アイドルになるためのチート貰ったのに劣等生の世界だった 作:シルバーは吸血鬼の弱点なんやで
ブランシュ事件は最終的にブランシュの拠点を一高有志数名と十文字家のバックアップで壊滅させて、収束した。
それから約2週間と少し。
5月10日、「タルト・タタン」発売
その頃のとある十師族の当主の話である。
Loli GoThiCというブランドが手がけるのは基本的にゴシック・アンド・ロリータ、ごく稀に黒ロリータと言った方向性である。甘過ぎずにかわいく、かっこいい。それでいてどこか儚く神秘的。それがブランドイメージだ。
ロリータファッションの愛らしさや少女性は取り入れつつも、そこにゴシックな思想を持ち込む。無垢な少女故の残酷性…つまり、少女の夢やそこに潜む心の闇の表現。それがゴシック・アンド・ロリータである。
例えば普段の格好に、Loli GoThiCのカバンや靴やヘアアクセなどを入れてもキマることが大ヒットの要因でもある。
吸血鬼キャラのユリカとも相性が良い…というよりユリカのために作られたブランドなので当たり前だが。
さて、そのトップデザイナーである四葉真夜は今、悩みに悩んでいた。
「まったく新しいタイプのドレスとか思い浮かばないでござるぅぅううう!」
というのも、今年の夏フェス用ドレスに、今年の夏フェスのイメージ色であるパステル色の淡い水色をワンポイント分かりやすい位置に入れて欲しいという依頼を主催者側が各出演者に出しており、ユリカも多分に漏れない。
だが、ゴシック・アンド・ロリータとパステルカラーは相反するものであり、真夜はトップデザイナーとして真価が試されようとしていた―――!
そんな時、葉山はさらに真夜を追い詰める。
「書類仕事が終わっておりませんが」
「後でやるぅー」
「当主としての仕事を優先するからやらせて欲しいと言ったのはどこの誰でしたかな?」
「……ぶぅー!」
さらに、そういう時は不運が重なることで…
「あ、電話!ユリカたんじゃない!?」
「はい、ユリカ様です。真夜様にお願いがあるとか」
真夜は葉山から電話を引き継ぐとすぐに画面にユリカを呼び出す。
「はいはーい!真夜様ですよー!」
「…あの、お願いがあるんですけど…」
「わー!素のユリカかわいいー!」
「えっと、あの…」
メガネをかけたユリカがオロオロしながら顔を赤らめる。
「憤死する…☆これで仕事も頑張れる…!で、お願いって?」
「九校戦の懇親会でのステージが打診されまして…良かったら新作のドレスがいいなぁ…って」
「やるやるー!まっかせといて!じゃあちょっと忙しいから、また今度ゆっくり!」
真夜は電話を切ると、ハイテンションが嘘のようにローテンションに落ちる。
「……」
「……」
真夜と葉山が見つめ合う。
「真夜様はアホですな」
「ち、違うもん…ユリカのお願いなんて絶対聞くに決まってるもん…」
「しかし、既に仕事でいっぱいですが」
「が、がんばるもん…」
夏に向かって走り出す。真夜の忙しい戦いはこれから2ヶ月にも及んだのだった―――
高評価・お気に入り・感想、くれないと血を吸うわよ?
現在の話が完結後、次にユリカが行く世界 ※やるかどうかはまだ分からないのと、参考にするだけなのはご了承ください
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