時刻は午前5時過ぎ、場所は巨大な橋の上。
B地点の塔へ向けて、3人が歩いています。
「それで、何かわかったんですか?」
『かたりべ』の中年が『おとな』の少女に声をかけます。
「んー。
……聞きたい?」
『おとな』の少女は、勿体ぶって答えます。
「……どうせたいしたことは、解ってい……ない……」
『ふえふき』の壮年が、答えます。
「……オタク君が次に来る7不思議の順番、当てていたでしょ。
あれがなんでなのか、分かっちゃった」
「……」
「ほ、本当ですか!?
それ私も知りたいです、教えてください!」
『おとな』の少女は、得意げに少し時間を空けた後。
答えを発します。
「
「……しりとり?」
少女は、笑いながら、うなずきました。
「そう、しりとり。
考えてみたら、単純だ。
べにがらす、すいむ、むくろえき、きんじろうぶね」
「……あっ!」
確かに、しりとりになっています。
『かたりべ』の中年は、少しだけ興奮したような声をあげましたが。
しばらくして、がっかりしたような顔をしています。
「……でも、途中までじゃないですか。
きんじろうぶねの次は、ミサキボッコ。
そして、
しりとりには、なっていませんよ?」
「うん、そうだね。
じゃあ、その間にしりとりが成立するように、入れてみようか?」
「……?」
『かたりべ』の中年は考えます。
きんじろうぶねの後、ミサキボッコの前。
ね、み。
ミサキボッコの後、
こ、も。
「ね、ず、み。
こ、ど、も。
あ、あ、ああああ!」
「そう、私たちに与えられた
それを入れることで、
べにがらす。
すいむ。
むくろえき。
きんじろうぶね。
みさきぼっこ。
もめんどうふ。
「……という訳で、七不思議と私達に与えられた役割で『しりとり』が出来る仕組みだった……てわけ。
……どう?
オタク君、正解?」
「……」
オタク君と呼ばれた『ふえふき』の壮年は、何も答えずに歩き続けています。
そして、
『おとな』の少女は満足そうに頷くと、更に言葉を続けます。
「そして、もう一つ、解ったことがあるんだけど。
ここに参加しているメンツ。
……
「……ぶ、ぶれーめん?……が、なんですか?」
「……屠殺が……どうした……んだ……」
2人が
「二人とも、知らないフリしても、ムダムダ。
……最初の事、覚えてる?
この世界……『ハーメルンの音楽祭』では、問題の答えとなる言葉を話すことが出来ない。
最初は、そんなルールがあると、
……でも、どう考えても解答の手助けとなるはずの『しりとり』と『ブレーメンの屠殺場』という二つの言葉。
これを私がしゃべれた時点で、先ほどのルールは崩壊して。
少女の言葉に、『かたりべ』の中年と『ふえふき』の壮年は、注意を払わずにはいられません。
「……『全員が解っている事に関しては、しゃべることが出来る』という物。
そりゃあそうだ。
この世界はナゾナゾが大事だから、ヒントを与えることは出来ないけれど。
少女の自己紹介は……何者にも邪魔されずに行うことが出来ました。
……
「……
少女の呟きに、中年と壮年は、苦虫を噛み潰したような顔をしています。
「……更に言うと、『こども』のお婆ちゃんは、根暗ちゃん……『
『ねずみ』の正太郎くんは、『
少女が続ける台詞も、特に修正される事なく言葉に出来ています。
「……二人とも、知っていたんだね。
ってことは、もう、確定だ。
「……な、なにを言っているのやら……」
「……わかる言葉で、しゃべ……ろ……」
「あ!
立札が、現れる、という事実。
解っていた事ですが、3人のテンションは少し下がっています。
「……避けて通るわけにはいかない……ですよねえ」
『かたりべ』の中年が、言います。
「……なぞなぞの解答上、最短距離を通らないといけない……からな……」
『ふえふき』の壮年が、答えます。
「……ま、解っていた事でしょ。
さっさと、内容を、確認しよう」
『おとな』の少女が、肩を竦めます。
恐る恐る、立札に近づく3人。
……そこには、
『
「……」
「……」
「……」
3人は、無言で立札の内容を反芻します。
女というのは、勿論、『おとな』の少女になります。
そして、これより先に進めるのは、一人の女性と……
「……つまり、私か『ふえふき』さんの、
……
「……どう……する?
殴り合いでも……するか?」
『かたりべ』の中年の言葉に、『ふえふき』の壮年は軽口を叩きます。
「……いいえ、こう言うのは、どうでしょうか。
なんだか、いろいろ解っているみたいですし。
どちらが、『おとな』さんと一緒に進むに相応しい人物なのか。
『かたりべ』の中年が、その決定権を、『おとな』の少女に委ねようとします。
「……まあ、良い……だろう……。
……選……べ、『おとな』。
既に立札の向こう側へ移動している少女に向かって。
一人は、敬語を話す『かたりべ』の中年。
解答数こそ少ないものの、彼の知識は何度も『おとな』の少女を助けました。
もう一人は、寡黙な『ふえふき』の壮年。
冷たい印象の彼ですが、あちこちで意外な優しさを見せていました。
少女はゆっくりと。
二人を見渡した後。
「……じゃあ、一緒に、先に進もうか」
その男性は。
「……
……『