東亜連邦召喚※この作品は未完のまま更新停止しました 作:東亜連邦
追記
この度、本小説の更新を停止させていただくこととしました。
理由は、話を進めるにつれ設定の矛盾が増えてきたことです。
代わりにという訳ではないですが、いつか設定を練り直してリメイク版として新しい小説を投稿します。
身勝手なこととは重々承知しておりますが、今までありがとうございました。
列強との出会い
ーーー中央歴1639年 9月2日 フェン王国ーーー
フェン王国。それは、第三文明圏外に位置するしがない小国である。歴史的にみると戦士の国であり、武人の精神が根付いている。同様の理由で、周辺国に比べると実力主義的であり、剣の上手な者は尊敬される、そんな国だ。
このところ、フェン王国では平和が続いていた。しかし、その平和は長くは続かないのだった…
ーーーフェン王国 首都アマノキ アマノキ城ーーー
フェン王国の首都アマノキには、一見日本の城のようにも思える城がある。
それが、アマノキ城である。
そのアマノキ城の中の小さな広間に、王宮武士団の幹部が集まっていた。
一番前に立つ、剣王シハンが口を開く。
「皆の者、よく集まってくれた」
深刻そうな表情で話し始めるシハンに、多くのものが固唾をのむ。
「パーパルディア皇国と戦争になるかもしれん」
たちどころに広間にざわめきが広がる。
パーパルディア皇国といえば5大列強に数えられる第三文明圏唯一の列強。文明圏外国家よりも上位の存在である文明国ですら敵わないほどの隔絶した技術と国力を持つ。
そのような国にフェン王国が勝てるはずがない。
フェン王国は、文明圏外国家の中でも、特段強いというわけではない。これにはいくつか要因がある。
1つ目は純粋に国力がないこと。フェン王国は島国で国土が狭く、目立った輸出産業があるわけでもない。そのため、保有している軍船は21隻、高価な道具である魔信も数が少ない。
2つ目は隣国にガハラ神国があることである。ガハラ神国では「風竜」というワイバーンなど比べ物にならないほどの強さの航空戦力を使役しており、この存在のために、ワイバーンが怖がって寄り付かないのである。
ちなみに、つい数日前までロウリア王国との戦争状態にあったクワ・トイネ公国は、国土も広く、大地の神のかごから農業生産に優れ、保有する軍船も200隻程度、ワイバーンも100騎ほど保有しており、魔信も完備されている。ロデニウス戦役えは押されていたように見えたが、ロウリア王国が強すぎただけでクワ・トイネ公国は文明圏外国家の中でも強い国なのである。
閑話休題。
ともかく、フェン王国がパーパルディア皇国と戦って勝つという可能性は微塵も無い。ざわめいていた広間も、すぐに鎮まった。
「現在、各方面で対策を実施中だ。ガハラ神国からの援軍も要請している。ともかく各人、戦に備えて準備をせよ」
音を立てて文官、武官たちが一斉に礼をする。シハンは彼らを見ると、申し訳なさそうな表情を見せると広間を去っていった。
ーーー剣王執務室ーーー
「剣王、東亜連邦なる国が国交開設のために来訪している件についてですが…」
王城中央部の執務室で執務をこなすシハンに、側近のモトムが話しかける。
「東亜連邦?確かガハラから情報のあった、東方に出現した新興国家だったか。あの辺りには小さな群島しかなかったはずだが…どんな国なんだ?」
「それが…信じがたいのですが、彼らの主張するところによると、人口は16億、国土面積は1050万㎡あるのだとか…」
それを聞いて一瞬押し黙ったシハンは、大きな声で笑い出した。
「ハッハッハッハッハッ!いや愉快。これだけ堂々としたホラもなかなかないだろう!」
ブラフ自体はさして珍しいことでもないが、楽しそうにシハンは笑った。
「しかし剣王、ガハラ神国やクワ・トイネ公国からも、それを裏付けるような情報が来ています。加えて、両国が使節団を派遣したところ、群島はなく、大陸かとも思えるほどの大きな陸地が広がっていたそうです」
その言葉に、シハンは真面目な表情になる。
「ふむ…ガハラがそこまで言うのならば、会ってみる価値はあるな…」
東亜連邦に興味を持った剣王シハンは、自ら東亜連邦の使者と会うことにした。
ーーーーーー
王城の一室で、東亜連邦の外交官が待機している。
「剣王が入られます」
シハンは側近に扉を開けさせ、部屋に入った。東亜連邦の使者が立ち上がって礼をする。
「そなたらが、東亜連邦の使者か」
強者の風格を感じさせる、低いがよく通る声だ。
「はい。帰国と国交を締結したく、参りました」
シハンがしばらく東亜連邦の外交官と話した後、東亜連邦の外交官がなにかを出して言った。
「我が国の品です。ご覧ください」
剣王と側近たちは、刀や靴、眼鏡などを手にとって確かめる。
「ほう、これはいいものだ」
刀を手に取ったシハンは、そう言った。
側近たちも、思い思いに検分している。
東亜連邦のものを一通り見終わったシハンは、大陸共通語で書かれた文書を確認し、間違いないか確かめると、言った。
「失礼ながら、私はあなた方の国をよく知らない。ここに書いてあることが本当ならば、
すさまじい力を持った国と関係を築ける。我が国の国益にもかなうことだ」
シハンは続ける。
「しかし、国土ごとの転移や超巨大船などは、なかなか信じがたい気分だ」
「でしたら、我が国に使節を派遣してくだされば…」
東亜連邦の外交官の発言をさえぎって、シハンは言う。
「いや、ぜひともこの確かめたい」
「と、いいますと…」
「実は、今月25日に我が国では各国の武官を招いて軍祭が開かれる。そこに、貴国の軍船と航空戦力を派遣してほしいのだ。要するに、貴国の力を知りたいのだよ」
異例の提案に、外交官たちは面食らう。他国への軍艦の派遣という行為自体は別に珍しいことではない。むしろ喜ばれる場合さえある。
尤も、それは派遣する側・される側の両国の関係が良好な場合のみ。頼まれてもいないのに中国が日本に軍艦を派遣してきたとして、喜ぶ日本人はいないだろう。
だが逆に言えば、頼んでまで軍艦を派遣してもらうというのは、両国の信頼関係・友好関係を示すことになる。とはいえ、国交も結んでいないのに軍艦の派遣を要請するのはやはり相当に異例なことだ。
面食らった東亜連邦の外交官たちだったが、ひとまずそのまま本国に連絡。
先日の閣議で「新世界においては東亜連邦の地位と名声の向上を図ること」が決定されたこともあり、後日、正式に分艦隊の派遣が決定された。
ーーー中央歴1639年 9月17日 パーパルディア皇国 皇都エストシラントーーー
「あの計画はどうなっている!」
一人の男の怒声が響く。
「監察軍東洋艦隊22隻がまもなく出撃します…」
冷や汗をかきながら、男の部下が答えた。
ーーーーーー
第三文明圏の列強、パーパルディア皇国には、外務局が3つある。1つ目は第一外務局。5代列強国との外交や、国家の最重要案件を扱う。エリート中のエリートが所属する、外務局界の出世のゴールである。
2つ目が第二外務局。文明圏内国家との外交を担当する。文明国は、列強ほどではないにしろ国力のある国が多く、利害関係も複雑なため、エリートが所属する。
最後が、第三外務局である。文明圏外国との外交や雑務を担当する。どれだけ無理のない範囲で無理な要求を通せるかが求められる。加えて、他国に対する懲罰的制裁を加えるための、監察軍という独自組織を持つ。外務局の職員の多くがここに所属する。
ここに、パーパルディア皇国の外交上の欠陥が存在する。尤も、これは新世界全体に蔓延する風潮なのだが、第三文明圏で文明圏外国を徹底的に見下す教育を受けたものが第二、第一と昇進していく。するとどうなるか。上から下まで一様に文明圏外国を見下す組織ができるのである。
今まではそれでも問題はなかった。実際にパーパルディア皇国が第三文明圏では最強だったからである。しかし、今ではそうではない。東亜連邦という、この世界ではイレギュラーな存在によって、後の大きな悲劇が生まれることとなる。
ーーーーーー
パーパルディア皇国の東210kmの位置に、縦150km、横60kmの勾玉のような形をした国がある。フェン王国である。西にはフェン王国を180度ひっくり返したかのような形をした、ガハラ神国がある。
皇帝ルディアスの即位以来拡大路線を突き進んできたパーパルディア皇国は数ヶ月前、その国土拡張計画のもと、フェン王国の約400㎢の森林地帯の割譲を求めた。
これは、パーパルディア皇国には「国土を得た」という実績(?)が残り、フェン王国側も
驚くべきことに、フェン王国はこれを拒否。それならばと皇国が用意していた同地の498年間の租借の案も拒否される。
第3外務局は「面子を潰された」として、監察軍東洋艦隊の派遣を決定した。
ーーー第3外務局 受付窓口ーーー
「誰か権限のある方へのお目通りをお願いしたいのですが…」
「順番に手続きを行っていますので、しばらくお待ちください」
東亜連邦外交団は、この1ヶ月、窓口で足止めされていた。
「そもそもあなた方の要求は…非常に無礼なことが記載されているので、認められるとも思えませんが…」
一体何が無礼なのかと、東亜連邦の外交官は首を傾げる。
「例えば、この…もし我が国の国民があなた方の国で罪を犯した場合、あなた方の国の法律で裁くとされていますが…」
「何か問題がありましたか?」
こんなことまで説明しなければいけないのかという顔で、第3外務局の職員は続ける。
「ハァー…我が国は列強ですよ?」
「はあ」
「あなた方の国は新興国家のようですが、それにしても国際常識を知らないにも限度というものがある」
「はあ…治外法権を認めないのが国際常識と仰るのですか?」
「当たり前です。我が国が治外法権を認めないのを了承している国は、列強の神聖ミリシアル帝国、ムー国、レイフォル、エモール王国と、準列強のマギカライヒ共同体のみです」
東亜連邦の外交官は相変わらず何を言っているのか理解できないという表情だ。
「国際常識も知らないあなた方のような国が、我がパーパルディア皇国に対等の要求をするというのは、極めて不遜なことだと言わざるを得ません。担当の課長は今、予定が詰まっています。2週間後には予定が開きますので、その時にお越しください」
未成熟すぎる外交に呆れと落胆を覚えた東亜連邦の外交官は、肩を落として帰っていった。
この度、本小説の更新を停止させていただくこととしました。
理由は、話を進めるにつれ設定の矛盾が増えてきたことです。
代わりにという訳ではないですが、設定を練り直してリメイク版として新しい小説を投稿します。
身勝手なこととは重々承知しておりますが、今までありがとうございました。