東亜連邦召喚※この作品は未完のまま更新停止しました   作:東亜連邦

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ロウリア王国ワイバーン隊 編成

1個飛竜班 ワイバーン×2

1個飛竜分隊 ワイバーン×4

1個飛竜小隊 飛竜分隊×3(ワイバーン×12)

1個竜騎士団 飛竜小隊×4+2(ワイバーン×50)



ジン・ハーク攻略 前篇

 ーーー中央歴1639年7月29日 ロウリア王国 王都ジン・ハークーーー

 

 広大な平野にある緩やかな丘の上一面に、城塞都市が広がる。その名をジン・ハーク。町の外周は三重の城壁で囲まれ、その高さは外側から20m、25m、30m。さらに幾つもの塔が立つ。

 

 史実地球の城塞都市と比べても最大最強を誇り、まさに鉄壁だ。

 

 そのジン・ハークの中央部に建つハーク城で、会議が開かれていた。

 

 出席者

 

・王都防衛騎士団将軍 パタジン

・三大将軍 パンドール(死亡)

      ミミネル 

      スマーク(不在)

・王宮主席魔導師 ヤミレイ

・王都防衛騎士団王都防衛歩兵大隊長

・王都防衛騎士団近衛竜騎士団長

 

 他多数

 

 錚錚たる顔ぶれである。

 

「これより会議を始めます」

 

 司会役の軍幹部が、会議開催を宣言する。

 

「将軍、前へお願いします」

 

 パタジンが前に出た。

 

「皆、会議に集まってくれて感謝する。これより、戦況の説明をする」

 

 最近は戦況についていい話を聞かない。実際はどんな状況なのかと皆真剣な表情になる。

 

「4月12日、わが軍はクワ・トイネ公国に侵攻。ギムを占領した。損害も軽微で、この時点では我が軍は優勢であった」

 

「ここで東亜連邦がクワ・トイネ側で参戦し、マイハーク攻撃のために東へ向かっていた東方征伐艦隊及び飛竜隊250騎と交戦…我が軍は全滅した」

 

 会場がざわめく。

 

 今までもそのような噂が流れていたが、荒唐無稽すぎて信じるものはいなかった。しかし、この会議で発表、断言までされた、それはつまり、東方征伐艦隊全滅が事実であると言うことだ。

 

 パタジンは続ける。

 

「さらに7月26日、エジェイ攻撃のためにエジェイ西方に展開していた東方征伐軍先遣隊が全滅、翌日にはギムの東方征伐軍本隊が東亜連邦のものと思われる飛行物体からの大規模爆裂魔法攻撃により、全滅した」

 

 沈黙。

 

 一体どれほどの勢力なのか想像もつかない。

 

「パタジン殿、東亜連邦は一体どのような強さを持っているのだ?」

 

 出席者の一人が聞く。

 

「不明だ。分かっていることとしては、敵の攻撃が超高威力であるという事、敵の飛行物体は高速で、正体不明の攻撃でワイバーンを撃墜する事、必中必殺の光の矢を放って来る事、等だ」

 

 皆が考え込む。

 

「ヤミレイ殿、王宮主席魔導師の観点から何か考えはありませんか?」

 

 質問をかけられたヤミレイ。

 

「私にも一体どのような敵なのか…ハッ!」

 

「どうしました?」

 

「必中の光の矢といい、高速の飛行物体といい…ひょっとして、敵は古の魔法帝国なのでは無いでしょうか?」

 

 神話の時代、世界をその圧倒的な力で支配したと言われる古の魔法帝国。彼らは、発達し過ぎたその力から、傲慢にも神に弓引いたと伝えられる。

 

 その行動は神の怒りを買い、神々は隕石を落とした。

隕石を防げないと見た古の魔法帝国は、彼らの支配する大陸、ラティストア大陸ごと未来に転移した。

 

 『我ら復活せし時、世界は再び我らに平伏す』と記された石版を残して…

 

 確かに、古の魔法帝国が復活した以外に、これほどの被害を受けることは考えられない。

 

 だが、ミミネルが反論する。

 

「しかしヤミレイ殿、彼らが本当に古の魔法帝国ならば、他国と国交を結んだりなどしないのでは無いですか?」

 

「ふむ、確かに…」

 

「それに、古の魔法帝国が復活するときは、昼が夜のように暗くなるのではなかったですか?」

 

 確かに、昼が暗くなるという現象は起こっていない。

 

「では、東亜連邦が古の魔法帝国であるという可能性は無いものとして…誰か、防衛計画について意見はないか?」

 

 パタジンが発言する。

 

「私に意見があります」

 

 ミミネルが声を上げた。

 

「敵にとって、戦争を早期に終結させるには首都を攻略するのが手っ取り早い方法でしょうが、皆さんご存知の通りここジン・ハークは3重の城壁に守られており、安全と言えましょう」

 

ミミネルは続ける。

 

「一番の問題は敵の詳細な戦力がわからないことです」

 

「そこで、基本的にはここジン・ハークに兵力を集中させます。他は工業都市ビーズルを中心に、ある程度の部隊を配置させます。これで敵の戦力を測りながら、遅滞戦術に努めます」

 

「敵がジン・ハークに直行してきた場合は、これらの部隊を街道を使って移動させ、敵を前後から挟撃することもできるでしょう。どうでしょうか?」

 

 話を終えたミミネルはパタジンの方を向いた。

 

「うむ。それで行こう。反対意見は?…特に無いな」

 

 パタジンは話を切り替える。

 

「次は攻勢計画だが…」

 

 ただでさえ敵の戦力がわからない状況で、攻撃の計画がまとまるはずも無く、特に議論は進まずに会議は終わった。

 

 

 ーーー1ヶ月後 中央歴1639年8月31日 ロウリア王国北側沖 空母『樺太』ーーー

 

 第1艦隊の空母、16-01号空母『樺太』から、36機の28式艦上戦闘機が次々と飛び立ってゆく。

 

『第02戦闘攻撃飛行大隊第1中隊全機、発艦完了。これより目標地点に向かう』

 

『了解。健闘を祈る』

 

 12機の戦闘機が、南に向かって飛び去っていく。

 

『CICよりFA02(第02戦闘攻撃飛行大隊)第1中隊へ、目標地点上空に敵機12機を確認。制空戦闘の後、目標を攻撃せよ』

 

『こちら第1中隊、了解』

 

 

 ーーーロウリア王国 王都ジン・ハーク ジン・ハーク航空基地ーーー

 

 ロウリア王国が今回の戦争で受けた被害はひどいものだ。

 

 当初第1から第11まであった竜騎士団は、第4~8竜騎士団がロデニウス沖海戦で全滅、東方征伐軍に所属していた第9~11竜騎士団も全滅し、残っているのはもはや第1~3竜騎士団の150騎だけだ。

 

 当初550騎いたロウリア王国飛竜部隊の栄華は今や見る影もない。

 

 しかし、その事を知らされていない国民は、祖国が戦争に勝利することを疑わない。

 

 そんなロウリア王国の首都、ジン・ハークの上空を12騎のワイバーンが飛ぶ。

 

 警戒中の飛竜小隊である。堂々たる姿。しかし、敵はクワ・トイネ方向にいるのだからこの警戒態勢は無駄だ、と考える者も多かった。

 

 そんな中…

 

 ドオォォン…!

 

 ジン・ハークに爆音が鳴り響く。

 

「何が……ッ!」

 

 見上げると、空には12個の黒煙があった。その光景は、ジン・ハークにいた全ての者を混乱の渦に陥れる。

 

「第16飛竜小隊、通信途絶ッ!」

 

「何だと!敵はクワ・トイネにいるのでは無かったのか!」

 

「それよりも迎撃を!全騎迎撃に上げます!」

 

 怒号が飛び交い、緊急発進のサイレンが鳴り響く。

 

『第1・2・3竜騎士団全騎発進…繰り返す…第1・2・3竜騎士団全騎発進…』

 

 命令を受け、竜騎士達が発進の準備を始める。

 

 既に警戒中だった第3竜騎士団は離陸を始めている。しかし、敵はすぐにやって来た。

 

「見えたぞ!敵だ!」

 

「はっ…速い!」

 

 見づらい濃い灰色をした飛行物体が、12機やってくる。

 

「くそっ!離陸急げ!」

 

「これ以上は早くできない!……おい見ろ!何か落としたぞ!」

 

 ヒュウゥゥ…

 

 音を立てて滑走路に無誘導の250kg爆弾が落ちる。その数、12機で24発。

 

 本能的に危険を感じた一部の兵が逃げる。

 

 ードドドドドォォン…

 

 オレンジ色の爆炎と多数の煙が上がった。

 

 離陸できたワイバーンは47騎のみ。残りは爆発に巻き込まれた。

 

 基地を通り過ぎた28式艦上戦闘機12機は、各機2()5()0()k()g()()()4()()を抱えたまま8Gで旋回をし、散開する。

 

 反転した12機は、胴体下部の爆弾倉を開くと、離陸したばかりで速度の乗らないワイバーン47機に各機3発ずつ中距離対空ミサイルを発射。

 

 ミサイルは次々とワイバーンに突き刺さり、数を一気に11機まで減らした。

 

 さらに、基地の再度の爆撃に向かった9機を除く3機が、ワイバーンをオーバーシュートする直前、胴体側面の爆弾倉からすれ違いざまに短距離対空ミサイルを2発ずつ発射。6機を撃墜した。

 

「くっ!追いつけない!」

 

 あっと言う間にワイバーンを追い越し、引き離

す28式艦上戦闘機。

 

 ロウリア王国の竜騎士は必死で追いかける。

 

 が。

 

「なっ…」

 

 バアァァァン!

 

 28式艦上戦闘機が側面の爆弾倉からミサイルを発射すると、ミサイルは反転し、追いかけていたワイバーン全騎を撃墜した。

 

 この攻撃により、僅かに爆撃を生き残った騎もいたが、それらを除いてロウリア王国のワイバーンは全滅した。

 

 

 ーーー同日夜 ジン・ハーク ハーク城ーーー

 

 会議室は、絶望感に覆われていた。

 

 東方征伐軍の全滅に加え、王都を防衛するはずの竜騎士団全滅。もはやロウリア王国には、東亜連邦に対抗する力は残っていない。

 

 まさに絶望。

 

 出席者の一人が口を開く。

 

「しかし、敵の陸軍の強さはまだ未知数…やりようはあるのではありませんか?」

 

 それに対し、パタジンが反論する。

 

「馬鹿を言え。昼間の攻撃を見ていなかったのか?あのような攻撃をここハーク城にされたら、一発で戦争が終わる。実質的にあちらがこの戦争の主導権を握っているのだ」

 

 文明圏外国家では最強クラスだったロウリア王国でも、近代国家には手も足も出ない。

 

 さらに、このまま戦争を続ける意味があるのか。出席者の一人、ミミネルがそう問う。

 

他此度の我々の戦争目標はロデニウス大陸を統一すること。しかし、クワ・トイネ、クイラを東亜連邦が支援している今となっては、その達成は望むべくもありません。このまま戦争を続けても、得られるものはありません」

 

 それを受けて、ほかの一人が呟く。

 

「ならば…講和か?」

 

 それに対し、パタジンが反応する。

 

「いや、それは無理だ。奴らが本気で攻めてきたら、我が国はもう持たないかもしれん。その状況で、敵がこの機会をみすみす見逃すと思うか?」

 

 他の出席者も発言する。

 

「それに、ここで講話するとしても、亡くなった者達に示しがつきません…そもそも、王に何とご報告すればよいか…」

 

 議論は平行線を辿る。

 

 悲しいかな、彼らにはもはやどうする事もできないのだ。

 

 

 ーーー同時刻 クワ・トイネ公国 東亜連邦統合軍エジェイ基地ーーー

 

 月が2つ浮かぶ夜。無機質なエンジンの始動音が、辺りに響き渡る。

 

 基地外の平原に目を向ければ、月明かりに照らされる多数の車両。

 

 ロウリア王国首都制圧作戦における陽動部隊として派遣された、北方管区 第1軍集団 第4軍 第22師隊の面々である。

 

 ロウリア王国国王を捕えるまで、陽動として敵の注意を引き付ける任務。

 

 その危険な作戦に、普段は満洲地方でロシア軍の攻撃に備える第22師隊が動員された。

 

 彼らは行く。国民を守るために。

 

 各車輌はヘッドライトを起動し、ジン・ハークに向かって進んで行った。

 

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