東亜連邦召喚※この作品は未完のまま更新停止しました 作:東亜連邦
文章などを大幅変更しました。
ーーー中央歴1639年4月25日 マイハーク港ーーー
ロウリア王国が四千隻以上の大艦隊を出向させたという知らせを受け、クワ・トイネ公国海軍第二艦隊は決戦のために軍船を集結させていた。
集まった軍船は50隻。しかし敵は4千隻以上もの大艦隊。
「この中で生き残れるものはいるのだろうか…」
提督パンカーレはつい本音を漏らす。圧倒的な物量を誇る敵を前に、どうしようもない気持ちがこみ上げる。
「提督、海軍本部から伝令です」
若い幹部、ブルーアイが走ってきた。
「ん。内容は?」
「はっ。『本日夕刻、東亜連邦の軍艦9隻がマイハークに到着する。彼らは我が軍より先に攻撃を行うので、観戦武官を送るように』とのことです」
「き…聞き間違いか?いま9隻といっ言ったように聞こえたのだが…」
「間違いありません」
思わず声を荒げるパンカーレ。
「なんだと!?敵は4400もいるのだぞ!彼らはやる気はあるのか!!そんなところに貴重な観戦武官を派遣するわけにはいかんぞ!!」
しばしの沈黙の後、ブルーアイが口を開く。
「…私が行きます」
「ブルーアイよ…」
「私は剣術では海軍主席です。白兵戦になれば生存率が高い。それに、あの巨船を作る東亜連邦のことです。勝算があるのかもしれません」
また黙り込むパンカーレ。
「…すまない…。頼んだ」
パンカーレは悔しげに言った。
「はっ!」
ーーー夕刻ーーー
東亜連邦の艦隊が到着して、マイハーク港では大騒ぎとなっていた。
「なんだアレは!」
「デカい!デカすぎる!」
と、口々に声が上がる。
ブルーアイも、自分の目を疑っていた。あり得ないほど大きく、そして帆がついていない。あのような巨体を、帆もないのにどうやって動かすのか。
やがて、その中の最も大きい一隻から何かが飛んできた。
それは奇妙な形をしており、上部で何かがくるくる回っている。
「それ」は、猛烈な風を出しながら広場に着地した。ワイバーンとは違い、滑走路を必要としないようだ。しばらくすると中から人が現れて、人だかりに向け歩き出した。
観戦武官を迎えに来たようだとブルーアイが前に出ると、男は彼に敬礼する。
「こんにちは、クワ・トイネ公国派遣艦隊の
ブルーアイもそれに応えた。
「初めまして。クワ・トイネ公国海軍第二艦隊作戦参謀のブルーアイです。このたびの救援、感謝いたします」
「事前連絡をしていたとは存じますが、乗船の準備は整っていますか?」
「はい。よろしくお願いします」
飛行物体(ヘリコプター)が動き出す。
ーー東亜連邦統合軍 クワ・トイネ公国派遣艦隊 内訳ーー
14型重巡洋艦『
全長:250m程度
基準排水量:23000t程度
速度:32ノット以上
装備:12.7cm連装速射砲×2
VLS 192セル
6連装SSM発射管×4
複合CIWS×3(0)
レーザーCIWS×3(6)
3連装短魚雷発射管×2
ヘリコプター×2
14型巡洋艦『
全長:200m程度
基準排水量:12000t程度
速度:34ノット程度
装備:15.2cm連装速射砲×3
VLS 144セル
SSM用VLS 16セル
複合CIWS×2(0)
レーザーCIWS×2(4)
3連装短魚雷発射管×2
ヘリコプター×2
大出力レーザー砲×1
18型駆逐艦『
全長:180m程度
基準排水量:9000t程度
速度:34ノット程度
装備:15.2cm連装速射砲×2
VLS 96セル
SSM用VLS 16セル
複合CIWS×1(0)
レーザーCIWS×1(2)
3連装短魚雷発射管×2
ヘリコプター×2
クワ・トイネ公国派遣艦隊は、すべて第五艦隊から構成されている。ちなみに空母はコストがかかりすぎるということで編成に加わっていない。
ーーーーーー
ブルーアイはヘリコプターで旗艦『北京』に着艦し、艦橋に案内された。
「クワ・トイネ公国観戦武官のブルーアイです。どうぞよろしくお願いします」
「初めまして。クワ・トイネ公国派遣艦隊艦隊司令の
思いもかけない発言に、ブルーアイは仰天する。
「す…全て排除、ですか?」
「はい」
そんな馬鹿な。こちらはたった9隻、それに対しあちらは4400隻だ。単純計算で500倍もの差がある。そのような戦力差をどうやって覆すというのか。
「もちろんブルーアイ殿の安全は保証します。安心して仕事をなさってください」
と、
彼らは本当に500倍もの敵に挑もうとしているのだ。ブルーアイは不安を隠さずにはいられなかった。
ーーー翌日ーーー
艦隊は予定通り出港した。徐々に速度を上げ、24ノットで西へ向かう。
「何という凄まじい速度だ!それにしても他の艦との距離が離れすぎているな。密集する必要はないのか?」
東亜連邦の艦隊では驚くことばかりだ。ブルーアイは東亜連邦の軍艦を見て、勝ち目があるかもしれないと思い直していた。
ーーーーーー
まもなく艦隊はロウリア艦隊と接触する。
後に、「ロデニウス沖大海戦」と呼ばれる戦いが始まろうとしていた。
ーーーーーー
「敵艦隊に接近。ヘリコプター発艦」
駆逐艦『錦州』からヘリコプターが発艦する。
ヘリコプターは敵に接近し、警告を行った。
『こちらは東亜連邦統合軍クワ・トイネ公国派遣艦隊である。これより先はクワ・トイネ公国の領海である。直ちに引き返せ。さもなくば攻撃を行う。繰り返すー』
敵船の一部がヘリコプターに矢を放つが、当たるものはない。
ヘリコプターから『錦州』で、通信が行われる。
『攻撃を受けた。威嚇射撃を開始されたし。どうぞ』
『こちら錦州了解。威嚇射撃を開始する。目標、敵艦隊前方の水上船…』
18型駆逐艦錦州は、敵艦隊へ射撃を行う。
『照準よし。第一主砲、撃ちぃー方ぁー始めっ!』
ーーーロウリア王国 東方征伐艦隊ーーー
ロウリア王国東方征伐艦隊は、東へ進軍していた。艦隊司令の海将シャークンは、海を船が埋め尽くすかのような光景に満足していた。
パタパタパタパタ…
突然、東の方から音が聞こえてきた。シャークンが目を凝らすと、何かが飛んでくるのが見える。
(何だ?あれは…)
謎の飛行物体はこちらに接近すると、大音量で語りかけてきた。
『こちらは東亜連邦統合軍クワ・トイネ公国派遣艦隊である。これより先はクワ・トイネ公国の領海である。直ちに引き返せ。さもなくば攻撃を行う。繰り返すー』
「それ」に向かって弓を射る兵もいるが、全く届かない。
その物体が同じことを繰り返しているうちに、水平線の向こうから9隻の巨船が姿を現した。そのうちの一隻が、猛烈な速度で接近してくる。
先ほどの飛行物体の仲間だろうと判断したシャークンは、攻撃の準備を命じる。
「火矢と
兵たちの練度は高く、てきぱきと攻撃の準備を進める。
この練度と質、量をもってすれば、あの9隻など容易く撃破できるであろう。そうシャークンが思った次の瞬間。
バァァァン!!
と、凄まじい音を立てて艦隊前方の軍船が爆散する。
「な、何だ!?まさか、あの距離から攻撃してきたのか!?」
一瞬狼狽えるシャークンだったが、すぐにあることを思いつく。
「ここがまだワイバーンの届く範囲でよかったな…急ぎ本部にワイバーンの応援を要請しろ!『敵主力と交戦中』とな!」
接近していた一隻は離れていき、敵はその後攻撃してくる気配がない。あれほどの威力、大量の魔力を消費するだろう。簡単には使えない兵器なのかもしれない。有り難いことに、本部から250騎のワイバーンを飛ばすと連絡があった。シャークンは、艦隊を止め、ワイバーンの応援を待つことにした。
ーーー東亜連邦統合軍 クワ・トイネ公国派遣艦隊 旗艦 重巡洋艦『北京』CICーーー
『北京』のレーダースクリーンには、飛来する250のワイバーンがしっかりと映っていた。
「敵機接近。数250。機種はワイバーンと思われる。速度は230km/h。全機主砲で対処可能です」
「分かった」
報告を受けた艦隊司令、
「艦隊司令より全艦に告ぐ。敵機の迎撃には主砲を使用。射程に入り次第、一斉に攻撃を開始する。対空戦闘用意!」
「敵機、間もなく射程に入ります」
「よし。全艦、主砲撃ちぃー方ぁー始めっ!」
ーーーーーー
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
旗艦を除く8隻、40門の15.2㎝砲が連装砲の片方ずつ、0.75秒おきに一斉に主砲を発射する。
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
合計13回の砲声が海上に鳴り響いた、約10秒後。
ブルーアイは信じられない思いで空を見上げていた。そこに残るのは、煙と落ちていくワイバーンの残骸だけだった。
ーーーロウリア艦隊ーーー
「…………………」
広がる沈黙。
ワイバーンは一騎落とすだけでも船にとっては至難の業。 それが250もーそう、250ものワイバーンがわずか
「我々は……?伝説の魔帝軍と戦っているのだろうか……?」
シャークンは空を見上げ、悲壮な心境で呟いた。彼の手足はガタガタと震え始める。
今、すぐにでもここを逃げ出したい。彼はそう思った。
しかし、敵は自分たちを見逃してはくれなかった。ワイバーンを消し飛ばした兵器が、一斉にロウリア艦隊を向いた。
ロウリア王国東方征伐艦隊4400隻は、東亜連邦統合軍クワ・トイネ公国派遣艦隊9隻と交戦、一時間と経たずに全滅した。