再召喚勇者は平穏を望む! ~前回魔王と相討ちになって死んだので、今回は勇者とか絶対にお断りです!~   作:カゲムチャ(虎馬チキン)

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14 当代勇者一行襲来

 な、なんで彼らがここに!?

 魔王軍との戦いはどうしたの!?

 と、一瞬思ったけど、そういえば僕も伝説の武器を探してダンジョンアタックしてた時とかは、魔王軍と全然関係ない場所にいたなぁと思い直した。

 それに、召喚されて初期の頃とかは、とりあえずレベル上げてきてくれと旅に出されて、そこら辺の魔物を倒す事に必死になってたっけ。

 ひのきの棒を持ってスライムに苦戦してたあの頃の事は忘れない。

 あれは地獄だった。

 

 という事は、後輩くんは今レベル上げという名の修行の時期なのかな?

 考えてみれば、せっかくの勇者を弱い内から魔王軍にぶつける訳ないよね。

 切羽詰まってた僕の時代ですら、一応は魔王軍とぶつかる前にレベル上げの期間が用意された訳だし。

 レベル上げ中に何度も死にかけたけど。

 しかも、雑魚モンスター相手に。

 あ、思い出したら涙が……。

 

 とにかく、それを確かめる為にも、後輩くんのステータスを鑑定してみよう。

 

━━━

 

 勇者 Lv10

 名前 如月(キサラギ)遥斗(ハルト)

 

 HP 2900/2900

 MP 2450/2450

 

 攻撃 2500

 防御 2488

 魔力 2500

 抵抗 2461

 速度 2508

 

 スキル

 

『聖剣術:Lv2』

『聖光魔法:Lv2』

『異界式鑑定術:Lv3』

 

━━━

 

 ………ふぁ?

 よ、弱い!?

 いや、さすがに勇者だけあって、レベルの割には凄い強いんだけど、そのレベルがいくらなんでも低すぎる。

 召喚されて、もう一ヶ月だよ?

 勇者の成長速度で一ヶ月あれば、レベル50くらいは行くよね?

 実際、僕はそうだったし。

 レベル50くらいまでは、倒せば凄い量の経験値が得られる自分より強い敵がそこら中にいる状態だったから。

 

 まあ、それは世紀末時代に召喚初日から死闘を繰り返してた僕の基準だから例外としても、レベル10は低すぎる。

 この一ヶ月、一切戦闘せずに遊んでたんじゃないかってレベルだ。

 この世界、実は魔物を倒さなくてもレベルは上がるから。

 普通に訓練とか筋トレとかしてるだけでもレベルは上がり、ステータスは上昇するのだ。

 魔物を倒すと、レベルアップの効率が段違いなだけで。

 

 もしかして、そういう事?

 命の危険がある戦闘の前に、まずは訓練で最低限のステータスを確保しつつ、戦闘技術を高める事を優先してたとか?

 いや、それならスキルレベルの方がもうちょっと上がってる筈だし……。

 うーん、わからない。

 

 とりあえず、このステータスじゃ、もし後輩くんが今回のスタンピードをレベル上げに使う為に来たんだとしても、大した活躍はしてくれないだろう。

 聖剣込みでも、せいぜいレイさんと互角以下が関の山だと思う。

 レイさんは強いけど、一人で敵軍全てを相手取れる程じゃない。

 そんなレイさんと同じで、後輩くんも普通の戦力としては心強いけど、放っておいてもこの程度の戦いなら一人で完全勝利し、僕が何もしなくても戦死者0を達成してくれるような、本物の『勇者』としての活躍は望めない。

 まだまだ力不足だ。

 

 むしろ、僕は後輩くんにくっついて来た人達の方にこそ期待を寄せてる。

 

━━━

 

 聖女 Lv50

 名前 ティアナ

 

 HP 2000/2000

 MP 9000/9000

 

 攻撃 1998

 防御 1777

 魔力 8888

 抵抗 2900

 速度 2001

 

 スキル

 

『棒術:Lv3』

『聖光魔法:Lv6』

『神癒魔法:Lv6』

『神助魔法:Lv6』

『感知:Lv3』

 

━━━

 

 聖女さんは、かなり強い。

 いくら聖女という特別な存在とはいえ、まだハナさんよりも若そうな14歳くらいに見えるのに、このステータスは大したものだと思う。

 特に頼もしいのは、支援魔法の上位互換である『神助魔法』だ。

 回復魔法の上位互換である『神癒魔法』も凄そうだけど、今回みたいな多くの味方がいる戦場では支援系の魔法が一番輝く。

 味方全員のステータスを大きく底上げできれば、僕の手助けなしに戦死者0も夢じゃないかもしれない。

 

 おまけに、後輩くんの護衛として、結構な数の騎士さん達が追加で来た。

 全員が物理系ステータス四千を超え、隊長格っぽい人に至っては平均ステータス五千に達してる精鋭騎士さん達だ。

 この人達が聖女さんの支援で強化されると考えたら、滅茶苦茶頼りになる。

 

「どうぞ、こちらへ! すぐにご要望のあった冒険者も参りますので!」

 

 そんな彼らを、課長さんが凄く腰を低くしながらギルドの奥に連れて行った。

 まあ、なんにせよ、頼れる味方が増えたのなら喜ばしい事だ。

 それ以上は僕の考えるべき事じゃない。

 今の僕は勇者ではなく、ただの駆け出し冒険者なんだから。

 

 さて、今日の仕事はもう終わってるんだし、もう帰るとしよう。

 後輩くん達がギルドの奥に消えていくのを見届けた後、僕は受付嬢さんに挨拶して、ギルドから立ち去った。

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