ONE FOR ALL9代目はボンゴレX世 作:鉄血のブリュンヒルデ
僕は床に座り込んでゆっくり息を吐いた。
僕達の目の前には後ろで手を縛られた
まぁ、この人相手にこの程度じゃ本当は無意味なんだけど、どうやらこれ以上僕達と戦うつもりは無いみたいだ。
だから僕は、さっき操物の腕を切り落とそうとした活川さんを止めた。
「いくら私が戦う意志を見せなくなったとは言え、些か敵に対する警戒が足りないと思うのですが」
本人からも言われる始末だけど。
「捕えられる前にも言いましたが、我々はジャック様より、敗北した場合には行動を起こすなと言われています。
しかし私がそれを破らぬ証拠も、そもそも貴方達を背後から襲う為の虚偽である可能性すらあるというのに」
確かにそうだ。
我ながら
けど、これだけは確信を持って言える。
「きっと貴方は嘘をつかないし、ジャックの事も裏切らないと思うんです。
まぁ、ただの勘ですけどね」
言葉が嘘かは分からないけど、少なくともこの人はジャックの言う事を絶対に守る。
度々口にしていたジャックへの忠誠の言葉。
僕にはそれが嘘に感じられなかった。
「勘、ですか。
いやはや。ボンゴレ後継者の感ならば仕方ありますまい」
「え?」
「オイデク。時間がねぇんだ。
さっさと進むぞ」
僕が操物に話を聞こうとすると、それを肩に乗ったリボーンが止めた。
確かに、僕達には時間が無い。
もう二人倒したんだ。後はジャックだけだ。
「あぁ、念の為に申しておきますが、ジャック様に辿り着く為の壁は、後一つございます」
「なっ?!」
後一つ?!
しかも、多分この人を超える強さの人がいる可能性があるって事だ。
もう既にここに着いてから一時間と少しは経過してる。
移動した時間も含めると、もう半分も時間を使ってしまっている。
それにシャマルさんの言葉通りなら、3時間から短くなる可能性すらある。
クッソ!今まで時間をかけすぎた!
「その様子ですと、やはり毒蛇は伝えていなかった様ですね。
この館の中にはあと一人ジャック様への道を阻む者がいます。
その者を倒さなければジャック様は姿を現しません」
「緑谷君、急ごう。
このままでは間に合わない」
「はい!」
早くしなきゃ、炎さんが!
「お待ち下さい」
「っ!まだ何かあるんですか?!
足止めの為なら僕達は!」
「いいえ、その者がいる場所をお教えしようかと思いまして」
……………え?
「この部屋を出て階段より上の階に上がり、すぐにある大きな扉です。
その中のダンスフロアにその者はいます」
「………嘘では、無いんですね」
「えぇ。ジャック様に誓っても」
ジャックの名前が出たって事は、きっと嘘じゃない。
きっと負けた場合は教える様に指示されていたんだろう。
「行きましょう」
「待て緑谷君。奴の言葉を信じるのか?」
「どっち道手がかりもないですし、今はそうするしか」
活川さんも多分それしか無いと分かってる。
だから僕に本当にそれでいいかを聞いたんだと思う。
「君がそれで良いのなら私は止めない。
君達もいいね?」
「俺は緑谷の決めた事なら文句は無いです」
「話してる時間はねぇだろ。さっさと行くぞ」
轟君もかっちゃんもいいみたいだ。
それじゃあ早く行かなきゃ。
「それではご武運を」
そう言った操物を背に、僕達は部屋を後にした。
…………………………
その後僕達は操物から聞いた通りの場所に赴いた。
「なるほど。奴は嘘を言ってはいなかったみたいだな」
扉の前に立つ活川さんはそう言って冷や汗を掻いていた。
「緑谷君。どうやら今回の相手は相当なやり手だぞ。
さっきの操物や毒蛇の比じゃない」
あの二人の比じゃない?
今まで僕達はその二人でさえギリギリで乗り越えてきたのに、それを更に上回る敵なんてどうやれば……。
「おい。何簡単に諦めてんだ」
心が沈みかけていた僕に、リボーンが声をかけた。
「壁がでけぇなら、その分強くなれ。
オメェ達にはそれが出来る、若さって武器があるだろーが」
「赤ん坊のリボーンには言われたくないよ……。
けど、ありがとう」
そうだ。今までの二人だって、きっと昨日までの僕なら勝てなかった。
今日、苦難に共に立ち向かった”僕達”だから勝てたんだ。
大丈夫だ。
僕は一人じゃない。
かっちゃんが、轟君が、活川さんが、そしてリボーンがいたから僕はここまで戦えているんだ。
「リボーン。まだジャックが残ってるけど、もしもの時はお願い」
「あぁ、分かってる。
命子も分かってるな」
「流石にコイツはヤバそうだからな」
話は纏まった。もしもの時は、文句を言われるかもしれないけど、かっちゃんと轟君には下がって貰って、僕の死ぬ気モードと活川さんの切り札で乗り切る。
「行くぞ」
活川さんはそう言いながら扉を開いた。
そこは操物が言っていた様にダンスフロアで、その中心辺りにこちらに背を向けた和装の男が正座で座っていた。
「子供の男が三人に、大人の女が一人。女はかなりの手練れの様だ。
そして、なるほど。アルコバレーノが一人いるな」
男は何かを呟くと、ゆっくりと振り返りながら立ち上がった。
腰から刀の柄のようなものが見えた。
だけど何処にも鞘が見えない。
あれは一体なんだ?
「しかしどうやら傷は浅いようだ。
いやしかし、あの二人も戦闘慣れしていなかったとは言えかなりの個性の使い手だ。
それを倒しここに辿り着いたお前達に賞賛を送るべきか」
顔を上げたその男の顔が部屋の明かりで照らされる。
「「「っ?!」」」
僕とかっちゃんと轟君は、その異様さに目を疑った。
だってその男の瞼は、無数の糸で縫い合わされていたからだ。
どうしてあんな、酷い有様に?
この人が、本当に次の相手なのか?
「ん?驚いているのか?
まぁ無理もない。こんな物を見たら誰でも驚くだろう」
そういいながら彼は自らの目を指でなぞった。
「………っ?!」
ま、待て。
なんで今、僕達が驚いているって分かったんだ?!
明らかに目は塞がっているし、僕達は驚きのあまり声も出せていなかったから、聞こえもしないはずなのに!
「まぁ落ち着け。
しかしそこの女とアルコバレーノは落ち着いている様だな」
女って、性別まで分かるのか?!
それに、アルコバレーノ?
一人だけ呼ばれていない事を考えると、リボーンの事を言っているんだろうけど、一体なんだ?
「ん?困惑しているのか?」
「なっ?!」
今僕は、喋ってすらいないんだぞ?!
まさかアイツの個性は、人の心が読めるのか?!
「困惑と驚愕。
察するに、俺の個性を見破ったのか?」
………これでほぼ確定だ。
アイツは僕の心を読んでいる。
「緑谷、何か分かったのか?」
「馬鹿かオメェは。
デクが何も喋ってねぇのに奴はあたかも俺達が喋っているかの様に喋っていやがった。
そこから暫定的にアイツの個性がこっちの考えてる事が分かる類の個性だってわかんだろが」
言い方はあれだけど、轟君にもかっちゃんが説明してくれた。
「おぉ、ようやく声が聞こえた。
やはり会話は声で無いとなぁ」
嬉しそうに男はそう言った。
「けど、それだけの個性なら俺だけでも!」
「轟君、待って!」
僕の制止も間に合わず、轟君の放った氷はすでに男に迫っていた。
「敵意、焦り、そして僅かな殺意」
それは一瞬で起こった。
光が放たれたと思えば、次の瞬間には轟君の放った氷は粉々になっていた。
「「っ?!」」
「馬鹿!下がれ!」
驚き初動が遅れた僕と轟君は活川さんに襟を掴まれて下がる。
すると、僕達の居た場所の丁度首辺りを光が通過した。
「クソが!何だ今の!」
かっちゃんが苛立たし気に敵を睨む。
「今のは、個性による攻撃ではないな」
「恐らく、あの腰の武器だな。
鞘がねぇのを見るに、エネルギーで出来た刃だな」
「ほう。流石はアルコバレーノだな。
それに女の方も悪くない。
子供はさっきから聞いていた一人ともう一人の激情少年は期待できそうだったが、どうやら微妙だな。練度がまるで低い。
もう一人はもはや論外。
反応してはいたが動けなかった少年と違って、お前は反応すらしていなかった。
味方との連携を考えずに攻撃し、挙句の果て自分の攻撃で自分の視界を塞ぐ始末。
この感じる冷気は氷か。それもかなりの質量だ。
強い個性が故に攻撃が単調で大雑把。
敵に反撃をされない事を前提とした攻撃は確かに格下には聞くだろうが、格上相手にそれは殺して下さいと言っている様なものだ」
まるで教師の様に轟君の失敗点を語る男。
それに対して轟君は今にも二発目を放とうとしていた。
「落ち着け轟。お前じゃアイツには攻撃を当てるどころか、この戦いじゃ足手纏いだ」
「リボーン!そんな言い方ないだろ?!」
リボーンのあまりの言い様に僕は堪らず声を荒らげた。
「うるせぇ。奴の言う事は事実だ。
それに手の内のわからねぇ相手に対して無計画な攻撃なんか悪手に決まってんだろ」
そりゃそうだろうけど、僕が言いたいのはそう言う事じゃない。
けど、今ここで言い争ったって意味がない。
とりあえず僕に出来るのは、考えることだ。
さっきの光は攻撃の前触れなのか、それとも攻撃自体なのか。
この二択なら、きっと後者だ。
だとしたら個性なのか?
けど奴は僕達の考えている事が分かる。
だとしたら、そのどちらかの副次的な効果を、あの武器で強化しているのか?
それとも、個性に関係なくあの武器がそういう機能を持っているのか。
「困惑、いや、思考か。
ずいぶん余裕だな」
「デク。何か思いついたのか?」
リボーンは僕の方を見てそう聞いた。
正直、何も分かっていない。
けど分かることは、目の前の男はまともにやりあっても勝てないって事だ。
「まだ何も分からない。アイツが何処まで心を読めるのか、どこまでがあの攻撃の射程範囲なのか。
とにかく今アイツに近づくのは危険すぎる」
「なら、遠距離戦に徹するが吉か」
そう言って活川さんは懐から数本のメスを取り出す。
「
操物との戦いと同じ様に、活川さんは自らの体を活性化させて身体能力を上げた。
「めんどくせえが、仕方ねぇか」
かっちゃんはそこら辺にある大き目の石を掴み、手の上で転がす。
「僕は、何とか一撃を狙ってみます」
「あぁ」
活川さんに確認をとって、僕は構える。
「なんだ、ようやく来るのか」
男は笑っていた。
不気味だけど、ここでビビってても仕方ない。
「爆豪君は右から頼む。
私は左から行く」
「命令すんなや」
そうは言うけど、かっちゃんは体を僅かに右側に向ける。
僕は腰を落としていつでも攻撃が出来るように構える。
「「っ!!」」
活川さんとかっちゃんは同時に駆け出した。
「しっ!」
活川さんはそのままメスを投擲。
「
かっちゃんは爆破で飛び上がり、手に持っていた石を投擲すると同時に手の平から爆破を起こして石を無数の礫に変えて飛ばす。
あれは多分即席で作った新技だ。
どちらも当たればタダじゃ済まない攻撃。
この攻撃をもし仮に防いだとしても、僕が決める!
そう考えて構えた瞬間だった。
「右から八つ、鋭い。
左は無数、一つ一つ小さいが躱しきれんか」
その声が聞こえ、僕は突撃を止めた。
(そこまで正確に読み取れるのか?!)
僕はそこで気が付いた。
「かっちゃん!」
僕は無意識にONE FOR ALLを発動してかっちゃんの元へ飛び、タックルの様にしてその場を離脱した。その刹那―――。
「っ?!」
「オイ、デクッ!」
背中に、鋭い痛みを感じた。
浅いみたいだけど、触れただけでそこを中心として熱が僕を襲う。
(今のは、なんだ?!
さっきの光といい、奴の攻撃法が分からない!)
僕はそのまま力が抜けて、力無く地面に落ちていく。
と思っていたら、襟の辺りから引っ張られ、次に聞こえる爆破音。
視線を上げると、かっちゃんが僕の襟を掴み爆破によるホバリングで綺麗に着地していた。
「これで貸し借りは無しだ」
そう言ってかっちゃんは僕を放り投げる。
「ふべっ」
地面に落ちた衝撃で変な声が出た。
けど、それだけだ。
背中の痛みはわずかに残ってて、感覚的に出血しているというのは分かるけど、それも大した事は無い。
考えるのを止めるほどの傷じゃない。
とりあえず現状を把握しよう。
活川さんの放ったメスは壁に突き刺さっているから、あれは躱されたんだ。
そしてかっちゃんの技で放たれた礫は地面に着弾はしているけど明らかにその数が少ない。それを見るに自分に被害のあるものだけを破壊したのか?
「デク。一回しか言わねぇからよく聞いとけ。
個性の分析はテメェに任せる。
俺と医者がアイツの手札を炙り出す。
それをしっかりと見とけ」
かっちゃんからまさかの提案。
けど、大丈夫なんだろうか。
信じて無い訳じゃない。
けど、相手が強すぎる上に未知数だ。
それを二人で抑えるなんて。
「すまない緑谷君。
本来私が爆豪君を庇って君に攻撃をして貰う方が作戦的には良かったんだろうが」
「いえ、大丈夫です。
僕も無意識でしたから」
身体強化を使っているお陰で一瞬で僕達の目の前まで移動してきた活川さんを僕の背中に触れて活性である程度傷を癒してくれた。
そして三人三様に構え、
「とにかく、奴の情報を整理しよう。
私は武器に関して分かった、というよりも知識がある。
あれは、そうだな。よくSF映画やロボットアニメに出てくる、熱量で焼き切る類のものだ。
半端じゃなく出力の高いバーナーとでも考えれば分かりやすいだろう。
つまり奴が攻撃する際に放つ光は、その熱量が光となって可視化している状態だ。
その扱い辛さからあまり見た事は無いが、以前マフィ………いや、ヒーローの活動を見た時にそう言った武器を使う輩がいた」
確かに、あの攻撃に触れた時、痛みよりも熱いって感覚が強かった。
けどそんな武器、いくらこの超人社会でも結構なオーバーテクノロジーじゃないか?
個性で似た様な事が出来る人はいるだろうけど、それを個性ブーストアイテムでも何でもなく、武器単体に落とし込むには結構無理がある気がする。
けどさっき活川さんがマフィアと言いかけていて何となく納得はできた。
リボーンの持つ死ぬ気弾なんかが良い例だ。
死ぬ気弾の事なんて正直仕組みも何も分かったもんじゃない。
それを考えると、マフィアの中にそういう超常的な技術があるというのは何となく察しが付く。
前にリボーンから聞いた話じゃ、ボンゴレくらいの古参マフィアになるとその歴史は超常黎明期のさらに昔から存在しているらしい。
それを考えると、もともとマフィアが持っていた技術に個性が組み込まれた結果、そういった技術も発展したって考えられる。
「俺からは、あの個性の断片的な情報だ。
アイツは俺たちの攻撃に対して、事細かに把握している様に見せていやがる。
だが恐らく本質は違ぇ。
偶に聞こえる声の中に『敵意』だの『困惑』だの言っていやがった。
恐らく読み取れるのは感情の種類程度だ。
それ以外の感知はアイツ自身の経験とかとしか言えねぇ」
かっちゃんの意見も納得できる。
だけど一つだけ疑問が残る。
轟君の氷結ならを回避した事はまだ理解できる。
それなら、活川さんのメスの数を当てたのは一体何なんだ?
それにかっちゃんが放った物が礫でありそれが無数である事なんて、経験で分かるものじゃ無いはずだ。
「…………情報が無さすぎる」
「だからそれを今から炙り出すっつってんだろ」
「私と爆豪君でどのくらいの時間抑えられるかは分からないが、その間に君は奴の個性を看破してくれ。
君の情報分析能力が頼みの綱だ。任せたぞ」
かっちゃんと活川さんが僕の前に出る。
そしてさっきと同じ様にそれぞれメスと石を手に持っていた。
「なるべく多く手札を切らせる。
だが無理はするなよ、爆豪君」
「誰に言ってんだ」
活川さんの言葉に、かっちゃんは獰猛に笑って答える。
「そろそろ来るか?」
「待たせて悪かったな」
「心配しなくても、今すぐにでもぶっ殺したらァ…!」
悠然と構える
BOOOOOOM!
硬直を破ったのは、過剰な程に鳴り響いた爆発音だった。
音に反応してた訳じゃないのか?
「しっ!」
活川さんはメスを投げ、そして自身も地を駆ける。
「様子見のつもりか?」
そう言いながら
「っ?!」
「俺を忘れてんじゃ、ねぇ!」
活川さんが地面に着地する直前、かっちゃんがそう言いながら真後ろから爆破による加速で迫る。
「いやいや、そんなに殺意をずっと向けられていれば忘れる事なんて無いさ」
活川さんが地面から飛び上がるのと同時に
そしてそれをそのまま自分のいる点を中心に回転することでかっちゃんへと向ける。
BOOOOM!
かっちゃんはそれがわかっていたかの様に正面に向けて爆破を起こす事で急速に後退しそれを回避する。
今のって、そういう事なのか?
「オイデク!今の見とったか!」
「見てた!」
きっとかっちゃんもこれを狙ってたんだ。
最初の攻撃の時も、二度目も、今も、一度伸びきるとその後から刀身が伸びる事は無い。
最大射程が分からないけど、そこが分かれば対処は出来る。
けど、僕達の攻撃が通らなければ意味がない。
僕のONE FOR ALLを使った加速もかっちゃんの爆破による加速も対応圏内。
そんな相手に、僕が切れる手札は………。
「ねぇ、リボーン」
もう、死ぬ気になるしかないのか?
「待て」
僕がリボーンに死ぬ気弾を撃って貰う様にお願いしようとしたその時、それを止めたのは活川さんの声だった。
「死ぬ気弾を使う前に、私の戦いを見て欲しい」
「え?」
戦いを、見る?
「リボーンもいいな?」
「むしろ頼みてぇくらいだ」
「どういうこと?」
今までの戦いで活川さんの戦い方は見てきた。
確かに活川さんの
「言ったはずだぞデク。命子には切り札があるってな」
そういえば、確かにそう言っていた。
けど、それとこれとに一体何の関係があるんだ?
「まぁ、とりあえず見ててくれ。
あとそこの今にも私を殺しそうな爆発少年を止めてくれ」
最後の最後で無理難題を押し付けられた気がするけど、とりあえず僕は頷いてかっちゃんを鎮めた。
「さて。もう使わないと決めてたんだがな」
活川さんはそう言うと一本の黄色い何かが入った注射器を取り出した。
「そ、それは?」
僕はそれを見て以前ニュースで見た海外で密造されている個性強化薬というのを思い出した。
確か体内の個性因子を活性化させる事で個性の力を数倍にも引き上げるとか。
僕がそんな事を考えていると、活川さんはこちらを苦笑しながら見ていた。
「君が考えている事はなんとなく分かるが、違うよ」
そう言って活川さんは注射器を腕に刺す。
「まぁ見てな。きっと驚くぞ」
そして活川さんは注射器の押し子を一気に押し込む。
「くっ」
そして顔を一瞬だけ苦しそうに歪めた後に、目を大きく開いた。
「っ?!」
僕はその光景に驚愕した。
活川さんの額には、まさしく僕がなろうとしていた死ぬ気モードと同様に、炎が灯っていた。
僕の時とは違い、黄色い炎が
「あれが命子の切り札だ。
命子がボンゴレに居た頃に死ぬ気弾を解析して作った、その名も」
「死ぬ気薬。久しぶりに使うが、これ程気分の悪い代物を私は知らない」
活川さんはまるで、自嘲するかの様に笑っていた。
次回予告!
出久「この
リボーン「まぁこのレベルになると、ガキのお前らじゃまだ厳しいかもな。
参考に、命子の戦いをしっかりと見ておけ」
出久「死ぬ気薬。そんな切り札があったなんて……。
次回!『
更に向こうへ!Plus ultra!!」