「来た…!決行日!」
サー・ナイトアイ事務所に再び、ヒーロー達が集結していた。
「本拠地にいるぅ!?」
保護対象は本拠地にいるというナイトアイの言葉に一同が驚いた。
以前の会議で一度ヒーローに見つかった以上、別の拠点に移しているだろうという意見が主だった。
だからこそ地方のヒーローにも声をかけ協力を仰いだのだ。
それが本拠地にいるとなれば驚きはするだろう。
「少し言葉が足りませんでした。正確には最終的には本拠地にいる、が正しいです」
皆が目で続きを促した。
「私は八斎會の構成員に接触し個性を使いました。結果、本拠地で対象をめぐっての大規模戦闘に発展する未来を見ました」
「それより前は?」
「得られた情報は多いですが対象の居場所については分かりませんでした」
あまり良いとはいえない未来の情報に一同は気を引き締めた。
「ですがこれ以上燻っている訳にはいきません。居場所がわからない以上、やれることは一つだけです」
ナイトアイは皆を鼓舞するように大仰に言った。
「明日早朝仕掛けます。全拠点同時捜索です」
「ウラビティ、無理に参加しなくてもいいのよ?」
リューキュウは、サイドキックとして雄英から受け入れたお茶子にそう声をかけた。
それは先達としてお茶子を心配するものでもあったし、ヒーローとして不確定要素を排そうとするものでもあった。
「いえ…やります。ヒーローとして、友達として、見過ごすわけにはいきません」
「そう、分かったわ。フロッピーとネジレチャンを呼んでくれる?当日の動きを確認するわよ」
春にひとりでこっちに越してきて不安だった。
一人暮らしは初めてだし、何もかもが分からなかった。
そんな時に出会ったのが時雨ちゃんだった。
いつも感情が分からない顔をしているけれど親切で、時々見せる笑顔が素敵な子だった。
普段から連絡も取り合っていた。
そんな子が
私と出会った時にはもう
沢山の人を殺した、らしい。
私に親切にしてくれたあの時、あなたは何を考えていたの?
大切な人に花を選んでいた時、どういう気持ちだったの?
どうして私に、素敵なヒーローになれると言ってくれたの?
どれも、いつも、嘘にも演技にも見えなかった。
私が見た時雨ちゃんは間違いなく、普通の素敵な女の子だった。
どちらが本当の時雨ちゃんなの?
分からない。
分からないから、会って確かめないと。
捕まえて、罪を償ってもらわないと。
ヒーローとして。
友達として。