「おい。最近多発してるっていう女子高生誘拐事件、あれお前だろ」
「誘拐じゃないです。合意の上です」
義爛は何とも失礼な物言いをした。
私はここ暫く、吸血鬼の力を高めるべく吸血活動に邁進していた。
様々な年齢の女性の血を飲み比べていった結果、十五から二十の女性の血が好みだと分かった。
そこで私は街を歩く女子高生に、ちょっと良い事しませんかと声をかけ、適当な所に連れ込んでは血を貰っていた。
血を貰うと相手の方が盛り上がってしまう事が多々あり、そのままにしておくのも可哀そうなのでお手伝いをしていると朝を迎えた、なんてことがよくあった。
そのため最近は夜を明かす前提で場所を選んでいる。
まさか誘拐などと言われるとは。
「お前誘拐した奴を口封じもせず返すとか正気か?」
「自分の情事を嬉々として話しそうな娘なんて数人しかいなかったと思いますが」
「警察に聞かれりゃ答えるだろ…」
警察はまだ私を捕まえることを諦めていなかったらしい。
「お前警察に追われてるんだから。奴らは勤勉だ。舐めない方がいい」
「気をつけます」
「さて本題だが。死穢八斎會ってヤクザがある。そこに潜入してほしい」
「いやです」
「頼む。俺からの依頼だ。金もはずむ」
珍しい。義爛が食い下がってきた。
基本義爛は私に強く出ない。私の手綱を握っていたいからだ。
それが珍しくも依頼という形でお願いしてきた。
よほど大事な目的があるに違いない。
「お得意様の
「あいつらは八斎會と仲良くするつもりでいる。頼めない」
私は話を聞く姿勢になった。
「一先ず依頼の内容を詳しく教えてください」
「組長の安否の確認、それから若頭を殺害、あるいは失脚させてほしい」
内容を聞くに、ただこのヤクザを潰したい訳ではないようだ。
「理由は聞いてもいいですか」
義爛はそうだな、と一息おいて話し出した。
「俺はあそこの組長と仲良くしててな。昔気質で古くせぇ人だが、気持ちのいい人でな」
「その人と連絡がつかなくなったと?」
「まぁそういうことだ」
悪人だろうと人間、仲の良い人が音信不通になれば心配だろう。
「そんでその人が拾ったガキが今若頭になって組を仕切っていてな」
義爛は死穢八斎會の現状について、詳しく話し始めた。
「そいつが大分好き勝手やってる。組長の意思にそぐわねぇ仕事も始めた。なまじ組織力がある分、そこらの
義爛はその組長と相当仲が良かったようで。
「正直よそ様が何しようと口出しするつもりはないが、あそこは違う」
珍しく義爛は商人の顔ではなく。
「死穢八斎會は侠客であって
人間の顔をしていた。
間が空いたので一先ず一話だけ更新です。
キリのいい所まで書いて投稿するのでもう暫しお待ちください。