遅れました。サボってただけなので弁明はしません。すみませんでした。
※シリアス回。残虐な描写があるので注意
アークナイツ知らない人向け用語解説
オペレーターの職種:先鋒、前衛、重装、狙撃、術師、医療、補助、特殊といくつかあり、それぞれ役割が異なる。先鋒、前衛、重装が主に近接戦闘。狙撃、術師、医療、補助は主に遠距離からの援護になる。
マトイマル:鬼のお姉さん。極東出身で豪快。
ガヴィル:アダグリスという人間に鰐の尻尾が付いている種族のお姉さん。医者なのに豪快。
ヘイズ:フェリーンという猫系獣人の魔女っぽい少女。なぜか手錠をしている。
ドーベルマン:教官。巨乳で鞭の扱いが上手い。長ズボンが似合うクールな女性。
サベージ:コータスという兎系獣人の女の子。重要なこと知っているはずなのに出番が少ない。
ジェシカ:黒猫の獣人の女の子。ミリタリー好き。
オリジニウム:鉱石病の原因でもある、アークナイツ世界固有の鉱石資源。石炭みたいなもの(かなり違う)。
レユニオン:ロドスにゲリラ的奇襲を仕掛けるのが得意。
コーヒーなんて飲んでいる暇はなかった。
ロドスの一部隊が急襲を受けて救難信号を出してきた。
やむを得ない事態のためケルシ―先生から休養を言い渡されていた俺も救出作戦に参加することになった。
とにかく早急に駆け付ける必要がある。
後から他の部隊も駆けつけるよう仕事中のオペレーターに連絡を取っているが、すぐさま動けるのは俺を含めて八名のオペレーターのみ。
休暇は返上である。
俺はヘリに乗り込んで直ぐに現場へ直行した。
ヘリの中には俺を除き八人。
クオーラ、マトイマル、ガヴィル、ヘイズ、ドーベルマン、サベージ、ジェシカ、そして名前も知らないヘリの操縦士。
ヘリの操縦士はくっそダンディなフェリーンのおっさんで、今回のことについて頼むと何も言わずサムズアップだけ返して運転席に乗り込んでいった。ハードボイルドだなあ。
「この八人で作戦行動を行うのは初めてね」
頭頂部に生えた長い耳が特徴的なコータスの前衛オペレーター、サベージが俺たちを見渡して言う。
彼女はアーミヤと同じ種族で綺麗な銀髪がよく目立つ。アーミヤ、ドクターと旧知の中で同郷らしい。ドクターは記憶を失ってサベージのことを覚えてないようだが。
前衛ということもあり、長いハンマーを振り回す豪快な戦いをする。盾も鎧もまとめて叩き潰す。ロドスに来る前はレム・ビリトンで鉱業会社に勤めていたらしい。オリジムシでも叩き潰しまくっていたんだろうな。
「そーだなあ、確かに中々顔を合わせない面子だなあ」
同じ前衛オペレーターのマトイマルが頷きながら言う。
頭の上から大きな角が二本、額から小ぶりな角が二本。計四本の角を生やすマトイマルの種族は鬼。
灰汁色の長髪を腰より長く伸ばす彼女の戦いぶりは種族通りの鬼だ。
背丈よりも長い薙刀を豪快に振り回しバッタバッタとなぎ倒すさまは悪鬼の様である。
サッカーが好き。華道もたしなむので割と良家のお嬢様っぽい。
「そーだね!!みんないつもバラバラだもんね!!」
明るい笑顔が眩しい薄茶色の髪を三つ編み(?)に束ねた少女はクオーラ。
重装オペレーターで防御系のアーツを使う。背負う甲羅型のリュックサックは盾としても機能し、クオーラのアーツと組み合わさると銃弾ですらものともしなくなる防御力がある。
ロドスに来る前に記憶を失っているようで、覚えているのは野球のことぐらいらしい。
武器もバットで、打ち飛ばすという豪快な少女だ。
「問題ないさ。多少怪我してもアタシがまとめて治してやる!!」
緑色の長髪。金の瞳に長く伸びる鱗が付いた爬虫類のような尻尾を持つ彼女はガヴィル。
アダクリスである彼女は医療オペレーターであり、元傭兵という経歴を持つためある程度戦える後衛だ。
錫杖のような黒い杖を使い治療アーツを飛ばし継続的に味方の傷を治す医者である。軍医というべきか。
片っ端から豪快に味方を治し、戦闘継続時間と生存率を増幅させる彼女は今回の任務にはうってつけだろう。後衛も戦闘に巻き込まれる可能性がある今回の様な任務では尚更。
「皆さんと組むのはこの作戦が初めてですが、あの、えっと、……頑張りましょう!!」
この癖のあるオペレーターの中でもさらに灰汁の強いメンバーを抽出した面々に圧倒されているジェシカが、ヘリの隅であわあわしながら言う。深い紺色の髪を後ろで束ね、BSWのジャケットを着て、耳につけるタイプの無線機を装備し、右足に膝当て、グロッグをホルスターに備える。
BSW(Black Steel Worldwide)という警備会社のような組織のオペレーターで今は相互交流という形でロドスに所属している。
狙撃オペレーターでベテラン顔負けの正確な狙撃を行う。性格以外の実力はドーベルマン教官も評価するほどに高いが、如何せん自信がなくオドオドしているところがある。戦場において狙撃の腕が鈍ることはないが、今回のような非常事態には向いていないかもしれない。
「そんな気張ること無いよー。いつも通り適当にやればいい」
張り詰めたジェシカとは対照的にリラックスした様子を見せるのはヘイズだ。白い毛並みのフェリーンの女性で、三角帽子に黒いコート、魔導書のような本を常備するまるで魔女のような風貌をしている。術師オペレーターで、アーツ弾を発射する。
脱獄経験があるアウトローのようで、戦闘経験が短い割には荒事になれている。
アーミヤなどの術師がみな出払っていたので、彼女がいて助かった。物理攻撃と違いアーツを直接ぶつけると物理防御は無意味になる。盾持ちだろうと銃弾を防ぐ防具を着ていようと貫通する術師は、敵の情報がなく混戦が予想される今回のようなケースでは一人は欲しい。
「……撤退戦が予想されるが、重装が一人ではさばききれるかどうか」
最後にドーベルマン教官で今回のメンバーは完成。ドーベルマン教官は本来オペレーターとして戦場に出ることは滅多になく、新人オペレーターの教育が主な仕事なのだが、今回の件でオペレーターが不足していたため駆り出された。
艶やかな黒髪と丸い眉が特徴的なペッローの女性で、鞭を操る前衛オペレーターだ。
あまり前線に出ることはないが、訓練は人一倍しているだろうし、何よりもドクターの指揮がない今回の戦場では頼りになる指揮官だ。
「そこは俺がカバーに入ります。多少は時間を稼げるかと」
「……マガツ、お前は補助オペレーターだ。サベージや私が担当するのが常道だろう」
「サベージほどの殲滅力はありませんが遅滞戦闘なら俺の方が分があります。教官には現場での指揮を行って欲しいです。クオーラと俺で敵を受け止め、マトイマルとサベージが横合いから撃退し、ジェシカとヘイズが援護、ガヴィルが後方支援、ドーベルマン教官が指揮と全体のサポートが今回のメンバーでは最適解かと」
「……そういえば、お前は割とやれる奴だったな――いいだろう、それでいこう。ただし、マガツはサベージとペアで組め、マガツが抜かれたらすぐに交代できるようにしろ。マトイマルはクオーラの方だ。他の穴は私がカバーする」
「了解」
「それと、今は作戦行動中だ。教官ではなく一オペレーターとしてここにいる。敬語も教官呼びも不要だ」
「……了解、ドーベルマン」
機内アナウンスがちょっともしないうちに流れる。残り五分もしないで救難信号付近に到着らしい。
ひりつくような戦場の雰囲気が機内にも流れてきているように感じた。
――戦場は廃墟となった街の近くだった。
オリジニウムの採掘場を中心に発展した街だったらしいが、枯渇して廃墟となり、人が住まなくなったゴーストタウン。
地質学的調査を行っていたロドスの職員が急襲されたらしい。
廃墟の街中に拠点を設置しており、そこを襲われたとか。
急襲してきた勢力は不明だがおそらくはレユニオンであるだろうとのこと。
「ぶっ倒す!」
マトイマルが大薙刀を襲い掛かってきた暴漢に向かって振り下ろす。
ガードしようとした警棒らしき武器ごと左袈裟切りに切り払われ、暴徒は倒れ伏す。
救難信号を発信していたロドスの職員とは直ぐに合流できた。
しかし、撤退時を狙っていたのか直ぐに顔を隠した暴徒たちの集団に囲まれることになり乱戦にもつれ込む。
廃墟の市街地にはすぐさま血の匂いが漂った。
戦場に来ると、血の匂いを嗅ぐと、動揺するより冷静になる。
種族柄か、それとも俺の頭がおかしいのか、或いは鉱石病の影響か。
そのどれかは分からないが、生存率を上げているので助かっている。
前世の俺だったら卒倒しているようなスプラッタでも正気を保てるのだから。
「手加減はしませんよ!」
ジェシカが敵の足元を打ち抜き、無力化していく。
見晴らしのいい高台から狙っているとはいえ、よく足をピンポイントに撃ち抜けるもんだ。
人数の差で負けている俺たちは市街地に逃げ込んで敵の侵入経路を制限した。二方向のみに経路を限定しそこで救援が来るまでの、或いは退避が終わるまでの
廃墟を高台として使いジェシカとヘイズはそこで援護を、俺とクオーラで敵を防ぎながらマトイマルとサベージが遊撃し敵を撃滅する。
概ね作戦通りことは進んでいるが、如何せん数が多いことと救援がだいぶ遅くなりそうで持久戦の体をなしていた。
「
力が抜けていく感覚とともに、黒い靄のような浮遊する物体が俺の周囲に現れる。
俺のアーツはアーツでできている靄のような疑似生命を召喚する。
モケケピロピロと俺が呼称するその疑似生命は、俺の命令に従って敵にまとわりつく。
モケケピロピロに纏わりつかれると生命力を吸い上げられ、一時的に体を硬直させる。
疑似生命であるためか、長いこと存在できず雲散霧消してしまうし、消費も激しいから召喚できる数も限りがある。
それでも足止め役は十分に果たしてくれるし、一度命令すれば消えるまで従ってくれるのでこちらもフリーに動ける。
ただまあ、こいつらを召喚すること以外のアーツを俺は使えないので、補助オペレーターなのに俺は近接戦闘をしなければならない。
頭が熱い。ムズムズする。
アーツを使うといつもは隠れているものが出てきそうになる。
別に隠しているわけじゃないけど、出ても利点がないので引っ込んでほしい。
「救援はどれくらい?」
サベージがハンマー担ぎながら尋ねる。
「早くても30分はかかるそうだ」
ドーベルマンが抜けてきた敵を鞭を使って捕縛しながら、サベージに返す。
ひゅるん、という音ともに鞭が一人の暴漢の首に絡みつきギリギリと音を立て締め上げる。
数秒して敵の動きが止まりだらんと地面に倒れ伏す。
えげつねー。
「そんなんじゃ、持たない、わよっ!!」
サベージが複数の敵を纏めてハンマーで打ちのめす。
数が多い。
装備はボロイが偶発的な遭遇のように感じられない。
組織だって計画されたような様相がある。
ガウッ、と一匹犬が抜けてきて跳びかかってくる。
咄嗟に左手を間に入れると、そのまま噛みついてきた。
犬とは言え感染生物。油断していると痛い目に遭う。
レユニオンがよく使う感染した野犬に機械を引っ付けて制御しているのと酷似している。
「マークこそないが、レユニオンの襲撃でほぼ確定、かっ!!」
受け止めた左手の籠手に牙が食い込むが、その程度では突き破れないだろう。
アーツの制御が下手な俺のためにロドスが貸し出した自動的にアーツでの保護膜を張る籠手だ。
むしろ、犬の牙が抜けなくなり動きが止まって好都合。
右手に持った鉈型の武器で犬の首を刎ねる。
ズガッ、という鈍い音ともに綺麗に首は跳んでいく。
流石は呪われているという曰く付きの鉈である。
さっさと手放したいが、こういった斬った張ったがある仕事場では頼りになるからいかんともしがたい。
「っ!!ゴメン!!仕留め損ねたっ!」
サベージが俺の様子に気が付いて謝ってくるが、手を振って無事を伝える。
モケケピロピロが消えていることに気が付き、再びアーツを発動させる。
「
さて、この余裕のない均衡がどこまでもつか。
少なくとも30分は持たないだろうなと、密に俺は覚悟を決めていた。
――事態が急変したのは10分程度経ったくらいのこと。
「マズい!重装兵が一体突っ込んでくるぞ!!」
高台にいるガヴィルが声を荒げる。
「クオーラ、受け止めろ!!ヘイズとマトイマルは援護に迎え!!」
ドーベルマンの指示が飛ぶ。
あの重装兵は見たことがある。
ロードローラーとか呼ばれてた奴で、銃弾ものともせず障害物をふっとばすような勢いて突進してくる。
重装オペレーターでもないとあの突進を受けきれまい。
クオーラがソイツ一体にかかりきりになり、慌ててマトイマルがフォローに回る。
向こうの余裕が消えた。
ここでもう一発来られたら――
「もう一体来ます!!」
ジェシカの悲鳴のような声が響く。
俺とサベージがいる経路の真正面からクオーラの方へ来た重装兵と同じ格好の敵が突っ込んでくる。
「きゃっ!!」
サベージがハンマーを振り下ろす前に吹き飛ばされ俺の方へと一直線に向かってくる。
「チッ」
ここが正念場か。
やるしかないか。
悪いが覚悟は決まってる。
「マガツ!!くそっ。邪魔だ!!」
ドーベルマンがこちらに駆け寄るがクオーラの方から抜けてきた敵に妨害される。
こっちに来るな。
人数がいてどうにかできる相手じゃない。
俺はポーチから錠剤の入ったケースを取り出して、一番大きいものを三つ飲み込む。
鈍痛剤。
多少は痛みに鈍くなる。
即効性が強いが副作用もキツい劇薬だ。
継戦で頬についた切り傷から血を拭って両手を合わせ、アーツを発動する。
「
体中の血が抜けていくような感覚。
それは錯覚であって錯覚ではない。
俺の手の平から零れていく血が、地面に落ちると黒く濁りだす。
ダバダバとあからさまにおかしい量の黒い液体が掌から溢れ出し、足元に水溜まりを作り出す。
その水溜まりは大きくなって蠢きだし、徐々に十四尺を超えるような巨大な人型へと変貌する。
頭の皮膚を破って、俺の鬼としての種族的特徴である角が飛び出てくるのが分かる。
たらりと血が流れてきて、口元まで伝う。
鬱陶しい。
「行け、マガツカミ」
■■■■■!!
と、声にならない声を上げてその異形は動き出す。
突っ込んできたロードローラーを受け止め、押しつぶさんとする。
ロードローラーも力には自信があるのだろう。
しかし、それは祟り障る穢れだ。
蝕むように生気を吸い取っていく。
へたり込むようにロードローラーは地面に膝をつく。
人間に勝てるような存在ではない。
そして同時に俺も膝をつく。
こいつは容易に出していい存在ではない。
魂ごと全てを持っていかれるような強烈な虚脱感と、全身の血管が破裂するような耐え難い痛みに襲われる。
痛みは薬で鈍くしているが、虚脱感は直ぐに回復できるものではない。
というか、指一本動かすのも困難だ。
「せいあー!!」
サベージがハンマーをロードローラーに叩きつける。
鈍く人体が破壊される音が響く。
「大丈夫?」
にっこりと、サベージが笑ってこちらを向く。
一先ずの危機は過ぎ去ったか。
俺はアーツを解除してサベージにサムズアップを送る。
さて、これで終わるといいんだが。
「今治療してやる!!」
ガヴィルが高台から声を上げる。
頼む、と振り返ろうとするときにチラリと視界に光が見える。
それは反射の光。
日光が鏡や金属によって跳ね返った光。
虚空で光は反射しない。
その反射の場所はサベージの真後ろ。
それがなんだか分かる前に俺はサベージを突き飛ばす。
「へっ?」
サベージを庇う俺の背中に鋭い痛みが走る。
同時に焼き付くような熱も。
虚空に現れたのはナイフを装備した兵士。
仮面をつけフードを被るのは他の暴漢と似ているが、やけにゴツイ機械を背負っている。
ステルス兵。
アーツを使い完全に接近するまでその存在に気づけない、レユニオンの兵士の一つ。
「……か、
二度もマガツカミを使って大丈夫とは思わない。
けれどそれ以外に延命できる方法もない。
ケルシ―先生にはそもそもマガツカミを使うなとも言われているが。
ま、女の子庇えたなら十分か。
力が奪われる感覚。
現れる巨体の異形。
グチャリとステルス兵が潰された音を聞いてから、俺は地面に倒れ伏した。
誰かが近寄ってくる足音。
揺さぶるのはやめてくれと、意識が遠く。
音が聞こえなくなった、と思ったころには俺の意識は暗転した。
偶にはこういうシリアス回も面白いかなって。
アークナイツだし多少はね。
ていうか、何故か日刊ランキングにいてびっくり。
あとハーメルンの集計早過ぎない?
意味のない用語解説
しちの名をとばして:知ってる人は知っている。知ってる人とは作者は友達になれそう。今回の話とは無関係。
ロードローラー:人に投げてはいけない。吸血鬼がよく使う。
マガツカミ:本物ではない。本物を呼び出したら更地になる程度では済まない。
マガツ:補助オペレーターだが近接戦闘もできる。スラムとスラムを抜けた後の荒んだ生活のせいで戦闘経験は豊富。人の言いつけを守らない節がある。
出して欲しいオペレーターは?
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皆が持ってる初期キャラ中心で
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かわいくて強い高レアリティだ!!
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漢!!!!
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作者の好きなように
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オペレーターではないキャラを出して欲しい