ようこそ、自己満小説へ。
このぶどう酒はデーブルからのサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、この小説の作者名を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない「こいつまた新しいの書いたな」みたいなものを感じてくれたと思う。
自分の頭の中での妄想を残したくてこの小説を書いたんだ。ついでにみんなにもマギの二次創作を書いて欲しくてね。
長話もなんだし、じゃあ、ページを開こうか。
頭に多少の痛みを感じながら目を覚ます。
1番に目に入ってくるのは眩しすぎる程の白色。明らかに自分がいた部屋でないのは一目瞭然だ。
「おはよう。ようこそ──、君は僕に選ばれた。」
若いような年老いているような、男とも女とも聞き取れる声がすぐ側から聞こえてくる。
寝起きだからか、頭の痛みからか何を言っているのか少ししか理解できない。
「僕は誰かを別の世界に送って観察するのが生きがいでね」
声のするほうを見れば白色に発光する人型がしゃがみこんでこちらに話しかけていた。
「──でも君がすぐに死んだら楽しめないだろ?それにただ平和に暮らされても面白くない。だから──」
頭の痛みがより酷くなってきた。
発光体の言うことを気にする余裕がない。まだ何か話してきているが上手く聞き取れない。
「君が最後に読んでた漫画、アレの力をあげるよ。ああ、安心して、登場してないのも含めて72体全てだよ。」
漫画。72体。
辛うじて聞こえた単語だが、考える余裕がない。
酷い頭痛だ、吐き気までしてきた。
体も溶けるようで全身が痛い。
自分が自分で無くなるようだ。喉からは度数の強い酒飲んだときなんて比べ物にならないほどの焼けた痛みがする。
「君の姿も身体能力も漫画のキャラを模してあげたから思う存分楽しんでくるといい。」
頭の外側、頭皮も燃えるような感覚が続く。
短かった黒髪は長く、赤く。
顔を覆う腕は細く、白く。
「あぅ…っ」
漏れ出た声は男のものとは程遠い程良く高い声に。
「君がどんな物語を見せてくれるのか今から楽しみにしているよ。」
全身の痛みが引くと共に意識は闇に落ちていく。
完全に落ちる直前にするりと頭に入り込んできたのは私の新しい名前だった。
「少しだけサービスだ、"モルジアナ"くん」
冒険都市オラリオ、中央にある建造物バベルの地下にはダンジョンが広がっている。
エルフ、獣人、小人、人間など様々な種族が、天界から刺激を求めて降りてきた神達から恩恵受けて冒険者となりそれぞれの想いを胸にダンジョンに入っていく。
1人の神のたった1人の眷属も例に漏れずダンジョンに向かう。
幼い頃祖父から聞いた英雄、ハーレムに憧れて。
「行ってきます!神様ー!」
「気をつけるんだよー!ベルくーん!」
ホームであるほぼ廃墟のような教会から白髪の少年ベルがバベルに向けてかけていく。
見送る神ヘスティアはその豊満な胸をたゆんと揺らし自身もバイトの準備をしていた。
目を覚ます。
ズキズキとする頭を片手で押さえると赤い髪が目の前でサラリと揺れる。
ハッとして目を自身の体に向けると無地の布服に木製の帯留め、大きくはないが確かにある膨らみ、そして脚飾り。
最後に聞いた名前、モルジアナ。
頭が理解してきたと共に胃が締め付けられるような感覚に陥る。
漫画、72体、赤髪、モルジアナ。
与えられたのはマギの
ファナリス、地の戦闘能力はマギにおいて最上位だ。
ただ、
単純に高い戦闘能力は荒事に関して、良くも悪くもどうにかできるだろう。
何が言いたいかと言うと、ファナリスは
ハーフのファナリスでも数分しかジンの力を最大限発揮できない。大技に至っては撃っただけで魔力をほぼ全て消費する。
モルジアナは純ファナリス。魔力の量は精霊の力の度合いにもよるが数秒〜ほんの数分使用するだけで枯渇してしまう。
頭から手を離してみれば鎖の付いた煌びやかな腕輪に八芒星が刻まれていた。もしかしなくともマギの
精霊は1つの金属器に対して1人まで。ということはあと71個の金属器があるはずだ。
全てつけるとなると派手、なんてものではないし確実に持ちきれないだろう。
そんなことを考えていると初めて嗅ぐ獣臭いにおいと多数の生物に取り囲まれたような気配がした。
ハッとして視線を上げれば狼のような人型のモンスターが理性のない目で私を見ている。
見える景色から分かるのはここはどこぞの
あの発光体は私を観察すると言っていた。
72体全てと言うのはつまり、71体を自力で集めろということだろう。
すぐさま立ち上がりファイティングポーズを取る。
腕輪に宿っている
ファナリスの身体能力を持つ、つまりはほぼ瞬間移動や壁を垂直に走ることができるほどの脚力。大岩を片手で持ち上げ、投げつけるだけの腕力があるということ。
迷宮生物と言えど殴れば倒せるはず。
見たところ相手はたぶんただの狼人間。
こちらが構えたことで狼たちも動き始めた。
ろくな知恵もなく爪や牙を立てて襲い来る狼達。
私は蹴りを放つために片足を踏み込んだ。
衝撃。
踏みしめた地面は陥没し、今までではありえない速度で狼達へと接近する。
すでに足は地面から離れており、自力で止めることは出来ない。
仕方なしにもう片方の足をライダーキックの形で狼に当てると跡形もなく狼は爆散した。
爆散した狼がいたところに着地し、振り返りざまに左側にいた狼の頭部を蹴る。
またもや爆散。その場には紫色の水晶が残っていた。
見た目より硬かったのか2体倒したところで自分の脚にも少しの反動がきている、だがまだまだ余裕はある。
奥からゾロゾロと出てくる狼達は味方が死んだことになんの思いもないのだろう、ただ私を殺そうと襲いかかってきている。
いつの間にか増えた敵をまた地面と水平にライダーキックをかまして数を減らす。倒した敵は灰になるのか白い煙がボンボンと音を立てて消える。
水晶を拾う余裕がないのでそのままにしているが数が多くなってきて踏んでしまうことが増えた。
チクチクとした足の痛みに耐えながら敵を殲滅し終わり、後に残った大量の水晶を集めながらどうしたものか、と思案する。
もったいないのでとりあえず集めて持てるだけ抱えていると奥から誰かが歩いてくる音が聞こえた。
頬にかかってしまった狼の血の匂いで鼻が利かないのがすこし残念だが、聞こえている音は明らかに靴の音、それも一つだけ。
水晶を通路の横の方にまとめて奥から来る者を待ち構える。
脚が少しだけ痺れているが先程の量さえ来なければ悪化はしないだろう。
人の形をした迷宮生物ならば討伐、人ならばこの迷宮が第何迷宮なのかは聞きたいところだ。
地を踏みしめる音が大きくなる。
すぐに動けるように半歩引いて重心をやや前にかけた。
「あれ〜、おかしいな…こっちに行ったと思ったのに…」
通路の奥から来たのはどこか兎を思わせる白髪の少年だった。
オリ主勘違い中。
オリジナルのジンが出るのはしばらく先!
ファナリス→身体能力チート、魔力ゴミ。
ジン→能力チート、魔力大量消費。
マゴイを使いすぎると……?
いかに身体能力が高くともレベル差にはほぼ勝てないです。
次回(たぶん)
「神様ー!ファミリアに入ってくれる人見つけましたー!」
「ボクのベル君がもう女の子連れて帰ってきた!これは由々しき事態だよっ!」