the abyss of despair   作:佐谷莢

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第百二十三唱——つわものどもが、ゆめのあと

 

 

 

 

 

 

 

 

 否応なしに馴染みになった匂いが、嗅覚を刺激する。

 某死霊使い(ネクロマンサー)が愛用する香水でも、自分が好んで使う香水でもない。

 ツンと鼻をつく、消毒液の匂い──

 反射的に開きかけた目蓋が、直射する光の眩しさに脅えたように痙攣する。

 その刹那、それまで起こっていた出来事が走馬灯のように駆け巡り、スィンは完全に覚醒した。

 おぼろげに残る記憶は曖昧で、どこから現実でどこから幻なのかがわからない。

 とにかく無理やり開いたその視界に映ったのは、浴びせられる人工的な光だった。

 つまり、屋外ではない。

 

「──気がついたのか!?」

 

 耳栓でもされていたかのように反響する鼓膜が、主の声を拾い上げる。

 それを皮切りに明確となっていく音は、安堵を多量に含むものばかりだった。

 

「よかった……無事解呪されたようですわね」

「あったり前でしょ。イオン様が直々に解呪されたんだから」

 

 解呪。

 その単語に何かが引っかかるものの、なぜかその答えが出てこない。

 浮かんだ端から消えていく単語をわずらわしく感じ始めたスィンは、一度思考することをやめた。

 

「……ここ、は……」

 

 思いの他強かった光に耐えながら、ゆっくりと身体を起こしかけた、そのときのこと。

 一同は滅多に聴けない悲鳴の証言者となる。

 

「いっ、いたぁ~い!」

 

 起き上がった瞬間、身を揉むようにしてスィンはのた打ち回った。当然のように、寝かされていた診察台から転げ落ち、それでも尚痛がるのをやめない。

 想像だにしていなかった事態に、一同が助けることもできず唖然としていた中。

 一番始めに動いたのは、医務室の主たるシュウだった。

 

「申し訳ありませんが、一度退室なさってください!」

 

 手早く一同を医務室の外へと出し、足早に医務室へと戻っていく。

 

「な……何が、起こったんだ?」

「……さあ」

 

 ようやく我に返った面々ではあるものの、再度足を踏み入れることはできず、壁越しにスィンの容態を心配することになる。

 その間にも、医務室では何らかの処置が施されたらしい。

 どたんばたんと派手な音が響き、「ぎぅ!」という変な悲鳴が響いた後に、診察室はすっかり平穏を取り戻した。

 一瞬の沈黙、後に開かれた扉の向こうには、そこはかとなく疲れたようなシュウ医師が立っている。

 

「先生! スィンはどうしちまっ……「重度の筋肉疲労を起こしています。それも全身に」

 

 一体何が起こったのかと慌てて問い質したガイだったが、受け答えるシュウ医師は実に冷静だった。

 その冷静さに、彼は気勢を殺がれた様子で単語を繰り返している。

 

「き、筋肉疲労?」

「筋肉痛のことですよ。まったく、人騒がせな……」

 

 それに答えたのは、当の医師ではなく多少医学に心得のあるジェイドだった。

 あれほどの苦しみように、何かあったのではないかと懸念していた一同も、次々と安堵のため息をついている。

 その中で、ジェイドすらも同じ意味のため息をついたことに気付いたのはシュウ医師ただ一人であった。

 しかし、次の一言により、ほぼ全員が閉口せざるをえなくなる。

 

「あれほど荒事に慣れている方が、ここまで悪化させることはおろか、筋肉疲労を引き起こすのも珍しい。後先を考えず、自分の限界を突破するようなことがなければ、ここまでひどいものにはなりませんが」

 

 暗に、何があったのかを尋ねるシュウ医師に、詳細を語ることができる人間はいなかった。

 

「い、色々とありましたの。先ほどお話したように、様々なことがありまして……」

 

 どうにかナタリアがそれだけを言う。

 先ほどティアの診察に関して話した事柄もあってか、彼はそれ以上食い下がることなく納得する素振りを見せた。

 

「ときに、彼女の持病のことはご存知ですか?」

「あ、ええ、一応は……」

「そちらの定期検診を行いますので、彼女には検査を受けていただきます。本人には、すでに了解を取ってありますので」

 

 スィンが瘴気障害(インテルナルオーガン)を患っていることは、すでに周知の事実である。

 定期検診という言葉にも、検査という言葉にも、過剰反応する人間はいなかった。

 わずかに、シュウの眉が曇る。

 それに他者が気付くよりも早く。

 

「それで、ティアの方はどうなんですか?」

 

 ルークの言葉に、彼は携えていた診断書を見直しつつもすぐに目を離した。

 

「これといって危険な値を示すものはありませんでした。ただ、血中音素(フォニム)が多少の揺らぎを示していますね」

「血中音素(フォニム)?」

 

 耳慣れない単語ではあったが、なぜか説明はされない。

 代わりに、そのことが何を示すのか、説明されることになる。

 

「譜術をたしなむ人は体内に音素(フォニム)を取り込むわけですが、取り込まれた音素(フォニム)が汚染されていて、うまく体外に放出できていないんです」

音素(フォニム)が、汚染されている……?」

「今、全世界で噴出している瘴気……でしたか。それと結合した音素(フォニム)を取り込まれた様子ですね。ですが、人体の自己治癒力でまかなえる範囲です。ご心配なら処方する薬で完全分解も可能です」

 

 その言葉によって、一同は心からの安堵を約束された。

 緊張が緩み、肩の荷が下りたかのように微笑みあう。

 

「よかったぁー……」

「でも、ティアはなんで瘴気になんて……ローレライの仕業なのか?」

「ローレライは第七音素(セブンスフォニム)の集合体です。つまり第七音素(セブンスフォニム)が瘴気と結合しているということになりますが」

 

 ティアの身体に微量とはいえ、瘴気が蓄積している。それは汚染されたローレライが宿った名残ではないかと、誰もがそれを信じて疑わなかった。

 それでも、ローレライに身体を乗っ取られるという事態がそうそうあるわけがない。

 すなわち、それが原因だとしたらこれ以上ティアの身体に瘴気が蓄積することはないということだ。

 

「でも、一応薬を飲んでおいたほうがいいんじゃないか?」

「お? ルークってば、ティアのことが心配なの?」

 

 真面目な顔でそれを示唆したルークが、アニスにからかわれる。

 反射的に「ちっ、ちげーよ!」と返す彼ではあったが、そのやりとりにすかさず入ってきたのは言わずとしれた黄金コンビの片割れであった。

 

「おや、ルークは心配ではないのですか? 薄情ですねえ」

「そんなわけねーだろ! 俺はただ、念には念を入れてってイミで……!」

「まあその通りですね。すみませんが、薬を処方していただけませんか?」

 

 若い男女の頬を熱くさせ、ジェイドはやっとシュウ医師と向き直った。

 

「……それでは、ティアさん。こちらの処方箋をどうぞ」

 

 何の前触れもなく話題を振られたシュウ医師は、にじみ出る汗は隠せないものの、手にした薬箋を問題なくティアに渡している。

 

「ここで処方はしてもらえないのですか?」

「はい、ここでは診察と処方、処置を主に行っております。薬そのものは隣室に薬剤師が待機しておりますので、そちらから受け取ってください」

「でも、前にスィンがここで薬、もらってたよね?」

「あらかじめ用意されていたんでしょう。彼女はかかりつけの患者のようですし」

 

 不思議そうに首を傾げたアニスだったが、ジェイドによる推測を聞いて納得し、シュウ医師は内心で汗をぬぐっている。

 スィンが彼に依頼し調合された薬は、薬の効かない──正確には非常に効きにくいスィンの体質に合わせて製造されたものだ。薬というよりは非合法である毒物に近い。

 事情を知らない薬剤師に調合させることはできず、彼が個人で極秘裏に製造しているという事実は、この時永遠に伏せられた。

 以降、彼らにそれを知る(すべ)はない。

 

「さて、じゃあまずはティアの薬をもらいに行こうか」

 

 ルークがそれを提案し、一同がぞろぞろと連れ立った隣室へ赴こうとした矢先。

 足を動かさない人物がいた。

 

「ああ、それじゃあみんなは行ってきてくれ」

「ガイ? あなたはどうするのですか」

「ちょっとな」

 

 一同の視線が集中する中、医務室へ戻ろうとしたシュウ医師へと向き直る。

 怪訝な顔をする医師を前に、彼は本題を切り出した。

 

「一度あんたの──かかりつけ医の口から、あいつの症状がどの程度なのか、客観的な現状を聞きたいと思ってた」

「まだ結果が出たわけではありませんが、診たところ良好である……とは、言い難いですね」

瘴気触害(インテルナルオーガン)が、進行しているのか?」

 

 そのままスィンの病状についてガイは聞き出そうとしたが、シュウ医師は即答していない。

 わずかな沈黙を挟んで語られた言葉は、詳細どころか回答を拒否する内容だった。

 

「……申し訳ありませんが、それにはお答えできません。医者が患者の病状を他者へ説明するには、本人の許可が必要なのです」

「え?」

「で、でも、ガイはスィンの……」

 

 まるで他人呼ばわりの言葉に、却って仲間たちが困惑を隠せない。

 フォローの言葉を入れようにも、シュウ医師はカルテを見ながら更なる理由を展開している。

 

「こちらのカルテによれば、彼女の血縁者は登録されておりません。許可を得ずお話できるのは、配偶者であるヴァン・グランツ謡将のみです」

 

 そう、聞かされて。

 ガイは小さく、首肯した。

 

「……わかった。本人から聞くよ」

「ガイ……」

 

 いかに事実を知ったのが最近であれ、他人呼ばわりが彼にとって何でもないことであるわけがない。

 シュウ医師はスィンの検査のためか、足早に医務室へと戻っていく。

 その背中を見つめている、少なからず傷ついているであろう親友になんと声をかけるべきか。

 言葉の出ないルークにガイは強張っていた表情を緩めた。

 

「大丈夫さ。あいつがここにかかり始めたのは、大分前のことじゃないか。その時は俺と姉弟だったなんて、知らなかったはずだしさ。ちょっと考えれば当たり前のことだよ」

 

 吹っ切ったように、彼は隣室へ赴こうとした。

 しかし小首を傾げて何か考え事をしていたナタリアの一言により、その足が止まる。

 

「けれど、それなら今スィンから直接許可を取ればいいのでは?」

「……まあ、それもそうかな」

 

 その言葉に惹かれてちらりと医務室の扉を見やるも、その瞳はどこか戸惑っていた。

 その理由は、おそらく。

 

「けど、検査中に話なんてできるのかしら?」

「とりあえず入ってみようよ。それでダメだったら、先にティアの薬をもらってくればいいんじゃない」

 

 アニスによる鶴の一声で、一同は再び医務室の扉を開けた。

 今度は何事かといわんばかりのシュウ医師に事情を話す傍ら、好奇心に駆られたルークが手近なカーテンを開いた先に、スィンがいた。

 再び診察台の上に横たわった彼女は、傍に据えられた音機関に向かって腕を突き出している。正確には、音機関から伸びる管を腕の血管に挿入し、繋いでいた。

 音機関には良い影響を与えないのか、その区画は間接照明がぼんやりと点灯している。

 そのせいためかスィンの顔色は悪く、四肢を投げ出したその姿に生気は感じられない。

 

「スィン……?」

 

 その姿に気付いたガイがおずおずと声をかければ、彼女はゆっくりと目蓋を開いた。

 その瞳に狂気の残滓は見えず、普段通りの落ち着いた藍と緋が一同の顔ぶれを映す。

 

「……ガイラルディア様」

 

 わずかに乾いたその唇が、安堵の吐息に消されそうなほど小さな言葉を吐き出した。

 

「先ほどは、見苦しいところをさらしてしまい、失礼いたしました」

 

 それまで意識をなくしていたせいか、その言葉はひどくたどたどしい。

 しかしガイが本題へ入るよりも前に、何とも答えがたい質問を発している。

 

「一体何が、あったんですか?」

「それは……「預言(スコア)、犬死に、意味がない」

 

 言い澱むガイの言葉に被せるように、抑揚が薄い声でジェイドがそれを言った。

 

「旦那……」

 

 ゆっくりとガイの前に立ったジェイドを見ても、スィンに変調はない。いつもの胡散臭い笑みが無いその顔を見て、不思議そうにしているだけだ。

 今も抱えているはずの激情を、おくびにも見せていない。

 おそらくはわざとだろう、ぶつ切りの単語を聞いても。スィンは「何のことですか」とは尋ねてこなかった。

 

「それは、僕があなたに、言ったんですよね?」

「ええ」

「体は痛いのに、気分が妙にスッキリしてるのは、言いたいことを言ったから、かな。侵入者がシンクだったのは覚えているんです。つまりカースロットを使われて、対抗術式もそこまで上手くは働いてくれなかった、と……」

 

 軽く目を伏せて、自身の状態とジェイドの少ない言葉から、何があったのかを推察しているようだ。

 やがてため息をひとつ吐くと、スィンは再びジェイドを見た。

 

「それをあなたに言ったということは、脳みそ溶けてたんですかね……鬱憤ぶつけられてお疲れ様でした。無事っぽくて何よりです」

「……おそらくは、あなたの奥の手であろう譜術も、拝見しました。大変興味深いものでしたよ」

「え、奥の手? 譜術で? どれ……いや、何でもないです」

「……お前、アレ以外にも何かあるのか?」

「お、お金と奥の手は、あればあるほどいいものなんですよガイ様。アレ、が何を指しているのか、分かりかねますが」

 

 興味深いと言いつつ言及してこないということは、その譜術を見てジェイドにはある程度理解が及ぶ内容だったのだろう。荒唐無稽ではないものとなると、限られる。

 スィンはそう解釈して、詳細を聞かなかった。

 

「先生が気にしていたかもしれない預言(スコア)とは、一体」

 

 彼の言う先生、が誰を指すのか、一瞬考えて。一度言葉を切ったスィンだったが、視線を動かし、イオンに目を止めた。

 

「……んー、それは、惑星預言(プラネットスコア)、じゃなくて秘預言(クローズドスコア)の内容なので、これを伝えていいかどうかは導師イオンであるあなたの判断に委ねます」

「!」

 

 突然話を振られたイオンは、動揺している。しかし続くスィンの言葉を聞いて、目を見開かんばかりに驚いた。

 

「ND2020の半ばから後半くらいの内容なんですが、どうしますか? このままなら、たぶん発生しないと思いますが」

「ND2020……? ちょっと待ってください。あれを起こすのは、ジェイドなのですか⁉︎」

「ありゃ、ご存じありませんでしたか。でも、死霊使い(ネクロマンサー)にはふさわしい所業だと思いますけど」

「ふさわしい、って……」

 

 一体未来の彼は、何をやらかす予定なのか。普段は何があろうと泰然としている導師イオンの珍しい焦りっぷりを見て、その明かされざる預言(スコア)の内容に興味を持つ一同であったが。

 首を振ったイオンの判断により、その内容は伏せられる。

 

「……いいえ、スィン。秘預言(クローズドスコア)の内容を、みだりに口外してはなりません」

「わかりました。大佐、その預言(スコア)気にするのは、キムラスカがマルクトを滅ぼした後。ピオニー陛下が崩御されてからでいいですよ。それが発生してから結構先のことですんで」

「スィン!」

 

 導師イオンの咎めを受けて、スィンは軽く首をすくめている。

 その最中、ふと真横に立っていたシュウ医師の顔を見たルークは、内心で首を傾げた。

 何故、彼は妙に強張った顔をしているのだろうか。

 まるで信じられないものを直視しているような──

 

「お前、身体は大丈夫なのか」

「全身が、痛いです。ガイ様も、お聞きになられたでしょう?」

「まあ、なあ。でも本当に、筋肉痛だけなのか? まさか瘴気触害(インテルナルオーガン)が進行してるんじゃ」

 

 本題を忘れてか、本人を目の当たりにして心配が抑えられなくなったのか。

 それを尋ねたガイを過保護だとでも言うかのように、スィンが柔らかく微笑みかけた。

 

「今から、それを検査してもらおうかと思います。それは先生のほうからお伝えしてもらったかと思いますが、いかがされましたか?」

 

 その言葉に甘えるように。ガイは本題を口にした。

 

「あー……その、だな。今のお前の病状を、こっちの先生から俺達に説明してもらうためにはお前の許可が必要なんだが……」

 

 にこやかだったスィンの顔が、急に曇る。

 僅かに伏せられた瞳が再びガイを映した時、どこか覚悟を決めたような、何か重大なことを決意したかのように真剣な色を帯びていた。

 

「ダメです。先生、絶対に話さないでください」

「なっ……!」

 

 竹を割ったかのように極端なその言葉は、ガイのみならず仲間たちをも絶句させた。

 いつぞやの過保護とは明らかに違う、彼女自身の容態を知る機会を奪われたのである。ガイは珍しく激昂した。

 

「あ……あのな! お前と俺の血縁が認められれば、それだけでお前の許可っていう効力はなくなる。それがわかってて言ってるのか?」

「承知しております。遺伝子の検査をしたければどうぞ。ですが、僕の記憶が正しければ遺伝子検査は結果を出すまで数日かかるはずです。それでもよければ、止めません」

「それだと手間だから……」

「そこまできっぱり拒否するということは、ガイに、もしくは我々に知られては困ることをあなたは隠していた。ということですか?」

 

 感情的になって言葉を荒げるガイでは話し合いにならないと悟ったのか、ジェイドが二人の間に割って入る。

 しかし、この場合相手が悪かった。

 

「ガイラルディア様でも、他の誰でもない。あなたに知られるのが嫌だと言っているんです。あなたを除外したとしても、誰かに話せばいつかは伝わってしまう。その事態を避けたくて、心苦しくもガイ様の提案に否を唱えているんです」

 

 その言葉に、彼はあっけなく沈黙している。

 というよりは、沈黙せざるをえない。

 

「……そういえば、お前の検査はどれだけかかるんだ?」

「それは数時間で済むはずです。違いましたか?」

「そうですね。すでに定例となっている検査ですので、確かにお時間は取らせません」

「だ、そうです」

 

 話はこれで終わりだと言わんばかりに、スィンは再び瞳を閉ざしてしまった。

 何かを測定している、音機関の規則的な音だけが無機質に響く。

 

「……わかったよ。勝手にしろ!」

 

 もはや取り付く島もないと判断したガイが、それでも納得はしかねると、まるで拗ねた子供のようにきびすを返した。

 検査中だということで注意を受けた面々も、いつにないスィンの態度に困惑しつつ退室を余儀なくされている。

 

「……ええ。勝手にさせてもらいます」

 

 扉が音を立てて閉まったとき、その言葉を聴いたのは検査準備に入るシュウ医師以外に、誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

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