透明の緑色の壁によって『はっけい』はギリギリの所で防がれた。

 

「ココドラ『アイアンヘッド』!」

「ココッ!」

 

「ア、ギャッ!」

 

 攻撃を防がれた直後、避けるタイミングを見失ったアサナンの顎下にココドラの『アイアンヘッド』が炸裂する。アサナンは口元から血を流して吹っ飛び、しかし空中で体勢を立て直して華麗に着地を決めた。

 一方のココドラは、アサナンに一撃加えたものの身体にはヒビが入り形勢としては悪い状態。相手がワンリキーやマクノシタならばここまでの大ダメージは受けなかったはずなのに、何故。

 

「………『ヨガパワー』か!」

「ご名答! アサナンの攻撃力は見た目どおりじゃあないんだぜ!」

 

 攻撃の際、素の力が倍に膨れ上がる特性。アサナン自体は非力な部類に入るポケモンであるものの、この特性によって実際の力は力の強いポケモンに並ぶ程になる。キンセツジムでもマコトさんのアサナンが同じ特性を持っており、弱かった頃のサメまるはこの特性によって散々苦戦させられていた。

 どうしてこんな単純な事を忘れていたのか。初のジム戦とあって緊張で思考が麻痺しかけているようだ。

 

「(落ち着け……ココドラの良いところを引き出すんだ)」

 

 拳で軽く自身の胸を二度叩き、心を落ち着かせる。

 ココドラの良いところは、なんと言っても非常に高い物理防御力と、防御の高いポケモンとしては高い部類に入る物理攻撃力。相性の悪さとアサナンの特性で物理防御力がほぼ意味を無くしている状態で、真っ向からぶつかるのは悪手。

 

「アサナン、『ねんりき』で引き寄せろ!」

「ココドラ『てっぺき』!」

 

 アサナンの『ねんりき』によってココドラの身体が持ち上げられ、アサナンの目の前へと叩き付けられる。しかし『ねんりき』自体でのダメージはほとんど無く、ねんりきで持ち上げられていた間に『てっぺき』が完了した事でココドラの物理防御力は更に上昇。

 

「『アイアンヘッド』だ!」

「おっと、『みきり』!」

 

「コ、アッ!?」

「アアッシャ!」

 

 頭部を更に硬化させてアサナンへと突っ込んだココドラを、アサナンは身体を仰け反らせて紙一重で回避。

 

「『はっけい』!」

「『まもる』!」

 

 がら空きになったココドラの胴体にアサナンの『はっけい』が撃ち込まれ、しかしその攻撃は再び緑色の壁に阻まれた。アサナンの攻撃はココドラにダメージを与えこそしなかったものの、ココドラの身体を押し飛ばして二体の間には再び距離が出来る。

 

「流石に硬いなぁ、『ビルドアップ』!」

「アァシャシャ!」

 

「攻撃が上がる……させない、『いわなだれ』で怯ませろ!」

「ココーッコ!」

 

 アサナンが深く深呼吸をしながら身体に力を込めている。『ビルドアップ』が完了してしまうとアサナンの攻撃力が上昇してしまう。素の状態ですらココドラにとっては辛い一撃だったのに、攻撃力を上げさせてしまっては『てっぺき』で防御を上げても一溜りも無い。

 ココドラが大きな声で鳴くとアサナンの頭上に幾つもの岩石が精製され、重力に従ってアサナン目掛けて落下していく。

 

「耐えろよアサナン! これを耐えたら勝てるぜ!」

「アシャァッ!」

 

「んなっ!?」

 

 おそらく『みきり』で避けるか『はっけい』で迎え撃つかの二択だろうと考えていた僕の予想を裏切り、トウキさんが選択したのは『いわなだれ』を受けながら『ビルドアップ』を続けると言う選択肢。

 襲いかかる大量の岩石。建物を揺るがすほどの衝撃と轟音の中、アサナンは岩と砂煙の中に消えて行った。

 

 

 

 





・本作品でのメガシンカの扱い

ゲーム内では一度のバトル中には一匹までしかメガシンカを行えませんでしたが、本作品では対応するメガストーンとポケモンとの強い絆さえ有れば、一度のバトル中で何体でもメガシンカが可能です。なので、条件さえ揃えばダブルバトルで二体のポケモンを同時にメガシンカさせる事も出来ます。しかし、それだけポケモンと強い絆で結ばれ、かつ貴重なメガストーンを所有しているトレーナーは少ないので、そんな事を出来るトレーナーはまず居ないです。チャンピオン級のトレーナーであれば、複数のポケモンをメガシンカさせてくるかもしれません。



・ジムリーダーと四天王

 チャレンジャーがポケモンリーグに挑戦する資格を持っているか見極める各地の『ジムリーダー』と、ポケモンリーグでチャンピオンまでの道を阻む四人のポケモントレーナー『四天王』。リーグ委員会によって『バッジを8個全て集めたポケモンリーグへの挑戦権を持つトレーナー』の中からスカウトされる事で、これら二つの職業の何れかに就くことが出来ます。特に『四天王』については厳しく、リーグ挑戦権を持つトレーナーの中でも更に『四天王を三人以上倒した事のあるトレーナー』がリーグ委員会のスカウトの最低基準となっています。
ジムリーダー達はみな『ジム戦用のポケモン』と『本気のポケモン』を持っており、普段は『ジム戦用のポケモン』、公式試合などに出場する際やジムでのエキシビションマッチなどで『本気のポケモン』が使用されます。
地方にもよりますが、非常に狭き門なだけあって収入は非常に高く、億単位で年俸が出ます。が、大抵はジムリーダーによってジムの建物の改造やポケモンのトレーニング器具の購入に収入の殆どが使われるので、収入は高いのに貧乏なジムリーダーが居ることも珍しくありません。

ヒロインって要る?

  • カガリ
  • ヒガナ
  • ルチア
  • ダ イ ゴ さ ん
  • (いら)ないです
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