ヴァンパイアが吸血鬼系Vtuberになってみた! 作:ねこまんま014
遅れてしまいすみませんでした!!
『じゃぁ最後に二人で対戦ですね!』
『あぁ。ほな、はじめよか」
翠子さんと格ゲーで遊ぶ配信もいよいよ佳境を迎えました。
翠子さんから基本操作を教わって完璧に操作ができるようになりました!! 特にガードについては翠子さんからもコメントの皆さんからも高い評価をいただきました! これで私も一流の かくげーまー? です!
そして今は戦うキャラクターを選ぶところです。翠子さんは迷いもなく日本人の筋肉隆々の青年を選んでいます。私はどうしましょう……。画面には様々な姿形をしたキャラクター達がいます。翠子さんが選んだ様な青年や足が長い中国人の美少女、ひげを貯えた老人もいますね。
うーん。悩みます。
魅力的な多種多様なキャラクター達に見つめられ、決めることができず、結局、悩みに悩んで先程まで使っていたアメリカ人の軍人キャラクターを使うことにしました。
『よし、二人とも選んだな。ほな始めよか』
『はい!』
元気よく返事をしてバトルが始まるのを待っていると画面が暗転して切り替わります。
コメント:
ようやくか
操作慣れるまでけっこうかかったなぁw
格ゲーは完全に他と毛色が違うし仕方ない
でもヴァンピーちゃんは他のゲームもへt……
あ?
ライン超えたな
でもまぁ翠子姉さんに教えてもらってるヴァンピーちゃん幸せそうだったのでokです!
『ではわたくしから攻めます!』
『好きにせいや~』
経験豊富で操作もわたくしよりも上手な翠子さんにのんびり持久戦を仕掛けても絶対に勝てません。ですので先手必勝と対戦が開始されると同時に宣言して攻撃を仕掛けにいったのですが、いままで落ち着いた女性としては低いぐらいだった翠子さんの声はねっとりとした、いいえ違います。どこかいやらしさを感じさせるような、そんな声色で返答したかと思うとわたくしの攻撃をあっさりとガードしてそのまま反撃を繰り出してきました。
そしてわたくしのキャラクターは翠子さんの手によってあっさりと地面にたたきつけられてしまいます。
『まぁ、攻めるのは良いけどうちがガードも反撃もせんなんて一言も言ってへんけどな!』
『ひ、ひどいです!』
ケラケラと楽しそうな笑い声を上げながら、それでも追撃するような構えは見せず、何でしたら再び距離を取ってわたくしのキャラクターが立ち上がるのを待ってくれていました。
さっきまであんなに冷静だったのに対戦が始めると性格が変わったかのように好戦的になってます……そう! バトルジャンキーです!
ヴァンパイアでもそういった個体がたまーにいるのですが、まさか翠子さんが当てはまるなんて……うんざりした気分になります。こういうタイプの人は対戦が終わるまでテンションが高いままで、実力でねじ伏せてもすぐに立ち上がって何がうれしいのかは分かりませんが心底うれしそうな表情を浮かべながら再戦を申し込んでくるんです。ええ経験があるので分かりますよ。
普段ならわたくしの方が強いので精神的に負担が大きい以外は問題ありませんが今回の場合は相手の方が格上というのが普段と違います。そんな経験はないのでどんなことになるのか予測ができません。
『ほれ、ヴァンピー。早よぅ立って攻撃してきてみぃや。攻撃せんと勝てるもんも勝てんで~』
ニタニタと笑っている様子が通話越しでもハッキリと想像できます。く、くやしいです。
コメント:
草
不良が絡みにいったら本職の人にボコボコにされたみたいになっとるやんw
これは洗礼
お約束
めくったり追撃コンボしてないだけ温情
それやったらヴァンピーちゃん格ゲー嫌いになるで…
突然豹変してて草
冷静な翠子さんどこ…どこ?
わたくしのキャラクターが立ち上がったことを確認して、再び翠子さんのキャラクターに攻撃をしかけにいきます。今度は相手との距離が開いていても攻撃ができる遠距離技で攻撃です。
『これならどうですか! ってあれ? あれ?』
翠子さんに教えてもらった通りのコマンドを入力してみたのですが反応せずに意味不明な行動をとるばかりです。もしかしてコマンド入力に失敗してしまって──。
『分かるわぁ。練習ではできるようになってもいざ実践となると途端にできなくなるねん』
うんうんと頷いた声を出しながらも翠子さんのキャラクターは距離をあっという間に詰めてきます。
『ほれヴァンピー。ガードや。ガード』
あたふたとしているわたくしに向かって攻撃を仕掛けてきます。躍起になって技を出そうと四苦八苦していたわたくしはその声にハッと我に返り、急いでガードを選択しますが……わたくしの眼に映るのはもう既に攻撃モーションに入っている相手。間に合うわけもありません。
またしても倒されてしまいライフゲージが減っていくのが見て取れます。
『もうライフゲージが半分しか残ってないです…』
『ガードが間にあわへんかったからなぁ』
しゃーなしやなとつぶやいてわたくしが立ち上がるのをまたしても何もせずに待っています。
『いいかヴァンピー。これが実践や。練習の時は相手が動かへんかったから冷静に技を出すこともできたかもしれへんけど、動く相手を的にするときは焦らずにコマンド入力をせなあかん。それに加えて状況把握にも努めんといかんで。折角行動できても相手にあたらんかったら意味ないからな』
『はい。でも体が上手く反応してくれないです……』
正確には指が思うように動かないです。体と表現するにはいささか大きすぎる表現でしたでしょうか。いくら格ゲーが上手な翠子さんに付きっきりで半日遊び方を教わったとはいえ、それでもたった半日程度では上手く操作ができません。
現実の戦闘だったら負ける道理はどこにもないのにVtuberになってゲームで遊ぶようになってからバトルロワイヤルのゲームでも野球ゲームでも、この格ゲーでも負けっ放しで吸血鬼としてのプライドが少しだけ、ほんの少しだけ傷ついたような気がします。ホントにホントに少しだけですよ!!
わたくしの情けない声を聞いた翠子さんはからからと笑います。馬鹿にしたような感じではないです。
『そりゃそうや。始めからそぉ上手くいってたら世の格ゲーマーから嫉妬の嵐や』
『うぅ……。つ、次こそ翠子さんに一本入れて見せますよ!』
『そや! その意気やヴァンピー!! さぁ来い! どぉんとこい!!』
初めて聞く覇気を纏った翠子さんの声でした。
その声に導かれるようにわたくしはコントローラを操作して拳を──。
次回更新はどうにか一週間以内に作れたらいいなぁと思っています。
誤字脱字報告やいつも助かっております。ありがとうございます<m(__)m>
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