「白露ちゃん」
吹雪が白露の背中を見つけて後ろから追いつく。振り返った白露には緊張した表情が見えた。
「夕立ちゃんはどう?」
「うん、体の方は問題ないんだけど…」
目を伏せる白露にいつもの元気はない。まだなにが起きたかも、これからどんな影響がでるのかも分からない夕立を出撃させることになるのだから当然ではある。そんな白露の手を握りしめる。
「私もいるよ。司令官が、近くにいてあげてって」
「うん。お願い」
吹雪の手が痛いぐらい固く握られた。
そうか、と呟いた声は隣の清霜に届いたようだ。
「どうしたの、武蔵さん」
小首をかしげる清霜への答えは適当に濁す。気にするなとの言葉に素直に従う清霜は本当に気にする様子はない。
「この作戦で頑張れば戦艦になれるかな?」
「どうだろうな。ただ、無茶はするなよ」
頭を撫でてごまかす武蔵に清霜は満面の笑みとうなずきで返してくる。そんな清霜をみながら、今度は声に出さなかった。
――これがお前たちの答えなんだな。
今自分がどんな表情をしているのか、分からなかった。
眼帯を抑えて沖でたたずみながら静かな海に目を向けた。
「本当に俺たちが出ることになるとはな」
たしかに、あまり平常の任務は行わないとはいえ、今回は輪にかけて特異な任務で、それを実際に行うことになるとは思わなかった。それは遠くの鎮守府で無謀な戦いが始まることを意味する。
「ふむ、この時間なら日没までには着くな」
「どうしたの、日向?珍しくはりきってるじゃん」
「まあな。久しぶりにこいつらを飛ばしてやれる」
日向の飛行甲板に向ける視線を受けて、伊勢は自分の腕の飛行甲板に手を当てる。水上機を飛ばせることを喜ぶ二人をしゃがんで頬杖をついたまま見つめてぼやく。
「それにしても遅いわね」
ちょうど話題に出したところで港から2隻が現れた。
「ごめんねー、天龍ちゃんのおめかしがおそくなっちゃってー」
「お前を待ってやってたんだろうが!」
前に出ていた木曽が肩越しに振り返りながら苦言を呈す。
「鎮守府に動きがあればすぐに出撃できるように言われたはずだぜ」
「あんたたち、さっさと行くわよ。木曽が早く姉に会いたくて仕方がないみたいだし」
「ちがうって!ちょっと姉ちゃんたちが心配なだけで――」
慌てる木曽を無視して立ち上がる。木曽はごまかすように話を続ける。
「お前は知り合いとかいねえのか?」
「さあ?私のいない吹雪型なんて珍しくもないし」
軽く受け流し、腕と槍を背中に回して体を伸ばす。
「いよいよ戦場ね」
たくさんキャラを出してみたもののどこまで回収できるか分かりません…