サー・ナイトアイ事務所二階、大会議室にて。
地方のマイナ―ヒーローからNo9ヒーローのリューキュウまで、大勢のヒーローが一堂に会していた。
その場には名門雄英高校の生徒が複数人、教鞭を取っているイレイザーヘッドもいた。
「えー、それでは始めてまいります」
ナイトアイのサイドキック、バブルガールの音頭で会議が始まった。
「個性を壊すクスリ、そン中に人の血ィや細胞が入っとった」
「つまり、娘の身体を銃弾にして捌いてんじゃね?ってことだ」
「今度こそ必ずエリちゃんを…!保護する!!!」
「それが私たちの目的になります」
サー・ナイトアイは死穢八斎會の拠点候補となる土地のヒーローを集めていた。
土地勘がなければヤクザの拠点調査は難しいからだろう。
「随分慎重やな!回りくどいわ!」
ファットガムが吼えた。
今もその子は泣いているかもしれないと。
「回りくどくする必要があるのです」
冷静な返答をするサー・ナイトアイ。
しかし続く言葉は重々しかった。
「事態は最悪へと流れています」
「運び屋時雨が死穢八斎會と手を組んでいる可能性があります」
驚くヒーローが複数人。いずれも地方のヒーローだった。
「誰だソイツ」
「それについては警察の方に詳しい説明をしていただきます」
ナイトアイに促され、警官がスクリーン前に立った。
「どうも特定
死んだ魚のような目をした平井は、早口に話し出した。
「運び屋時雨、本名
スクリーンに時雨の顔が映し出された。
話を聞いていた雄英生のひとり、麗日お茶子はその顔を見て声を上げて驚いた。
「彼女の個性は〈
「めちゃくちゃやな」
「ええめちゃくちゃです。途方もない捜査網を組まねばいけませんから。捜査をお願いしてるヒーローもここにはいますね。いつもありがとうございます」
対象の保護にあたり頭を悩ませる要素が増えたと、空気が張った。
そこにお茶子が声を上げた。
「本当に、
あまりにも予想外の言葉に場は静まり返った。
「どういうことですか?」
「彼女は、その、友達なんです。私の」
口にしてよいものかと、インターン先であるリューキュウをチラチラと見ながら言った。
「後で詳しく話を聞かせてもらいます。で彼女は本当に
「そんな…」
信じられない、といった顔をするお茶子に平井は続ける。
「中学校在学時に同校の男子生徒五人を殺害、同日実の母親も殺害して逃亡。その後全国で強盗を繰り返し、その他彼女の犯行と思しき死体が全国で発見されています。」
まくしたてるように並べられた時雨の経歴に、お茶子は黙ってしまった。
「そいつここにいていいのか?情報漏らすかもしんねぇぞ」
「ッそんなことしません!」
浅黒のヒーロー、ロックロックとお茶子の間に剣呑な空気が流れた。
「やめてロックロック。ウラビティも落ち着いて」
リューキュウが仲裁に入ったが場の空気は重いままだった。
「我々の目的は娘の居場所の特定、保護」
可能な限り、確度を高めなければならない。
「そのためにご協力、よろしくお願いします」
そう言ってナイトアイは会議を締め括った。
そんなことするような子じゃなかった。
まるで今までの全てが偽りだったかのような言い方です。