正しい常識と教わり、遊び、鍛える。そんな毎日。
そんな日々も、ある事件から変わり始める。
日々の行動に疑いを持つ日々。
今までと現状について考える毎日。
自分が今まで生きてきた意味とは。
そして自分の結末は。
いつか自分も小説を投稿してみたいと考えていたところ、
今朝見た夢が面白かったので、文章にして投稿してみました。
駄文ではございますが、御一読お願いいたします。
今日も一日が始まる。
起床、着替え、点呼、幾度となく繰り返された日常を皆当然のように繰り返す。
学びの時間に「常識」を、遊びの時間に「楽しさ」を、鍛えの時間に「成長」を、
知っていくこともまた繰り返し。
食事、清掃、入浴、を済ませ、点呼、着替え、就寝、終わりもまた繰り返す。
僕らはこうして毎日を過ごす。この施設から外に出たことは一度もないけれど、
それが普通なんだと「先生」たちは教えてる。
”それがみんなの「常識」です。”
それなら疑いなんて挟まない。
この毎日が普通のことならそれでいいじゃないか。
お腹いっぱい食べれて、体はきれいに清潔に、体も鍛えて強くなる。
――――僕らは今とても幸せに生きているんだ――――
そんなある日、その日だけは少し違ったことが起きた。
その日も目が覚め、点呼の前に着替えてく。十人寝られる相部屋で「おはよう」の挨拶が、それぞれの口から響き渡る。しかしその声は前の日より一人少なく、そこにあったはずの布団の変わりに赤いマットが敷かれていた。
「ケン君は選ばれました。」
点呼のとき、先生はそういった。
これは日常の一部。周りのみんなもいいな~なんてうらやましげだ。
この施設で生活している僕らは、極稀に ”選ばれる” ことがある。
”選ばれることはとてもすばらしいこと” 先生たちはそう教えてる。
それならなんにも不思議なことじゃない。
選ばれたケン君を僕もまたうらやましいと感じた。
食事を取る一部屋で、相部屋の僕を含めた九人が食べつつ、会話していた。
「けどさぁサトル、選ばれるにはどうすればいいんだろうな。」
タカシ君が僕にそう切り出した。
「そんなの選ぶ人が決めることだろ、僕らが分かるわけないじゃん」
僕は素直にそう返した。僕らの部屋で選ばれるなんて初めてのことだ。比べる物がない上に、なにを基に選ばれるかは僕らには知らされていない以上、僕らが考えても分かるわけがないのだ。
「おれはケンがいなくなってせいせいしたけどな。最近うるさかったもんアイツ」
ダイゴ君はそう言って会話に混ざりだした。どういうことかとタカシ君が尋ねると、
「お前らなにも気にしなかったのかよ?質問ばっかりなんだぜアイツ。あれは何でだの、これはどうして、先生たちにまで聞きまくってたじゃないか。学びの時間もしょっちゅうだったろうが」
そう言われると思い当たらないこともない。確かに学びの時間中、ケン君はよく質問をしていたように思う。同じ部屋になってからずっといたけど初めはそんなじゃなかった。疑問をよく話し始めたのは確かにここ最近になってからだ。
「アイツ選ばれたんじゃなくて ”指導” されたんじゃないか?先生もいい加減うるさかったに違いないぜ。」
指導とは、部屋から人がいなくなるもうひとつの理由である。
先生の言うことを聞かない、部屋の仲間に声を荒げ、殴るなどする、仲間と会話せず、一人で居たがる、それらが日々の注意で直らなければ、部屋から離れ”指導”を受けることになる。その内容もまた、選ばれることのように僕らは知らない。指導を受けたものは、同じ部屋には戻されず、指導を受けたものの部屋へ新たに振り分けられると先生は言っていた。
「先生たちがウソつくわけないだろ。ケンは選ばれたんだ。」
「赤いマットがあったからか?」
「そうだ。今まで指導でいなくなった時にはあんなものはなかった。」
「今回からそうなったからかもしれないじゃねえか。」
「何も言わずに?先生たちは必要なことは全部教えてくれる。」
「指導への連れて行き方なんて必要なことか?」
「そりゃそうだろ、僕らのことなんだぞ。」
だんだんと言葉が激しくなるタカシ君とダイゴ君。
「ケンカは止めなければならない」
と先生たちの教えを思い出した。教わった”常識”は実行せねばならないと僕は止めに入ろうとする、しかしその前に部屋へ先生の一人が入ってきた。
「なにを大きな声で騒いでいるのですか。」
今日聞く声で一番な叱り付ける大声で二人は止まる。その様子を見、外で話は聞いていたのか先生は言葉を続けた。
「ダイゴ君」
名前を呼ばれて席を立つダイゴ君、その顔は怯えが見えており、若干青ざめているようにも見えた。
「私たちが教えること、行うことに嘘はありません。これ以上疑うようであれば指導とまではいきませんが厳重な注意を受けることになりますよ。」
「デ…デモ先生、ケンだって同じようなことを毎日…」
「ケン君がしていたのは ”質問” です。しかしダイゴ君、君が今の会話で話していたのは ”疑惑” です。君は私たちの行いに疑いを持っていた、教えたでしょう? ”私たちの教えることは正しく、常識です。” と。」
その言葉にダイゴ君は「ゴメンナサイ」と先生に、そしてタカシ君へと謝った。口調からあまり納得していなさそうと感じたのは僕だけなんだろうか。その言葉にうなずいた先生は、次にタカシ君へ顔を向ける。
「タカシ君、君が先生たちの教えたことに疑いを持たないことはすばらしい。しかしそれだけで選ばれることはありません。他の皆さんもです。しっかりと ”考え” なさい。」
そう言って部屋を出ていこうとする先生。しかし思い出したように止まり、こちらに向かって伝える。
「そうでした、こっちが本題でした。ケン君がいなくなった分の新しい仲間がくるにはしばらく時間が掛かります。それまでは九人で生活してくださいね。」
そう締めくくり、先生は出て行った。
学びの時間が終わり、遊びの時間となり、広々とした室内で、僕らは思い思いに遊んでいた。朝の言い争いも忘れ、追いかけあって遊び、球を投げ合って遊び、次の食事の時間まで思い切り楽しんでいた。
”遊ぶこともまた大切なことと”
そう先生たちは言う。先生たちの言うことに間違いはないし、実際楽しいし、何の不満もない。
――――こうして幸せにすごして生きたいなぁ――――
そう考えつつ汗を流し、遊技室を走り回る。
しかし僕らも無限に体力があるわけではない。遊びも休憩し、遊戯室の入り口周りに座り会話していた。
「朝の続きじゃないけどさ。」
タカシ君が僕に話しかける。言葉から、言い争いについてではないようだ。
「先生最後に言ったじゃん考えなさいって。あれどういう意味なんだろうな。」
そんなこともいっていたような気がする、しかしそれは当たり前のことだろう。先生たちの教えをしっかり行うにはしっかり考えていなければいけない。その教えが生かせる瞬間を毎日考えていなければ、いざその時が来たときにうまく行えないじゃないか。
「それはそうなんだろうけどさ、なんかそれだけの意味じゃない気がするんだ。」
そんなものだろうか。先生たちが正しい常識を教えてくれている以上、考えるならその常識を守ることだけだというのに。
…それにしても。
「タカシ君、君もなんか質問がお…」
そう言葉を返そうとした時、突然「ちょい静かにしてくれ!」との大声に言葉を遮られた。なんだなんだと声の方を見ると、ダイゴ君が口に人差し指を縦においていた。
「…なんか外騒がしくねぇか?」
…確かに大きな声が聞こえる気がする。三人で耳を扉に当てると、どうやら言い争いをしているようだ。
「……………非人………………解…」
「…強…………………認め…………」
…あまり内容は分からないけど確かに言い争いだ。扉も厚く、これ以上は聞き取れそうにない。
「…覗いてみねぇか?」
「だめに決まっているだろう!開けていいのは外から先生たちが開けるときだけだ!」
「でも今までこんなことなかったじゃねぇか。」
「もう朝のことを忘れたのか?そんなことすれば指導されるに決まってる!」
「けどよぅ」
二人がまた朝のように言い合いを始める。朝から思っていたが、ケン君が選ばれてから二人とも様子がヘンだ。タカシ君は言われたとおりにすればいいことに質問が尽きないし、ダイゴ君は気になることを先生たちに注意されていることでも確かめようとする。何でそんなことを ”考える” のだろう。先生の教えたとおりにすれば何も………
………ん? ”考える” ?
ダァン!!ダァン!!
「「「!?」」」
今のははっきり聞こえた!何だ今の大きな音は!?まるで何か破裂するような音!僕以外の二人の顔も驚きで固まっている。
「おい!開けるぞ!」
「ばか!やめ…」
タカシ君の言葉を待たず、ダイゴ君が両開き扉の片方を開ける。そんな僕らに飛び込んできたのは………
「……ぐ……うぅ……」
「貴様らの商売道具はどこにいると聞いているんだ!!」
血を流し倒れる先生と、黒く硬そうな格好をした人が銃を構え脅してる。そんな状況だった。