異世界転生のチートって、もう少しなんというかチョイス考えろや   作:madamu

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こんな下らない話に時間をかけたことを謝罪する。誰に?作者に。



東方武士団が真面目にするわけないじゃない

「そうら!」

槍の一閃で重武装のトロルたちは上下両断された。

偵察兵の報告では一団、約500体のトロルが南下していたが、その前に立ちはだかったのは東方武士団一の色男を自認し、ついでに「東方武士団一正座で説教されるのが似合う男」の称号を持つ前田慶次であった。

 

巨馬に跨り、女人の胴の太さはある主槍を振り回すとさらに数体のトロルの胴が上下分断。

空に輝く太陽はすでに正午を指す高さまで昇っており、朝焼けの頃から暴れている慶次としてはそろそろ一息入れたいところだ。

 

「どうした、どうした!」

慶次の勢いとは反面巨馬は今にも崩れ落ちそうなほど足元がおぼつかない。

内心舌打ちしながらも慶次は巨馬を降り、周囲を取り囲むトロルたちを睨み、口元に微笑みを讃える。

 

(いい加減、登場しろや!仲間がピンチなんだぞ!)

槍はその軽やかな振る舞いと違い、慶次の二の腕に重量を感じさせていた。

威圧の為の笑顔も張り付き、表情を変える余力もない。

 

岩場と言っても巨石が数カ所あるばかりで身を隠せる場所は無い。

既に500のトロルも300程度までは減らした。

 

事の起こりは、怪物退治の依頼であった。

地方領主からの依頼で自前の兵士では対応できず、しかし傭兵団に任すと選定が悪ければならず者の傭兵が領地を闊歩することになる。

そこで「人品卑しからずや、しかし蛮なり」と評判の東方武士団に依頼を出したのだ。

 

数十人の手勢での領内での怪物退治は、大波の前の小さなさざ波であった。

人間種が納める辺境領土のギリギリには数千から万を超える亜人種、特にリザードマンや砂オーク、トロルが軍を整え侵攻の準備を進めていた。

 

その第一陣であるトロル500体と接敵し足止めを引き受けたのが前田慶次である。

どちらかといえば貧乏くじの類で、慶次を含めた5人組のうち大槍を携えた慶次が殿で奮闘するのに適していたのだ。

 

 

「ちっ」

太陽の日差しが目に入り慶次は一瞬動きが止まる。

 

視界が回復するまでやみくもに槍を振り回すがトロルたちは少し距離を置き、慶次を囲む輪を作りにじり寄って来る。

(いらん知恵があるな!)

 

 

「待て待て待て!」

 

慶次は声の方を向く。周りのトロルたちもそれにつられて声の方を意識し動きが止まる。

 

「遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ!この名乗りを不承知ならば矢にて問おう!」

「ばばば~ん!」

 

少しばかり離れた巨岩の上。

 

五つの人影。中央の1人が台詞を言うと皆ポーズをとる。

中央の1人を挟んでシンメトリーというにはやや違うが、それでも調和のとれたポーズだ。

一番左の人物が何やら効果音を叫んでいる。

 

(昭和か!平成か!)

 

この見極めに前田慶次は死中に活を求めた。

転生者、日本の盆暗オタクとしてはこの名乗りのポーズがオリジナルなのか、それとも何かの戦隊のパロディなのか、その戦隊は何なのかの見極めをせず死ぬわけにはいかない。

名乗りを上げたのが剣桃太郎(転生者)でその左右を挟む面々も転生者ばかりだ。

 

剣桃太郎、ファン・ガンマ・ビゼン、竈門禰豆子、ジャック範馬、沖田総司(るろうに剣心)

 

剣「そこは五色の煙だろう!」

ファン「はぁ!何言ってんですか!?CG処理なんだから出来るわけないでしょ!」

 

ジャック「俺、黄色、それとも緑かな?」

禰豆子「あ、私白で」

沖田「え、戦隊って女子で白いるの?」

ジャック「確か、フラッシュマンでいたよね?ちがった?」

禰豆子「フラッシュマンいないですよ。ガオホワイトとかいるんですよ」

沖田「戦隊知識が初代パワーレンジャーくらいだからびっくりした~」

禰豆子「出たww沖田さんのアメコミベースの知識」

沖田「僕、帰国子女(笑)」

ジャック「転生先だと関係ない(笑)」

 

剣「昭和は煙だったんだよ!」

ファン「転生後に昭和なんて大昔の年号聞いたの初めてっすね!」

剣「やんのか平成小僧!」

ファン「喧嘩なら買うぞ、おい!」

 

学ランに長刀の剣桃太郎と、ニホントウを携えた着物をイメージさせる丈の短い服のファン・ガンマ・ビゼンが喧嘩をしている。

 

トロルたちは突然に始まった大声の喧嘩にポカンとしている。

その隙である。

 

「喝!」

大音響の一喝でトロルたちは動きを止めてしまう。

気合負けをしたトロルたちを巨馬を駆る前田慶次は囲みを突破する。

 

 

これが東方武士団の戦闘の日常である。

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