ONE FOR ALL9代目はボンゴレX世 作:鉄血のブリュンヒルデ
単純にウマ娘とお絵描きにハマって書く手が完全に止まっていました。
毎回毎回、本当にすみません……。
「な、なんか、気まずいね…」
「そ、そうだね……ハハハッ……」
あの後結局、僕達は同じ部屋に泊まることになった。
何度も断ったのに、変更は明日しか出来ないの一点張り。
ちなみに部屋割りは
母さん、かっちゃんのお母さん。
冬美さん、風間さん。
かっちゃん、轟君。
僕、炎さん。
こんな感じだ。
どうやら活川さんとリボーンはそれぞれ知り合いと会うらしく今日はそれぞれ別のホテルに行くらしい。
それにしても、もう少しやりようがあったはずだ。
けど最後にリボーンに言われた「今度はしっかりボディガードしてやれよ」という一言で、僕は受けざるを得なくなった。
確かにあの時守りきれなかったから今回はしっかり守らなきゃと思ったけど、今思えばテーマパークで誰から守るって言うんだ……。
まぁこの島はマフィアだらけだから危険な事に変わりは無いだろうけど…。
そんなこんなで、とりあえず僕達は2つあるベッドのどちらで寝るかを話し合って、僕が窓側で炎さんが扉側という事になった。
明日も朝から遊ぶため、少し話して10時には二人とも布団に入った。
けど、僕はなかなか眠れずにいた。
僕はふと、隣で眠っている炎さんを見る。
あの戦いから一週間と少し経ち、その間僕はあの時の事を何度も思い出していた。
ジャックの事は、やっぱり許せない。
僕を狙うだけならまだいいけど、炎さんを巻き込んで、挙げ句の果てに憑依弾の力を使って他人の体をまるで使い捨ての道具の様に扱ったアイツが。
けど、それでも、最後にジャックの記憶を見て僕は思ってしまった。
もし僕がリボーンと出会わずに死ぬ気の力に目覚めていたなら、僕もジャックの様になっていたのではないかと。
そうではないと信じたいけど、否定はできない。
炎さんが毒を打ち込まれた時、僕は完全に殺意に飲まれていた。
ジャックの攻撃で消えたとは言っても、僕はあの時一切の躊躇をせずに二人を殺そうとしていた。
そんな僕に、これからヒーローを目指す資格があるんだろうか。
僕はそんな事を考えながら、迫る眠気に身を任せ瞼を閉じた。
…………………………
翌朝、僕達は朝の8時に皆で部屋を出て、一緒にエントランスまで降りる。
するとそこには活川さんとその肩に乗ったリボーンがいた。
二人と合流した僕達はレストランで食事をとり、ランドのエリアへと向かった。
皆は昨日も遊んだけど、僕とかっちゃんと轟君は今日が初めてだ。
こちらに来る前に母さん達は僕達が昨日行った方にも行ってみたいと行っていたけど、流石にそれはマズいからなんとか誤魔化した。
そして僕達は色々なアトラクションを堪能した。
ジェットコースターや、体感型のアトラクション、島の地形を利用した迷路。
轟君はジェットコースターに乗るのが初めてらしく、冬美さんも昨日が初めてだった様だ。
乗った後に少しだけ疲れた様に見えたけど、そんな姿が2人とも似ていて少しだけ微笑ましかった。
この後僕達は昼ご飯を食べようとレストランに入った。
「ふぅ、ちょっと疲れちゃった」
母さんは笑いながらそう言って席に座る。
「あらそう?私はまだまだ遊び足りないくらいよ」
「ババァが何言ってんだ」
「誰がババァですって?」
「ハッ、自覚ねぇのかよ」
今にもかっちゃんを殴りそうなそうなかっちゃんのお母さんを冬美さんと母さんが抑える。
2人はどこにいても通常運転だなぁ……。
なんていつも通りのくだりを終えて僕達は運ばれて来たご飯を食べる。
A5ランクの肉やキャビアとかが普通に出てくるのはもう一旦目を瞑る。
アァ、料理、美味シイナァ。
「ねぇ、この後どうする?
まだ行ってない場所沢山あるわよ」
かっちゃんのお母さんはそう言って料理を口に運ぶ。
「そうですね……。
乗り物系は午前中行きましたし、今度はランドを回ってみるのはどうですか?」
冬美さんも料理を口に運びながら答える。
ランドを回る、か。
確かに今日の朝見たマップだと、アトラクションとかじゃなくて街並みを再現した商店街みたいな場所もあるみたいだし、後はランドの真ん中辺りに大きな城がある。
そういう場所を見て回るのも楽しいかもしれない。
僕達はご飯を済ませて外へ出る。
このレストランへ来る時も思ったけど、こうやって見回してみると一見しただけではここがマフィアが集うテーマパークだなんて思えない。
大人も子供も皆が普通に楽しんで、普通の遊園地と変わらない。
確かにマフィアという肩書きは怖いけど、それでも一人一人は純粋な心を持った普通の人なんだ。
もしかしてリボーンは、僕にそういう事に気付かせる為にここに連れて来たのかな?
「おい、何やってんだ緑谷」
僕が考え事をしていると、前を歩く轟君に声をかけられた。
「そんなゆっくり歩いてたら逸れちまうぞ」
「あ、うん。分かった」
前を歩く皆に少し小走りで追い付き、ついでに活川さんの肩に乗るリボーンを見た。
リボーンは楽しそうにする母さん達を見て笑ってる。
母さん達の労いっていうのも、あながち嘘じゃないみたいだ。
「ん?どうしたデク」
僕が見ているのに気付いたリボーンは僕の方を見ながら言った。
「いや、何でもないよ」
僕が応えると、リボーンは何やらニヤリと笑った。
なんかとてつもなく嫌な予感がする。
「命子に見惚れてたのか?」
「んなっ?!ち、違うよ!」
想像していなかった類のからかわれ方をして、僕は思わず大きな声で否定してしまった。
「なんだ、そうなのか緑谷君。
それは年甲斐もなく照れてしまうな」
「ち、違いますって!」
活川さんもリボーンの悪ノリに乗っかって僕をからかう。
「あら出久君、こういう女性がタイプなの?」
かっちゃんのお母さんもそれに乗る。
なんか、まずい雰囲気に……?!
風間さんもニヤニヤしてるし、かっちゃんと轟君はなんか微妙な距離を置いてるし、オレガノさんはガイドだからそもそも頼りにできないし、頼りになるのは炎さんだけ!
「………」
あれ、なんか黙ってそっぽ向かれた?
なんか怒ってる?!
「まぁ冗談はさておき、そろそろランドの中央の城だな」
リボーンのからかいに油を注いだ活川さんはあっけらかんとそう言った。
何なんだ一体…。
「うわぁ、凄い!」
さっきまでそっぽを向いていた炎さんの声に、僕は前に視線をやる。
そこには某夢の国の城にも見劣りしない立派な城が建っていた。
ランドの至る所から見えたりしてたから大きいなとは思っていたけど、近くで見ると迫力が更に増して見える。
辺りにも炎さんと同じような反応をしている人達が多くいる。
轟君も城を見上げて「おぉ」と声を漏らした。
かっちゃんはいつも通り「ハッ」っと鼻を鳴らして興味が無さそうだ。
僕達は早速中へと向かうが、ここで驚いたのはこの城はトンネルの様になってる訳じゃなく、どうやら本物の城の様だ。
最初に入ったのはエントランスとしても機能し、どうやらパーティ会場としても使えるらしい大広間だ。
年に一度ここで大々的にパーティが行われたり、予約さえすればだれでも貸し切り可能とのこと。
ただとんでもなく値段が高い事は間違いない。
質の良さそうな絨毯に、装飾のスゴいシャンデリア。
明らかに僕達の生活からかけ離れすぎている。
まぁ、旅行は非日常を求めるものだけど、これはなぁ……。
なんて考えていると、後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、肩を叩いたのはどうやら轟君の様だ。
「なぁ緑谷、皆そろそろ次行くってよ」
轟君に言われて母さん達を見ると、パンフレットを見ながら話し合っていた。
僕も流石にこの場違い感溢れる場所には長居したくない。
「うん、僕も」
母さん達の話し合いに参加しようと一歩踏み出した時、背後から何かを感じた。
「っ?!」
振り返ってもそこにはただ人混みがあるだけだ。
さっき感じた何かも、もう既に感じない。
けど、この島に来る時から何度も感じる気配に、僕は確信に迫れそうで迫れないもどかしさを感じていた。
僕は母さん達とにこやかに話す炎さんを見た。
僕の脳裏にジャックに襲撃されたあの瞬間が過る。
これ以上、炎さんの様に関係のない人を巻き込む訳には行かない。
今日の夜にでもリボーンと活川さんに相談しよう。
僕はそんな事を考えながら皆の輪に加わる。
…………………………
その日の夜、僕は本来の部屋割りとなり同室になったリボーンと、事前に呼んでおいた活川さんに僕の感じた気配の事を話した。
「ふむ、やはり君も気付いていたか」
「君も?」
「実は、昨日私とリボーンが夜に別の部屋に行くと言っていたのは、その件だったんだ」
まさか、リボーンと活川さんも気付いていたなんて。
けど、確かにそれはそうだ。
僕の中にあるっていう超直感という力は、あくまでも芽生えたばかりで到底実戦の中では使い物になる段階じゃないってリボーンに言われてたし、それに対して二人はヒットマンとして名を裏社会で轟かせる様な達人だ。
あの気配が本物だったんなら、そんな二人が感じ取れないはずがない。
「気配は感じていたし、相手の目星もある程度ついてはいたんだがね。
何せここはマフィアランドだ。
この島では殺しは勿論だが、戦闘や盗みもご法度だ。
つまり私達は向こうから仕掛けられない限りは何も手が出せないのさ」
「けど、ならなんで僕達には何も言ってくれなかったんですか?」
「いたずらに不安を煽ることになりそうだったしね。
それに今はあの戦いの祝勝会も兼ねているんだ。
そんな時に君達に余計な事を考えて欲しくなかったんだが、君には逆効果だったようだな。
だが決して君を信じていなかったから言わなかった訳じゃないという事だけは分かってほしい」
そうか、活川さんもリボーンも僕達から危険を遠ざけようとしてくれていたのか…。
けど、知ってしまった以上は僕も黙って守られるだけなんて嫌だ。
僕はその旨を二人に伝える。
しかし二人から帰ってきた返答はそれを否定する物だった。
「私は相手の目星がついているとさっき言った。
そして、不安を煽らない為に君達には伝えなかったと。
それは私達なら問題なく対処出来ると考えたが故であって、今回の案件は君では力不足だ」
活川さんの言葉は今まで僕に告げてきた警告や注意とは、明らかに違う声色だった。
だが僕だってここで引き下がりたくない。
僕はなんとか頭を回して説得の言葉を選ぶ。
「けど、僕は死ぬ気モードのおかげとは言っても、あのジャックに勝ったんだ!
二人の足手纏いには!「邪魔だって言ってんのがわからねぇのか」…リボーン」
僕の言葉を遮ったのは、いつもは僕を矢鱈と色々なトラブルに巻き込むリボーンだった。
「命子は長く戦線を離れていたが、それでも裏社会じゃ名の知れたヒットマンだ。
ジャックとの戦いの時は九代目からのお前の護衛依頼が出ていたから、完全に攻撃に打って出ていたわけじゃねぇ。
寧ろ今回はランド側に有事の際は客を守るという約束を取り付けている。
後ろに護るものがない命子は全力で戦う事ができるんだ。
確かにジャックは強かったが、裏社会にはそれを超える猛者が数えるのがバカらしくなる程にいるんだ。
命子はそれを幾度となく屠ってきた。
あの時の命子に勝っていたジャックに勝ったからと言って、お前が命子を超えたわけじゃねぇんだ」
リボーンの言葉が、僕の心に重く沈み込む。
確かに、僕が活川さんを超えていない事なんてよく考えればわかった筈だ。
けど、僕はジャックに勝った事で慢心していたのかも知れない。
かっちゃんや轟君、活川さんと四人で挑んだジャックに最終的に僕は自分だけで勝利したんだと。
そこに至るまで、どれだけ3人に助けられたのかすら忘れて。
「今回、命子はプロとしてこの件に対処する。
そんな所にアマどころか力の使い方を覚えた程度の素人が首を突っ込んでも、返って邪魔になるだけだ」
僕は今度こそ返す言葉が見つからずに黙り込む。
それでもう語ることもないと思ったのか、活川さんは席を立った。
「別に君が憎くて言っているんじゃない。
だが今回ばかりは君は傍観者であるべきだ。
今度はしっかりと夏樹君を護るんだぞ」
活川さんはそう言うと部屋を出て行ってしまった。
「俺は今夜も行くところがあるから、今日はお前一人でこの部屋は貸切だ。
悩むなら好きなだけ悩んで、お前なりの答えを出せ」
リボーンもそれだけ言い残して部屋を出て行った。
それから僕は一晩悩んだけど、明確な答えが出ないまま睡魔に負けてしまった。
次回予告
出久「僕はどうすべきなんだろう。
リボーンは僕なりの答えを出せって言っていたけど……」
次回『
更に向こうへ!Plus ultra!!
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