アイドルになるためのチート貰ったのに劣等生の世界だった   作:シルバーは吸血鬼の弱点なんやで

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第3話

突然だが、この世界でブランド「Loli GoThiC」をデザインしているのは誰か、気になるのではないだろうか?

 

実は……四葉真夜である。

べ、別に《まや》繋がりでとかじゃないんだから!

 

 

アイカツ!でのLoli GoThiCのトップデザイナーは夢小路魔夜だ。言わずと知れたものだ。

そして、この世界でのLoli GoThiCのトップデザイナーは四葉真夜だ。ちなみにユリカの発案でトップデザイナーの公表名は本家のお名前を借りて夢小路魔夜としている。

 

かの剣豪漫画でも言っていただろう?真の天才はなんでもこなせてしまうって。

 

 

 

 

……本当は四葉真夜もその手の趣味があることは、葉山とユリカのみ知る秘密だ。夜に1人でゴスロリな服でファッションショーをする45歳とか…ねぇ?偶然見てしまったユリカが思わず固まってしまうほどには衝撃的だったが、実は普段着からもそのケが滲み出てることに、分かっててみるとよく分かる。

 

今やLoli GoThiCの売上は超大であり、トップデザイナーの真夜もがっぽり儲けていて、それでユリカのグッズを買い漁っているのは例のごとく3人の秘密だ。ともかく、これだけの経済効果のあるブランドが個人の趣味だとは誰も思うまい。それも()()()()()の当主が、である。

 

 

 

 

 

 

 

さて、本題は真夜がスランプに陥ったことだ。

 

事の発端は、ユリカが朝起きるとマルチ端末(携帯電話の進化系)に真夜からこんなメッセージが届いていたことから始まる。

 

「来週の新作お披露目ステージ用のドレスのアイディアが浮かばないでござるぅううう!」

 

一応補足しておくが、四葉真夜からのメッセージである。

電話を慌ててかけると、明らかにやつれた顔で電話に出て来たと思ったら奇声を上げつつデッサンに励んでいたため、電話を切って葉山に電話をかけ直す。すると…

 

「数日前からあのような有り様でして、真夜様には一切の面会も停止しております。わたくしの一存ですが」

「いいえ、適切な処置に感謝です」

 

ということのため、今日入っていたトーク番組では焦って珍しく噛んでしまった。ちなみに、この世界にまぐろさんという人がかつての魚介類の名前の芸人の跡を継ぐようにトークの鬼をやっている。引き笑いで有名なのはどちらも変わらない。

 

急いで例の装甲リムジンに乗り込み、黒服に車を出させる。行先はもちろん四葉邸だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユリカたんらぶゆー!」

 

四葉家の本邸…から少し離れたところに立てられた洋館。真夜と葉山しかいないそこは魔法の研究所…ではなく、Loli GoThiCのトップデザイナーとしてのアトリエだ。例の洋館である。

 

そこにはまるでかの世界の有栖川おとめのようにユリカに抱きつく、45歳ゴスロリ女がいた。

 

ユリカは何となく読めてきた。

 

「…私に会いたかっただけですか?まさか」

「そ、そんなことないわよ!?」

「……目を逸らさないでください」

 

ユリカは心配していた私がバカだった…と眼鏡をかける。

 

「何がともあれ、何も無くて良かったです」

「こっちのユリカたんもらぶゆー!」

 

ここでイラッと来なかったら、その人は余程心が広いのだろう。有栖川おとめがかわいいなぁで済んでいたのは、彼女がまだ10代であることが大きい。45の残念な女がこんなことを言っていればイライラもする。葉山はジジイ顔。

 

 

 

「明日は沖縄で撮影があるからもう出ますね。来週のドレス、楽しみにしています」

 

いつもの吸血鬼ユリカ様ではなく、素のユリカの儚さに、真夜は情熱(鼻血)を出して親指を立てた。

 

「最高ですッ!」

 

 

 

 

なお、翌日、何故か血の気がない真夜に、報告に来た黒羽貢が困惑したのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

「Loli GoThiCの新作ドレスお披露目ステージへようこそ!」

 

司会のLoli GoThiC広報担当がイベント会場全体にマイクで声を響かせる。

 

「本日は報道芸能関係者に加えて、抽選に当選した150人の一般の方もいらっしゃっています!どちらの方々も、我がLoli GoThiCの新作ドレスステージをお楽しみください!さて、早速トップバッターはこの方!」

 

ステージ上の背景画面にユリカが映る。

 

「藤堂ユリカ様です!」

 

 

 

 

ユリカが床から登場すると、歓声で埋め尽くされた。

 

 

Loli GoThiCらしいゴシック・ロックな、それでいてプログレッシブな音楽が流れ始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

乱反射する眼差し

鏡越しに誰かが見てるの?

ビロードの重い空

ざわめく風が昨日までとは違うのよ

 

声を聞かせて 姿を見せて わたしを逃がして

ねえ、鍵が壊れた 鳥籠の中ひとり ずっと

 

永い物語よ 自分だけに見える鎖に繋がれたまま

夢を彷徨ってる 待ちくたびれた顔の 硝子の瞳がふたつ

もうやめにしたいのに 終わりが怖くて

またくりかえすの

 

 

 

 

 

 

 

「硝子ドール」

ユリカの代表曲でミリオンセラーの曲だ。

 

 

 

 

その後、お披露目ステージ全ての演目が終わった後、終わったと思っていた観客の前に飛び出してきたユリカに、観客たちは沸いた。

 

 

「最後まで楽しまないと、血を吸うわよ!」

 

 

 

終焉を待つ世界みたいに

暗闇の中 視線彷徨う

君の願いを叶えたはずなのに...

 

鳥籠の中 どうして君は ずっとそこから出てこないの?

扉の鍵は僕が壊してきたのに

月が欠けて風が止んだ夜に

色褪せた過去さえ消していきたい 君が望むなら

 

永遠に続く未来 今僕を照らせ

脆く儚い心を灯せ

壊れかけた今日を繋いでいく

僅かな希望を探してる 今もずっと…

 

 

 

「永遠の灯」

Loli GoThiCのイメージソングとも言える楽曲で、Loli GoThiC主催のステージの最後は必ずこの曲である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観客席の端にいた、1人の少女の胸に火をつけたステージ。それが何かはまだ誰も知らない。




え?感想くれないの?
そんなにユリカ様に血を吸われたいのかしら?
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