理性の足りないアークナイツ   作:蟹ノ鋏

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皆さんイベントは読み終えましたか?
私はあまりにもストーリーの後半二つが重くて受け止め切れてないです。
闇深すぎ。
それをサラッと話すから余計に闇が深い。しかも、割とよくある話らしい。

イベントステージは強襲以外は終わりました。
今回はギミックが面白かったですね。ただ低レアでやっているとスキルのタイミングがシビア過ぎて発狂しました。

アークナイツ知らない人向け用語解説

ケオベ:ペッローという犬耳獣人の少女。術師なのに物理ダメージもとばす。ナイフも斧も槍もとばす。AUOかな?
エンカク:単独で敵組織のレユニオンの幹部と斬り合っていたヤバい奴。男。戦闘狂。
ミッドナイト:東夜の魔王。元ホスト。過去が重い。
スポット:毒舌且つ、容赦がない。モフモフしている。
ポプカル:チェーンソーを持つ幼女。過去が重い。
カタパルト:午後の逸話ではぶられていた。乳が重い。
オーキッド:ロドスで一番ファッションセンスが高い女性。ママ。行動予備隊A6の隊長。
テラ:アークナイツ世界の総称。地球みたいな感じ。


午後の逸話~サイドエピソード~

 PM.20:27

 

  皆が夕食を食い終えた時間の晩のことである。

 

「ドクター、大変だよ!!陰鬱なお兄ちゃんと頭のおかしいお兄ちゃんが喧嘩してる!!」

 

「え?マガツとエンカクが喧嘩?また!?」

 

 夜でも消えることのない明かりが灯り続けるロドスの執務室に一人のオペレーターの少女が飛び込んでくる。

 

 彼女の名前はケオベ。

 無造作に伸ばされた癖のある小麦のようなきれいな色の茶髪と薄い赤色の瞳、ペッロー特有の犬のような尻尾と耳、しかしそれらの印象が全て霞むほど大量の武器を武蔵坊弁慶の如く背負う術師のオペレーターである。

 各地を放浪していた野生児だが、リターニア地域にてロドスのオペレーターに襲い掛かり交戦状態となり、空腹によって倒れたところを保護された。

 感染者であり、空腹のためオペレーターと交戦状態になっただけで、襲われたオペレーターとも和解しており、ロドスの方で保護する流れとなった。高い素質と潜在能力を買われ、色々と問題はあったが結果として術師オペレーターとなった。

 

 ロドスのスリートップの一人であるドクターはケオベからの報告を聞いて直ぐに二人の男性オペレーターに思い至った。

 マガツとエンカク。

 彼らは優秀な傭兵上がりのオペレーターであるが、同時に因縁深い二人でもある。

 傭兵時代に何かあったようで、マガツが一方的にエンカクのことを嫌っており、しかしエンカクは仲を改善しようとすることもせず、むしろ煽るような言いぶりでマガツとしょっちゅう喧嘩をしている。

 喧嘩と言えば嫌よ嫌よも好きのうちといった感じで寧ろ仲がいいのではないかと思えるが、その様子は喧嘩と呼べるものではない。真剣勝負、刃引きをしてない戦場で振るう武器を用いてアーツも問答無用で撃ち合う殺し合いに近い模擬戦を行う。

 既に数度止められており、何度も厳重注意を受けていた。

 

 ケオベの頭をひとしきり撫でた後、ドクターはだらだらと眺めてサボっていないふりをしていた書類を直ぐに片づけ、ケオベとともに執務室を後にする。

 こういった揉め事はロドス内部では割とよく起きていた。ロドスの優秀であれば経歴は一切不問とする性質故に、今までまともな教育を受けてこなかったり、社会や組織の鼻つまみ者にされたりしてロドスに流れたりなど、様々な問題児が集まるのだ。衝突が起きないわけがなく、また下手になだめるよりはいっそ対立し喧嘩させてしまった方がのちのちしこりにならずに済むという考えもある。ただ行き過ぎはよくない。ロドスのオペレーターは軍隊にも劣らぬほど強力なものばかりである。武器や施設が壊れるくらいならともかく、再起不能の怪我を負ってしまっては流石にまずい。そういった状況に陥る前に仲裁に入るのはメンタルケアも請け負っているドクターの仕事だった。

 要するにドクターは仲裁という仕事をすることで執務室に缶詰というストレスフルな状況から合法的にぬけだせるというわけだ。

 

「ついでにケオベの頭も撫でられるし、マガツやエンカクの体を撫でまわせるチャーンス!!一石二鳥どころか三鳥四鳥だわさ!!」

 

「……ド、ドクター?いきなり叫んでどうしたの?」

 

 ケオベが頭おかしいんじゃないのコイツといった様子でドクターのことを見ていた。

 

「――おっといけない、内なるドクターが出てしまった。今は理性が足りてるから完全で完璧なドクターでなければならないというのに。……しっかし、マガツとエンカクもよくよくやり合うもんだね。私にBLのけはないが、あの二人の肉体美を見ると来るものがある。そそるぜこれは……じゅるり、おっとよだれが」

 

「ドクター……」

 

 ケオベがだめだコイツ早く何とかしないと、と思いながら歩いていると訓練室へと到着した。

 

 そこには少なくないギャラリーが集まっていた。

 

 よくよく夜に訓練をしているミッドナイトとそれに良く付き合っているスポット、そのお目付け役のオーキッドにいつもミッドナイトとスポットの喧嘩を仲裁(物理)しているポプカル、そして今日もサボって夜に訓練(意味深ではない)をする羽目になっているカタパルトと、行動予備隊A6のメンツが全員揃って訓練室の様子を外からうかがっている。

 補修で訓練室を使うと言っていたビーグルやクルース、それらを監督していたとみられるドーベルマンもいる。

 

「――あれ? ドーベルマン教官がいるならすぐに止められるでしょ?なんでみんなそんなにお揃いで見守ってるの?」

 

 ドクターは率直に疑問を述べる。

 

「……止めはしたんだが、二人とも止まる気配がない。どうやら今回は今までのじゃれあいとは違って、本気でケリをつけるらしい。――それに、今回は立会人がいる」

 

 ドーベルマンが視線を向ける方には、訓練室の中でスカジが長剣を抜剣した状態で入り口を塞ぐように佇んでいる。訓練室で戦う二人を黙って見据えており、同時に邪魔を許さないというのが戦闘オペレーターではないドクターにもよくわかった。

 

「なるほど、スカジちゃんに通せんぼされたら生半可な人じゃあ入れないもんね」

 

「――ドクター!?仕事中では」

 

「……何故ここにいる。まだ書類を片付け終わってないはずだろう」

 

 パタパタと響いてくる足音に気が付いたドクターが目を向けると、通路奥からアーミヤとケルシーがこちらに向かってきていた。その二人の後ろからはラヴァとハイビスカスの姉妹と行動予備隊A1隊長であるフェンが歩いてきている。恐らく、行動予備隊A4のメンバーが訓練室を使おうとしたところでマガツとエンカクの決闘に出くわしたのだろうとドクターは思った。

 

「――っ、ケオベ。ドクターを連れ出してきたのか!?」

 

 ラヴァが驚いている。

 ケオベは偶然遭遇したのだろう。

 そしてラヴァはケオベに待機するように命じた。 

 けれども、ケオベは心配になってドクターを呼びに行った。

 

 この一連のやり取りでドクターは大体の事情は察した。

 

 

 キィイイイイイイン

 

 

 ざわつくギャラリーの耳元に金属がぶつかり合ったような音が訓練室の方から鳴り響く。

 

 マガツとエンカクは互いの剣の間合いで対峙していた。

 

 先ほどまで激しい戦いが繰り広げられていたのか、訓練室は所々窪み抉れ焦げている。マガツとエンカクは小さな傷がいくつもあり、血も多少流れていた。

 

 ドクターが一目見た限りではマガツの方が不利だった。

 補助オペレーターであるマガツは普段武器を使わない。

 主にアーツを使った戦闘を得意とする彼は真っ向勝負の近接戦闘など行わないからだ。

 けれども、マガツは近接戦闘もできるオペレーターであり、近接戦闘の訓練も欠かさない。本人曰く、スラムで身に着けた我流の武技であるとのことだが、前衛オペレーターも一目置く程度には優れている。

 やはり、経験の差や得意の差が出ているのかマガツは剣を片手に持ちながら、肩で息をして立っている。

 

 対峙するエンカクはまだ余裕がありそうだった。元傭兵のサルカズの剣士。長身の体躯を持つ彼は二刀流の剣士にして、多くの敵を屠ってきたロドスでも指折りの実力者。戦闘経験はマガツの倍はあり、近接戦闘のセンスもマガツを上回っている。

 彼も無傷でなく多少の損耗が見受けられるが、マガツよりは余裕そうな表情で立っていた。

 

 二人は睨み合ったままピクリとも動かない。

 その状況を見てギャラリーの誰も何も言うことはなかった。

 静寂は嵐の前触れ。

 これから起こるであろうぶつかり合いが、テラでもまれにみる最高峰の剣戟であることは容易に想像できた。

 

 誰もが固唾を呑んで動けない。

 ロドス代表のアーミヤも、医療チームトップのケルシーもその迫力に飲まれていた。

 

 マガツが少し体勢を低くした。

 いかにも飛びかかろうとしている体勢である。

 ただそれだけでは終わらない。

 マガツの体を包むように黒い靄のようなものが発生する。

 マガツのアーツ。

 敵の行動を阻害し、生命力を奪い取るそれを彼は操り体に纏う。

 

 エンカクはそれを見て薄っすら笑みを浮かべると、二刀を構え直し、紅いオーラのようなものを纏う。

 彼が刃鬼と呼ばれるその所以たるその紅いオーラは、彼の身体能力を向上させ鬼のような力を発揮させる。

 エンカクの黒い刃は敵の血を啜り、自身の血肉とする。

 敵を一刀両断で切り伏せながら、しかし敵の血肉で自身の力を回復し戦場に立ち続ける。

 エンカクが戦場で長く生き残ってきたことにはそれなりのわけがある。

 

 一触即発。

 止めなければいけないと分かっていても、誰も動けない。

 できるのは勝負の行方を見守ることのみ―― 

 

 

「――はい、ドクターストップ」

 

 だが、変態(ドクター)にはそんなことは関係なかった。

 いつの間にか訓練室に入りこんでいたドクターはマガツの背後に回り込み、体を包み込んでいるマガツの黒いアーツをものともせずマガツの首筋に注射器をブッ刺した。

 

 ブスリ

 

「アッーーーーーーーー!!!」

 

 マガツは情けない叫び声をあげた後痙攣しながら地面に倒れ伏した。

 

「ドクター?どうやってここに……」

 

 怪訝な顔をするエンカクが疑問に思って訓練室の扉を見てみると、そこには同じように痙攣しながら倒れ伏すスカジの姿があった。

 

「……ふっ、次はお前が相手をしてくれるのか?」

 

「理性が足りている人に理性剤を打つのはよろしくないから、鎮静剤で勘弁してあげるよ。私はもう忘れてしまったけど、エンカクは覚えているんでしょ? ――だったらまあ、耐えてみなよ」

 

 マガツが落とした剣を拾いながらドクターは対峙する。

 

 理性ある鬼と理性の足りない獣の戦いが、今幕を開ける!!

 

『ドクターたちの戦いはこれからだ!!』




午後の逸話を読んでいたらヴァルカンが欲しくなりました。
重装で公開求人を回していたら上級エリートが来ました。
サリアが当たりました。
ヴァルカンどこ?
あとインドラもどこ?
(小説的にはサリアじゃなくてエクシアを狙えばよかったかも)

意味のない用語解説


ラヴァ:ケオベを拾った張本人。ケオベになつかれている。ツンデレ。
陰鬱なお兄ちゃん:マガツ。
頭のおかしいお兄ちゃん:エンカク。
内なるドクター:しゃーんなろー!!
そそるぜこれは!!:ファンタジーに科学で勝ってやんぞ
だめだコイツ早く何とかしないと:新世界の神。粉バナナ!!
ビーグル、クルース、ハイビスカス:不合格
フェン、ラヴァ:合格
ドーベルマン:もっとドックタグは丁寧に保管してあげなよ。
スカジ:実は通せんぼしてたわけじゃなく、ただ眺めていただけ。とばっちり。この後ドクターに回収された。
マガツ:この後スカジと一緒にドクターに回収された。
エンカク:ドクターとは引き分け。
ドクター:あのシルバーアッシュに盟友と認められた人物。理性が足りているときはただものではない。理性が足りてないときもただものではない()。
『○○の戦いはこれからだ!!』:アクタージュはどうなるんでしょうね。

【第二回】出して欲しいオペレーターは?

  • BSW
  • イェラグ
  • 龍門近衛
  • ペンギン急便
  • ライン生命
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