アイドルになるためのチート貰ったのに劣等生の世界だった   作:シルバーは吸血鬼の弱点なんやで

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第11話

ユリカは一高のバスの出迎えにロビーで待っていた。

この時間は暑すぎてステージでのリハーサルには向かないのだ。

 

だが、予定の11時を過ぎても一高バスは全然来ない…のは事前に連絡を貰っている。会長の七草真由美が家の用事で遅れるのを全員で待つことにしたのだ。

 

だからユリカは、ロビーの奥にあるカフェでのんびりとローズティーを傾けながらまったりくつろいでいた。

 

4日目ともなると、先程の四高のに来る度来る度凄い勢いでサインや握手をねだられて、なかなか大変だったが、ようやく一息つける。一高は勝手知ったるだし。

 

今日のユリカは甘いものが欲しかったため、ローズティーにはイチゴのフレーバーシュガーがどっさり入っていて、その甘さと香りはもはやローズティーではなくストロベリージュースである。

 

 

「甘い…甘すぎる」

 

 

彼女の顔はいつも通りだが、その瞳は疲れに染まっている。流石にここのところの暑さと激務にはユリカの身体能力チートも効きづらくなっているようだ。

……そもそもユリカが暑いのが苦手ということもあるが。暑いのも寒いのも嫌いで、適温の幅がめちゃ狭い。

先日の温泉でかなり身体は休まったが、ほぼ常にユリカ様状態のこの状態はユリカにとってかなりの精神力を削っていた。今だって、いちごパフェを食べたいが、ユリカ様は食べることは無い。

 

奇しくも真夜の「普通の女の子として生きたかった」という思いと同種の原因である。真夜は四葉家の当主として、ユリカは吸血鬼キャラとして。

別に吸血鬼キャラを被ることが嫌な訳では無い。ただ、常に被り続けていると精神的にも肉体的にも疲労が溜まってしまう。

 

彼女…いや、彼が好きなのはあくまで「藤堂ユリカ」というアイカツ!に出てくるキャラであって、吸血鬼キャラを被ることではない。

スターライト学園に入学したばかりの頃、控えめな性格から、周囲のアイドル候補生に引け目を感じて塞ぎこんでいた時に『Loli GoThiC(ロリゴシック)』の服と出会ったことで、服のイメージに合わせて子供の頃から大好きだった少女漫画の吸血鬼キャラを演じるようになった、ホンモノのユリカ様とは前提が違うのだ。最初にユリカ様という正解があって、それをなぞっているだけの存在であり、モノマネですらない。

 

…と、ユリカは考えているが、それは本当に彼女が必死になってアイドルとして輝こうとしているからである。ホンモノのユリカ様には上には神崎美月を始め同級生たちにも多くの仲間/ライバルがいたが、それもなしに1人で輝こうとしているのだ。競う相手がいないことの難しさは神崎美月が証明している。彼女は自らがより高みへ昇るために星宮いちごを、言い方はあまり良くないが、利用していたと言える。

 

競う相手がいないほど隔絶しているこの世界のユリカには、あの世界と同じように輝くためにはより多くのリソースを費やす必要があるのだ。

 

 

 

 

ユリカはため息をひとつこぼして部屋に引き上げた。

琴音にいちごパフェを部屋に持ってきてもらって平らげた上で、ゴロリとベッドに横になると対して時間も経たずに寝息をたて始めた。

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

8月1日の夜は九校戦参加者による懇親会が開かれる。

1校当たり、選手が男子10人女子10人、それが本戦と新人戦とに分けられて合計40人、さらに作戦スタッフが4人と、技術スタッフが8人の、合計52人。

それが9校分で、全校が枠を最大限利用かつ欠席者0の場合、52×9=468人となる。それだけの人数の立食パーティーをするとなるととても広い会場が必要となる。

そして、複数の箇所にビュッフェスタイルで料理やデザートが配置されており、食事や飲み物を置くためのテーブルは至る箇所に置いてある。

だが、やはり九校戦…つまりこれから戦う相手たちと混じって食べるのは皆抵抗があるらしく、各校毎にある程度固まっている。

 

今年はユリカが大々的に一高に通うことになったのが発表されたことが影響しているのか、ウェイターやウェイトレスが運ぶ飲み物にトマトジュースがはいっている。丁寧に裏漉ししているのか、とてもなめらかな口触りである。

 

ちなみに、アイカツ!では教員のジョニー別府が学園長室でミキサー調理をしていたのだが、この世界のユリカは加熱調理でトマトを潰してさらに水分を飛ばして裏漉ししてから濃縮還元する方法が好きである。

 

ユリカも流石に昼夜を食べないのは厳しいので、昼過ぎに到着した一高メンバーを出迎えてから、部屋でカレー麺を食べたのでお腹はさほど空いてはいない。

 

トマトジュースを片手に静かに…という訳でもなく、何故かサイン会状態となっていた。来賓の挨拶すらそっちのけで、である。

 

だが、とある人物の少し前になると、潮が引くようにその状態は消えた。そう、九島烈という十師族という制度を作り出した人間である。

 

 

ユリカの目はステージに目を向ける。だが、その目は冷えきった目をしていた。

 

 

 

 

 




次回、九島烈、死す(嘘)



前話、予約投稿にしたはずが、いきなり投稿されてびびっちゃいました笑笑

現在の話が完結後、次にユリカが行く世界 ※やるかどうかはまだ分からないのと、参考にするだけなのはご了承ください

  • 幼女戦記
  • ゆるキャン△
  • 劣等生(環境違いで再走)
  • ALDNOAH ZERO
  • ハイスクール・フリート(はいふり)
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