転スラ世界に転生して砂になった話   作:黒千

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 ミリム【37話 獣王国の使者】9歳
 リムル【44話 使節団交流①】9歳
 ディアブロ他【77話 宴へ向けて】12歳
(メインキャラ/目次何話頃の話か/レトラ外見年齢)


(小ネタ集② ミリム/リムル/ディアブロ他)

 

 ①ミリム【37話 獣王国の使者】

 

 テンペストに居付いてしまった魔王ミリムは、今ではすっかり魔物の町に馴染んでいた。

 朝はいつものようにリムルの庵に集まって三人で朝食を取り、それが終わると「それじゃ俺は仕事だから……レトラ、頼んだぞ」と言い残し、リムルがそそくさといなくなる。

 

 本来なら俺にもリムルの補佐という国相の仕事があるのだが、最近の基本スケジュールは専らミリムの遊び相手だった。いいけどさあ。もう少し食休みをしたら、今日もミリムと町に繰り出して……フラフラと遊び歩くだけではなく、せめて町の各所の見回りくらいはしようと思っている。

 

 出掛けるリムルを見送った後、ミリムは庵の縁側に腰掛け、お気に入りの蜂蜜を舐め始めた。

 俺もその隣に座って、食後のデザートタイムに付き合っている。

 

「んー……! 甘いのだ……幸せなのだ……」

 

 瓶から掬って一口舐めては、ミリムは足をバタバタさせてご満悦だった。

 俺はそんなミリムを眺めながら考える。

 

 もしもの話、ミリムの食欲が旺盛過ぎて蜂蜜が足りなくなれば──ミリムがそんなことで暴れ出すような問題児ではないと思いたいが、必要なら俺がこっそりと蜂蜜を作ってやろうと思う。

 オリジナルから取得した構成情報を用いれば、完璧な同質体を『造形再現』可能で、食味や食感、栄養価まで何もかも同じものが出来上がる。本物と見分けが付かないと言うより、それはもう本物なのだ。

 こんな能力を持っていると知られると面倒事が起きそうなので秘密にしておけと、リムルに言われるのも納得のチートスキルだよな……『砂工職人(サンドクラフター)』。

 

「この蜂蜜は本当に美味いのだ! レトラは食べないのか?」

「俺もたまに、リムルに貰って食べてるよ」

 

 蜂蜜を食べたくなったら、リムルに言うようにしている。断られたことはない。

 俺が自分で蜂蜜を作って食べないのは、砂から作って、食べて砂にして、砂から作って……という、俺一人で完結してしまうサイクルがあまり好きではないからだった。砂さえあれば俺はこの世界と関わる必要が無い、と証明してしまうようで虚しいからな。

 

「ふっふっふ、ならばワタシのを分けてやろう」

「え? いいよ、それはミリムの蜂蜜だろ? なくなっちゃうぞ」

「だがこんなに美味いもの、レトラと一緒に食べたいのだ!」

 

 ミ、ミリム……! 良い子じゃないか……! 

 "破壊の暴君(デストロイ)"のイメージ的には、お気に入りの蜂蜜を独り占めしてもおかしくないキャラだと思っていた俺の了見が狭かった。ミリムに俺の能力を知られたら、蜂蜜工場にされるかもしれないとかほんの少し警戒していたけど、失礼もいいとこだったな……! 

 それじゃあ一口分けて貰おうかなと思った俺に、ミリムが蜂蜜を差し出してきた。

 瓶から掬い取った蜂蜜を。

 

 …………ん? 

 どういうことかな、ミリム? 

 俺に向かって突き出している、その蜂蜜の絡み付いた指先は何だ? 

 …………舐めろってか? 

 

「アウト!」

「何がだ?」

 

 何がじゃない! いくら天真爛漫なお子様でも、やって良いことと悪いことがある! 俺は一体どういう扱いなんだよ……友達の指は舐めないだろ、常識で考えて……

 

「どうしたレトラ? 甘くて美味しいぞ!」

「…………」

 

 ミリムは自分がやっていることの異様さには気付いていないようだった。まるで他意のない、ただ単に美味しいものを親友(マブダチ)と一緒に味わいたいというだけの、純粋な期待に満ちた瞳が俺を見つめている。

 正面切っては断り切れず、俺は両手でそっとミリムの手を捕まえた。

 そしてそれを、口元へ持って行く──

 

 ただし、ミリムの口元へ。

 ちゅ、と自分の指を咥えて蜂蜜を舐め取ったミリムが、思い通りの展開にならなかったことに対してか、むうと頬を膨らませた。そんな顔してもダメなものはダメだ、俺が犯罪者になる。

 

「ワタシの蜂蜜は要らないと言うのか? リムルからは貰っているんだろう?」

「いや別に、そんな風に食べさせて貰ってないし……リムルはいつもこうしてくれるよ」

 

 俺は『分子操作』を使って、ミリムの持つ瓶の中から一粒の蜂蜜玉を浮かび上がらせた。

 パチクリと瞬きをしたミリムの視線が、宙に浮かぶ黄金色を追う。

 

「ミリム、あーん」

「む?」

 

 言われるまま、ミリムは雛鳥よろしく口を開けた。

 俺は蜂蜜玉を操作して、可愛らしい小さな口にそれをポイと放り込む。

 美味い? と尋ねると、口を閉じて、モム……とじっくり蜂蜜の味を堪能する様子だったミリムが、やがてぱあっと表情を輝かせた。

 

「何だか、さっきよりも美味いのだ! レトラ、もう一回して欲しいのだ!」

「OKっと……ほら、あーん」

 

 あ、気に入ったみたいだな。

 俺に蜂蜜を舐めさせようという思い付きは、綺麗に忘れてくれたようで何よりだ。

 その後もミリムのアンコールは続き、ぱか、と口を開けて笑顔で待機するミリムの口にせっせと蜂蜜を運ぶという、親鳥か何かの気分を味わった俺だった。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 ②リムル【44話 使節団交流①】

 

 国主リムルを筆頭に、重要職に就く者達が勢揃いする幹部会議。

 今回の議題は、以前から建設に着手してはいたものの、国で最も重要な建物となるために議論が尽きず、なかなか工事が進んでいない──執務館についてだ。

 

 とりあえずリムルの案では、完成予想図はホワイトハウス風となる。

 リムルにそう言われて理解出来るのは、ここには俺しかいないわけだけど。

 

 執務館らしくスッキリと機能的に、それでいて、どっしりと荘厳に。

 要するに役所ということなら俺もそういうのが良いと思っていたけど、一部からは声が上がった。

 執務館とは言うが、そこにはリムルや俺の私室もあり、王宮としての役割も果たすのだと。今後、国外の重鎮を招き会談を行う場としても、他国に後れを取ることのない圧倒的な外観を備えるべきという意見だ。

 

 そう訴えるのは建設・製作部門の総監督であるカイジンと、補佐のミルド──ただしミルドは喋らない──そしてアドバイザーとしてリムルに呼ばれた、ドワルゴンの貴族の出であるベスター。

 起立したベスターが、元大臣としての観点から意見を述べる。

 

「リムル様。国政の中枢を担う執務館は、贅を凝らした造りにしなければなりません。外交において他国に軽んじられてしまう可能性がございます」

「それはわかるんだけどなー……俺はあんまり派手なのは好きじゃないんだよ」

 

 リムルはホワイトハウスも充分豪華と言いたいんだろうけど、ここは異世界だからな。王宮、宮殿という意味だったら、少しシンプルに思われてしまうのかもしれない。

 幹部達は皆、難しい顔をしていた。リムルの意見を最優先させるのは当然だが、リムルの宮殿が立派であるべきなのも当然……どうすれば……という葛藤だと思う。

 

「と、とにかくこちらの図面をご覧ください」

 

 ベスターの指示で、ミルドが貴重な大判の紙を取り出す。

 リムルへと渡された何枚かの図面は、隣に座っている俺からも見えた。

 建築や芸術に明るいミルドが描き起こしたんだろうか? そこにはリムルの案を元にして、外観を煌びやかにアレンジした執務館が描かれていた。嫌味でなく品のある感じで悪くないなと思っていると、リムルが『思念伝達』をリンクさせたことで幹部達にも同じ情報が行き渡る。

 

 この世界のスキルって便利だとは思うけど……リムルが言うところの建築図面、建物を外から見た立面図や、各階を真上から見た平面図からだと、イメージが掴みにくいな。

 …………あ、そうだ。

 

「はい」

「何だレトラ?」

「俺、ジオラマ作ってみようか?」

「ああ、いいな。やってくれ」

 

 不思議そうな顔をする面々に、模型だよと答えて俺は手を掲げる。

言承者(コタエルモノ)』に図面を『解析鑑定』してもらい、その演算補助を受けてサラサラ……と机の上に降り注いだ砂が、執務館周辺の景観も含めたジオラマを作り上げて行く。

 相変わらずすごいなとリムルが笑った。リアル3Dプリンターですから。

 

「その図面から大体作ってみたけど……カイジン、ミルド、ベスター。思念リンクするから、追加出来る箇所があったらどんどん思い浮かべて。外装でも内装でも、全部『造形』するよ」

 

 これぞ『砂工職人(サンドクラフター)』の有効活用。頭の中の完成図をそのまま現実に形作る脅威のスキルだ。

 その後、机の上に現れた内部まで精巧な箱庭は、大好評を博した。

 

「こうしてみると何と見事な! リムル様に相応しい執務館となるでしょうな」

「リムル様の過ごされる宮殿ですもの、最高の質を目指すのが道理ではないでしょうか」

「玄関前の広場もいいな。ここに部隊を集めて整列させたら、壮観だぞ」

 

 皆ノリノリになってきた。順調にベスター達の意見へと傾いて行っている。

 やっぱり実際の形を視覚的に捉えることが出来るというのは大きいんだろう。

 

「レトラ様、お力添えに感謝致しますぞ。これならばリムル様にもご納得頂けるでしょう」

「いや大したもんだぜ、レトラ坊。ここまで出来るとはなあ……」

 

 どうもどうも。ちゃんと再現出来て良かったです。

 そしてリムルだが、まだ乗り気ではないようだった。外交的には見栄が肝心というのは事実でも、リムルは必要以上の派手さを好む性格じゃないしな……

 

「確かにいいデザインだが、ここまでしなくても……他に意見のある者はいるか?」

 

 リムルの問い掛けに、ピッと真っ直ぐ伸ばされる手。シオンだった。

 指名を受け、シオンが力を込めて発言する。

 

「私も賛成します! リムル様に相応しいこの宮殿には……レトラ様の名を付けましょう!」

「えっ!?」

 

 俺!? 宮殿の名前!? 

 そんな話してたっけ!? 

 

「良い考えではありませんか、やはりここはレトラ様の名を冠するべきです! 中央都市リムルの懐にて、最も厳重に守られる、最も美しい中枢宮殿なのですから! どうですか皆さん!?」

 

 まさか酔っ払ってんのかってくらいの勢いで(そんなはずはないが)、シオンが興奮しながら立ち上がり、自ら挙手する。何故だか場はそのまま決議の流れとなり、皆は真剣な顔で頷きながら、俺にはやけに軽く見える手を次々と上げていった。

 

「異議なし」

「異議なし」

「異議なし」

「リムル!?」

 

 真顔でしれっと紛れんな! 

 ついていけない俺を除いた賛成多数で、シオンの提案は可決された。そしてあれよあれよと言う間に、執務館には"宝宮レトラ"と名付けられることが決定してしまったのだった。

 

「決まりだな。さて、カイジン」

「お……?」

「"宝宮レトラ"の名に恥じぬよう、最高の品位を誇る世界随一の宮殿として完成させてくれ」

「おうよ! 任せてくれ旦那」

 

 おい……おいリムル! さっきと態度が180度違うんですが! 

 さては、町の名前を"リムル"と名付けた時に、「レトラの名前も入れて欲しい」とかいう無駄な提案を俺が封殺して、強引に命名まで持って行ったことを根に持ってるな? 大人げない……! 

 

「レトラ様。この模型をお預かりしてよろしいでしょうか?」

「あ、ベスター。いいけど……」

「どうぞ御期待下さい。世に二つとない最上の宮殿を、必ずやご覧に入れて見せますぞ!」

「ありが……とう……?」

 

 皆がやる気に満ち満ちている……テンション高すぎるだろ。

 もしかするとこれは、ワーカーズ・ハイとかそういうやつだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 *****

 

 

 ③ディアブロ他【77話 宴へ向けて】

 

 クレイマン討伐のための会議を終え、長い長い一日もようやく終わりに近付いていた。

 思えば俺は今日、ゲルドと一緒にハイオークの集落から魔国へ帰ってきて、ヴェルドラと再会して、人魔会談が開かれて、ラミリスによる魔王達の宴(ワルプルギス)開催の報せがあって……何だこの濃さ! 一日が濃密すぎる! 

 

 しかもしかも、会議が終わったからってまだ何も片付いてはいないのだ。

 むしろここからが本番で、明日にはもう二万の兵がクレイマン軍との戦のためにユーラザニアへ出発する。今日は夜通しその準備が行われることになるだろう。リムルはユーラザニアの避難民の件で出掛けているので、魔国に残って情報を管理するのが俺の役目だ。

 

「あ、ディアブロ」

「レトラ様」

 

 報告を受けながら執務館をあちこち行き来している途中、ディアブロを見掛けた。

 二人だけで話すのは初めての機会と言ってもいい。

 

「ディアブロも、明日にはファルムス王国へ向かうんだったな。準備はどう?」

「滞りなく。昼過ぎには()()を積んで、ヨウム殿達と出発する予定です」

 

 あっ、聞きたくないやつだった…………

 その()()とは誰と誰と誰のこと──いいや、知らない振りをしておこう。

 

「テンペストに来たばっかりなのに、早速出張なんて大変だと思うけど……」

「いえ、リムル様直々の御命令、光栄に思います。私で御役に立てるのでしたら喜んで」

 

 本当はリムルの傍に仕えたいだろうに、偉いなあ。

 うーん、俺もディアブロとは仲良くしたいけど、それはまた今度でもいいかな……まずは俺のことより、何かディアブロのために役に立ちそうなことが出来たらいいんだけど……

 

「──そうだ! ディアブロって、まだ皆のことよく知らないだろ? 明日からそれぞれ遠征で会う機会が減るだろうし、今のうちに幹部達を少し紹介してもいい?」

「それは助かります。御心遣いありがとうございます、レトラ様」

 

 ニコッとディアブロが微笑む。嫌がられてはいないようだ。

 ディアブロにはリムル第一過ぎるところがあるけど、同じくリムルに仕える同僚達とはうまくやって行きたいと思っているはずだ。皆は、ディアブロの実力含めて少し近寄り難い雰囲気があると思っているかもしれないし……これが仲良くなるきっかけにでもなれば、良いことなんじゃないかな? 

 俺は早速、廊下の向こうに見付けた顔に声を掛ける。

 

「リグルド! 忙しいのにごめん、今ちょっとだけ時間良い?」

「レトラ様、どうなさいましたかな?」

 

 リムルの配下になって日の浅いディアブロに、少しだけ皆のことを紹介したいと話すと、リグルドは快く了解してくれた。流石のコミュ力で、和やかにディアブロと会釈し合う。良い空気だ。

 では! と俺はディアブロに向け、リグルドについて一言添えた。

 

「ホブゴブリンのリグルド。リムルと俺が守護者になったゴブリン村で村長やってて、俺達がすごく信頼してる古株の一人だよ。村の頃から統治を任せてて今は宰相になったけど、人望があって勉強熱心で、皆のまとめ役として本当に頼りになるんだ。礼儀正しいし、筋肉も格好良いし。リムルの国作りに関してはリグルドがほぼ把握してるから、ディアブロも何か困ったらリグルドに聞くといいよ!」

 

 間違いない。リグルドは頼りになる男なので、やることが何となく過剰なディアブロは、たまにはリグルドに相談するなりして方向性を確認して動いて欲しいかな。

 ドヤ顔でリグルドを紹介した俺は、二人から反応がないなと気付いて視線を上げる。ディアブロがどこか呆気に取られたような顔をしていて、その反対側ではリグルドが──

 

「レトラ様っ……わ、私のことを、そのように評価してくださると……!?」

「え、泣いてる!? 本当のことだし、別に泣かなくても……」

「このリグルド、感激でございます……!」

 

 まったくもう、リグルドは涙脆いな。ほら、ディアブロも驚いてるよ……

 リグルドはディアブロに、我等が主のため共に命の限りお仕え致しましょう……! と力強く声を掛け、濡れた目元を拭いながら仕事へ戻って行った。

 

 よし、じゃあ次は……と、ポーションの搬入の件でやって来ていたガビルを呼び寄せた。

 さっきと同じ流れで、ディアブロにガビルを紹介する。

 

龍人族(ドラゴニュート)のガビル。蜥蜴人族(リザードマン)の首長の息子で、戦闘センスはあるし能力や耐性も高いし、ガビルの部下達は皆ガビルを慕ってるから部隊の統率も取れてるし。それにガビルは器用で、ずっと前からリムルが推し進めてるポーション研究を担当してきた成果が認められて、最近開発部門を任されて幹部に抜擢されたんだ。コツコツ頑張ってきて、今じゃ魔国に必要な一人になったすごい奴だよ」

 

 うんうん。ディアブロは、魔国の特産品であるポーションを広めるために力を注いでくれるはずだ。ガビルとも協力して、ウチのポーションをどんどんと世に売り出して行って欲しい。

 ガビルは初めポカンとした顔で俺を見つめた後、何だか……じーんとしたような……感極まったような涙目になっていた。いやそんな、リグルドじゃないんだから。

 

「お、おおお……レトラ様! 我輩、今日と言う日を一生忘れませんぞ……!」

「大袈裟だって。ガビル達は明日出陣だろ? 頑張ってね!」

「ハッ! 今ならば、誰にも負ける気がしませんな!」

 

 では今後ともよろしく頼みますぞディアブロ殿! と、ガビルはバサァと格好良くマントを翻し、部隊の様子を見に行くと言ってその場を去った。まあ、ちょっと調子に乗りやすいところはあるけど、ガビルの心配はしていない。ガビル達が強いのは、もうわかっていることだからな。

 さて次は……誰か来てないかな…………あ、クロベエいた! 

 

妖鬼(オニ)のクロベエ。"刀鍛冶"として、リムルの刀や俺の麗剣を作ってくれたのはクロベエだよ。そういえば、最近またリムルと楽しそうに盛り上がってたよな? 今度は魂喰い(ソウルイーター)の剣だっけ、どんどんすごい武器造れるようになってるよな。魔国産の武具も有名になってくると思うし、これからも期待してるよ。あと、クロベエは抜群の癒し系だから一緒にいると安心するしね……ちょっと撫でて!」

 

 皆を紹介していたら気分が良くなってきて、俺のテンションもおかしかったかもしれない。

 特にクロベエは俺の我侭を聞いてくれるタイプなので、つい無茶振りしてしまうな……クロベエは人の良さそうな困り顔で笑いながら、俺の頭を撫でてくれた。

 

「いやぁ……レトラ様に褒めて頂けると、照れますだなあ」

「クロベエ達のお陰で皆の装備が整ってるからね、いつもありがとう」

「レトラ様が見ていて下さるんなら、オラ達はもっともっと頑張れますだよ」

 

 クロベエはディアブロに、それぞれお役目は違うけどもお互いに頑張るべ、ととても朗らかに笑い掛けて、武具の配給についての指示に戻って行った。

 あんまり紹介に時間を掛けても邪魔になるだろうし、まずはこのくらいで……と、ディアブロを見上げた俺はギョッとする。そういえば先程からやけに静かになっていたディアブロは、頭痛か目眩でも起こしているかのように額に手を当て、必死に何かに耐えていた。

 

「えっ……ディアブロ!? どうした、大丈夫? 具合悪い?」

「い、いえ、私が未熟であるだけのこと……大変貴重なお話、羨ま……いえ、参考になりました……」

 

 声震えてるけど……何で死にそうになってんの……? 

 ディアブロはヨロヨロしながら、レトラ様……と絞り出すように俺を呼ぶ。

 

「い、いつかは私も、レトラ様に御紹介を賜ること叶いますよう、励みたく存じます……!」

 

 …………だ、誰に紹介しろと? 

 

 

 




①あーんは兄から教わった件
②リムルのブラコン芸
③まだそんなに仲良くないので仕方ない

※今回で一旦更新を停止します(活動報告8/1参照)
※まずはここまで、ありがとうございました!

追記:活動報告(11/17)で簡単な調査を行っております。よろしければご協力をお願いします。
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