リリカルBASARA StrikerS -The Cross Party Reboot Edition-   作:charley

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【前回までのリリカルBASARA StrikerS】

全ての屍鬼神達を退け、いよいよ残す敵は宇喜多秀家だけとなったラコニア市内の戦い…

追い詰められた政宗を巣食うべく、なのはは実戦で使用したことのない幻のフォーム『ゼロレンジフォーム』を解禁し、秀家に接近戦を挑む…!

エース・オブ・エースと豊臣五刑衆第四席……果たして最後に立つのはどっちか…!?

家康「リリカルBASARA StrikerS 第六十五章 出陣だ!」


第六十五章 ~ラコニア総力戦!戦いの終わりと運命の交わり~

はあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!

 

ザシュッ!!

 

鋭く唸るシグナムの愛剣 レヴァンティンが、空を引き裂くように走った。

瞬間、秀家が召喚した二体の雅舎髑髏が、断末魔も上げる暇なく両断され、粉塵とともに霧散する。

戦いの場にほんの一瞬、静寂が訪れる――。

 

しかし、それは束の間の休息だった。

 

ドォンッ――!!

 

突如、別方向から響いた重低音の爆音が、戦場の空気を震わせる。

なのはが交戦していた方角から、赤と白が混じった魔力の奔流が吹き上がり、空間をねじ曲げながら広がっていた。

 

その光景を目にした瞬間、シグナムの顔に焦りの色が浮かぶ。

 

「…なのは!?」

 

焦燥を滲ませたその声に、思わず反応するようにフェイトの声が届いた。

 

「シグナム!」

 

その声と共に、瓦礫を跳び越えて仲間たちが集まってくる。

先頭に立つフェイトの背後には、家康、スバル、ティアナ、そして幸村の姿があった。全員、衣服に戦闘の痕を残しながらも無事だった。

 

「テスタロッサ! 大ムカデ達は!?」

 

シグナムの問いに、フェイトが頷きながら答える。

 

「大丈夫。なんとか全て駆逐できたよ。そっちは今、どうなっているの?!」

 

フェイトの問いかけに、シグナムは険しい顔で空を見やった。

今なお、戦いの余波を示す魔力の残滓が空中に揺れている。

 

「…あまり芳しくはない。政宗が宇喜多に手傷を負わされ、今はなのはが奴と交戦しているのだが…」

 

「政宗殿が…手傷を!?」

 

幸村が驚愕の声を上げ、家康の表情もわずかに揺らぐ。

政宗程の強者が傷を負わされたという現実は、誰にとっても衝撃だった。

そして…それほどの強敵を相手に、あれだけの爆発を誘発する程の激闘を一人で奮戦しているなのはの安否にフェイト、スバル、ティアナも顔に心配の色が浮かんだ。

フェイトは一瞬だけ拳を握りしめた。しかしその衝動を抑え込み、すぐに仲間たちの顔を見渡して、強い瞳で前を向いた。

 

「……行こう!」

 

その言葉と共に、彼女は爆発の起きた方角に向かって風を裂くように滑空を始める。続いて家康、スバル、ティアナ、幸村もそれぞれ地を蹴り、彼女の背を追った。

 

 

 

 

彼らの眼前――徐々に晴れていく黒煙と砂塵の向こう、視界の奥に二つの影が浮かび上がる。風に舞う煤煙が風紋となって宙に消える中で、まず輪郭を露わにしたのは、崩れた石柱の傍に、半壊したレイジングハートを持って立ち尽くす一人の少女だった。

焦げついたバリアジャケット、破れた袖口、細かく裂けたスカートの裾――。満身創痍の高町なのはは、魔力刃を砕かれながらも、なお地に膝をつくことなく、その小柄な体で地面を踏みしめていた。

 

「……っ、は……はあっ……!」

 

荒い息遣いを漏らしながらも、彼女の双眸はまだ闘志を宿している。顔には汗と血が滲み、傷だらけの腕が震えている。だが、その姿には崩れも退きも見えない。まさに、すべてを出し切った戦士の姿だった。

 

「なのは!」

 

フェイトが叫び声と共に駆け出しかけた、その瞬間――

なのはの数メートル後方、石屑に背を向けるようにして立っていたもう一人の影が、ゆらりと揺れる。

宇喜多秀家。彼の法衣は無惨に裂け、右肩には深く抉られたような傷痕が口を開けている。左手に握られていたはずの長笛は、中心から真っ二つに折れて地に転がり、白く砕けた破片が砂上に散っていた。

 

「………僕の……負けか…」

 

声はかすれ、かろうじて聞き取れるほど。彼はその場にゆっくりと膝を落とし、顔を俯ける。

肩が小刻みに震えていたが、痛みによるものではなかった。その表情は奇妙なほど無感情で、敗北への悔恨すら表に浮かんでこない。

なのはは数歩後ずさるようにして振り返り、依然としてレイジングハートを構えたまま、淡々と宣言する。

 

「宇喜多秀家……時空管理局施設襲撃及び、非合法の魔法生物行使、ならびに広範囲に渡る大規模破壊活動の現行犯で、貴方を逮捕します」

 

厳粛で、冷静な声だった。疲労で膝が崩れそうになりながらも、彼女は真っ直ぐ立っていた。

 

「……………」

 

秀家はなのはの宣告を聞いてもなお、目を閉じたまま反応を示さない。ただ、沈黙の中で何かを感じ取るように微かに首を垂れる。

 

「なのは! 大丈夫!?」

 

フェイトが叫びながら駆け寄る。なのははその声に顔を向け、血に濡れた頬でかすかに微笑んだ。

 

「私は大丈夫。それよりフェイトちゃん。早くあの子にバインドをかけて」

 

「……わかった」

 

フェイトは一瞬ためらいながらも、すぐにバルディッシュを構え直し、魔力を練って拘束術式を起動しようとする。

――その瞬間だった。

秀家の袈裟の下にぶら下がる長数珠の一粒が、突如として紫紺の光を放った。鈍く光る珠は、一拍置いて脈打つように光を強め、その中心から細かな亀裂が走り出す。まるで封じられていた意志が解き放たれたかのように、珠は紫電のごとき魔力を放射し始めた。

 

「えっ――!?」

 

フェイトの目が見開かれる。その声が届くより早く、光の奔流が弾けた。

 

数珠の中心から現れたのは、小型の屍鬼神――。

だが、これまで秀家が操ってきた禍々しき異形とは明らかに異なっていた。

灰と墨の入り混じった三毛模様に、ずんぐりと丸い体躯。ふくふくとした尾をぴんと立て、短い足でちょこちょこと地を踏む姿は、まるで愛玩動物そのものだった。

 

 

――――ごめんなさい……! でも、ここで貴女達に捕まるわけにはいかないんだ……!――――

 

 

唐突に、清らかで切なげな「声」が頭の内側に響いた。

正確には、声ではない。それは念話のような、魂に直接触れる“思念”だった。

 

「……今の、まさか……あの屍鬼神…?! からの……!?」

 

なのはの額に汗が滲む。

その言葉に答える間もなく、猫型の屍鬼神は地を転がるようにして秀家の足元へと駆け寄った。

 

ごろごろ、ごろごろ…

 

一転して、猫は無邪気な風情で秀家の周囲を転がり始める。その身体からは青白い霞のようなオーラが漏れ出し、やがてそれが竜巻のような螺旋を描きながら周囲の大気を巻き込み、猛烈なつむじ風を生み出した。

 

「――しまった!!」

 

フェイトが咄嗟にバインドを構築しようと詠唱に入るが、風の奔流が魔力式を乱し、障壁のように働いて術式が弾かれる。

 

「バインドが通らない!? これは……魔力結界……っ!」

 

風はさらに強さを増し、砂塵と煙を天高く巻き上げた。その中に、秀家の姿はかろうじてぼんやりと見えている。

 

「フェイト殿! 秀家は!?」

 

「まだあの中にいる……けど、このままだと――!」

 

家康の声に応えながらも、フェイトの額には焦燥が浮かぶ。

その横をすり抜けるように、スバルが飛び込もうとするが――

 

「うっ……進めない……!」

 

風は奔流となって彼女の体を押し戻し、靴の裏が地面を擦る。

その刹那、風の中心――本来いるべきはずの秀家の気配が、ふっとかき消えた。

 

「……っ!? ……いない……!? まさか――!」

 

風が散った瞬間、そこにはただ、三毛猫型の屍鬼神が一度こちらを振り返り、静かに姿を溶かすように消え去る姿だけが残されていた。

 

「……逃げられた……っ!」

 

フェイトが拳を握りしめる。

無念と苛立ちが混じった声が、風が止んだ静寂の中に滲んでいく。

しばしの沈黙ののち、力尽きたように、なのはが膝をついた。彼女の体は限界を超えていた。

 

「なのは!!」

 

「なのはさん!!」

 

フェイトとスバルがすぐに駆け寄り、その肩を支える。

 

「……にゃはは……ごめん。ちょっと無理しすぎた……かも」

 

その笑顔は、苦しげでありながらもどこか達成感を滲ませていた。

怒りも、悔しさもなく、ただ一つの使命をやり遂げた者の、それは静かな表情だった。

 

「ほんとだよ…心配かけて…。けど、生きててくれてよかった……」

 

フェイトの声は祈るように、優しく響く。

その手が、確かに今もなのはの体温を感じていることに、彼女は心からの安堵を覚えた。

 

「政宗殿!」

 

「大丈夫か、独眼竜!」

 

一方、少し離れた場所では、幸村と家康が政宗のもとに駆け寄っていた。

政宗は傷だらけの身体を引きずりながらも、2人の肩を借りてなんとか立ち上がる。

 

「……この通り……なんとか生きてるぜ。ったく…この俺がここまで手痛くやられたのは……久しぶりだ……!」

 

「政宗さん! 無事でよかった……!」

 

なのはの声に、政宗は痛みを堪えながらも、フッと小さく笑った。

 

「No duh。にしても、まさかお前にpinchを救われるとはな。Thank you、なのは……」

 

「ううん。本当は、あの子を捕まえられてたら完璧だったんだけど……そううまくはいかない、か」

 

なのはの表情に苦笑が浮かぶ。

だが、それはどこか清々しさすら宿す、前を向いた笑顔だった。

――そのとき。

 

「おーーーーい! 兄ちゃーーーん!!」

 

「うるせぇな! 一応、怪我人なんだから大声出すなよ成実!」

 

不協和音のように元気な声が、戦場の余韻を打ち破る。

奇策な戦術で大ムカデの被害を食い止めるのに奮闘した成実を抱えたヴィータがこちらに向かって飛んでくるのが見えた。

 

「なのはさーーん!! みなさーーん!!」

 

「無事ですかーーーーー!?」

 

反対側の空からは、巨大化したフリードの背に乗ったエリオとキャロの姿も見える。

その顔には安堵があり、傷は負っていながらも、みな五体満足だった。

 

「Ha…! まあ、いいじゃねぇか。何にしても、Partyは…終わったんだ……!」

 

政宗の口元が再び緩む。その言葉に呼応するように、なのはの笑顔も、ようやく心からのものへと変わった。

 

 

 

 

気がついたとき、秀家の視界には、先ほどまでの瓦礫と炎に包まれた市街地ではなく、青黒く沈む深い森の風景が広がっていた。空はどこまでも静かで、枝葉の隙間からわずかにこぼれる月明かりが、まだ戦いの余韻を宿す彼の肩を優しく撫でる。立ち上がり、あたりを見渡してみても、なのはたちの姿は影も形もない。人の気配すら、微塵も感じられなかった。

 

背後に目を向ければ、夜明けの近い夜闇の下、幾筋もの黒煙が立ち上るラコニアの街が、遠く霞んで見える。その光景から察するに、今自分がいるのは、街外れの山中――

市街の喧騒から隔絶された、まるで異世界のような静けさに包まれた場所だった。

 

「……そうか。君が、僕をここまで運んでくれたんだね――“脛擦(すねこすり)”」

 

ぽつりと、独り言のように名を呼ぶと、秀家の眼前に淡い淡水色の魔光が静かに収束しはじめた。やがて光は形を成し、猫のような、そして球のような姿をした屍鬼神(しきがみ)――あの窮地で現れた小さな守護者が、その姿を現す。

 

八郎! 大丈夫!? 今、すぐに癒してあげるから、じっとしてて!

 

屍鬼神 脛擦(すねこすり)は心配げな声を上げると、ためらいなく秀家の胸元へと飛び込んでいく。

その瞬間、優しい輝きが秀家の全身を包み込んだ。右肩に深く刻まれた傷をはじめ、あちこちに刻まれていた裂傷や打撲が、光に洗われるようにして瞬く間に癒えていく。

やがて治癒の光が収束すると、脛擦は再び秀家の身体からふわりと浮かび上がった。

 

とりあえず、傷は塞いだけど……体力の消耗が激しいよ。やっぱり、あんな短時間に何度も屍鬼神を憑依・現界させるなんて無茶だったんだ

 

「……………」

 

その忠言に、秀家は黙して耳を傾けた。

表情は淡々としていて、感情の波を伺わせるものはない。

 

脛擦は少し間を置いて、ふと声を低くする。

 

それに……八郎が制御しようとしていたあの”魔竜“…。繰駆足(くりからで)をあれほどまでに暴走させるほどの力を有してるなんて、正直、ボクも驚いた。……もしあのまま押し切って、魔竜をそのまま連れ帰れたとしても、きっといずれ八郎自身が呑まれていたよ。あれは、そういう力だよ……

 

「……それでも、僕に課せられた西軍の将として役目ならば……抗う理由はないさ」

 

淡々と、けれどどこか諦観を帯びた声音でそう返す秀家に、脛擦は小さな体を跳ねさせながら声を荒げた。

 

もうっ! 八郎は本当に、自分に無頓着すぎるんだから! それだから関ヶ原でも、ミッドチルダ(ここ)でも、危ない任務ばっかり背負わされる羽目になるんだよっ!

 

「……所詮、僕は“使われる”ために生まれた身……。宇喜多の家でも、豊臣でも……。僕の意志が、何かを決めたことなんて、一度でもないからね……」

 

その言葉はまるで、感情を持たぬ機械のように淡白だったが、その裏には、何か決定的な喪失があることを思わせた。

脛擦はその小さな瞳でじっと秀家を見つめ、哀しみに染まった声で言う。

 

八郎……

 

けれど、秀家の表情は変わらない。ただ、空虚で、無機質で……けれどどこか、ひどく孤独な色を帯びていた。

 

……とにかく、本陣に戻ったら、しっかり身体を休めて。じゃないと、本当に倒れちゃうよ! ボク、そんなの嫌だ……。八郎の亡骸を依り代にして現界するなんて、絶対にしたくない……!

 

「……わかったよ」

 

素直に頷いたその顔に、変化はなかった。

だが、ほんの一瞬――その口元が、わずかに、釣り上がったようにも見えた。

 

「それよりも……君は早く戻るべきだ。君が現界するのを、烏天狗達は快く思っていないからね」

 

……うん。でも、言っても無駄かもしれないけど……八郎。少しは自分の身体のことも、大事にしてよ

 

脛擦は秀家をじっと見つめると、やがて光の粒子となって、その姿を空に溶かしていく。

 

……少なくとも、ボクは烏天狗達みたいに人を殺したり、暴れたいとは思っていない。八郎のことを、ちゃんと心から案じてる。そして、いつかきっと、ボク以外にも八郎のことを大切に思ってくれる人が現れる。そう信じてるから……

 

そう静かに言い残すと、脛擦は淡い光の珠へと戻り、静かに空間に溶け込んだ。

脛擦の姿が淡い光粒となって完全に消え去ったのを見届けると、秀家はゆっくりとその場に立ち上がった。未だ身体に残る痛みと疲労を押し殺しながら、彼は足元の柔らかな腐葉土を踏みしめて、薄暗い森の中へと歩を進めていく。

その瞬間、足元の大地が淡く発光し始めた。

静かな森の一角に、突如として転送用の魔法陣が出現する。光の環の中心に揺らめく空間の歪みから、異様な気配と共に二つの人影が姿を現した。

 

一人は、全身を幾重もの包帯で巻きつけた異様な風体の男。担ぎ手のいない浮遊する輿に乗り、その姿には人ならぬ威圧感が漂っている。もう一人は、雅な和服に身を包み、まるで花魁のように艶やかな風情を漂わせた女。美しさと妖しさが絶妙に混ざり合ったその姿は、見る者に得体の知れぬ威圧感を与える。

 

二人の姿を目にした秀家は、躊躇なくその場に膝をつき、深々と頭を垂れた。

 

「……大谷様。……皎月院様」

 

 彼の声は平静でありながら、どこか凛とした敬意が滲んでいた。

 

「珍しいこともあるものであるな。秀家、ぬしともあろう者がここまで手こずるとは……」

 

浮遊する輿の上から、男――西軍総大将石田三成の軍師にして西軍の参謀 大谷吉継が、包帯の隙間から覗く赤黒い眼光を鋭く光らせ、秀家を見下ろしながら言った。

その隣で、皎月院と呼ばれた女がキセルの先から甘くも妖しげな煙をくゆらせながら、艶然と笑みを浮かべて続ける。

 

「奥州伊達軍の政宗・小十郎・成実(三幹部)に加えて機動六課の隊長陣…その上、徳川や真田の後援も入ったとなっちゃ…流石のあんたでも一人で相手取るには荷が重かったってわけかい? 屍鬼神の軍勢を従える不滅の遣い手でもさ」

 

その言葉に対し、秀家は表情一つ動かさぬまま、懐から金属とガラスでできたアンプルケースを取り出した。

竹筒ほどの大きさのそれには、赤黒い血液が満たされており、その中心には鱗のような黒い物体が静かに浮いていた。

 

「ご所望の品です……古代竜(アルハンブラ)の生き血と組織片、確保いたしました」

 

「ほう、これは見事。あれほどの激戦の最中によくぞ手配できたな」

 

大谷が感嘆交じりに呟くと、秀家は静かに応じる。

 

「……『万が一の事態に備えて、常に最低三策は構えよ』と教えてくださったのは、大谷様ご自身です」

 

その言葉に、大谷の目が微かに細められる。一方で、皎月院はアンプルケースを受け取りながら、なおも毒を含んだ声音で秀家に語りかける。

 

「わちきとしては、生きたままの古代竜を届けてほしかったところだけどねぇ……ま、あの魔竜の力を考えれば仕方ないさ。あんたの脛擦(お節介な屍鬼神)が言ってた通り、あれは、ちょっと禁術を齧ったくらいの術者程度で完全に把握しきれるような代物じゃない」

 

「……盗み聞きがお好きなようで…」

 

秀家の声が僅かに皮肉を含むが、皎月院は涼しい顔で肩をすくめた。

 

「怒るんじゃないよ。わちき達だって、この世界での初陣を頑張った豊臣の最高幹部を迎えに来てやったんだ。ちょいと内輪の話を聞いてしまったことぐらいご愛嬌と思っておくれよ」

 

「これこれ、うたよ。そう手負いの功労者を誂うではない。此度のわれらの策は一先ず“及第”の出来で果たせたのだ。まずは純にこれを祝して然るべきであろうて」

 

大谷が嗜めるように語ると、皎月院は小さく笑い、片手をパチンと鳴らした。

その音と共に、地面に再び魔法陣が展開される。先ほど彼らを運んできた転送陣とは異なり、今度は秀家をも包み込むように、その範囲を拡大していく。

 

「では、アジト(本陣)へ戻るとしよう。向こうに着いたら、三成への報告と、ぬしとスカリエッティらとの顔合わせもあるゆえな」

 

「……御意に」

 

秀家の声音は変わらず淡々としていたが、その瞳には僅かに影を孕んだ光が揺れていた。

やがて魔法陣の光が三人を覆い尽くし、再び世界の摂理を歪めるようにして空間がねじれる。次の瞬間、彼らの姿は光の渦の中へと消え去り、深き森には静寂だけが残された――。

 

 

 

 

まさに青天の霹靂の如く街に降りかかった未曾有の厄災――それは夜明けを迎える頃、ようやく終息を迎えた。

東の空が白み始め、次第に朝陽が街並みを照らし出すと、あらためて目の前に広がる光景の凄惨さが、現実として突きつけられる。

古代竜アルハンブラの襲来。そして、宇喜多秀家によって召喚された数多の人外なる怪異、屍鬼神の跳梁――

それらがもたらしたラコニア市街地の被害は、一言「甚大」と表現するにはあまりにも軽い。

市内中心部、特に広場を中心とするエリアでは、約四割の建造物が倒壊または全焼。確認されているだけでも死傷者は百名を超えていたが、なのはは、それが氷山の一角にすぎないことを察していた。

 

それは、彼女が戦闘中に訪れたR7支部隊の隊舎――あの光景を目の当たりにした時点で確信に変わっていた。

屍鬼神によって蹂躙されたその痕跡は、もはや「壊滅」という言葉でも足りないほど無惨なものだった。

そして後に、市内の警邏隊による現地調査で、R7支部隊の事実上の全滅が確認されたと報告が届く。

その報に、なのはの胸中に重く沈んだのは、悲しみと同時に――あの部隊を寵愛していたセブン・コアタイルがどのような反応を示すか、という新たな懸念だった。

 

一方で、戦いが去った後の街では、所轄の陸士隊が中心となり、負傷者の救護や都市機能の再構築に向けた復旧作業に追われていた。

なのはたち機動六課も、行動可能なメンバーは陸士隊と連携し支援に回っていたが、戦闘により重傷を負ったなのは、政宗、成実、そして古代竜の呪詛により魔力を封じられたシグナムは、市内最大の総合病院の庭に設営された臨時救護所のテント内で、医務官による処置を受けていた。

 

「政宗様。宇喜多との戦いでお怪我を負われたと聞いた時は肝を冷やしましたぞ。この小十郎…右目としてお仕えする者として、何と詫びて良いやら…」

 

深々と頭を垂れて謝罪する片倉小十郎。彼自身も戦いの傷が深く、右腕はギプスで固定され、左手の甲や頬にはガーゼや包帯が痛々しく貼られていた。その無数の傷痕が、今回の戦いがいかに激しいものであったかを物語っていた。

 

「Don’t worry。今回は俺がヤツの手の内を読みきれなかっただけだ。お前が気に病むことじゃねぇよ」

 

政宗の声はどこまでも涼やかだった。

医務官の診断によれば、彼の傷は軽度であり、数日安静にすれば問題はないという見立てだった。事実、今も政宗はベッドには横にならず、胡坐をかいた姿勢で平然と受け答えをしている。帰還後にはシャマルによる再診も予定されているが、現時点で彼の容態は安定していた。

 

「それにな。俺がこの程度で済んだのは、なのはのおかげだ。こいつが来てくれてなきゃ、今ごろこの残った片目すらヤツに食われてたかもしれねぇ…そうだろ、なのは?」

 

そう言って政宗は隣に立つ少女――包帯で覆われた姿の高町なのはへと目をやった。

 

今回の戦いで最も深い傷を負ったのは、間違いなく彼女だった。

使い慣れないゼロレンジモードをぶっつけ本番で発動したこと。アルハンブラとの連戦で魔力も尽きかけた中、更なる極限戦闘を強いられたこと。そのすべてが、心身に苛烈な代償をもたらしていた。

治癒魔法の限界を超えた損傷により、しばらくは包帯の世話になる生活を余儀なくされる――それが医師の見立てだった。

 

「にゃはは…。改めて感謝されちゃうと、ちょっと照れるなぁ…」

 

はにかみながら笑うなのはの言葉に、政宗の隣でじっと控えていた小十郎が、ふいに膝を折るようにして頭を垂れた。

 

「いや……今回ばかりは俺からも礼を言わせてくれ。高町。政宗様を…俺の代わりに守ってくれたこと。この片倉小十郎、深く感謝する…」

 

「小十郎さん…」

 

今回の見合いの話を機に、どこか刺々しい態度を見せていた小十郎が、真正面から感謝の言葉を述べた。

それは、なのはにとって意外な反応であり――同時に、どこかくすぐったくも誇らしい気持ちが胸に広がっていくのを感じていた。

 

「なのは。あの堅物の小十郎がお前にここまで素直に礼を言うなんて、滅多にねぇLea Case(レアケース)だぜ。ありがたく、受け取っときな」

 

「そ、そうかなぁ…?」

 

政宗の茶化し混じりの言葉に、なのははさらに頬を赤らめて、こそばゆそうに笑った。

 

「そ、それで…。成実君の様子はどうかな?」

 

気恥ずしさから話題を変えるようになのはが尋ねると、政宗と小十郎は顔を見合わせてから、同時に肩を竦めて笑った。

 

「Ha…! あいつ、大ムカデに噛まれたくせして、治癒魔法なんて必要ねぇみたいな振る舞いだぜ。救護所の炊き出しのオートミールを腹一杯食っておいて、『これじゃ血が足りねぇ!』って今度は鰻だのチョコだの要求してるらしい。あげく兄貴(小十郎)の野菜を寄越せって駄々こねて、ヴィータを困らせてるとさ」

 

「まったく…どんな構造してたら、あんな傷でも食えば治るのか……身内ながら理解に苦しむ…」

 

なのはも思わず吹き出し、くすくすと笑い声を漏らす。

 

「……それで、シグナムはどうなんだ? 古代竜の呪いは解けたのか?」

 

「うん。アルハンブラと、それを操ってたムカデが倒された後から、少しずつリンカーコアの反応も戻ってきてるって。今夜くらいには、完全に魔力が回復するみたい」

 

「そうか…よかった…」

 

小十郎が深く息を吐いた、その時だった――。

 

「なのは。ちょっといい?」

 

救護テントの入口から、フェイトがリインフォース(ツヴァイ)を伴って姿を現す。

ふたりの表情にはどこか張り詰めたものがあり、明らかにただ事ではない空気を纏っていた。

 

「フェイトちゃん、リインも、どうしたの?」

 

「うん、それが……」

 

フェイトは歩み寄ると、そっと耳打ちで何かを囁く。

それを聞いたなのはの顔に、一瞬、驚きの色が浮かんだ。

 

「えっ!? 星杖十字団(せいじょうじゅうじだん)のR3支部隊が…!?」

 

「はいです。ザイン少将の命で、機動六課(わたしたち)の任務を引き継ぐ為に来たって話してるみたいなんですが……でも、さっきリインがはやてちゃんからの通信で聞いた話だと、どうもそれが――」

 

その先の言葉は、政宗や小十郎の耳には届かなかった。

だが、なのはの口から零れた「R3支部隊」「任務の引き継ぎ」という言葉だけで、彼らにも嫌な予感がじわじわと広がっていった。

 

「……わかった。とりあえず、私とリインで応対してみる。フェイトちゃんは政宗さん達のこと、お願いしてもいい?」

 

「うん。けど、なのは達だけで大丈夫? ただでさえ、なのはは怪我してる身だっていうのに……」

 

フェイトの声には、親友を案じる不安と葛藤が滲んでいた。しかし、なのはは静かに首を横に振り、気丈な微笑を浮かべる。

 

「私は平気だよ。今は体より立場の方が重い時。リインの話が本当なら、ここでうまく帳尻を合わせておかないと、ザイン少将に余計な口実を与えることになる。私が穏便に済むように話を持っていってみるよ」

 

その言葉に一片の迷いもなく、なのははリインフォースの先導で静かに救護テントを後にした。その背中を、フェイトはしばし見つめ続ける。

 

「フェイト。今度は一体何があったんだ? さっき、ちらっと例の、セブン・コアタイル(あのバカ息子)星杖十字団(太鼓持ち共)の名前が出てきたが……」

 

政宗の声には、抑えきれない苛立ちが含まれていた。

それを受けて、フェイトは険しい面持ちのまま、静かに口を開いた。

 

「それがね……」

 

言葉を選びながらも、フェイトは端的に状況を説明する。

つい先ほど、ラコニア市内で救護活動を続けていた陸士隊の元に、星杖十字団から増援として派遣されたR3支部隊が到着したという。

そして、その隊長が烈火のごとく憤慨しながら、「機動六課の者をここへ呼べ」と怒鳴り込んできたのだと。

 

「おいおい…まさか宇喜多のBoyに潰されたR7支部隊の代わりに、今度はそのR3支部隊が、あの見合い騒動の尻拭いってわけか? こんな街が大変な時だってのに、連中は尚も俺に因縁つけようとでも言うのか? どこまで空気の読めねぇ連中だよ、まったく……!」

 

政宗は頭をかきむしるようにして悪態をついたが、その隣で小十郎がふと、フェイトの表情に何か違和感を覚える。怒りでも困惑でもない――それは、確信の持てぬ不穏さだった。

 

「……違うのか?」

 

「うん、違う……というより、それよりも、もっと厄介な話かもしれない」

 

フェイトの声は低く、そして硬かった。感情を抑えているが、内側に張りつめた緊張と苛立ちが滲む。

 

「どういうことだ?」

 

小十郎が眉をひそめて問い返すと、フェイトは一瞬視線を落とし、わずかに唇を噛むようにして言葉を選んだ。そして、ゆっくりと顔を上げた。その瞳の奥には、彼女が背負った報せの重みと、それを告げる責任が宿っていた。

 

「さっき、やっと本部との通信が復旧したんだけど、そこではやてから信じられない話があったの……。私達が宇喜多秀家や魔竜アルハンブラと死闘を繰り広げていた、まさにその最中に……地上本部統合事務次官、ザイン・コアタイル少将から、命令が届いていたって」

 

「ッ……!? ザイン・コアタイルだと!?」

 

小十郎の声が一段高くなり、空気が一瞬張り詰める。

 

「確かそいつは……」

 

「そう。なのはの見合い相手、セブン・コアタイル准陸佐のお父さん…」

 

フェイトの話を聞いた政宗が眉をしかめ、毒を吐くように言葉を吐き出す。

 

「つまり、コアタイル派(あの胸糞の悪ぃ選民思想掲げた連中)のBossか…そいつがまた、何を仕掛けてきたってんだ?」

 

フェイトは重く頷くと、はやてが回線で告げてきた、あまりに理不尽で、不可解なザインからの命令の内容

――そしてそれがもたらす深刻な意味を、二人に語り始めたのだった。

 

 

ラコニア救護所の裏手、野次馬や民間人の目を避けたその場所で、なのははリインと共に正面に立つ壮年の男の苛烈な視線を真っ向から受け止めていた。

バリアジャケットの上に纏うローブの意匠も威圧的な深緑色。魔力を帯びた制帽に、鋼鉄のような声音。

彼の名はジンガー・グリマルディ三佐―――

星杖十字団R3支部隊を率いる指揮官にして、ザイン・コアタイル統合事務次官直属の軍政官だ。

 

だが、なのはの声は揺るがなかった。

 

「……ですから、何度も申し上げている通りです。つい先程までラコニア一帯の通信網は完全に遮断されていました。六課としても、ザイン少将の命令を知ったのは、ついさきほど、通信が復旧してからなんです」

 

静かに、しかし毅然とした口調で言い切る。

それに対して、ジンガーは顔をしかめ、声に露骨な苛立ちを滲ませた。

 

「だがな、高町一尉。君たちの言葉だけで全てを納得しろというのも、我々としては荷が重い。仮にも我が部隊は、地上本部司令部より正式な派遣を受けた特命部隊だ。上への報告一つ取っても、軽々に信用するわけにはいかんのだよ」

 

彼の目は、冷えきった氷のようだった。あらかじめ結論ありきの問いかけ。すでにこちらを“罪あり”と見ている者の目だった。

その鋭い視線にリインは完全に萎縮してしまっていた。

 

「ザイン閣下からは、こう命じられていた筈だ。――“機動六課の全隊員は、ただちに前線より退却せよ。R3支部隊到着までの間は、標的である古代竜の監視と行動の抑制に徹すること”。そして到着以後は――“当件の捜査権はすべて星杖十字団に移譲され、六課は一切の関与を禁ずる”……と、な」

 

「………」

 

なのはの表情から感情は読み取れない。だがその手には、わずかに力がこもっていた。

 

「……ところが、だ」

 

ジンガーが一歩踏み出し、その声に皮肉が滲む。

 

「我々が満を持してここに到着したとき、件の古代竜『アルハンブラ』はすでに“機動六課の手により討滅済み”であると。……これはどういうことだ、高町一尉?」

 

牛革製の軍靴が地面を鳴らす音が、静かな空間に不穏な響きを残す。

 

まるで、この遅れてきた客人が、既に終わった舞台に無理矢理割って入り、座長を罵倒しているかのような構図だった。だが、なのはは決して怯まなかった。

 

「それに我々も、散々君達には通信で同様の命令を直接繋ごうとした。ところが、誰からも一向に応答もなく、散々焦らされた挙げ句に、到着してみたらこのザマだ…。これでは我々としても面目が立たないではないかね」

 

ジンガーの声には、皮肉とも嘲笑ともつかぬ響きが含まれていた。だが、その目に宿るのは己の面子と立場を傷つけられた者特有の怒りと苛立ち。それは彼にとって、街の被害よりも、自らの威信の方が重いと告げているようでもあった。

 

「そ、そんな…! 通信障害は私達のせいじゃありません! 大体、貴方達の面目なんて私達には関係ないで……なのはさん?」

 

リインが憤りに任せて声を荒げようとした瞬間、隣に立つなのはが軽く首を振り、静かに彼女の言葉を制した。

その所作は優しくも断固としており、リインもすぐに口をつぐむ。

 

なのはは、ジンガーの怒りの矛先を正面から受け止めるように一歩前へ出た。その双眸は冷静な光をたたえ、だがその奥には、確かな信念の炎が揺れていた。

 

「命令の疎通が上手くいかず、結果的にザイン少将の命令に背く形になったことはこちらの不手際として認めましょう。ですが、私達としても、R3支部隊(あなたたち)の到着を待っていたら、それこそ街の被害を更に広めることになったものと思っています」

 

その言葉は、言い訳ではなかった。あくまでも事実と結果に基づいた判断の説明。そして、そこに含まれるのは市民の命を守ろうとした者としての誇りだった。

 

「…それはあれか? 我々の出動が愚鈍だったとでも言いたいのかね?」

 

ジンガーが目を細め、鋭く睨み返してくる。語調は静かだが、怒気がにじむ声音に場の空気が一瞬だけ張り詰めた。

 

「決してそのような事は思っていません。しかし、貴方達が想定している以上に、あの古代竜は非常に強力であり、そして獰猛なものでした。その上、その古代竜を操っていた今回の事件の首謀者もまた、我々も非常に対応に難儀する程の力量を持っており、放っておけばさらなる被害が生じていた事は間違いありません」

 

なのはの言葉には、一切の誇張も虚飾もなかった。

ただ、眼前にあった地獄を正しく語ったに過ぎない。

 

「…報告にあった。“ウキタ・ヒデイエ”なる未知の術式使いの少年か…?」

 

ジンガーは、背後に控えていた部下の差し出す報告資料(ファイル)に目を走らせながら言った。その視線は冷ややかで、まるで興味も信憑性も持っていないと告げるようだった。

 

「…君も相当手ひどくやられたようだが…所詮はどこぞの管理外世界の辺境に伝わる珍妙なハッタリであろう。ミッドチルダの崇高な魔法術式に比べると取るに足りんよ」

 

「珍妙なハッタリって…!? 現にその“ハッタリ”に、貴方達の同僚であるR7支部隊は壊滅させられたのですよ!? その上、街にだってこれだけの被害が…!」

 

リインが憤然と叫ぶ。その瞳には驚きと怒り、そして呆れが混ざっていた。

あまりにも現実離れしたジンガーの認識は、もはや傲慢を通り越して狂信に近かった。

 

だがジンガーは、彼女の抗議に微動だにせず言い放った。

 

「ふん。大方、R7支部隊(リマック達)はセブン殿下のお気に入りという立場に胡坐かき過ぎて隙だらけだったのであろう。だから賊一人に寝首をかかれるようなマヌケな末路を辿ることになったのだ。それを我々『星杖十字団』の評判を貶める為に、例のウキタなる小僧が自分の都合の良い内容に改ざんして吹聴した…ということじゃないかね? 否…むしろ、機動六課(きみたち)が仕組んだとも考えられるやもしれん」

 

「そんな……ッ!? いくらなんでもムチャクチャですぅ…!」

 

リインの声がわずかに震える。正気を疑うしかないその論理の飛躍に、言葉を失いかけていた。

 

なのはは、そんなリインの横顔にもう一度、一瞬だけ視線を送り、再びジンガーの方へと向き直る。

その目には、いつしか確かな怒気が灯っていた。静かで、だが決して消えることのない炎のように、深く心の底から燃え上がるもの。

 

――まるで昨日、あの見合いの場で見せられた醜悪な光景が、再び目の前に蘇ったかのようだった。

R7支部隊の慢心…そしてジンガーの傍若無人な決めつけ……両者に共通しているのは、自らの立場と権威を絶対のものと信じ、現実すらもねじ曲げて正当化しようとするその態度。

そして、その愚かさを何より恐ろしく思うのは—…

こんな目の前で起きた現実すらも直視できず、自分の都合の良い解釈しかしようとしない愚者達が、何を根拠にしているかわからないが『地上最強戦力』などと信じて疑っていないことだった―――

 

「とにかくだ。君達は知らないだろうが、我々はザイン閣下より、もう一つ命じられている事がある」

 

ジンガーの言葉に、なのはとリインが息を飲む。彼はそこで一拍置き、ことさらに重々しい口調で続けた。

 

「――『万が一、機動六課が命令に背いた場合、以下の人物の身柄を早急に確保、拘束し、直ちに本部へと連行せよ』……『伊達政宗』」

 

「「ッ!?」」

 

耳を疑った。ジンガーの口から、あまりにも唐突に、あまりにも明確に告げられたその名に、なのはとリインの目が大きく見開かれる。

だが、動揺を胸の奥に押し込み、なのはは慎重に言葉を選びながら問い返した。

 

「……政宗さんを連行、ですか? 一体、どのような罪状で……?」

 

「君も知らんとは言わせんぞ。彼が昨日、我らがザイン閣下の御子息・セブン殿下に対して何をしたか――無礼千万な言動に始まり、R7支部隊を巻き込んでの武力抗争にまで及んだ狼藉の数々。管理局高官に対する反逆行為、公務執行妨害、そして暴行罪――この三つを以ってしても尚、弁解の余地があるとでも?」

 

「そんな……!」

 

リインが思わず声を張り上げる。だがジンガーは意にも介さず、続けた。

 

「本来であれば、奴は昨日のうちに拘束・連行されて然るべきだった。だがザイン閣下は、貴様ら六課への特別な“慈悲”として、撤退命令を以ってその代わりとしたのだ。それを拒絶したのは、他ならぬ君達自身……!」

 

リインが反論しようと口を開きかけたが、なのはは静かに首を振り、それを制した。

そして再びジンガーが声を強める。

 

「さあ、大人しく伊達政宗なる男のもとへ案内してもらおう。聞けば、ヤツも負傷して今は救護所で手当を受けているそうではないか? 抵抗する意思がないなら、協力すべきだ」

 

「…………」

 

だが、なのはは動かなかった。沈黙の中に、彼女の決意が鋭く研ぎ澄まされていく。

 

「どうした? 聞こえなかったのか? 高町一尉――早く案内しろ」

 

「………しません」

 

「なに……!?」

 

その言葉は小さく、しかし確固とした響きを持っていた。ジンガーの顔から嘲笑の色が消え、代わりに激昂の影が差す。

 

「今……なんと、言った?」

 

「政宗さんを……連行させはしません」

 

なのはは静かに、しかし一言一言に込めた強い意思とともに、ジンガーの視線を真っ直ぐに受け止めながら言い放った。

彼女のその言葉には、守るべきものへの確固たる信念と、理不尽に屈しない強さが宿っていた。

 

 

 

 

フェイトから事の顛末を聞かされた政宗は、もはやじっとしていられなかった。救護テントを乱暴に押し開けると、足を引きずるようにして外へと飛び出す。

 

「お待ちください、政宗様! ご無理をなされては、傷口が開きます!」

 

「そうだよ! それに今、政宗さんが出て行ったら、事態がさらにこじれるだけだって!」

 

小十郎とフェイトが必死に制止するが、政宗の足は止まらない。

痛みをこらえながら、怒りにも似た焦燥を滲ませて叫んだ。

 

「Don't stop!……あいつのことだ。相手がどんな奴らでも、きっと俺を庇って一人で無茶をしてやがるに決まってる! たとえ星杖十字団(コアタイルの子飼い共)が相手でも、なのはなら……絶対に引かねぇ!」

 

その瞳に宿るのは、悔しさと誇り。

そして――自分を「好き」と言ってくれた女性への強い信頼。

 

「……俺のせいで、アイツにこれ以上余計な重石を背負わせるようなことになったら……この奥州筆頭 伊達政宗の名折れってもんだ!!」

 

そう叫びながら、政宗は救護所の裏手に差し掛かる。

その時だった――

 

 

貴様ぁ! この期に及んでまだ我々に背くつもりか!? 奴は明白な“犯罪者”だ! それを庇い立てするとは、どういう意味か分かって言っているのかぁ!?

 

「「「ッ……!!?」」」

 

怒号が風を裂くように響いた。政宗、小十郎、フェイトの三人が思わず足を止め、顔を見合わせる。政宗は眉をひそめながら、声のした方へと静かに歩を進めた。

 

建物の陰に身を隠しつつ、その先をそっと覗き見ると――

 

やはり、そこにいた。

星杖十字団・R3支部の増援部隊と、真っ向から対峙するなのはの姿が。

傷つき、揺るがぬ意志の炎を纏ったまま、堂々と立ちはだかるその背中は、政宗が知る“なのは”そのものだった。

 

「……わかっています」

 

なのはは真っ直ぐ前を見据え、対峙する魔導師たちに一歩も引かずに告げる。

 

「ですが、政宗さんは――私たち機動六課の、かけがえのない仲間です。そんな人を、明確な証拠もないまま犯罪者として扱い、力ずくで連れて行くなんて……私たちは絶対に、黙って見過ごすわけにはいきません!」

 

声に迷いはない。彼女の言葉は鋼のように強く、そして優しかった。

 

「それに、聞いているのならわかるはずです。政宗さんは、命を賭けてこの街を守り、その代償として重傷を負い、今は休んでいる状態です。そのような人を…“犯罪者”呼ばわりして、無理矢理連行することが――星杖十字団(あなたたち)のやり方なのですか!?」

 

その非難は、明確に核心を突いていた。

相手の理屈では覆せぬ、道理の叫びだった。

 

口を慎め、高町一尉ッ!!

 

怒号と共に、ジンガーの苛立ちが剥き出しになる。彼の顔には、感情を押し隠す余裕すらなかった。

 

その場の空気が、刃のように張り詰める。誰もが悟る――

次に一つでも言葉を誤れば、この場は火花を散らす戦場へと変わると。

しかし、なのはは一歩も引かなかった。むしろ、その表情には確信の色さえ宿っていた。

 

「……ザイン少将が政宗さんの拘束を命じた。それは確かに、貴方方にとっては命令かもしれません。でも、それが“時空管理局”としての正式な手続きに即したものか、今一度お考えいただけますか?」

 

「なにを……?」

 

ジンガーが訝しげに眉をひそめる。

なのはは真っ直ぐに彼を見据えた。

 

「もし政宗さんがミッドチルダ…あるいはいずれかの管理世界の住人であれば、ザイン少将の下した“罪状”も、確かに正当性を持つでしょう。でも彼は違う。政宗さんは、この世界の住人ではなく、次元漂流者――特定不可世界から流れ着いた“来訪者”です。それに今は、私たち時空管理局・本局付きの実験部隊『機動六課』に、正式に委託された一員でもあります」

 

「な……!?」

 

ジンガーの目が見開かれる。

 

「現在の時空管理局の規則では、原則本局管轄下の委託隊員の監察は本局が担う筈です。ですから本来、六課の一員である政宗さんに対する拘束・連行措置は、六課(わたしたち)の後見人である本局のリンディ・ハラオウン提督、あるいはクロノ・ハラオウン提督の正式な裁定と許可を経るべきではありませんか? 現場の独断で、管轄外の人間…それも管理外世界の人間を“犯罪者”として扱うことは、時空行政法に反している可能性が高い――私は、そう認識しています」

 

「…………っ!!」

 

思わぬ盲点を突かれ、ジンガーの表情が歪む。

その顔には、怒りと焦り、そして一瞬の怯みが、交差して浮かび上がっていた――

 

「なのは……」

 

政宗は、自分を守るために格上の存在に臆することなく立ち向かうなのはの気丈さに、そして何より、自分に注がれるその強い想いに、深く感じ入っていた。

たとえ、どれほどの強者を前にしても、揺るがぬその心――

それはまるで、自らが誇る“竜”の矜持をも想起させる、真っ直ぐで力強い信念の現れだった。

 

(That's great…恐れ入ったぜ。なのは…)

 

その凛とした背中を見つめながら、政宗は思わず心中でそう呟くのだった。

 

 

だが、その静謐な一瞬を断ち切るように――

 

「隊長。残念ですが、この場合、高町一尉のお言葉の方が筋が通っているようです」

 

空気を切り裂くように響いたのは、誰のものとも知れぬ女性の声だった。

ジンガーが訝しげに振り返ると、彼の背後に控えていた星杖十字団の一団から、一人の女性が静かに歩み出る。

 

歳はなのはよりわずかに若く、18ほどか。

深い碧色の髪は高く束ねられたポニーテールにまとめられ、その身には星杖十字団特有の深緑のローブが纏われている。

整った顔立ちは凛然とし、赤い瞳には揺るぎない意志の光が宿っていた。

 

「……シルビア!? 貴様、この女の肩を持つ気か!」

 

ジンガーが声を荒げ、唾を飛ばして怒鳴る。

だが、“シルビア”と呼ばれたその女性は、冷ややかな瞳でなのはを一瞥すると、即座にジンガーへと視線を戻す。

 

「いいえ、違います。しかし、もし件の伊達政宗が本局の正式な管轄下にあるのだとすれば、我々が正規の手続きを踏まずに彼を拘束すれば、かえって本局との摩擦を招く危険性があると考えます。恐らくはザイン閣下も、その点を鑑みた上で指示を下されたのでしょう」

 

「な、なにぃぃ!?」

 

ジンガーの顔が見る間に赤く染まり、怒りと混乱が入り混じった声が迸る。

 

「恐らく閣下としては、六課側に命令を無視する余地がないと見越したうえでの布石であり、本来は威嚇や牽制の意味合いが強かったのでしょう。しかし、六課の返答は“外的要因による命令の不到達”――形式上は、命令違反とは認定されません。少なくとも、意図的な妨害行為の証拠がなければ…」

 

一拍の間を置き、シルビアは静かに言葉を継ぐ。

 

「そして何より、ザイン閣下は初めから逮捕や連行までは想定していなかったはずです。それにもかかわらず、裏付けも取らずに命令を鵜呑みにし、突っ走ったあなたの行動は……残念ながら、愚直を通り越して、もはや滑稽――」

 

えぇい! もういい、黙れ!!

 

ジンガーが怒鳴り、顔を怒りと屈辱で真紅に染める。

その目をなのはに向け、絞り出すように言葉を吐き捨てた。

 

「……今日は引き下がってやるが、これで終わりと思うな。お前たちがザイン閣下のご不興を買った事実は変わらん! コアタイル派(われわれ)を敵に回して、これからこの地上(ミッドチルダ)でのんびり歩けると思うなよ! せいぜい、夜道には気をつけるんだな!」

 

捨て台詞を残し、彼は踵を返して大股で去っていく。

慌てて他の隊員たちもその背を追った。

 

その光景を、シルビアは冷めた目で見送っていた。

 

「……全く。それこそまさに“脅し”でしょうに」

 

吐き捨てるように呟いた彼女は、なのはの方へとゆっくりと顔を向け、あくまで冷静な声で告げる。

 

「とはいえ、高町一尉。ザイン閣下の命令に含まれていた“これ以後の当事件に関する捜査権の譲渡”については、命に従い履行していただきます。それで異存はありませんね?」

 

予想もしなかった助け舟。

思わぬ方向からの展開に、なのはは一瞬、言葉を失っていた。

 

「……は、はい。わかりました。あの……」

 

「私は星杖十字団R3支部・分隊長、シルビア・スパシエール。階級は陸曹長。以後、お見知りおきを…」

 

「シルビア……?」

 

その名前に、どこかで聞き覚えがあるような気がしたリインだったが、今は思い出せず、考えるのを保留することにした。

 

「わかりました。では、後の対応はお任せします。スパシエール曹長」

 

「了解しました。では、これにて」

 

シルビアは静かに一礼し、踵を返す。

その背は威厳と冷静さを滲ませながら、やがてジンガーたちの後を、堂々たる足取りで追っていった。

 

「よ、よかったぁ……! 一先ず、なんとかなったですぅ……!」

 

緊張の糸が途切れた瞬間、リインフォースは安堵の吐息を漏らしながら、なのはの肩に、小さな体をもたれかかるようにして崩れ落ちた。

 

その時、物陰に身を潜めていた政宗たちが建物の影から姿を現し、なのはたちのもとへと駆け寄ってきた。

 

「なのは、大丈夫?」

 

「フェイトちゃん!? それに政宗さんたちも? どうしてここに?」

 

「お前が一人で R3支部隊(あいつら)とやり合うかもしれねぇって聞いてな。ま、心配になって来てみりゃ――どうやら取り越し苦労だったみてぇだな」

 

政宗は軽く口角を上げ、冗談めかして続ける。

 

「NiceなMouth Performanceだったぜ、なのは」

 

「そ、そんな…私も本当は内心焦ってたの。もしあのまま彼らと正面衝突してたら、どうなってたか……。シルビアって子が助け舟を出してくれなかったら、今頃……」

 

「シルビア…!? まさか、あの子が“氷華の君”…?」

 

フェイトが呟いた瞬間、リインが「あっ!」と何かを思い出したように声を上げた。

 

「どうしたの、リイン?」

 

「思い出したですぅ! シルビア・スパシエール――あの子、コアタイル派の秘蔵っ子ですぅ!」

 

「……誰だ、そいつは?」

 

政宗が怪訝そうに眉をひそめる。

 

「彼女は、はやてちゃんと同じく稀少な“凍結”の魔力変換資質を持つ魔導師ですぅ。そして魔法至上主義の強いコアタイル派にあって、剣術にも通じてるという異端の存在。なのはさんやフェイトさんに次ぐ若手エースとして、本局の提督方からも一目置かれてる実力者……それが“氷華の君”シルビア・スパシエール曹長――」

 

「……! そうか、それで私もどこかで名前を聞いた覚えがあったんだ……」

 

なのはが目を見開き、先ほどシルビアが去っていった方角に視線を向けた。

 

一方、政宗はどこか釈然としない面持ちで、シルビアの冷ややかな眼差しを思い出していた。

 

「……そんなヤツが、なのはに助け舟を出すとはな。どういう風の吹き回しだぁ?」

 

「コアタイル派にも、話の分かる人物がいる……そういうことなんでしょうか」

 

小十郎が控えめに問いかける。

 

「どうだか。何せあのセブン・コアタイル(バカ息子)の家の兵隊の一人だ。裏があるって考えるほうが自然だろうよ」

 

政宗は憮然とした表情で呟いた。

 

「しかし。ともあれ、貴方様の身の安全が確保できたことに、今は感謝すべきでしょう」

 

小十郎が静かに言ったそのとき――

 

「ハァ……まったくだな――ぐっ…!!」

 

政宗が突然、腹部を押さえて蹲った。

 

「政宗様!?」

 

「どうしたの!?」

 

驚いた小十郎となのはがすぐさま駆け寄る。政宗は顔をしかめ、脂汗をにじませながら自嘲するように笑った。

 

「……Shit。ちと無理に動いたせいか……傷が、少し開いたらしい……」

 

見ると、腹に巻かれた包帯がじわりと赤く滲んでいた。

 

「だ、だから無理をなさらないようにと、あれほど……!」

 

「い、急いで救護テントに戻そう!」

 

焦る面々の中、政宗は不機嫌そうに呻きながらも、彼らの肩を借りて立ち上がる。

こうして一行は、負傷した政宗を伴い、慌ただしくも足早に救護テントへと引き返していった――

 

 

 

 

傷が開いた政宗が救護テントへと運び戻された頃――

 

星杖十字団・R3支部隊は、救護所の出入り口で行き交う人々をかき分け、騒乱の痕が残る事件現場へと向かっていた。

その最後尾、物言わずに静かに隊列に従っていたのは、一人の少女。

“氷華の君”――シルビア・スパシエール。

 

彼女の足取りは静謐そのものだったが、周囲に漂う空気にはぴんと張りつめた緊張が走っていた。

無言の圧が、まるで彼女の存在を中心に周囲を覆っているかのように。

 

「……ちっ、あの小娘め……。余計なことを……!」

 

先頭を歩く隊長――ジンガーが、苛立ちを隠すことなく舌打ち混じりに吐き捨てた。

隣を歩く隊員が、小声で「落ち着いてください」と宥める。

 

「それより、ザイン閣下への報告は――」

 

「それを今考えてるんだ! いちいち聞くな、鬱陶しい!」

 

怒鳴りつけられた隊員は肩をすくめ、口を噤んだ。

ジンガーが一度苛立てば、その怒りが鎮まるまで下手に言葉を挟まぬ方が賢明であることは、部隊の誰もがよく知っている。

 

シルビアもまた、それを理解していた。

無用な軋轢を避けるように、一切の感情を排した表情のまま、淡々と足を運ぶ。

 

そして、その時だった――

 

「ふぅ……やっと陸士隊の手伝いも一段落だな」

 

「ええ。早く、なのはさんと政宗さんの様子を見に行かないと」

 

通りを挟んで向かってくる二人組――家康とスバル。

管理局の制服に身を包んではいるものの、その姿には先ほどの激戦の余熱がなお色濃く残っていた。

 

シルビアが、ふと歩みを止める。

氷のように澄んだ瞳が、二人の姿を捉えた。

 

「……」

 

「……?」

 

一瞬、視線が交差する。

言葉ではない。だが、確かに“何か”が交わされた。

 

それは、気配とも、直感とも呼べぬ、名状しがたい感覚――

本能が告げる。「この者は、ただの通行人ではない」と。

 

スバルが訝しげにシルビアを振り返るが、彼女が何を感じ取ったのかまでは窺えない。

そして家康もまた、その冷えた眼差しの奥に、なにか引っかかるものを覚えていた。

 

だが、それが何なのか――言葉にできるほど、思考は追いつかない。

 

ほんの一拍、遅れて。

彼らはそのまますれ違い、互いに背を向けたまま、それぞれの道を進んでいく。

振り返ることも、名を問うこともなく――

だが、その背中には確かに、“何か”が刻まれていた。

 

 

いずれ再び、交わる…!

 

 

そんな運命の糸を、互いの深層が無意識に感じ取っていた。

 

やがて彼らの姿は、救護所を行き交う群衆の中に溶けていき、ただ微かな風だけが、その場に残された。

 

 

 

それは、まだ遠くはない未来に起こる、

一つの宿命的な邂逅の、ほんの序章でしかなかった――

 

 




やっと…やっと宇喜多秀家戦に決着がつきました!!
皆さん、改めて3年近くも中途半端なところで停滞してしまいまして、本当にすみませんでした!!!(ジャンピング土下座)

いやぁ、書いてる自分でさえもちょっと感涙が出てきそうな思いすらします(「だったら、3年も放ったらかすな!」というクレームを飛ばしたい方…ごもっともです。はい!)。

さらに、リブート版における最大の改変点として、オリジナル版でも登場したスバルの宿命のライバル シルビアに先行登場していただきました。
といっても今回は顔見せ程度ですが…。

更に謎の多きリブート版秀家がどのように物語内で立ち回っていくか…幾つか伏線も敷いているので、お楽しみに!

なんとかこの調子で適度のペースを保ちつつ、連載を続けていける様に頑張っていきますので、今後も温かく見守っていただけると幸いです。

P.S.リリカルBASARA StrikerS キャラクター設定集(今作オリジナルキャラクター)           (https://syosetu.org/novel/232339/3.html)に宇喜多秀家を追加しました。
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