W欲しくなるし、ロリアーミヤ出てくるし、読み応えたっぷりでした。
あと、ドクターの過去も出てきてドクターの人物像が分かってきましたね。
シデロカの参入でおっぱい四天王の戦いも苛烈になってきました。
……グラニの衣装可愛いい。可愛くない?
今回はついにペンギン急便のメンバーが登場します。
漸く引けた(二名だけ)。
アークナイツ知らない人向け用語解説
戦闘技術:ロドスはオペレーターを迎えるときの入社テストとしていくつかの項目を評価対象にしている。戦闘技術は分かりやすく戦闘力を測っており四段階くらいに分かれている。卓越は現段階での最高評価。
龍門:中国っぽい場所。近衛局という戦闘部隊がありロドスと一応協力関係を結んでいる。
ラップランド:ループスと呼ばれる狼っぽい特徴を持つ種族の前衛オペレーター。戦闘狂。貧乳。※昇進2の画像ではちゃんと胸があるので貧乳ではないみたいです。適当なことを書いて申し訳ありませんでした。
テキサス:同じくループスの先鋒オペレーター。ラップランドに付きまとわれている。ペンギン急便という宅配会社に勤めている。ロドスとペンギン急便は協力関係にある。
「やあ、君が噂のマガツかい?初めまして」
「……どちらさまで?」
「ボク?今はラップランドって呼ばれているよ」
「はあ、で見たところ近接系オペレーターみたいだけど補助オペレーターの俺に何の用だ?」
「何の用って、そんなこと言われなくても分かってるんじゃないかなあ?凄腕の傭兵なんだろ、一手指南たのむよ!」
「いや、見て分かる通り、今日はもう引き上げるところなんだけど。ていうか、もう今日だけで十一連戦してるんだけど。誰だよコーヒー一缶でいつでも模擬戦引き受けるなんて噂流した奴」
「んーと、ボクはドクターから聞いたよ」
「アイツいつかブッコロシマス」
「うわー、コワい顔。デーモンみたいだね。色んな女の子を粉をかけているって聞いたけど、強ち間違いじゃなさそうだ」
「はぁ!?なんだその根も葉もない噂誰から聞いた!?」
「ドクターでしょ、アビサルのバウンティハンターにグラスゴーのギャングの頭領とその右腕、カランド貿易のトップとその巫女、龍門の頭でっかちと真面目な重装の鬼のねーちゃん、医療チームのナース全員、工房にちょくちょく出入りしているほぼ全裸の盾持ちとあとケオベ!!」
「まってまってまって!!なにそれ、どんだけ俺女性に嫌われてんの!?それにケオベも!?俺何かしたっけ?何かしたの俺!?」
「あ、あとドクターからこんなメモを預かってきたんだけど」
「ん?なんだって?ええと
『ラップランドがこの前の仕事の報酬として強い人と戦いって嘆願してきたけど、彼女は戦闘技術"卓越"でとても強いため生半可なオペレーターだと報酬にならないためマガツに任せます。断った場合や手を抜いた場合はこの前の飲み会で起きたあることないことをロドス中にバラします。byドクター ラップランドさんは可愛いけれど浮気はゆるさないっちゃ!!byウタゲ』あのセクハラ変態上司め!!誰が浮気するか!!……いや、そもそも結婚どころか彼女もいねーよ!!つーか、お前そんな喋り方しねーだろ!!」
「細かいことは置いておいてさ、やるの?やらないの?」
「これ断ったら俺のロドスでの社会的地位がなくなるんだけど」
「で、結論は?」
「……やります」
ロドスにおける能力測定で、戦闘技術を卓越とみなされる者はかなり少ない。
テキサスが知る中では四人、ラップランドもその一人である。
ラップランドとテキサスは腐れ縁である。テキサスにとっては面倒な相手でしかなく、ラップランドの方からよく突っかかってくる。しかし、テキサスは付き合いの長さからその強さはよく知っていた。
戦闘狂、そしてその戦闘センス。
敵のアーツを妨害するアーツも獣の如き身のこなしも全て戦闘のためにあるかのような。
闘争本能が人型を作っている、それがテキサスのイメージするラップランドである。
「――か、はっ……!!」
そのラップランドが地に伏せていた。
訓練室の壁に寄りかかりながらテキサスはマガツとラップランドの戦いの様子を眺めていた。
終始攻めていたのはラップランドであった。マガツは有効な反撃もできずに徐々に追い詰められているように傍から見ていたテキサスには思えた。ラップランドは隙らしい隙も見せていなかったし、その猛攻をしのぎ切るのにマガツは手いっぱいだったはずだった。
だが、結果は血に倒れ伏しているのがラップランドでそれを見下しているのがマガツである。気管がつまったのか咽ているラップランドの胸元を右足で踏みつけて、マガツは動きを封じていた。
「……まあ、なんだ。言わなくてもわかるだろうけど、才能に頼りすぎだし戦闘を楽しみすぎだよ。多分、戦場であったら俺が死んでいたろうけど。こんな狡い戦い方で申し訳ないけど、これが俺なりの格上との戦い方なんだわ。消化不良だろうけど、これ以上は求められても困る」
マガツは努めて冷静な表情でそう告げた。そこには普段の腑抜けた顔つきはない。
冷徹な、目に映る物事をただ情報としか認識していないような無機質な相貌。
テキサスはマガツのことはよく知らない。しかし、その戦果や逸話はよく耳にしている。
撤退戦の名手にして、彼の出る戦場においては死傷者はマガツ本人のみという嘘みたいな噂がある。確かにそれは盛られた話ではあるが彼の戦闘記録を見る限り、彼の部隊が怪我を負うこと自体が稀であり重傷もこの前の庇ったときと、彼一人のみが殿の残ったとある戦場のみである。
マガツは部隊を率いる指揮官でもなければ、作戦を練る司令官でもない。彼は補助オペレーターでしかなく、サポートが主な役目である。
テキサスも何回か彼が出た戦場の戦闘記録を目にしたことがある。それを見て思った感情は『特筆することは特にない』である。淡々と自分に与えられたことをこなして、サポートに徹するその姿は補助オペレーターの鑑なのかもしれない。先鋒オペレーターのテキサスからすれば立ち回りや求められる役割が違い過ぎて、戦闘記録としてはいまいち参考にならなかったというのもある。強いて言うならそつがなかった、としか言いようがない。
テキサスはそれらの事情を踏まえて、マガツはサポーターとしての能力が突出しておりまた指揮官や司令官と言った役回りもこなすことのできるオペレーターだと認識していた。
そのテキサスの認識は正しかったし、覆るような出来事も特に起きていなかった――つい先日の、マガツが前衛オペレーターを庇い死にかけたという戦場の戦闘記録を入手するまでは。
本来、レユニオンのステルス兵の脅威を知り、撤退戦に対する見識を深めるために閲覧を許可されたその戦闘記録はテキサスに違和感を覚えさせた。緊急招集ということもあり普段あまり組まないメンバーでの臨時小隊で人員的にも足りていない、その上でマガツは自分の役割以上のこと――近接戦闘員としての立ち回りもこなさなければならなかった。マガツはミスを犯さなかった。連携の齟齬も、作戦の稚拙さも、メンバーの失態も、全てカバーしていた。結局、最後のあのステルス兵以外は余裕を持って戦っていたようにテキサスには見えた。
マガツは一流の戦闘員であり、遠近両刀のオールラウンダーで尚且つ不測の事態に対応が上手い。
マガツは侮れない。
エンカクならば、『器用貧乏、しかし戦場の中においては無類の猛者』と評する。
へラグならば、『武は一流に劣るが、戦争においては一流をも下す才能を持つ』と評する。
チェンならば、『軟弱だが倒れず、いかなる敵相手でも互角以上の勝負に持っていく厄介者』と評する。
ドクターならば、『弱い、脆い、陰鬱、でも誰よりも頼りになるしロドスで最も使い勝手のいい駒』と評する。
テキサスの認識が変わってから、彼女はマガツの情報を調べ始めた。
すると、とめどなく様々なマガツの戦歴が上がってくる。それは傭兵時代のものであり、一部からは英雄視されているマガツの行動の数々。
ウルサスの軍団を単独で出し抜き、サルカズの傭兵を100人敵に回して逃げ切り、龍門近衛局の半数を壊滅させて一時的に機能停止に追い込み、ライン生命の軍事ラボを三つ破壊した。
コイツ、なんで死ななかったんだ?
そうテキサスが思うほどには荒唐無稽な戦歴で、人づてに聞いたそれはどこまで尾ひれがついているかはテキサスには判断しかねる。
しかし、エンペラーから『何を知りたいのかは知らないが、あの疫病神の元傭兵とは仲良くしておけ。酷い目に遭うぜ』などと釘を刺され、その戦歴は現実味を帯びる。
そこでテキサスはラップランドをぶつけることにした。
腐ってもラップランドはプロの戦闘員であり、実力を測るにはこれ以上ない。
面倒なラップランドを押し付けられて一石二鳥、というがテキサスの紛れもない本心であるが。
「……アハハハハハ!!こんなにあっけなく、やられちゃうとはね――ッ!?」
見下ろされるその状態をしっかりと認識したのか、ラップランドは降参と呟いて嗤った。
どこかを痛めたのか、すぐに顔をしかめ、言葉を止めることなったが。
「あー、あんまり喋らない方がいい。感触から言ってアバラにひびが入ってると思うぞ。ちょっと、本気になり過ぎた、悪い」
マガツはそれを見てすぐに踏みつけていた足をどかし、立ち上がらせる。
ラップランドとマガツの戦闘技術の差は歴然であり、マガツには一切の余裕がなかった。手加減などできないし、殺す気ではないにしても怪我をさせるぐらいの認識で斬り合っていた。
「これはボクの油断の結果だからね。負うべきして負ったものさ。キミが負い目を感じる必要はない。それに、ボロボロなのはボクよりキミだろ?その左腕、籠手かなんかでボクの剣戟を防いでたみたいだけど、折れてるよね?何なら最後ボクに止めを刺すために相当無茶な動きをしてるから筋肉も断裂してるでしょ?」
「……いやあ、まあ、もう少し模擬戦なんだから手を抜いてくれるとありがたかったんだけどなあ」
「アハハ、それは無理だよ。ボクはそんな生半可な闘争じゃ満足しない。命を削るギリギリの闘争じゃないとね。キミの最後の一撃は思わず昂っちゃった。正直、濡れるッ!!」
「…………。」
テキサスはマガツのラップランドを見る目つきが養豚場の豚を見るような目に変化したのを見逃さなかった。
「満足できないって、まだ足りないって、そういった隙を突かれるとはねえ。いや、隙というよりは意識の誘導によって盲点を作り出した、そんなところかな?」
「……別に、そんな凄いことをしたわけじゃない。ただ、戦闘狂は何度も相手してるから戦い方は分かってるってだけさ。相手を物足りなくさせれば、勝手に手加減してくれる。それだけ」
「アハハ、そんな困ったやつを相手にするみたいな扱いをされたら笑うしかないね。実際やられたからぐうの音も出ないんだけどさ」
凄いことはしていない。
それを戦闘技術を卓越と評価されたものを下したというのに嘯けるのはやはりマガツも一流に入りかけている証拠なのだろうと、テキサスは秘かに思う。
ラップランドをあしらう。
言葉だけで言えばそれだけだが、それをできるものがロドスに――いや、世界中にどれだけいるというのか。
マガツは強い。
若く、テキサスとあまり変わらない年齢だろう。
つまり戦闘経験の年数もそこまで長くはないだろう。
だけれども、あそこまでの戦闘能力を身に着けている。
傭兵の経験があるというだけではない、彼にもまた才能と呼ばれるものがある証左だ。
何よりも、あの変貌。
勝負を決めに行くとき、それまで被っていた格下のオーラを一瞬で消し飛ばす威圧。
彼の中で渦巻く力の片鱗を見たときテキサスは――
「――おーい、テキサス。どうしたんだい?」
いつの間にか、近寄ってきていたラップランドが腹部を抑えながらテキサスを呼んでいた。
マガツは遠くで籠手御外して、赤黒く腫れた左腕を確認し、
『ヤバいよこれ、ヒビじゃないよ砕かれてるよ。さっきから左手先の感覚がないもん。痛みでマヒしてるもん。一発防いだだけなのにこれかよ。どんな腕力してんだよ、あの細腕で』などとのたまっている。
「――すまない、ぼうっとしていた」
「へえ、ふうん、なんか珍しく笑ってるけど、何かいいことでもあったの?思い出し笑い?」
「笑ってる?」
誰が、とは問わずにテキサスは自分の口元に手を当てた。
確かに口角が釣り合っていることを確認し、何を見て笑ったのかを自問自答し始めて、漸く気が付く。
「……どうかしたのかい?なんか変だよ?」
「……いや、別に、何でもない」
何でもない。
今はまだ。
今はまだ何もするべきではない。
標的を定めたばかりで先走っては狩りは成功しない。
ゆっくり追い詰め、疲弊させ、はぐれたところを狙う。
それまでは牙は隠し、静かに追い回す。
それが狼の狩り。
※その後、マガツは数時間の説教とともに医療チーム全員の会議の結果、模擬戦を一ヶ月禁止になりました。
意味のない用語解説
ゆるさないっちゃ!!:ラム。……と聞いて分かりますかね?うる星やつらってどの年代まで伝わるんですかね?
マガツの戦歴:色々やらかしてる。ロドスに逃げ込んだから皆手が出せないだけで、嫌われている。
濡れるッ!!:学園黙示録。人を斬りながら興奮するときに使う。
エンペラー:実は皇帝ペンギンの姿をしていない。
ケオベ:「陰鬱なおにーちゃんと術比べしたら一発で吹っ飛ばせたよ!!」(ガチャで当たった。やったね)
今回の話で戦闘技術“卓越”と聞いて直ぐに五名の名前を想い浮かべられた人はアークナイツ博士(自称)を名乗ってもいいと思います。
※戦闘技術卓越は五名ではなく四名でした。適当なこと言ってすいません。
【第二回】出して欲しいオペレーターは?
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BSW
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イェラグ
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龍門近衛
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ペンギン急便
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ライン生命