時刻は午前1時過ぎ。
場所は公園の中。
二宮金次郎の周りを囲む池の水が、ごぼごぼと音を立てて無くなる音がしました。
5人が見守る中。
金次郎はゆっくりと。
枯れた池へと降りて。
……
声もない5人へ向かって、ゆっくりと、歩き出すのでした。
相変わらずの金属音を上げながら。
こちらへと、一歩一歩近づいてくる金次郎舟。
後ろの電灯が、まるでサーチライトのように金次郎を照らすと。
彼の足元にある、赤い影が毛虫の様に蠢きました。
『おとな』の少女は、直感で理解しました。
あの赤い影は、今まで金次郎舟に殺された人々の呪いであるとか、怨嗟であるとか。
そして、金次郎が池から出なかったのは、多分。
……
金次郎は
赤い影は、太陽のフレアの様に金次郎像を嘗め回しながら。
人の手や顔面の様な火の粉になり、空中に消えていきます。
公園の中央に着いた金次郎は。
と、大きな音を上げました。
トンネルの中に響くような、強烈な金属音。
「あ、あ、あ……」
金次郎像は、大声を上げながら。
手に持っていた本を、ゆっくりと。
「
老女が叫ぶと、金縛りから解けたかのように、逃げ出す5人。
そして。
次の瞬間、
「ひ、ひいいいいいい!?」
悲鳴を上げる『
赤い影のみが、唯一金次郎の通過した道を教えてくれます。
「あ、ああああああああああ!!」
『かたりべ』の中年は、大声を上げて、金次郎の顔面を殴りつけます。
……
「ぎいいええええええええ!!」
金次郎はその潰れた拳を捕まえると。
今度は、『かたりべ』の中年を、殴りつけました。
ブツブツブツッ!
金次郎に掴まれていた、
『かたりべ』の中年は、
金次郎は、自分の指の間に残った
まるで、フライドポテトを食べるように。
「……おい、……
……来い……!!」
「え、ええ、え?」
金次郎像のおぞましい姿を隠すように、『ふえふき』の壮年は、『ねずみ』の小児を捕まえて。
そのまま、噴水へと向かいます。
噴水の中央。
すなわち、先ほどまで金次郎が鎮座していた台座には。
これで、噴水の周りにある4つの泥団子を切り分けろ、と言うのでしょう。
「こ、答え、分かったの!?」
『おとな』の少女が、願いにも近い疑問の悲鳴を上げます。
「……ああ……。
答える時間を稼……げ……!!」
『ふえふき』の壮年は、『ねずみ』の小児を連れて、大声で答えます。
「じ、時間!?
そ、そんなこと言われても……」
恐怖で動けない『おとな』の少女は。
ゆっくりと『ふえふき』の壮年から。
一歩ずつ、『おとな』の少女に近づいてくる、金次郎像。
逃げることも。
呼吸することさえできずに。
蛇に睨まれた蛙のように、動けなくなった『おとな』の少女。
ゆっくりと近づく男の顔に。
今、スポットライトの電灯が当たりました。
その顔は……
それは。
「あ、あ、あ、ああああ」
息を吐き切り、もはや胃の内容物を吐き出しそうな少女の元に、金次郎舟が。
……
金次郎は、笑顔のまま、噴水を振り向きます。
振り向いた先には、包丁を手にした『ふえふき』の壮年がありました。
「
『ふえふき』の壮年が声を上げる傍らには。
「ぴゅううううう」
間抜けな声を上げる『ねずみ』の小児がいました。
そして、
「答えは……。