ジェダイ×ジェダイ   作:メソ…

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9話 カストロの能力!×マラソン×まさかのアレ

 とりあえずカストロをライトセーバーの柄でぶん殴った俺を責める奴はいないと思う。これは体罰じゃない!ただの怒りの暴力だ!まぁ作ってしまったものは仕方が無い。

 

「パダワンよ、強化系能力者の癖に虎を具現化したのはまぁいいだろう、ではその虎にどんな能力を付加するつもりなのだ?」

「?? 虎と一緒に戦えばいいのではないですか?」

「!?」

 

 このお馬鹿ちゃんなパダワンは、自分で戦いながら虎を操作しての連携を考えていたようだが……、お前は強化系だろうがああああ! 具現化してしまったものはしかたないが、それをさらに操作とかお馬鹿!

 

 だがどんなに俺が言ってもアーアーキコエナーイ状態で俺の案は全部却下された。ち、念能力はフィーリングが大事だ、自分の考えで作れとは言ったが、ここまで頑固で馬鹿だったとは…。念獣憑依とか虎を装備するとか絶対かっこいいのになぁ。まぁ彼がここまで言っているのに俺が無理やり強いても仕方が無いし、よくよく考えるとここで合体だの装備だのさらに具現化系の能力を作ったら本末転倒な気もするな。オート型の能力にする事と必ず制限や条件を設けて能力の強化を目指す事を約束させてもう念能力に関しては放って置く事にした。

 

1週間後

 

 眼をキラキラさせてカストロが能力を完成させたので、試してみたいと言ってきたので組み手を行う事とした。ハンデとして俺はライトセーバー未使用で行く。

 

 俺とカストロが向き合い試合を開始した瞬間、俺の後ろにオーラの集合を感じ振り向くと、トラ(カストロによってトラと名づけられた念獣)が、かわいらしく伏せの状態で具現化されていた。だがそのまま見つめてもいつまでたっても動く気配は無い。さらに俺が後ろを向いている隙にカストロが接近を仕掛けてきたので、カストロの方を向くが、その瞬間俺は後ろから接近してくるトラの気配を感じた。カストロの攻撃を避けながら後ろをチラ見すると、トラは立ち上がり先ほどよりこちらに近づいてきているがまた微動だにしない。

 

 俺が視線をはずしたその隙にカストロが攻撃してきたため、またカストロの方を向くが、するとまたトラが接近を始め、ついに攻撃範囲に入り右前足を振りあげる気配を感じた。俺がカストロの攻撃をいなしながら後ろを向くと右前足を振り上げて攻撃する寸前で硬直したトラがいた。思わず蹴り飛ばすとトラは吹き飛んだが、その後トラは恐ろしい咆哮と共に体を巨大化させこちらに襲い掛かってくる。元々その体高は俺の胸ぐらいまであったのが、今では俺の身長を軽く超えている……おいおい。最初は回避だけ続けてカストロのオーラ切れまで待つつもりだったが、巨大化したトラは速く、またかなりのオーラをまとっていたので、うかつに素手で攻撃する事も出来ず、さらに前からはカストロも攻めてくるのでつい二人共テレキネスで吹き飛ばしてしまった。

 

 二人とも同じ方向に吹き飛ばされたカストロとトラが起き上がり攻撃を仕掛けてくるが、俺に近づく途中でトラの強化が解除され、俺の見ている中硬直して動かなくなってしまった。それを見たカストロは自分とトラの間に俺が来るように回り込みながら攻撃を仕掛けてくる。それにより俺は当然カストロの方を見るのだが、その瞬間またしてもトラは動き始める。なるほど、だいたい読めてきた。いやーなかなかいい能力だな。

 

 

 

 

【後門の虎は転ばない】

・具現化系・放出系・強化系能力

能力発動と共に対象の10M後ろに虎を具現化する。

この虎は対象の視界に入っていない時だけ行動する。相手の視界に入ると停止し、相手の視界から外れるとまた動き出す。

停止状態の虎に相手が接触、攻撃した場合、虎から20M以上逃亡した場合虎は激情し強化された状態で30秒間制限無く相手を攻撃する。

 

 

 

 虎が獲物を襲う場合必ず相手の背後から襲うという習性と子供の遊びであるだるまさんが転んだを混ぜたなかなか理にかなった能力である。もし相手に「見ていれば動かないという」特性がバレても、その分カストロに対する注意が散漫になるのでカストロの攻撃がとおりやすくなるし、「見ていないと攻撃される」という情報は心理的にかなり重い。ならばと停止状態の虎に向かって攻撃を仕掛けて来た場合、虎から逃げていく場合それは、「達磨さんが転んだ」というゲームにおいては言語道断の反則であるため相手にペナルティが与えられる。

つまり虎を倒すには視界に入っていない、動いている状態の時に攻撃するしかないのだ。さらにトラは激情すると強化とともにダメージの治癒も行うらしく結構しんどい。

 

 まだ修行不足でコンビネーションやトラの強度そのものが甘いのでライトセーバーなら一撃で(やっては無いが)倒せるし、後ろから来るトラをテレキネスで吹き飛ばしている隙にカストロと戦えばいいが、修行を積めばかなりいやらしい能力になるだろう。弱点はあからさまに集団戦だな、というよりもサシ専用の能力というのが正しいかな。

 

 さてカストロもなかなかいい感じに乗ってきているし、それにそろそろ俺のメモにある1999年のハンター試験が始まる。別に今となってはとる必要はあまり無いのだが、特典がかなり豪華で持っているとかなり便利な事も分かり受ける事にした。立ち入り禁止区域に入れるのはなかなか楽しそうだ。カストロに一緒に受けるかと尋ねるとトラとの連携に時間をかけたいとの事だったので、とりあえず200階で【後門の虎は転ばない】との連携を重視して2勝しておく事を課題として言い渡し、俺はハンター試験へと出発する事にした。

 

 

 ブシドラさんに電話してハンター試験の会場と合言葉を教えてもらった俺は飛行船とタクシーでらくらくと定食屋さんに到着、おっちゃんに合言葉を言うと店員の女の子が奥のエレベータに案内してくれた。その中で合言葉通りの定食を食べているのだが……

 

「弱火でじっくり焼いた肉がこんなに硬くておいしくないとは……」

 

 硬い肉、既に抜け出てしまった肉汁……確かにこれを頼むような奴は居ないな! でなければ合言葉にならないんだろうね。そんなこんなで薄暗い地下に到着した俺は、豆を擬人化したようなクオリティの高い念獣から44番のプレートを受け取り、おとなしく隅っこで座っているとなにやら悪意に満ちたおっさんが俺のほうに近づいてきた。

 

 そのトンパとかいう男は10歳のころから35年連続で試験を受けている腐れニートらしく色々と必要も無い情報を俺に教えてくれた。さらにはなんと俺にジュースまでくれたよ。なんて優しい人なんだ!!ただ一応俺が10歳のころに書いたメモを確認すると「新人潰しのトンパ、下剤入りジュース」という香ばしい情報が載っていた。俺に毒物を盛ろうとは、なんて悪辣な男だろうか! このメモが無かったらちょうど喉も渇いていたしこのジュースを飲んでいたかも知れないじゃないか! ……まぁ実は悪意を察知してたから流石に飲まなかっただろうけど。

 

 なんにせよちょっとイラついた俺は割と強めにトンパ後頭部を強打し俺の横に座らせて置いた。だが少し早くつきすぎてしまったなぁ。俺の番号は44番で、メモによると400人近くこの試験に参加するらしい、あのエレベーターは往復に約10分かかるから最大3560分、つまり2日以上待たないといけない。もちろんまとめて乗ってくる事もあるだろうから多めに4分の1しても約15時間待つ計算だ。流石にきびしいなぁ。第一次試験はマラソンらしいし先に走っていってもいいんだけど、流石にそれは失格になるだろ。最近瞑想に長い時間取れなかったし、いい機会だから座禅組んで待つとしますか。そう思い俺は座禅を組んで瞑想状態に入った。

 

 

「ちょっと、お兄さん試験始まっちゃうよ!」

「おいゴン、そんな怪しいやつ起すな、ほっとけばライバルがへるだろうが!」

 

 体が揺すられるのを察知して意識を浮き上がらせ眼を開く、腹の減り加減からして十数時間は経ってるな、てかこのツンツン頭の少年は?うわっ、もうみんな走り出してる!やばす!なるほど起してくれたのか、優しい子だ! 

 

「ありがとう、少年。助かったよ! ちょっと深い瞑想状態に入っててね、始まったのに気付かなかったんだ」

「ううん、いんだ、オレはゴン! お兄さんは?」

「っ!? ……俺の名前はアキンって言うんだ、よろしくな」

「アキンだね。よろしく! それで隣の人はアキンの友達なの?」

 

 ゴンは優しい事にトンパにまで気を使っているらしい。

 

「ああそうなんだけどね、なんだか体の調子が悪いらしくて今回の試験はパスするって言ってたからこいつの事は気にしなくていいよ」

「ゴンもう試験は始まっているのだよ」

「分かったクラピカ!」

 

 そう言って走り出したゴンについて行く。そうか思い出したぞ、この子が主人公のゴンか、なんか純真な子だなぁ。オーラも透き通っているイメージを受ける。きっとこの後ゴン君にはつらくて厳しい道が待っているのだろう。だが果たしてそこに俺の出る幕はあるのかな? 

 

 まぁ何はともあれ1次試験が始まったのだが、このむさくて臭い集団の中で走るのは嫌過ぎる。それを避けるには二つ方法がある、最初に突っ切るか、最後尾に居て最後に突っ切るかだ。だが最後に突っ切るのはタイミングがリスキーだし、何より長時間走り続けるのだから汚い話ヘンゼルとグレーテルよろしく汚物が落ちている可能性がある。汗とか唾とか痰とか吐瀉物とか糞とか、NO MORE BACUTERIAN!! つまり俺に取れる選択肢はただ一つ。

 

「ゴン君、起してもらって悪いけど俺は先に行ってるね、縁があったらまた会おう」

「え? アキン?」

 

 フォースを若干脚に集中させて、かなり本気で走り始めた。壁を。さすがにこのスピードで受験生達の真ん中を通っていったら死人が出るからね。テレキネスを足場のようにして利用すれば空中走りも出来るのだが、そこまで悪目立ちするのもあれだし。

先頭まで一気にたどり着くと、一番前に試験官臭い念能力者がいたので、ちょっとおしゃべりする事にした。少し聞きたい事もあったしね。この人も足に凝でオーラを集めているようで、競歩なのになんか気持ちの悪いスピードで前進している。受験生の心を折るためなんだろうか? 

 

 

「ども!」

「おや先ほど座禅を組んでいた人ですか。あの目覚ましに気付かないとは、かなり深くまで瞑想していたようですね」

 

 どうも試験官には見られていたらしい。なんか恥ずかしいな。だけど12時間も普通に待っているのは辛かったんだよ!まぁ気付かなかったのは事実なのでそれを華麗にスルーしてとりあえず聞きたい事をオーラで字を書く事で聞いてみる。

 

『この試験って念能力について何か制限とかあるんですか?』

『いいえ、基本的に自由ですが、あまりに説明不能な発は避けていただけると幸いです。とは言え命の危機が訪れた際に使わない人は皆無でしょうからこれはあくまでお願いに過ぎません』

 は皆無でしょうからこれはあくまでお願いに過ぎません』

『了解です』

 

 なるほどそこまで禁止しているわけでは無いのか、なら念能力者はこの試験でかなり有利といっていいだろう。でも念能力者なら受かると言う試験は若干問題があるような気もするが。念能力者の俺に若干興味を持ってくれたのか、サトツさん―名前で呼んで良いと言われた―とおしゃべりしながら俺も競歩をしながら階段を駆け上って(?)いると後ろからゴンと銀髪の少年がやってきた。

 

「あ、アキンだ!」

「おお、ゴンじゃないか! 前に来れたんだね、良かった良かった」

「アキンがものすごい勢いで走って行っちゃったからびっくりしたよ!」

「ゴン、この怪しいやつと知り合いなのかよ?」

「うん、ほらさっきキルアも言ってたじゃん、すごく脚の速い人がいたって」

「へぇさっきのはアンタか、アンタなかなかやるじゃん」

「ありがとうキルア君」

 

 

 なんか生意気なお子ちゃまも一緒に来たらしいが俺もいい加減大人だ、よくよく計算するとすでに精神年齢は40歳を超えてるしね。それにしても脚運びからして尋常なお子ちゃまでは無いのが良く分かる。キルア、キルアか! そういえばキルアって原作で主役の一人でゾルディック家の子供だったな、この脚さばきで思い出したわ。こんなに近くにいるのに足音が聞こえないとは恐るべきお子ちゃまである。そんな怖いもの知らずなゾルディック家の御曹司は試験官であるサトツさんの目の前で試験がちょろくてつまらないと舐めた事を言い始め、俺は大人としてハラハラしたり、ゴンが親父に憧れてハンターを目指していると言う子供らしい純粋な目的にほんわかしたりしいていると、今度はゴンが俺にハンターになりたい理由を聞いてきた。

 

「アキンはなんでハンターになりたいの?」

「うーん、入れる場所が増えるって言うのもあるけど、俺は一応ブラックリストハンター志望だからかな」

「クラピカと一緒なんだね!」

「世の中には悪い奴がいっぱい居るからね、ブラックリストハンターを目指す人も多いんだよ」

「ふーん、アンタにそんな事出来るのかな?」

「キルアもあんまりお痛をしてると捕まえちゃうゾ☆ノ」

「っ!? へぇアンタがオレをね」

 

 

 ふふふ、びびってるびびってる。どうもこのキルア君はゾルディック家の御曹司ながら念能力者ではないようで、俺が冗談で若干錬でフォースを増やしながら言うとかなりびびった、まぁゴンも少し戸惑っていたけど。こんな稚気も込めていないオーラに反応できるとはなかなかの感受性だな。その後も好きなお菓子の話とかで盛り上がっているとようやく出口に着いた。

 

 どうもここからは詐欺師の塒と言う場所を通過するらしく、その名に恥じぬ詐欺師じみた生物ばかりが生息しているそうだ。サトツさんが詐欺師に注意と言う意味があるのか微妙な注意を促していると男が現れた。なんでも男曰くサトツさんは実は人面猿が化けた偽者で自分こそ実の試験官だと言う。サトツさんは纏を纏っており明らかに念能力者なのに対してその男は垂れ流し状態、そしてそのオーラからは俺たちを騙してやろうという悪意しか感じない。そもそも試験会場を選んだハンターがそこの生き物にやられるなんてありえないだろう。つまりこいつも人面猿だな。手に持った死体も普通に生きてるし。あからさまに嘘をついている猿が色々主張する事を真に受けた奴らがサトツさんに疑惑の目を向け始め、場が混沌としてきて面倒くさくなった俺はその解決のために軽くフォース・グリップでぎゃーぎゃー主張している猿と死んだ振りしてる猿の喉を締め上げてやるとびっくりして逃げていった。ほとんどの受験生達はその猿が実は生きていた事にびっくりしていきなり猿が首を押さえて苦しみだすという現象を流してくれたが、一部の受験生は気付いていて不思議がっていたし、サトツさんは当然しっかり俺がやったことだと気付いており、ちょっと怖い顔をして

 

『先ほども言いましたが……』

 

 と、ちょっと怖い顔をしながら念文字で注意してきた。もう一人針が体中に突き刺さった気持ち悪い男も気付いているようだ。この人も念能力者なのか……、だが逆に受かればかなりの特典があるハンター試験に2人しか念能力者がいないとは意外と少ないなと俺は思った。

 その後は脚を取られる沼を先ほどの現象を不思議がるゴンとキルアとしゃべりながら試験管について走っていたのだけど、俺は先ほどから嫌な気配を感じていた。

ゴンとキルアは気付いていないようだ。

 

「ゴン、キルアもっと前に出よう」

「うん、試験官を見失うと大変だからね」

「そんな事よりあの男から離れた方がいい」

「?」

「何でだよ? 別に強そうな男じゃないぜ」

「あいつがうんこをしたくてウズウズしてるからさ」

「!」

「!?」

「霧に乗じてかなりやるぞ」

 

 ゴンとキルアがうぇって顔をして件の男の方を見ている。

 

「なんでそんな事わかるのって顔をしてるな、何故なら俺も同類だから匂いで分かるのさ」

「同類……? あの人と? そんな風には見えないよ」

「それは俺が我慢してるからだよ、そのうち分かるさ」

「こいつアホだな」

 

 心なしかサトツさんもスピードをあげ後ろの受験生達はひぃひぃ言いながらついてきている。まぁ冗談はさておきそんな感じで順調に進んでいたマラソンなんだが後ろで割とでかいオーラを感じた。詐欺師の塒の生き物は悪意に満ちてはいるが、それらのオーラからは獰猛というより狡猾なイメージを受ける。だが後方に現れたデカイオーラからは獰猛で傲慢なオーラを感じる。おそらく生態系のトップに君臨する小細工不要の生き物のものだろう。後ろから聞こえる悲鳴の数々にキルアがなにやらゴンに意地悪な事を言っているとキルアの予想通りかレオリオの叫び声が聞こえてきた。

レオリオの叫び声が聞こえた瞬間、キルアが止めるのも聞かずゴンは声の聞こえた方へ走り出してしまった。原作なんて知った事ではないが、ここはキルアが追いかけてゴンとの友情を深めるフラグなのかと思いキルアの方を見るが、キルアはなにやら拗ねたような、怒っているようなオーラを発しながらイライラ、もじもじしていた。なんとなくそのオーラに異物が混じっているような違和感を覚えた俺だったがとりあえずキルアに突っ込んでみた。

 

「そんなに気になるならゴンの後を追えばいいんじゃない?」

「けっ、そういうアンタが行けばいいだろ?」

「うん──―そのつもりだよ」

 

 

 

@@@@@@@@@

 

 

 その化け物の胴体は甲羅で覆われ、6本の足が生えており、それぞれに強力な鉤爪が有る。特に前の二つの爪を振り下ろすように攻撃しており、その長い脚に目を付け、その死角から潜り抜けようとした奴も見えているかのように刻まれている。多分あの脚の感覚毛がかなり発達しているのだろう。さらにその口はするどい歯で覆われていて、切り刻まれた受験生達は半分生きた状態で食われていく。ハンター試験受験生はもう私とレオリオ、そして76番しか生き残っていない。

 

 死んだ受験生を咀嚼し終わったこの化け物は最後に残った我々3人の恐怖の表情を楽しんでいるかのようにこちらをニヤニヤ笑いながらこちらを見ている。それはネコがネズミをいたぶる様に似ている。そのすばやさからして背を向けた瞬間に殺されているのは明白だ。そして何よりその化け物からくるおぞましいまでのプレッシャーは我々の対抗心を刈り取ってゆく。我々の諦念を見て取ったのかついにその鋭い爪を振りかざして襲い掛かってきた。必死に避けるも、その敏捷性、力強さによりあっと言う間に間合いを詰められ必殺の爪がこちらに振り降ろされる。

もはやここまでか、最後に思うのは、憎しみと悲しみ。同胞を皆殺しにした幻影旅団と亡き同胞の空虚な眼だけだった。

 

 だが、私に爪が当たる瞬間何かが化け物の顔に命中した。糸に繋がったブイは紛れも無く釣竿のそれだ。ゴンだ、ゴンが助けに来てくれたようだ。その攻撃はその化け物のプライドを傷つけたようで、私達を無視してゴンに向かって突き進んで攻撃を仕掛けていく。それをゴンはとても12歳の少年とは思えない動きで避けているが、攻撃が余りにも早く、ゴンが何度か隙を見て行った反撃もその化け物には全く通用していないようだ。攻撃手段が無い以上ジリ貧である。それでもゴンは10分近くその化け物の攻撃を避け続けていた。その隙に76番の男は逃げていったが、私とレオリオは助けに来てくれたゴンを見捨てる事も、その凄まじい攻防を助ける事もできず、ただこの極限状態の中その天性のバネが生み出す動きに見惚れて居る事しか出来なかった。だがついにゴンの回避にも破綻がやってきた。ゴンは前後左右に避ける事適わず、化け物の長い脚を潜ろうとしていたがその鋭い勘で足元の危険性を察知したのか、一瞬動きを止めてしまったのだ。私とレオリオが我に返り、助けに行こうとするが間に合わない。

化け物はその一瞬の硬直を見逃さず喜び勇んでおぞましい爪を振り下ろし、そのするどい爪がゴンに当たろうとした瞬間──

 

 その化け物は何の脈絡もなく吹き飛んでいった。

 

 

 @@@@@@@@@

 

 

 うぁーアクレイだよ。なんでこいつもいるんだろう? ここに来る途中にネクスーも居て時間を食ってしまったし。やはりこの世界はスターウォーズの世界なんだろうか? 俺はまだ希望を持っていていいのだろうか? ネクスーもそうだったがこのアクレイも恐ろしい事に念能力獣でさらに『纏』を通り越して『堅』状態なので、テレキネスでは吹き飛ばす事しか出来なかった。こんな生物が居るところを試験会場にするとはハンター協会もかなりタチが悪いな、いや今までみてきた生態系からしてこいつは流れ者だな。吹き飛ばされたアクレイは何が起こったのかまだわかっていないようだが、野生の獣として俺の危険性を察知したのか、こちらに襲い掛かってきた。こいつ相手に素手は危険すぎるな……仕方が無い。アクレイが甲高い警戒音を発しながらこちらの様子を伺っているが、いかにオーラを纏おうと所詮は理性無き獣の技である。俺は一瞬で接近するとライトセーバーを抜き、振り下ろされた爪を避けつつ、一刀でもってアクレイの首を刎ねた。

 

 ライトセーバーの光刃を解除、腰に戻し後ろのゴンたちの様子を見てみた。ゴンは緊張が解けたのか尻餅をついて荒い息を吐いている、その周りには試験開始の時に見た2人の仲間が集まっている。俺がネクスーと戦っていた10分の間に彼らを庇って戦っていたのだろう、よく無事だったものだ。

 

「よく頑張ったねゴン」

「―アキン……すごいや!」

 

 ゴンは恐怖と喜びの混じった感情のままそう叫んだ。くだらないプライドも何も無くどこまでも真っ直ぐなゴンについ笑みを溢しながら俺は、

 

「ジェダイ・マスターならこのぐらいは容易いのだよ」

 

 とすまして言っておいた。

 

 

※※※※※※※※※

 

 

「ねぇーアキンさっきあの怪獣を吹き飛ばしたのってどうやってやったの?」

「あれはね、大人になれば誰にでも出来るようになる事なんだよ」

「へぇそうなんだ! 凄いね!」

「嘘吐け!」

「いやゴン、あからさまにはぐらかされているぞ」

 

 その後少しの休憩時間をはさんで走り出した俺達だったが、サトツさんは既に俺の知覚範囲を超えた所にいるのか、その気配を感じ取る事は出来無かった。しかしゴンによるとサトツさんは紳士らしくコロンを纏っていたので、その匂いを辿る事が可能らしい、君はホントに念能力者じゃないの? 俺のお株が取られてしまったよ。俺の嗅覚も強化されているが、嗅ぎ分けるという訓練は行っていなかったので、俺では追跡する事はできない。そんな感じでゴンの後をついて走っていたのだが、当然の様に先ほどの現象についてゴンはこちらの様子を探る事無く馬鹿正直に、クラピカとレオリオはやんのやんの言ってくる。しかし今の状態で念能力について伝えても余り意味が無いので、

 

「うーん。じゃあハンター試験に合格したら教えてあげるよ」

 

 と言ってお茶を濁しておいた。

 

 ようやくサトツさんに追いつくと、キルアが喜びの感情を爆発させながらゴンの元にやって来た。それを見てほっこりした俺がニヤニヤしていたのをみてキルアが蹴りを入れてきたが、それはあからさまな照れ隠しだったので、その行為は俺のニヤニヤを増やすだけだった。

 

 

 

 第二次試験は料理の試験らしく凄まじい巨漢の男が出した第一課題は、豚の丸焼きだった。死んだ豚の体表からダニが逃げ出していくのが気持ち悪かったがそれ以外に思うところはない。第二課題はメンチという綺麗で活発そうな女の人が出したスシで、当然俺は知っていたのだが俺と同郷の忍者らしき男がスシのつくり方を暴露した事でメンチが暴走を始めてしまった。そのままメンチの欲望のまま試験は進行していって結局合格者0。今は全く悪びれもせず合格者0と宣言したメンチを受験生達が囲んでいるシーンだ。

 

 俺も流石に理不尽すぎるメンチの態度にイライラしていたのだが、俺のカンペによるとこのまま放っておいて問題が無いらしい。そんな中ブチ切れた受験生255番がメンチにおそいかかるがブラハさんの凄まじい張り手(without オーラ)で場外ホームランされていった。顔は悪人面だが正直同情する、これは完全に試験官側の不備だろう。そもそも仕切りもない広い会場で作っているのに作り方がバレたも糞もないと思う。

 

 ブラハさんの張り手にビビリながらも納得できない受験生達となぜかドヤ顔を決めて美食ハンターの強さを自慢しているメンチのにらみ合いが続いていたのだが、上空から声が聞こえてきてメンチの顔色が変わった。その声の主であるネテロ会長と言う老人が上空から降りてきた、あきらかに念能力者だが、そのオーラからはなんの感情も伝わってこない──―どころか、オーラを探ろうとした俺に何故か気付いたらしいネテロ会長は一瞬ニヤりとしてこちらを見て来たのを俺は確かに見た。うわー流石はハンター協会会長、その肩書きは伊達ではないようだ。

 

 その後急にしおらしくなったメンチにネテロ会長が追試を提案し、メンチはそれを受け追試の課題はゆで卵となった。飛行船に揺られついた崖の下には独自の進化を遂げ崖の間に張られた糸に卵をぶら下げる事で卵を守ると言う独特の生態を持つクモワシの巣があった。なぜかクラピカは蜘蛛鷲という名前を聞いて一瞬オーラを乱していたが、その卵を取って来るのが課題だと知ってゴンたちが大喜びしながら飛び降りていくのに続いて飛び降りていった。

 

 そんな中俺は悩んでいた。わざわざ降りなくてもテレキネスで取るのが一番楽でいいのだが、やはりここは伝統芸のアレを使うべきだ。それにあまり大勢の前で自分の念能力を披露するのもアレだしね。

俺は糸に向かって飛び降りあえて卵から若干遠いところにぶら下がった。

 

 俺はフォースを集中させテレキネスで卵を引きちぎりながら一気に崖の上に飛び上がり着地、

 

「ブラ=サガリ!」

 

 と叫んだ。分からない人は分からないままで結構だ! 

 

 

 その後ゆで卵を食べて驚く255番とそれを見てドヤ顔をするメンチの間で感動のシーンがあったのだが、さっきかなり本気で殺そうとした相手に良い事言ってるのを見て俺としてはちょっとなんだかなーと思うのだが、お互いに納得しているのならば俺が口を挟むだけ野暮なんだろう。

 

 

第二次試験 後半 メンチのメニュー 42名合格! 

 

 

 




感想と誤字報告ありがとうございます。
昔読んでくださっていた方が結構多くて嬉しい限りです。

Arcadiaでエタってる二次小説がどんどん復活する世界になーれ。
特に『空を翔る』の続きが読みたいハァハァ。


今は7年ぶりに新しいとこ書いてるので、少々お待ちを。
完全に見切り発車で投稿し始めちゃったのだ♡
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